イチオシレビュー一覧

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恐るべき怪作、誰もが心に獣を抱えている

この物語の登場人物は、敵も味方もモブも、みな心に欠損と飼いならせない獰猛な獣を抱えている。そして、誰もが情動のまま動き死んでいく。どうしようもなく哀しい愚か者ばかり。
だが、それは読者も同じ。違うのは、現実世界では賢しげな倫理や理屈を並べて自分を制約するのに対し、昏い魅力に溢れる登場人物は心中の獣が命じるまま衝動的に動く。後先など考えず。それが、ある種の美しさと呼び起こす。

話の筋からして「なろう」のメインストリームではない。トーンは陰湿で、スカッとしないどころではない。出だしはぱっとせず、話が盛り上がるのも遅い。文体も独特。

だが、スナック菓子のようなものではなく、重くずっと記憶できる作品を読みたいと欲するならば是非読んでみて欲しい。駄作か傑作かを判断するのは44話過ぎまで読んでから。私の判断は★はシステム制約を超えた10をつけたいところ。

単純なチートハーレムでは満足出来ない方におすすめです。

  • 投稿者: ばん   [2021年 08月 25日 00時 48分]
壮大な物語と丁寧な心理描写が両立しており、まるで1年大河をみきったかのような満足感。ライトノベルじゃなく、ハードカバーで書籍化して欲しいくらいです。

才能や環境に恵まれた少年が、転生前の人生の呪縛から逃れられずもがきながら成長していく物語です。

どれだけ現在が優れていても、幼少期の人格形成時に自己肯定感が培われていない場合、満たされないという事が丁寧に描写されています。この先どのように救いがあるのか楽しみです。

物語の流れとしては次々と予想外の展開があるので、先が気になりどんどんと引き込まれていきました。

驚くべきは一章の密度です。一章ずつの文字数が他の小説の何倍もあり、それぞれ短編を読むかのような充実度。
その長い一章の中で誰視点なのかが次々と変わったりするのですが、全く混乱せずにそれぞれの状況や心情がするりと入ってくるのは作者の力量とセンスの為せる技かと思います。

もう、この物語だけでいいんじゃないだろうか、、、

たとえばなろうや、カクヨムの物語の内、どれか一つだけの物語を選べと言われたら、私は迷わず獣の見た夢を選びます。

この物語は、主人公の生き様(死に様?)をまるで追体験させてくれるような没入感を感じさせてくれる作品です。

WEB小説を含めて20年近く様々な小説を読んできましたが、ここまで心を動かされた作品はありませんでした。


今までレビューを書いたことはありませんでしたが、この作品を生み出していただいた感謝と、少しでも作者様の応援になればと思い、投稿させていただきました。




大河ドラマのような名作だと思います。

 歴史小説で言えば司馬〇〇〇、現代物なら山崎☆☆のような成人向けのドラマが展開している小説です。
 R18で注意されることもあるでしょう。
 もしその制限で書きにくいのであれば、続編は最初からR18指定で作成する方法もあると思います。
 小説を書くことは、ある種の創作だと思いますから、続編がR18制限で書きにくいのであれば、変則的ではありますが検討してはいかがですか?
 余計なお世話なのかもしれませんが、その余計なお世話をしてしまう価値がある作品だと笑うので、敢えてレビューしています。

作者さん、お願いですからこの作品毎日更新してください.

  • 投稿者: 紫白   [2020年 02月 09日 04時 41分 ()]
面白い,ただその一言に尽きる。
この作品はハーレムでもチートでもない,ダークファンタジーな作品である!!その為他の小説とは違いより心中に記憶に残る作品である!!!

俺が今まで読んだ,なろう、カクヨムの中で
この作品とカルマの塔しかお勧めすることはできない!

是非皆さんに読んで見てほしい!
そしてこれと同じような面白い作品があったら教えて欲しい!
普通のハーレムチートの物語じゃ満たされないんだ❕

家族と愛と憎しみと、こんなに長いのに、あっという間に読み終わる不思議ビックリ!

