イチオシレビュー一覧

「誰か助けてくれ。上司がまた無理難題をねじ込んできた」

この「やれやれ」は、ほんとに同情できる「やれやれ」です。

作品の主人公は苦労人で、優秀で、そして優しい中間管理職です。
おっと、優しいと言っても「どうでもいい人」という意味の優しさではありません。
彼は「大切なのは気持ちだよね」というわかったような言葉は使いません。どちらかと言えばツンデレです。

そんな彼には、無理難題の突発的な上司からの命令が降りかかります。まったく、やれやれです。
さらに、出張に行った先では理不尽なことが降りかかります。もうほんとにやれやれです。

それでも決して、彼はツンデレの奥に秘めた優しさを失いません。
しかも、どんな理不尽なことも自分の力で解決しちゃう！　こんなん絶対惚れてまうやん！

女性の読者は主人公に惚れてください！
男性の読者も女性にモテたい方はぜひとも読んでください！

仕事のウップンは仕事で晴らす！これが男（社畜）のカタルシス解消法！？

仕事ができる人間には、さらに仕事が集まっていく。
「おい！ あいつら暇そうにしてるじゃん！ あっちにも仕事回せよ！」
とは言えない日本の労働環境を、剣と魔法のファンタジーワールドに再現！w

剣と魔法と科学と文明の発達した豊かな国・カンバリア共和国。
安定した国家にありがちな縦割り行政が習慣化しています。
魔法師団と冒険者ギルドもイザコザが絶えず連携は期待できない。

主人公は、そんな政府組織・魔法師団に所属する平公務員。
現場に出ればチャラいイケメン冒険者と揶揄される彼は、実は地方の有力貴族の次男坊。
貴族が公僕の下っ端仕事など通常はやらないため、変な気を使われ、同僚からは疎まれちゃう。

だけど、心配はいらない。彼は魔法の知識と才能はピカイチ！
徐々に明かされていく隠れチートが大炸裂！

国家の犬といえば悪役。払拭されぬイメージは、それが魔物ならなお更。

人間と魔物が共存する国、"カンバリア共和国"。さらにその東の中心都市"コーカル"。
絵に描いた平和は突如として、異様な魔力を含んだ、衝撃波に塗りつぶされた。
被害を被った人々は助けを求めた、国家の犬に。

カンバリア共和国魔法師団、結界課魔法陣修繕係、コーカル支部。次々と上がる被害報告に駆り出される、ネロ・リンミー。
忙しい彼を呼びつけたのは、上司の"サヴァラン"。そして兄であり市長である、ロキ・リンミー。

『極秘のタリスマン』『極秘任務』『極秘な出張』
様々な思惑が飛び交う中、ネロは渦中に飲み込まれていく。それを語ることは出来ない、なぜなら極秘なのだから。
続きは是非、あなたの目で確認してほしい。

不定期更新中！　全26話！ ぜひご一読下さい！

オリジナルの世界を描くのは、大変しんどい作業を経る。
何しろ、作者の頭の中にしかない世界を伝えなければならない。

薫風の勇者　春雷の勇者　或いは双生の魔王
まず、その世界がしっかり構築できている。
魔法がある世界だけども、その根本の成り立ちについて、作者がよく把握しているのが判る。

キャラクターも良くたっている。
主役とその他、ではなくて、主役と周囲を固める脇役の配列がきっちりしている、と感じる。
人間を感じさせる造形が、読んでいて感じ取れた。

地の文が十分に書き込まれていて、情景の描写も入っている。作者の中にある世界を、読者も細部まで見る事が出来る。

読み応え十分な作品です。