イチオシレビュー一覧

　性同一性障害の女主人公――朋が織り成す、恋愛物語。

　自分のことを男だと思っている主人公が長年の思いや自分の感情との葛藤に心を掴まれる話です。

　文章の綺麗でわかりやすい書き方。
　キャラクター達の個性的な性格。そして、意外な感情。

　親友とのすれ違いや感情のすれ違いの末にたどり着く結末。

　とても考えさせられるテーマであり、またこんな恋愛があればいいなと思わせてくれる作品です。
　とうとう完結して、今なら一気に読むと涙間違いなしでしょう。

　話が進む事に移ろう主人公の心の流れを感じてほしいです。

　完結、お疲れ様でした！

　物語を綺麗だと思ったのは、とても久しぶりの感覚でした。このお話は性同一障害を持った男の娘が（外面の性別は女だが、内面においては男であるためこのような表記に）自分の恋について悩む、と言ったものです。

　こらの魅力は主人公だけでない、その周囲の様々な人たちの複雑な精神状態を綺麗に表している点です。皆それぞれに苦しんでいる。そんな思春期の少年少女が見事に描かれています。私は、そんなものとは無縁な青春を送ったので、羨ましい限りです。

　一度は読んでほしいこの作品。適度な短さなのでお手軽に手に取れると思います。是非ご一読。