マギクラフト・マイスター

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投稿者: くとぅぐあ  [2017年 03月 27日 13時 43分] ---- 男性
一言
空間断絶結界?凄いバリアが出来そうですね!
それにしても例の空間の振動。一体何なのでしょうか?
自然現象か、人為的なものか。私、気になります!←チョツト古いw
投稿者: ヴェルツ・エスカ  [2017年 03月 27日 12時 21分] ---- ----
一言
アフター・ストーリー


 ゼロは地下の牢屋で石畳の床に座り、ロザリオを磨いていた。

「魔王、か。マリア教の教えでは、怒らせない限りは良い奴なんだがなー」

 手入れと宗教の祈りを済ませ、虚空に次元の裂目を展開して、自分だけが入れる、居住性を持たせた空間に移動する。
 便利なモノを知っていると、不便なモノを使う気には成れない。
 それが人間の性
さが
である。無理に慣れようとすればストレスが溜まるものだ。
 シャワーをカラスの行水宜しく手短に済ませると、着替えて地下牢に舞い戻った。

「どう出るか、見物だ」

 国そのものをぶっ飛ばす魔法は、いつでも発動出来る。
 謁見の間とシルエットの自室、最初の城に泊まった宿屋。
 そして、夜の間に国を国境にあわせて一回りした。

「……少し寝るか」

 三日くらい徹夜しても平気だが、寝れる時に寝ておくのも必要である。
 そのまま壁に寄り掛かって寝てしまう。


 夕暮れ頃に目覚めると、丁度良くシルエットがやって来た。
 背伸びしてみると、固まっていた関節がよく鳴る。

「あ、起こしてしまいましたか?」
「いいや、今目覚めたところだ」

 耳を澄ますと、地下牢へと続く階段方向が騒々しい。

「問題でも合ったか?」
「先程、ドラゴンが現れました。しかし御安心を、我が屈強な騎士団と魔法部隊が、見事に討伐するでしょう」
「……どうかな。案外、魔王討伐に駆り出されるのが嫌で、手抜きして怪我人続出だったり」
「相手が相手ですから、手抜きはしませんよ」

 疑り深いゼロに対して苦笑いするシルエット。

「なら、様子でも見て来よう」
「お気をつけて、行ってらっしゃいまし」

 ゼロは転位して、地下牢から城の上空へと現れる。
 高度一万メートルから自然落下しつつ、城へ襲いかかるドラゴンを見下ろす。

「……まぁ、訓練してればあんなもんだろ」

 ドラゴンは夕日に照らされているからか、全身が桃色に近い色で、西洋に良く出てくるような姿をしている。
 魔法部隊が放つ火球や氷塊を受けて、頭の角は折れ曲がっていた。
 翼の膜にはバリスタの矢、脚に槍、首元に剣が刺さっている。

(チックショー。そんなにあるなら、少しくらい鮭を寄越せよな!)

 ドラゴンの声無き声がゼロに聞こえてきた。

(鮭が欲しいのかい?)
(うお! びっくりした。オイラに話し掛けて来るのは誰だ!?)
(上だ、上)

 ドラゴンが首をもたげると、ドロップ・キック体勢のゼロが間近に見える。

(うっほ! 危な――)
(――避けれたと思ったか?)

 どういう訳か、ゼロは避けられた瞬間にはもう、回避方向にあるドラゴンの顔面に向けて、蹴りを入れていたのだ。

(ま、まだまだ!)
(では、君の泣きを見るまで、蹴るのを止めない)

 翼、角、首、尻尾、胴体、脚、ありとあらゆる場所に、顔面と同じだけの威力があるドロップ・キックが突き刺さる。時には浅く刺さっていた槍や剣が蹴られては、深々とドラゴンに刺さっていく。

