イチオシレビュー一覧

人に勧められて読んでみましたが、その方には本当に感謝しています。
ビックリする程面白い。
ネタばれを書くわけにはいかないですので曖昧な書き方になってしまします。
当初の予想は覆される。
こ奴らは滅ぼされるべきという連中はキッチリ……でスッキリする。
なんでこんなメに……というキャラクターは、それがラストに続く大切なピースで構成の凄さに驚く。
こんなもんタダで読める。良い時代です。

私は＊＊＊共に天誅を与える『第十四日：０１【ミリッツァ＝カラックス】★』の部分がもっともっと読みたかったです。

勉強、運動、人間関係など全て駄目な女主人公（特殊能力無し）が未来人の実験体に選ばれてしまい同じく実験体に選ばれた人々（特殊能力有り）との殺し合いに参戦するというかなり強烈な物語です。

人間関係も駄目な主人公ですが作中ではある事実を知った後、そのアレな性格を全開にして壮絶な戦いを繰り広げます。

戦いの描写はもちろんなのですが、特筆すべきは登場人物の心理描写。
相手も実験体であるがゆえのそれぞれの考え方が確かな筆力で表現され様々な人物に感情移入してしまいます。

さらにこの作品はイラストが多数ありますが、その出来栄えは秀逸の一言です。
なろう作品数あれど、ここまで作品とシンクロしたイラストは中々お目にかかれないと思います。

既に完結した作品であり、これまで書籍化したら絶対買うのにと悶え苦しんでおりましたがこの度書籍化が決定したとの事で少しでも多くの方に知っていただければと思います。

　突然、未来人が来て実験に選ばれた。能力を授けると一方的に言われた挙句、特殊能力は【何も無し】と告げられたら。
　実験が殺し合いと知り、生き残れるだろうか。

　主人公、小夜子は幼なじみ恵梨香を愛し『女神』と信じ惚れ込んでいた。『女神』を「えりちゃん」と呼びセクハラするが、「さっちゃんのエロすけ」とかわす。笑顔で。

　過酷な実験を、女神と過ごすため生き抜こうと奮闘。対戦相手は特殊能力を持ち、生き残るのはとてつもなく大変。が、ある日を境に『勝ち続ける』と誓う。
　特殊能力を前に、必ず仕留めると己を奮い立たせる。どんな困難を目の前にしても、特殊能力を持たず向かい続けていく。

　最後の試合、まさかの展開に私は狼狽。小夜子の気持ちを知るのは、無理だ。

　絶望からの狂気と狂喜が素晴らしく、清々しい。
　鈍器で殴られたような、刃物で切り付けられたような、突き刺されたような感覚を味わえる極上作品。

現実でも未来人が用意した殺し合いフィールドの中でも何も持たない小夜子。そんな彼女が愛する者のために命を懸ける様は、ただただ胸を打たれる。仏教における苦に「求不得苦」がある。人間の苦しみの一つが、求めているものが得られない、思う人の心が手に入らないということだ。小夜子はなんの見返りも求めず、愛するものの救済のために、自分の手が血で汚れることも、地獄に落ちることも覚悟の上だ。壮絶な場面や殺戮シーン、軽いGLシーンもあるが、どうかその向こうにある愛を感じてほしい。生きている間に感じる苦が、少しだけ安らぐかもしれない。

私はこれまでに、これほどまでに完成された物語と出逢ったことがありません。
人物描写、心理描写、情景描写、構成、設定、過不足の無さ。

たったひとつ、心残りというか、
「できればこうあってほしかった」と思わずにはいられない部分があります。
この物語の結末が、決して100パーセントのハッピーエンドではないことです。

それすらも、この物語が完璧であることの一部分です。

美麗なイラストももちろん素晴らしいこの作品の魅力ですが、
この物語の持つ文の潔さ、登場人物たちの激しさと儚さに、
読み終わった今もまだ魅了されてしまったままです。

久しぶりに読み返したら、この面白さを誰かとシェアしたくて溜まらなくなりました。
沢山の人に読んでみてほしいと思い、筆を(？)取ります。

無能力のナード(オタク)ガールが未来への片道切符をかけた能力者バトルに巻き込まれる話。

特筆すべきは、戦闘描写・心理描写・戦いの展開のうまさです。
完成度が高く作者の物語を作る技量がうかがえます。
どの試合展開も面白く、物語に関わらなかったその他の能力者たちの試合も覗いてみたいと思えてきます(確信)

とりあえず少し読んでみてください。刺さる人には物凄く刺さると思います。

※ 注意 レズ・グロ・鬱展開を含みます。

未来人からデスゲームの実験体に選ばれてしまった主人公「小夜子」。1つの能力が与えられるはずだったが、まさかの外れで無能力！？
本作品、この「無能力」の使い方が非常に上手いと思います。単純に戦いが不利になるってだけじゃない。バトルシーン以外の部分にも絡んできて、読み終わった後にうなってしまいました。う～ん、上手い……

あと、本作「あなたの未来を許さない」では途中でタイトルが回収されます。タイトルが回収される物語は良作。

またイラストレーター「jimao」さんによる挿絵も注目ポイントでしょう。キャラの雰囲気が伝わってきてすばらしい出来栄え。

面白い物語に、上手い絵。作品としての完成度は小説家になろうの中でも最上級じゃないでしょうか。ぜひ読んでみて欲しい作品です

完結したのでレビューを。
主人公はなんの能力も持たない、とりえのない女子高校生。しかし小夜子には生死を賭けて戦わなければいけない理由が……。
読み進めるごとに小夜子の印象が、物語の感想が変化していきます。そして最後は、誰にも想像がつかなかった未来へ。
手に汗握るバトルの描写と仕掛け。そして、ちょっぴりいろんなことが欠けている人たち。それがとても人らしく、愛しくもあります。ガールズラブ要素があるとはいえ、これは愛情や友情と言ってもいいと思うので、食わず嫌いせずに是非。美味しいものって人に勧めたくなりませんか？　素晴らしい映画は感想を言い合いたくないですか？　それとも、そっとひとりで大事に胸にしまっておきたい？　私は、この物語を多くのいろんな人と共有したい。「エンターテイメントは人の記憶に残ったら勝ちだよ？」西荻窪ランスルーのセリフで全力でオススメしようじゃないか！