イチオシレビュー一覧

作品構成の二面性的な巧さと面白さが豊潤に混ざり合った良作ですなぁ。

なろう系の勘違いコメディの流れを踏襲しながらも作者様の際立ったセンスが作品を一つも二つも上のステージに押し上げている雰囲気が伝わってきますなぁ。

特にキャラが立っておりグッドジョブです！

皆様、春の夜長にこちらの良作系勘違いコメディを読まれてみてはいかがでしょうか。

ポイントも感想もレビューも欲しい作者のために、レビューを書いてしんぜよう。

すると作者の更新速度にバフがかかるのだ。

以下本題

この作品は、悪徳領主であるルドルフ様がとある目的のために、領民や様々な相手に悪逆非道を尽くす作品です。
ルドルフ様の視点と、その他の視点の構成となっており、悪逆非道を行う側と、される側という視点の違いによりとある面白さを味わうことができます。

そう、タグ欄を見るといいでしょう。
そこにヒント、というよりほぼ答えが有ります。

同じ光景を、ここまで違うものとして、面白いものとして書けるのか。

さあ皆さんもルドルフ様すごいと崇めるのです。
その念が、とある場所に届くことでしょう。

この作品の見所かい？その情報は高くつくぜ。

おいおい、こっちはカタギ相手に勉強してやってんだよ。グラスを傾けながら気楽に話す内容じゃないんだぜ。お前さんがあの辺境伯の事を少しでも知れば余りのヤバさに失禁確実だっつーの。そんな相手の情報だ。俺なら財布ごと渡しても惜しかねーな。

ッチ！！これだから素人は。アメリカ人が聞けば家に帰ってママのおっぱいでもしゃぶってな！って言われんぞ、そんな生っちょろい考えはよー。

あの辺境伯が意外といい人？アリエネーあぁ、わかったわかった。人の意思を善意ととるのも悪意ととるのも受け取る側の主観でしかないっつー話だな。じゃあ、あんたが読んで判断してくれや。

とりあえず、最初の四話まで読んでください。話はそれからだ。

三話までは「んん？なんぞこれ？？」という風に、面白さがよくわからないまま進みます。ぶっちゃけ私もそうでした。
でもあせっちゃダメ！ブラバは待つのよモルダー！
そして四話以降、怒涛のネタバレラッシュ！
でも読者さんは「多分こういう内容でこういう展開なんだろ？はいはいワロスワロス」と思いながらページを開くでしょう。

面白い！

「きっとこうくるよな……」と思いながらもドキドキしながら次のページに進むあなたがいるはずです。
予想は裏切り期待は裏切らない。この作品はそんな感じです。
さぁ、このレビューを読んでるあなたもいますぐ、レッツ悪徳！

　悪役風に振る舞いながら善行を積む話はありふれているけれど、この主人公は違います。最初の数話を読んだ読者は「なんだルドルフって悪い奴じゃん！」ってなると思います。その後の解答編で「ルドルフって良い奴じゃん！」となるかもしれませんが勘違いしてはいけません。ルドルフは悪い奴なんです！　本人悪さを振りまいているのにそれが逆の方に転がって勘違いが重なり結果として善行に繋がると言う、負の連鎖ならぬ正の連鎖。互いで異なる認識を紐解いた時、どっと笑いが込み上げる事でしょう。
　それはさておき御柱たんが可愛い。。

あれ？コメディだよね？しばらくはそう思いながら読み進めました。

タイトルにある通り、悪徳領主らしい振る舞いをする主人公のルドルフ。そんな主人公に若干のストレスを感じながらも、奥行きのある設定といたる所に散らされる伏線らしき言葉の数々が私をこの物語に引き込みました。

これは面白くなるぞと姿勢を正して読みだした矢先の第四話、ここで一気にコメディ色が強くなります。それからはもうニヤニヤの連続でした。職場の休み時間にニチャニチャと笑う私を、周りの同僚が指をさして笑っていました。そして気付いたのです、この作品は読んでいない人間をも笑わせてしまう力があるのだと。

まずは一話から四話まで読んでください。一週間のお試しサンプルのように、まずは四話まで。それ以降は多様な文体で読者を笑わせにくる、コメディらしいコメディ作品が楽しめることでしょう。

「ふふっ」て笑いたい方におススメです。