「ヒャッハー!」

 雑魚っぽい掛け声を出しつつも、絨毯爆発 の如き蹴りは止まない。
 やがてドラゴンは気絶したのか、城の一郭へと墜落する。

「ドラゴンを蹴れるなんて、いい時代に来たものだ」

 締

めの言葉も雑魚っぽく聞こえてしまう。

「よし、コイツは飛行手段にしよう」

 騎士達が解体しようとやってくるが、ゼロの眼光に畏れとって引き返す。
 止めを刺した手前、かなり強く出れるのだ。
 遠くの方にて、部隊長へ言っていると思われる、報告を聞く限りでは、怪我人こそ出たものの死人は出なかった模様。
 影では少し濃いめの桜色に見えるドラゴンに、意気揚々と小型になる魔法を掛けて、地下牢へと引き摺っていく。

(気が付いたら、知らないうちに身体が縮んでしまっていた)
(……俺、其処まで黒くないよ?)

 全長が約二十メートルもあった体躯は、今や約二メートルしかない。

「大きかったのが、ここまで小さくなると可愛いですね」

 シルエットは小型化しているドラゴンを、疑いもせずに眺めている。
 聞いても魔法で片付けられると思っているので、聞くだけ無駄だと悟ったのだろう。

「名前は、蓮
れん
。使い魔にしてヤンヨ」
「……ア、あー。赤巻き紙、黄巻き紙、青巻き紙、緑巻き紙。良し」
「区切って言ってたら、早口言葉にならねーよ!」

 右の頬に当たる部分をビンタする。

「ペプシッ! な、殴ったな。良くもオイラを殴ったな!」
「いい加減に返事しねーと、鮭はやらんぞ?」

 蓮の顔を此方に向け、ドスの効いた声音で脅すゼロ。

「イエス、マスター。今日からファミリアになる蓮です。宜しく、もとい、夜露死苦!」
「はい、よく出来ました。コレが今日の分」

 虚空より鮭を取り出し放り投げる。が、地下牢なので天井に当たり跳ね返ってしまう。
 しかし、鮭はゼロに当たる直前、反射角度が急激に変わり、蓮の口元へと飛んでいく。

「ストラーイク!」

 口を開けていたので丸呑みし、翼を畳み隅へ移動すると、蓮は丸くなって寝てしまった。

「使い魔をあまりイジメるのは感心しません」
「イジメてはいない、スキンシップだ」

 常套句を言って正当化してみるも、シルエットの視線は冷ややかだ。

「……悪かったな、蓮」
「いや、オイラは気にして無いから、別にどうでも良いけどね?」

 ごめんなさいと謝るゼロを見て、満足そうに微笑むシルエット。

「ところで、答えは出ましたか?」
「答えが出た瞬間、君の国は滅ぶぞ。シルエットごと滅するかどうかの、些細な違いしか無いけど」
「すみませんやぶ蛇でした。答えが出ても言わないでいいです!」
「そうか、知らぬ間に国が無くなってもいいのか」
「物凄く答えずらいですね!」

 恐怖心を煽る言い方をされて、震え上がるシルエット。
 それを見て、好きでも無いのに、好きな子に意地悪してしまうのと代わらない状態だな。と、ゼロは内心で溜め息をつく。
 認めたくはないし、認めたら自分の命も終わりかねない。
 非常に危険な橋を渡るような、そんな心境でもある。

(おそらく、魔王は……)

