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高慢、高飛車、女王様のヒロインが、その身を堕としたのは、誇り高き吸血鬼……?

  • 投稿者: 退会済み   [2019年 03月 20日 19時 25分]
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 寒い冬の深夜、二階の窓を叩かれ、カーテンに手をかけた瞬間、聞こえてきた声は、いちおう幼馴染のものだった。

『こんなになっちゃいましたの』
 と、わずかに開かれた口からは、真っ白い歯が垣間見えた。長く、尖った犬歯は、まるで牙のようだ。そう……、吸血鬼のそれだった。

 片手に、護身用の十字架握りしめ、理由を質せば、実家を追われて来た……らしい。
 外の寒さと人情の冷たさに、泣きながら主人公の下へとたどり着いた……ようだ。

 普段の、お嬢様の威厳は何処へやら……?
『今回のことで十回くらい心折られたんですの……』
 吸血鬼もたいへんだ⁉︎

 主人公に対して、吸血鬼となったお嬢様の行動も言動もおもしろい。
 お嬢様に対して、主人公の頭の回転の速さも、これまたおもしろい。

 交わらない、ズレたベクトルのまま進む物語は、おおいに笑え、ちょっぴり泣ける。
 いろんな意味で……ね⁉︎
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