イチオシレビュー一覧

本作の魅力は何と言っても、無理無くアレンジされた和製ファンタジーテイストと、タイトルを表す三名のメイン登場人物三名にある。
まず一人目は、主人公の君彦。
彼は和製ファンタジーモノの主人公に於ける準必須条件「穏やかな気質」と「霊媒体質」を併せ持つ人物だ。
人の良い彼は誰に対しても善意を以て接し、知恵と機転と純粋な思い遣りや愛の心で様々なトラブルや危機を乗り越えていく。
次の二人目は、ヒロインの響子。
彼女は凶悪な悪霊に憑依された事から意味無く男性に求められ続けた事から生粋の男嫌いになってしまった悲しき女であり、その気の荒さは筋金入り。
しかしながら彼女が時折見せる善意は、ツンデレ等という垢まみれの言葉では表せない程興味深い。
続いて三番目は、猫又。
君彦に憑く妖怪の彼は一見不摂生な雄猫だが、読み進めていくとその隠された魅力に気付くだろう。