イチオシレビュー一覧
▽レビューを書くしゃりしゃりと、
ただ、しゃりしゃりと
そのつぶりは、夢を喰む。
その音が、彼の夢を喰む。
彼にとっての現実とは、どこなのか。
彼のとっての夢とは、どこなのか。
そんな全てを、
しゃりしゃりと、つぶりは優しく喰んでいく。
おーい そっちへ行っちゃいけないったら。
そっちとはどっちだろう。
彼は、ただ、ずっと
夢を見る。
宮沢賢治を彷彿とさせる様な、独特のファンタジィが、読み手に忍び寄る。この独特の世界観はもう、読んだ後も、あなたを放さなくなる。
ほら、もう、音が、そこに
しゃり しゃり と。
ただ、しゃりしゃりと
そのつぶりは、夢を喰む。
その音が、彼の夢を喰む。
彼にとっての現実とは、どこなのか。
彼のとっての夢とは、どこなのか。
そんな全てを、
しゃりしゃりと、つぶりは優しく喰んでいく。
おーい そっちへ行っちゃいけないったら。
そっちとはどっちだろう。
彼は、ただ、ずっと
夢を見る。
宮沢賢治を彷彿とさせる様な、独特のファンタジィが、読み手に忍び寄る。この独特の世界観はもう、読んだ後も、あなたを放さなくなる。
ほら、もう、音が、そこに
しゃり しゃり と。
心地好い作品である。
構成、世界観、そしてキャラクタ。そのいずれもが心地好い。
一、構成。
文章のリズムが好い。苦しさのないリズムだ。また展開が好い。少しずつ謎が解けてくる。
ひだりの螺が微笑みかけてくるようだ。心地好い。
二、世界観。
救いがあるような、ないような。たぶんない。不思議な世界である。
ひだりの螺と会話しているような、夢の世界だ。心地好い。
三、キャラクタ。
ひだりの螺が魅力的だ。恐怖、嫌悪、絶望を体現したようなキャラクタである。だがそれが心地好い。
ああ。ひだりの螺ちゃんに愛して貰えるのならば。死んだって構わない。
構成、世界観、そしてキャラクタ。そのいずれもが心地好い。
一、構成。
文章のリズムが好い。苦しさのないリズムだ。また展開が好い。少しずつ謎が解けてくる。
ひだりの螺が微笑みかけてくるようだ。心地好い。
二、世界観。
救いがあるような、ないような。たぶんない。不思議な世界である。
ひだりの螺と会話しているような、夢の世界だ。心地好い。
三、キャラクタ。
ひだりの螺が魅力的だ。恐怖、嫌悪、絶望を体現したようなキャラクタである。だがそれが心地好い。
ああ。ひだりの螺ちゃんに愛して貰えるのならば。死んだって構わない。
少年の見る夢は、虚夢か寂滅か
- 投稿者: 退会済み [2016年 09月 14日 14時 54分]
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風の吹き上げる渓谷。
幻想的な光景から始まる不可思議な物語。
渓谷に渡された板の上に立つ子供たち。「アケガラ」「キンポウゲ」と呼び合う少年と少女。彼らは誰なのか。なぜこのような場所にいるのか?徐々に明かされる少年の現実。
少年は夢を見る。そして少年の見る夢は悲しくも優しい。
しゃり しょり しゃり── 夢を食む音。それは少年をどこへ連れていくのか。
シュールな物語に見る夢は、虚夢か寂滅か。
幻想的な光景から始まる不可思議な物語。
渓谷に渡された板の上に立つ子供たち。「アケガラ」「キンポウゲ」と呼び合う少年と少女。彼らは誰なのか。なぜこのような場所にいるのか?徐々に明かされる少年の現実。
少年は夢を見る。そして少年の見る夢は悲しくも優しい。
しゃり しょり しゃり── 夢を食む音。それは少年をどこへ連れていくのか。
シュールな物語に見る夢は、虚夢か寂滅か。
この物語を読む時、読者はきっと、この物語ではない、自分の中にある、別の物語を同時に目撃することになるだろう。
それは、今まで自分が見たり読んだり、あるいは体験した様々なシーンや、物語だ。もう忘れてた、でも確かにあった、今は戻れない、景色や匂いや感情や、場面や、あるいは誰かの、後姿かもしれない。そうした有形無形の感情やイメージや記憶が、読んでいる間中、この物語が奏でる冷やかにして幻想的なイメージとオーバーラップして、読者それぞれに、その人だけの物語を提供するだろう。
少なくとも自分にとってこの物語は、海馬に埋もれた、もう1つの物語にリンクし、それを揺り動かし、生起させる、「ひだり巻きの螺」に違いなかったのだ。
記憶の旅が始まる切符は、確かにここにある。
それは、今まで自分が見たり読んだり、あるいは体験した様々なシーンや、物語だ。もう忘れてた、でも確かにあった、今は戻れない、景色や匂いや感情や、場面や、あるいは誰かの、後姿かもしれない。そうした有形無形の感情やイメージや記憶が、読んでいる間中、この物語が奏でる冷やかにして幻想的なイメージとオーバーラップして、読者それぞれに、その人だけの物語を提供するだろう。
少なくとも自分にとってこの物語は、海馬に埋もれた、もう1つの物語にリンクし、それを揺り動かし、生起させる、「ひだり巻きの螺」に違いなかったのだ。
記憶の旅が始まる切符は、確かにここにある。
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