前世で悲惨な生い立ちと死を迎えた主人公が、転生して〜と言う設定を
これ程巧みに生かしているのは読んだ事がありません。何故ここまでモチベーションを持ち続けて要られるのか、納得のいく設定です。
転生しても記憶がある以上、囚われた思考に引きずられ心千切れる描写は圧巻です。
家族だからこその柵と憎しみ
根底に有る飢える様なヒリヒリする願望と希求。
徹底して己しか愛さぬ者、ひたすらに求める者、愛故に離れる者、敢て言わぬ者。
生活の中で、戦場にて、極限状態にて主人公アベルと登場人物達は生や死を紡いでいきます。
世界観が壮大で夢中になって一気に読み進めました。興奮冷めやらぬまま。
この作品を読めた幸運を感謝したいです。

是非御一読を!
オススメ!

娯楽作品としても秀逸です。愛について考えたいなら、本書の登場人物の心理と関係性に注目してほしい。そんな異世界ファンタジー。

  • 投稿者: 群青   [2019年 09月 09日 04時 35分 ()]
本作をとても薄く引き伸ばして紹介するならこうです。

愛とは何か、考えるきっかけになる異世界ファンタジー。
前世で父親を殺した主人公アベルが騎士イースや、敵国の王子ガイアケロンとの出会いによって、父親を殺しても拭いきれない自分の欲望、性(サガ)について考え、救いを探す物語。

扱ってるテーマは本書の概要欄にあるように、おそらく「愛」です。また、私は「欲望、そして救い」もテーマのひとつだと考えます。
テーマが重いゆえに、明るい雰囲気ではありません。

しかし、それが本書の魅力だと私は考えます。登場人物が自分の欲(愛、憎悪、将来、金)について悩みながらも、希求する姿に人間らしい汚さと綺麗さを感じます。正しくヒトという「獣」のようです。

異世界ファンタジーのお約束もきっちり入っています。
この作品を多くの方に知ってもらいたい。ぜひこのレビューを読んで興味を持ったなら、御一読ください。

ギリギリの緊張感にあふれた愛の物語!

  • 投稿者: kennichirou   [2019年 09月 01日 17時 12分]
大人の世界ってマジで大変。立場としてのふるまいを考えたり、その場の空気の読んだりと自分を抑えることばかりかも。
この作品の登場人物達もそう。だからこそのリアリティーが存在してる。
戦乱の世の中で主人公をはじめとした登場人物達のさまざまな思い、愛や夢、怒りや憎しみ、そして渇望が強烈な緊張感を生み出しながら物語を推進させてる。
予定調和なんてどこにもなく物語の結末も正直全く見当がつかない。ちょっとあんまりない感じの作品。
それでいて普遍的な愛の物語だったりする。
面白いです。
あらゆる意味で今、ピンチだけど応援してます。

ぜひとも書籍化してほしい作品

  • 投稿者: 退会済み   [2019年 07月 30日 18時 54分]
管理
全体的にダークな雰囲気で生々しいシーンが多数あるため、あまり万人受けする作品ではないものの、この作品には何故か読者を惹きこむ魅力があります。

また、戦闘描写や心理描写が非常に臨場感に溢れている為、バトルシーンの緊迫感はずば抜けています。

ヒロインも魅力的だし、正直、何故この作品が書籍化されないのか疑問です。

何年も前から僕はこの作品が大好きです。頑張ってください。

とりあえず読んでみてほしい物語

  • 投稿者: ラト   [2019年 03月 18日 00時 58分]
 まず最初に言えることは、この作品は決して万人受けする類いのものではないということ。おすすめできる読者層としては、○ピスの心臓とか○ルマの塔とか○こではありふれた物語みたいな作品を好む層とかかな。作風というか、なんというか、何となく似てる気がするしね。
 この物語では完全に正しくない人間や、逆に完全に正しい人間は少なく、それは主人公たるアベル君も例外ではない。暗くて重いところもある世界観だけど、いってみたい!とも思わせてくれる。あともうひとつ、魔法や剣技に変なカタカナ英語をふってないのも個人的には高評価かな。
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