イチオシレビュー一覧

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人は古代より鏡に魅入られてきました

醜いもの、美しいもの、痛いもの、心地よいもの。
常に表裏があり、実質同位する物。そんな物に人間は心惹かれ、そして恋焦がれてきたんじゃないでしょうか?

そして思春期の子供はその心というものが映す鏡に何が映るんでしょう? 理想の自分でしょうか? それとも醜い自分なんでしょうか? 

本作の主人公 千鶴さんは、美しい死に方に拘ります。美しい死に方とはどんな死に方でしょうか? 
彼女は、特殊な主人公ではありません。イジメられている子に強く関わるわけではないけど、手は差し伸べますし彼女はモニターの先にいるような既視感すら感じさせます。彼女の願いは何処にあるのか、そんな彼女は終盤に少女から女性へと変わっていきます。

それは些細な変化かもしれませんが、救いの形という物の不完全なれど形成する瞬間を私は感じましたよぅ^^
この場を借りてお礼申し上げます。素晴らしい作品をありがとうございました!

見えない空気に人は溺れる。

  • 投稿者: 白河律   [2017年 03月 21日 20時 19分]
生きる、とは素晴らしい事だとみんなが言う。

それが、只の言い古された決り事にしか聞こえない。
もう只、生きる事なんて出来ない。
この生が、許容できない現実があるから。神様もヒーローもいない。

ただ、漠然とある不安や生に色付けるように、刺激的に他者をいたぶる学校。

向き合えない家族。

ありきたりの幸福すらそこには無い。

だから鶴を折ろう。世界に、自分の生に見切りを付けるために。

宙に揺蕩う金魚のように、その想いは呪いのように〝ワタシ〟を蝕む。

常識はワタシを救わない。
だから彼岸を渡った彼女の姿をワタシは見る。

しっとりと美しく……そして病んでいる物語。

  • 投稿者: りょー   [2016年 12月 19日 09時 08分 ()]
 タイトルの通り、重いです。
 生と死に真摯に向き合った作品です。
 『小説家になろう』では流行らないシリアス一辺倒です。

 先ずはそこに拍手を贈りたいと思います。
「書きたい物を書く」
 作者のそんな気概を感じるのです。

 肝心の文面は、しっとりとしていて美しささえ感じました。「詩的」と表現しても問題ないと思います。一人称なんですけどね。圧倒的でいて、どこかフワフワとした不思議な世界観が構築されています。

 千羽鶴と云う「死へのタイムリミット」が迫る中、明らかになる真実に驚かされました。まだ投稿途中という事も有り、全ては語られていないはずです。それでも衝撃を受けました。

 『なろう』で流行らない題材だからこそ、お読み頂きたい。その為、レビューさせて頂きました。

 ―――フワフワとして重い。

 そんな矛盾を感じて下さい。

 

 
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