イチオシレビュー一覧

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実家のような安心感

 吟遊詩人にも詩われる、伝説のクランの名を継ぐ宿屋【金の星亭】。
 一泊銀貨1枚の安宿の息子に転生した川端幸司は、前世の知識を活かして宿屋を立て直していく。
 迷宮帰りの冒険者の泥を落とし、変な味のする母のスープに手を加え、追加料金で朝食にもう一品。
 時には探索の必需品を忘れた冒険者にコンビニ感覚で物を売る(モンスターのハンターなら、一度はドリンクや罠を忘れた経験があるだろう)。
 1つ1つは些細なこと。
 しかしその積み重ねで徐々に金の星亭は往年のにぎやかさを取り戻してゆく。

 剣や魔法は控えめ。
 でも実家のような安心感がこの物語にはあふれています。
 日々の生活に疲れた人は、一度覗いてみてください。

俺もこの転生がしたいよランキング 第1位!

すまない、ウソだ。そんなランキングは無い。
でもあったら、間違いなく上位に行くだろうね。

どういうわけか30歳日本人サラリーマンの俺、『川端 幸司』の記憶があるが、ぼくは『ルカ・クリューガー』、6歳。この家の長男だ。

子供に戻って、異世界で人生やり直し。
ああ、これだよこういうの。辛い現実から逃避できるような、ひどくぬるい転生が読みたかったんだよ~。


    甘いわ。

どこの世界にいようが、労働からは逃げられない。
「だけど、これはちょっと手入れしないとなぁ」
「最大の問題は、純利益が少ないことだな」
「しかし、なんとか冬がくるまでに窓と壁の穴は直したいところだな」

転生先は、さびれた宿屋。
つつましくも生活する大家族の長男に転生した主人公。
6歳だろうが何だろうが、父と母と、兄弟たちを助けなきゃ。

 ぼくはこの世界で幸福に暮らしたい。
 その為に、俺がいるんだから。



一気に引き込まれました!

前世の記憶だけで奮闘するショタっ子が魅力的です。
家族や友達とのほのぼの場面や、ギルドを相手に知恵で乗り切る場面なども魅力ですが、マヨネーズのエピソードを読んだら、著者のマヨネーズエッセイも読むと、より分かりやすく楽しめると思います。

読みやすく分かりやすい文章で、情景描写や心理描写が丁寧で、作品の世界観に無理なく入れます。

休日に一気読みしてしまいました。

ショタっ子の成長や、これからの新たな学校編の展開も楽しみな作品です。

俺は宿屋を立て直す! 『必殺ショタスマイル』で!

この作品は、天使のような7歳の美少年が『必殺ショタスマイル』で相手を籠絡させ、世界有数の宿屋オーナーとしてのし上がっていく成り上がり物語……ではありません。ごめんなさい。

潰れかけの安宿の息子に憑依した30歳営業マンが、自重という言葉を忘れて宿屋の立て直しに翻弄する物語です。とにもかくにも、この主人公の少年が可愛らしい。中身が、30歳? 良いじゃないですか、可愛ければ。ただしこの『必殺ショタスマイル』、作中では男性陣にばかり効果があるようです(笑) 全体的にほのぼのとしているので、日常系のまったり進行がお好きな方にオススメです。

文章はさらりとしていながらも、読みやすく一瞬にして情景が目に浮かびます。さすがは、作者様の趣味が演劇というだけのことはあります。体一つで、全ての時代の可能性を表現することができる作者様が描く、異世界トリップ。どうぞあなたもお試しあれ!
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