 予想通りなら、死を覚悟して挑
のぞ
まねばならない。


 夕食を持って来たシルエットだったが、ゼロは既に食事を終えていた。

「毒なんて入ってないですよ?」
「分かっている。薬が入ってるんだろ?」

 解毒魔法は薬には効きにくい。だが、薬の摂りすぎには効果がある。

「失礼な、睡眠導入剤です」
「また、面倒なモノを」

 薬に効きにくいのと同様に、毒にも薬にもならないモノに対しても、解毒魔法は効果が薄くなる。

「惚れ薬よりはマシですよ」
「盛られ掛けたのか、余計に食べたくないな」

 嫌そうに顔を背け、用意した自前がベッドに潜り込む。

「お休みなさい」
「お休み」

 シルエットはゼロのベッドを羨ましそうに見ていた。


 蓮はシルエットが立ち去ると地下牢から出て、鉄格子前に立つ。
 すると、いつぞやの小さな影が天井より壁を伝って、牢屋前に降りると、蓮の前に並ぶ。

「どうも、先輩方。新入り使い魔の蓮です」

 お辞儀して座り込む。

「ええ、名前もらって調子にのってます。まあ、オイラは飛行手段らしいので、戦闘にはあまり参加しません。後輩らしく、先輩方へ見せ場は譲りますよ」

 小さな影の一つが勢いよく飛び上がり、蓮の頭上を旋回する。

「では、また後程」

 小さな影達が居なくなると、蓮はゼロのベッドへ潜り込んで、自身の身体を抱きしめさせて寝る。
 ドラゴンとは爬虫類に近しい変温動物、マスターの寝苦しさを解消する為なら、同性といえども密着するのに躊躇いは無い。


 ゼロは早朝に起きると、蓮を連れて城の中庭に向かう。

「飛行訓練を行う。蓮、そのままの状態で、俺を何処まで運べる?」
「この見た目のままなら、全速力で約一キロ。見た目は変わらずに、中身を本来の能力値に戻せば、全速力だと約五千キロはかたいよ」

 ゼロは思案して、肩に蓮を掴まらせる。

「常に後者でいろ。そんで今回は初っぱなからアクロバットに飛べ」
「了解」

 飛び立つと、その小さな翼より繰り出される風圧に、中庭の草花が千切れて吹き飛ぶ。
 上昇するにつれ、千切れた草花の葉や花弁が舞い上がる。
 水やりをしようとやって来た庭師は、この惨状を見て茫然としてしまった。

「……確かに速い、速いんだが。自分で飛んだ方がより速いな」
「そんな事言われても、コレが全力でさー」
「小回りはヘリコプター以上、速度は戦闘機並み、アクロバット飛行は零戦に若干劣る。確かに、コレで不満な、俺が異常なんだけどな」

 宙返りしてなんちゃって似非
えせ
木の葉落とし。
 上下逆転しての亜音速飛行。普通の人間なら、装備無しの重力加速度になんて、絶対に耐えれない。
 加速度に比例しての風圧や気温の急激な低下もある。
 ゼロはそれらを衣服と魔法だけでやり過ごしていた。
 いや、幾ら魔法が摩訶不思議であるとはいえ、今回の飛行訓練では、魔法だけではとても説明出来ない。何か特別なチカラを使っているように感じてしまう。
 だが、それを証明する事も指摘する事も、この場には居なかった。

 清掃中の中庭に降り立つと、庭師の放つ殺人光線から逃げる様に地下牢へと走る。

「あの庭師、出来る!」
「マスター、鮭くれよー」

 虚空より鮭を出して、マイペースな使い魔を黙らせつつ、自身も食事を摂った。
 朝食を持って来たシルエットは、鉄格子の外側で眺めつつゼロの分を食べてしまう。
 とはいえ食べ過ぎたりはしない。こんな事もあろうかと、自分の朝食は抜いて来たのだ。

「後で謁見の間に入らして下さい」
「人員が決まったか?」

 ゼロの問いにシルエットは頷く。


 謁見の間に転位すると、大臣達は驚愕の面持ちでゼロを見てくる。

「人員について、お話しがあるそうですね?」
「うむ、昨日の――」
「――無礼者!」

 ゼロはその場から動かなかったにも関わらず、大臣達の腹を殴って見せた。
 揉

んどり打って気絶する大臣。

「おい、王様。天丼は見る分には面白いと思うが、体感すると面倒臭いんだぜ?」
「説明はしたし、半ば予想される傾向ではあったが、対策はなかった」

 なら、仕方ない。上が言っても聞き入れない下なんて、上を嘗めてるのだから。
 王政が聞いて呆れる。
 ゼロは無言で催促し、ロザリオを手に持つと鎖を指に引っ掛けて回す。

