イチオシレビュー一覧

異世界ものを楽しむ時は、いくつか『疑問にしてはいけない』約束がある。例えば『何故異世界なのに日本語が通じるのか』、『何故主人公は本来の世界に戻ろうとしないのか』などなど。これらの疑問をある程度無視しなければ、異世界ものを楽しむことは難しい。

しかしこの作品に限ってその必要はない。何故なら読者の代わりに、主人公がそれらの疑問を解こうとしてくれているからだ。だから読者はそんな疑問を無視しようと努力する必要がない。ゆっくりと主人公の考えと行動を楽しめばいい。

ギャグやお色気シーンも同じだ。物語が自然な流れで作られているから、『無理矢理で作ったような場面』がほとんどなく、故に読み手も自然な流れで楽しめばいい。

『深く考えてはいけない作品』と『深く考えなくても楽しめる作品』は違う。そしてこの『自称平凡冒険者の学園生活』は明らかに後者で、異世界ものが好きな人にはぜひ推薦したい作品である。