イチオシレビュー一覧

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華やかな光、その背後に差す影。

 名もなき奴隷は、いつ来るかもわからない救いを求めず、淡々と毎日を生きる。
 奴隷解放を謳う聖女の活躍が、悪を脅かし人々の称賛を集める影で――その王道の舞台に、近づくことも許されず。奴隷として歳を重ねた彼は、目の前の現実を受け入れながら――それでもなお、小さなパンを齧り、今日を生きる。
 これは、王道の舞台に隠された「名無し」の、小さな一幕。
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