「昨日あった。ドラゴンの襲撃で出た怪我人は抜く。ああ、これが資金だ」

 宰相が麻袋一杯に詰めた金貨を、ゼロの隣に置く。

「重傷人は仕方ないが、軽傷人は連れて行く。擦り傷や打撲程度で討伐を降りようだなんて、片腹痛いなー」

 口元は笑っているが、目が笑っていない。

「なんなら重傷人は俺が治療してやる。司祭だから治療魔法は得意だぞ? 蘇生魔法も出来る。死んだって死体が五体満足なら、一日以内に生き返らせてやる。寿命以外なら冗談抜きで可能だ」

 暗に、怪我しても治すから這ってでも討伐遠征に参加しろ。そう脅しているのだ。

「け、検討しよう。騎士達にも家族がいるからな」

 ゼロはそれもそうかと思いつつ、麻袋を虚空にしまう。

「他国の説得は?」
「魔物の被害を受けていない、後方の国は難航している。それ以外では概ね騎士の派遣が決まった」

 ゼロは回していたロザリオを掴み、足元の床に投げつける。

「その言い方だと、被害を受ければ此方に着くんだな?」
「着くかどうかは分からん。今まで会議に呼んでも、参加すらしなかったからのう。……何を?」
「ソイツ等が兵隊を温存してるから、派遣したくないってんなら、サクッと潰すだけよ。召喚
サモン


 国王の問いには応えず、桜色の小さなドラゴンがゼロの前に現れた。

「後方の国を引っ掻き回せ。報酬は鮭とマグロ、鯨の肉。働き次第ではキャビアにフカヒレも付ける」
「働き次第って、何か曖昧ですよね?」
「む、そうだな。近衛騎士を中心にキルして、現王族の大半にトラウマを与えて来い」
「期限は二日間で?」
「そうだな。まぁ、厳しい注文だし、後で増援を送り込む」
「イエス・マスター。直ちに始末して来ます!」

 ドラゴンは翼を捻って敬礼っぽくすると、尻尾や翼の端から砂の様に崩れていく。
 だが、桜色の砂は床に散らばる事も無く、空気中へ溶け込んでいた。

「……国内の騎士達は?」
「いや、お主その話題転換はムリが――」

 いつぞやのビー玉サイズの魔力球が、新調されたばかりの椅子を穿つ。

「――何でもない。……買い換えたばかりなのに」

 ゼロはロザリオを拾い、国王の元へと歩み寄る。

「トリック

・オア

・トリート
民か
?」

 何を問われているか分からないが、とんでもない脅迫をされている事だけは、なんとなく雰囲気で分かる国王。

「騎士達は召集させた。しかしながら、お主の言う事に従う者は皆無だろう。ただ、シルエット王女になら従う者は多い」
「それは仕方がない。つーか、俺に騎士の指揮は無理だし」

 頷くとゼロはロザリオを首に掛ける。

「王女の装備は用意出来たかい?」
「自衛は一通り出来る。が、なるべくなら戦わせたくない」
「王女以外を召喚部屋に、据えて措けば良かったかもな? そうすれば、こんな面倒臭い事にはならなかった」

 国王はじっとゼロを見つめる。嘆息したいが、すれば椅子が犠牲となり、ツッコミを入れれば己の命か、国そのものが消えて無くなりかねない。

「第一王女や王太子には会って無いが、どうせシルエット王女とは、似ても似つかない性格何だろうしな? もし、ソイツ等で性格が気に食わなかった場合。この国は知らぬ間に、地図上から消滅していただろう。猶予をもぎ取ったシルエット王女に感謝しな」

 宰相が国王の代わりに倒れた。

「残り二日だ。期限も守れないようなら、問答無用で終わらせてやる。生きたいなら、頑張って形だけでも取り繕ってみせろ」

 そう、言い残して唐突に転位する。


 高度一万メートル上空を飛行しているゼロ。
 向かうは後方の国だ。

「死に行く全ての人間を覚えておこう」

 蓮が小さな影達を輸送しては、各国に点在する砦のバリスタから狙われている。
 しかし、身体強化魔法の影響か全くの無傷だった。
 薄い翼膜を狙われても、容易く弾かれる始末。
 小さな影もそれは同様で、弓矢も、槍も、剣も、魔法だって当たっているのに効いていない。
 逆に影達は騎士の目や鼻、口の中へと入り込み、窒息死させていく。
 手で防ごうにも、冑や衣服の内側を、執拗に這いずり回られては堪らない。
 遂にはまとわり着かれている騎士に向けて、魔法や弓矢が降り注ぐ。
 それでも影達は怯みすらしない。
 蓮は影達を下ろすと、直ぐ様次の砦へ向かう。
 更には援軍である鳥が加わり、劣勢は最早覆らない迄に至る。

