イチオシレビュー一覧

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自然な優しさを感じる作品です。ご一読をお勧めします。

  • 投稿者: 水渕成分   [2020年 09月 08日 05時 51分]
家紋武範様の「看板短編企画」参加作品です。3700字ちょっとのローファンタジーで、とても、読みやすいです。

登場人物は「お坊様」と「あやかし狐」。先に「お坊様」視点。後に「あやかし狐」視点で語られます。

舞台は中世の日本らしきところ、状況は過酷です。「お坊様」は空腹なのに、食べるものがない。

そこで、お地蔵様へのお供えをいただきます。ところが、眠って、目を覚ましてみると、新しいお供え物がある。これは……

「お坊様」と「あやかし狐」。お互いが、この過酷な状況の中、思いやっています。

そして、最後に分かることとは……

自然な優しさを感じる作品です。ご一読をお勧めします。

妖(あやかし)は もののあはれに なに思ふ

  • 投稿者: 退会済み   [2020年 08月 16日 01時 45分]
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峠の地蔵に業の影
結ぶ縁(えにし)はあはれな想ひ
嘆き苦しみ途方に暮れて
まこと人の世は罪深きけり

迷いし者よ 惑いし者よ
常世の三叉路 彼岸の果てへ
巡る宴(うたげ)は永久(とこしえ)に
願ふ御霊(みたま)よ菩提樹へ

貴き者よ 安らかたれ



※せっかく下の方が雰囲気のあるレビューを贈って下さっているので、私も倣ってみました。

この物語を一言で表すなら、慈しみ。
行き倒れのお坊さんと狐っ娘との、心安らかな物語です。
素敵な読後感を約束します。

透明なしずくのように、切なさがながれていきます。ちょっと古風に紹介してみます。

狐と坊主の見逢うた先の

狭間で出会うは、菩薩か鬼か・・・

無財餓鬼たる、この世の鬼の、最後に願うは親子の情け。

輪廻の輪に浮く一輪の

花の願いは儚くて、叶わぬ願いが願いなり。

古風に紹介するとこんな感じかな・・・
うまく伝わるといいけど・・・・・・・。

とにかくいいですよ。
のんびり死体のお勧めでも、かなりお勧めです。
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