イチオシレビュー一覧

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脳へのインセンティブ!何故ならそれはこの作品が疾走しているから。

  • 投稿者: 相木ナナ   [2017年 10月 19日 23時 18分]
何故高揚感が湧くのか、それはレビューだけでは語りきれない。退魔士というセンスだけでもぐっと痺れる言葉なのに、それを活かし切るキャラクターと描写は読者を退屈させてくれない。様々なキャラクターが居る中で主人公の存在感はバランサーとして存在しつつ、おいしいところはきちんと回収するのは作者の高い技術だ。また、本来は作品について語るべきあとがきとして使われる汎用性を作者は作品に出てくる単語をピンポイントに拾い上げ、辞書然として紹介すると共にハイセンスを見せてくれる。本編だけに無理に説明を押し通さずにこれだけスマートに読者へアピールできるところは、全てを作品化するという最大の表現だと確信した。あとはページを押していくだけ!貴方もこの作品にダイブしてください。

ハードボイルドの硬さもある和風アクション異能作品

退魔、アクション、手汗握る攻防、そしてハーレムーー

哀愁感を漂わせる主人公の生き様は、
昔、背伸びして買ったハードノベルのそれを彷彿とさせますが、それだけではない魅力がこの作品にはあります。
様々な個性を持った女キャラクターたち……
主人公の過去に関わる彼女たちからは、まさしく今の、生き生きとしたライトノベルにふさわしい強さを感じることができました。

現代で繰り広げられる和風異能アクション、それだけでも十分に読者を惹きつける強みがあるとは思いますが
男主人公だからこそ抱く悩みや葛藤はハードボイルドにも通じる固さがあり、そこがまさにこの作品の魅力だと言えるでしょう。
かといって難しすぎず、堅苦しすぎない文体もお見事です。

硬派さと共に、いい意味でのライトノベルの勢いを持つこの一作。
大人の方にも青年の皆さんにもぜひ一読してもらいたいです。
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