「奴等は容赦無いなー」

 王城へと辿り着く頃には、ほとんどの砦が炎上しては瓦礫の山と化すのだった。
 しかし、不思議な事に死体の数は異様に少ないのだが、それを確かめる騎士は居ない。
 王城の守りは流石に堅いのか、蓮は近付けない様子。
 それでも抜け穴は必ずある。
 下水道より死神達が侵入し、糧食を狙いに殺到する。
 鳥が庭から入り込み、次いで小さな影達が後宮に忍び込む。
 そして、更なる援軍が草原より駆けつけた。
 それは騎士の足でもある馬だ。
 野生の馬を手懐けるのは難しいが、子馬から育てていけば軍馬にも農作業の馬にもなる。
 故に、城の近辺に存在する馬を持たない騎士達は、躍起になって捕まえようと奮闘した。
 付近の農民達も馬目当てに捕獲しようとやって来る。

「……お馬さんは大人気だな」

 まだ続く。牛、羊、山羊、犬、猫。
 野生なのに敵意が無く、馬以外は逃げないので、子供達も参加しての大捕物。ちょっとした密集地帯は動物園のような感じに成ってきた。

「降って湧いた幸運ってか?」

 数こそ多くないが、普通なら疑問に思うものだ。
 しかし、逃げたりしないが為に、早めに自分のモノだと主張するべく、家へと連れて行く人が多い。
 放っておけば貴族や役人に、税金の代わりに持っていかれてしまう。
 ただの農民に家畜を買い替える余裕は無いのだ。
 そうこうしている内に、城は地獄絵図を催してきた。
 王族は訳の分からぬままに、避難しようと城から出てくる。
 しかし、一体のドラゴンが馬車の前に降り立つ。逃がしたら報酬が貰えないから、蓮は待ち伏せだってやる。
 付近の騎士達は馬に気を取られている為に、駆けつけては来ない。
 馬車に乗り込んだ護衛だけでは、どう頑張っても蓮には敵わないだろう。
 例え、国内最強の剣士だとしても、勇者の使い魔に勝てる道理は無い。
 勇者とは、剣技と魔法に優れているからこそ、人間代表を名乗れる。
 つまり、人間の中で一番強い者なのだ。
 その使い魔は使い魔の中で、一番強い使い魔となる。
 それ以前の問題として、ドラゴンと人が戦えば竜殺しの剣を持たない限り、ドラゴンに呆気なく焼かれてしまう。

「おっ、戦うのか?」

 高みの見物と洒落込むゼロ。
 ちなみに王族を宛てにしてはいけない。
 平和な国の場合は、所詮お飾りが多いのだから。
 蓮に斬りかかる護衛剣士。
 長剣の一振りを翼爪で逸らす蓮。
 剣士は驚く、ドラゴンの戦い方では無いからだ。
 翼爪を戦闘で使う事は確かにあるが、手の如く剣を挟んで軌道を逸らすなんて事はしない。
 蓮は更に身体を、八の字を描く様に動かし爪を振るう。

「デンプシー・ロール!?」

 交互に繰り出される爪を長剣で捌くも、接近し過ぎていたが為、次第に捌けなくなり冑をむしり取られる。
 連打の攻撃が終わると、剣士は血塗れで満身創痍の体たらくだった。
 ダメ押しとばかりに、蓮の鱗へ潜んでいた小さな影が殺到しては、口腔内や傷口に入り込んで行く。
 腸がはみ出ていた部分は傷口が押し広げられ、更に腸が零れ落ちていった。

