イチオシレビュー一覧

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上品な雰囲気で紡がれる女性向けファンタジーの王道

下町で働く少女レティシアは雨の日の路地裏で怪我を負い倒れている少年を見つける。
身なりから近隣の住民ではない少年は厄介事に巻き込まれていることが明らかであり、彼女は躊躇しながらも少年を家へと連れ帰り治療を施す。
しかし目を醒ました少年は自分の名前や素性などの記憶を失っていた。
記憶喪失の少年を見捨てる訳にもいかず、レティシアはそのまま家で面倒を見ながらも、共に暮らすうちに互いの距離を縮めていく。
だが彼は本当はこの国の王子であり、彼女はかつて予期した通り厄介事に巻き込まれていくのだった。

平凡な少女が記憶喪失の王子を拾ったことから始まるラブファンタジーです。
本来ならば出会うことのない育ちも価値観も違う二人が紡ぐ物語は非常に魅力的ですし、全体を包む落ち着いた雰囲気は良質な文章に支えられてより作品の完成度を高めています。
じっくりと恋愛要素を楽しむことが出来る、とても上品で面白い作品です。
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