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日本初の火星探査機~あの時、何があったのか~

  • 投稿者: 初心者   [2017年 04月 03日 04時 50分]
とても良作な短編です。

宇宙をゆく火星探査機と、地上のプロジェクトチーム。その両者のやりとりは、まるで映画を見ているようです。

難しい説明や専門用語、くどい言い回しはほぼありません。

専門的な状況はわかりやすい比喩表現で噛み砕き、いくつもの困難を「火星探査機のぞみ」と「プロジェクトチームのメンバー」が一丸となって乗り越えていく様子に、まるで自分が一緒にいるかのような錯覚を起こさせてくれます。

また文章の構造や流れがとても読みやすく、作者様の筆力が凄まじく、冒頭から末尾まで一定のリズムで落ち着いて読むことができます。

当時を知る人も、知らない人も関係なしに、読めば納得の一作だと思います。

夢を乗せ、望みを乗せて君は行く

火星探査機『のぞみ』は、27万人の希望を望みを乗せて、宇宙へと向かった。

激しくも静かな宇宙は、決して優しくは無く、『のぞみ』は、遥かな空を、海を、沢山のトラブルと戦いながらも独り行く。

地球から見守り、指示を出すスタッフ達は遠隔で指示を出しながら戦う。その激しさの中で必死にのぞみを探して。

その遠く果てしない旅路は、先達として、未知を削り、宇宙への道を作った。

のぞみは、望みに。
望みは希望に。

これは宇宙をかけた希望の、『のぞみ』の物語。
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