イチオシレビュー一覧

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陽だまりの中で待っているのは、希望か、それとも切ない別れか。

  • 投稿者: 木立 花音   [2021年 11月 24日 21時 41分 ()]
 恋なんてあきらめていた。
 バカでチビでがさつな女子高生、西野彩香。
 恋愛事には縁遠い場所にいた彼女は、清楚な大和撫子である親友の恋を叶える為、日々奮闘していたのだが―?
 
 本作の見所といえば、面白いようにすれ違った恋愛感情のベクトルでしょうか。
 読者からは食い違っている様が見えるのですが、本人らはその事実になかなか気づかない為、見ているだけでニヤニヤできます。
 また、三人称で書かれている本作ですが、心情の入れ方はなかなか大胆。テンション高い彩香の言動と、巻き起こるドタバタ劇とを丁寧に描いた筆致も見事です。

 恋を諦めていた彩香ですが、何かと絡んでくる翔の何気ない優しさに、次第に心を開いていきます。
 しかしそこは、複雑に絡み合った恋心。
 二人がくっついてめでたしとはならないのです。
 
 きっと、全員が幸せにはなれないであろう恋模様。どう収束するのか、見届けてみませんか?

そのジレジレに目が離せなくなる

  • 投稿者: カバタ山   [2021年 03月 05日 02時 12分]
「それなんてエロゲ?」

ランキングから作品に入ったは良いが、数行読んだ瞬間に感じたこの言葉。それも一度や二度ではないだろう。
自分もその一人であり、以来魔境からは距離を置くようになった。

──もっと安心して読める作品はないものか。

このレビューを見ている貴方がそう思っているなら、とても幸いである。

食パンを咥えて曲がり角でぶつかるような冒頭、その相手がクラスメイトであるような展開、最悪から始まる物語。

古臭くはあるが王道のお話。こういうのは読んでいてとても安心する。
勿論、定番の三角関係もある。そして、自分の気持ちに気付かない二人。

「こういうので良いんだよ!」

と素直に言える作品である。

等身大の主人公の空回りっぶりに、気付けば"次へ >>"をクリックすること請け合いだ。
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