「……エグい殺し方だ、恐ろしい子!」

 馬は怯え行者は気絶、反対に馬車の中は騒がしい。
 蓮は小さな影にお任せして飛び立つ。
 しばらくすると悲鳴が挙がり、その反動で馬が暴走した。
 激しく蛇行して進む馬車は、やがて車輪が石に乗り上げ、少し宙を舞って横転し、馬を巻き込んで停止する。
 しかし、不幸中の幸いな事に王族は生きていた。
 小さな影達が最後の最後に守ったのだ。

 同じように各国を襲撃させていき、約束の二日後に蓮は報酬を上乗せされて、大層ご満悦だったそうな。
秋ぎつね    [2017年 03月 27日 13時 39分]
 力作ありがとうございます。

 長い(しろめ

>便利なモノを知っていると、不便なモノを使う気には成れない
 ですよねー
>着替えて地下牢に舞い戻った
 地下牢にいる意味ないよね
>少しくらい鮭を寄越せよな!
 まさかのw
>もとい、夜露死苦!
 どこの族だ
>失礼な、睡眠導入剤です
 おいw
>変温動物
 ああ、暑い夜は快適w
>コレで不満な、俺が異常
 確かに異常だw
>あの庭師、出来る!
 怖かったのかw
>こんな事もあろうかと、自分の朝食は抜いて来た
 悟っているな……
>現王族の大半にトラウマを与えて来い
 もはやこいつが魔王
>買い換えたばかりなのに
 お察しします
>奴等は容赦無いなー
 どうの口が言うw
>デンプシー・ロール
 マニアックなw
>最後の最後に守った
 なるほどトラウマが……

 もうこいつが魔王でいいよ

 いつもありがとうございます。
 これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
投稿者: 偽モン  [2017年 03月 27日 08時 43分] 23歳~29歳 男性
一言
仁のロードローラー…
トランスフォーマー的に人型に変形するゴーレムとか!
エドガーと合体とか!

そういえば変形機構のあるゴーレムって登場してないんですね…
フォームドライブ形式とか無垢の金属(ゴルグ)とかはあるのに…
秋ぎつね    [2017年 03月 27日 09時 39分]
  御感想ありがとうございます。

>仁のロードローラー
 名前はコンダラ1、2……?
>変形機構
 今のところ必要がなかった(展開的に)からでしょうね……。
 仁はゲ○ターよりマジ○ガー派かも?

 これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
投稿者: キノこネコ  [2017年 03月 26日 20時 48分] ---- ----
一言
舗装専用ロードローラーゴーレムとかどうですかね?

礼子「ロードローラーだッ!」

めめたぁっ!!
秋ぎつね    [2017年 03月 26日 21時 53分]
  御感想ありがとうございます。

>ロードローラー
 といえばあのシーン。
 でもめめたぁはカエルですよねw

 次回もお楽しみに。
 これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
投稿者: ねこ丸  [2017年 03月 26日 20時 21分] ---- ----
一言
>「ジン、きちんと文章で取り交わそうぞ」

リース王女、村の子供達と駆け回って遊んだり一緒に温泉で『裸の付き合い』にこだわりが無かったり、王族としてはかなりリベラルなのに、きちんとケジメをつけるべきところを押さえているのがイイですね。

ただ、取り交わすなら、『文書』としたほうがいい気がします。
秋ぎつね    [2017年 03月 26日 21時 14分]
  御感想ありがとうございます。

>リース
 やはりちゃんとした教育を受けていますね。
 根はしっかり者ですし。
>文書
 仰るとおりです。
 修正します。

 これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
投稿者: ジョン=ブリアン  [2017年 03月 26日 19時 14分] ---- 男性
一言
>3度目の空間振動の発生場所について
更新、お疲れ様です。
つまり、震源の絶対座標に変化はなし、と。
まあ、絶対座標を言い出したら、セランも銀河内を公転していますが、震源があくまでアルスの公転面に追従している辺り、本当に人為的な匂いが。


21日の朝、仁は『コンロン3』を使って、リースヒェン王女とパウエル宰相を連れてトカ村へ
ハ「おねーちゃん、また今度ね!」
マ「姐さん、おつとめご苦労様!」
パ「……姐さん……」
ク「姐さん、また来て下さいね?」
ジ「姐さん!元気で!」
貸「うむ。ハンナもマリオもパティもクルトもジェシーも、皆、息災でな」
…………
仁「いやあ、村の子供達も、すっかり殿下に懐いちゃいまして。今やガキ大将ですよ。……ジュース1本で
  チョロすぎるような気もしますが。別に殿下の奢りでもないのに」
宰「……いや、あれはガキ大将ではない、また何か別の……」


>もちろん、練習だからといって手を抜くようなことはしない。むしろより丁寧に行う、それが仁である。
まあ、技術を物にするための練習で手を抜くようでは、技術者としては失格ですし。
……でも、避難訓練なんかでも、率先して大まじめに取り組んでそうなイメージが。
秋ぎつね    [2017年 03月 26日 19時 25分]
  御感想ありがとうございます。

>発生場所
 頭の中では設定していたのに……ということで御指摘ありがとうございました。
>絶対座標
 その場合どこが基準点になるのか……
>姐さん
 おぅふw
>ジュース1本でチョロすぎる
 子供ですし
>また何か別の
 ですねえ……まあカリスマがあるということで。
>技術者としては失格
 ですよね。
 往々にして試作機の方が性能いいことだって……
 エ「連邦の白い悪魔?」
 仁「どっからそんな知識……」

 これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
投稿者: でぼちん  [2017年 03月 26日 18時 55分] ---- ----
一言
仁が出っ張ってるけどカイナ村の発展というよりラグラン商会の定期(?)便用に整備進めると見た方が良いのかな?

カイナ村では無くても困らないがあると非常に便利って物がメインで作ってるからラグラン商会通じて広めるには流通大切だもんね

後日談として宰相はお城の図書館のハンナ向けレパートリーを気に入り本を読みに行きたい、リースはハンナ達と遊びに行きたいと利害が一致しリースのお供しますとか言って宰相自ら熱気球操縦してリース連れてカイナ村に訪ねてきそうだ(笑)
秋ぎつね    [2017年 03月 26日 19時 19分]
  御感想ありがとうございます。

>ラグラン商会の定期(?)便用に整備
 そんな感じですね。
 また、ファミリーのリシアを援助する目的もきっと。
>後日談/宰相自ら熱気球操縦して
 逆にリースに説得されて……かも。

 これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
投稿者: Tony Lewis  [2017年 03月 26日 18時 02分] 23歳~29歳 男性
一言
そのうち舗装機械とかしたゴーレムが製造される予感ですねw
秋ぎつね    [2017年 03月 26日 19時 11分]
  御感想ありがとうございます。

>舗装機械
 ロードローラーに何かを加えたイメージ、でしょうかね……。
 次回もお楽しみに。

 これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
投稿者: ショーグン  [2017年 03月 26日 17時 42分] ---- 男性
良い点
>10日ほどで終わるようなスケジュールで

マギロードローラーでちょちょいっと。

それにしても10日とはさすがに自重しましたか。
「ジンなら次の日にはもう終わったと報告に来てもおかしくないのじゃ」
秋ぎつね    [2017年 03月 26日 19時 11分]
  御感想ありがとうございます。

>10日
 さすがにロロナたちのことやクライン王国のメンツを考えたのでしょうね……。
>ロードローラー
 舗装が進めば必要になりますね。

 これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
投稿者: ヤマさと  [2017年 03月 26日 17時 02分] ---- ----
一言
確かにこれまでって口頭での約束・契約ばっかりで契約書の形で残ってませんでしたね
後世の歴史学者達は苦労しそうですなあw
秋ぎつね    [2017年 03月 26日 17時 24分]
  御感想ありがとうございます。

>契約書
 そうなんです。
 そもそも仁はその場で作り上げたりしてましたしね。
 辛うじて、カイナ村を租借地にしたときくらい?

 これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
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