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[一言]
あにめ三期(´-ω-`)
あにめ三期(´-ω-`)
- 投稿者: あたま
- 2018年 07月18日 01時12分
[気になる点]
このエピソードがどうなるのか、
すごく気になりますし、楽しみです。
更新、気長に待ってます。
このエピソードがどうなるのか、
すごく気になりますし、楽しみです。
更新、気長に待ってます。
[一言]
>>白灰
考察するのはいいけど長すぎて荒らしみたい。
正直言って邪魔でしかない。
自分のブログとかでやってくれ
>>白灰
考察するのはいいけど長すぎて荒らしみたい。
正直言って邪魔でしかない。
自分のブログとかでやってくれ
- 投稿者: うぃ
- 2018年 07月10日 22時16分
[一言]
ままれさん、おはようございます!
前回の感想からまだあまり時間が経っていませんが、なんだか心配になってきたので少しだけお邪魔します。
最近、気温の変化が激しいですが、ままれさんのお体は大丈夫でしょうか?
また、密かに肺炎で入院なさっていないかちょっと心配です。
まあ、便りがないのは良い便りと申しますし、あんまり深刻にならない方が良いのかもしれませんが。
とりあえず、今回は、「EP14で気づいたこと」と「ログホラで気になる四つの点」についての雑感を置いておきます。
後半の話など、夏の新刊の前にするにはやたらとヘビーな内容ですし、時間を作れなくてえらくざっくりした内容になってしまいましたが・・・・・・・・。
私の座右の銘は「明日なきものとして、毎日を生きよ」なこともありますし、あとで後悔しないように、念の為書いておくことにします。
まあ、気晴らしが必要なときにでもお読みください。
というわけで、以下、長文失礼します。
なお、今回も、抗議や批判、ご質問などは常時受け付けております。
○EP14で気づいたこと
そういえばふと気づいたのですが、インティクスさんは、実はかなり追い込まれた末に「会心の一手」を打っているのですね。
最初に読んだときには、この時点で、どうしてここまで過激な暴挙に出るのか良く分からなかったのですが、読み直したら事情が納得出来るようになりました。
全ては「KRがキョウ全体を密かに監視している」という点こそが、要だったのですね。
インティクスさんの視点から全ての情報をまとめると、政変が起きたあの場面は、彼女が包囲殲滅される直前でしかありませんでした。
あの暗殺や冤罪のなすりつけは、いわば「窮鼠猫を噛む」的な「反撃」の一手であって、決して、思いつきで衝動的に行われた暴挙ではなかったわけです。
まあ、あの政変は、単にストレスがたまったインティクスさんが衝動的に手慣れた「暗殺」や「秘密の暴露」を行ってしまっただけであり、それがたまたま状況に合致しただけという可能性もなくはないですが・・・・とりあえず私は上記の説を支持します。
仮にも元〈茶会〉のメンバー、シロエと同格の参謀だったインティクスさんが、単にヤケクソや敵愾心だけで行動するとも思えませんからね。
このEP14には、場面転換がたくさんあり、その度に、状況に大きな変化をもたらす場面が幾つも描かれてきました。
私は、場面転換があるとどうしても「その場面にいない人物はその内容を知らない」と思い込んでしまいがちなので、今回もてっきり「それらの場面を全て見ているのは読者だけ」だと思っていました。
しかし、それは違ったのですね。
今回の場合はその思い込みは完全に間違っていたというわけです。
ウーデル公の元に濡羽さんが潜入して実権を握っている場面、シロエと濡羽さんが対談する場面、ミズファの襲撃失敗と新型〈動力鎧〉の存在、そして、斎宮派のアインスさんにルディがナカスの新領主として叙勲を願う場面。
どれもこれも、場面に登場する当事者以外は知らない話だとばかり思い込んでいましたが、これら全てを(召喚生物を通して)「KRが見ていた」とすると、話は大きく変わります。
そう、これらをインティクスさんの視点からまとめると、「みんなが一致団結してインティクスさんを追い落とそうとしている」ようにしか見えないのですね。
実権を握られているウーデル公や濡羽さんと親しげなシロエは言うまでもなく、新型の〈動力鎧〉も、暗殺を得意とするインティクス陣営にとってはマズイ情報です。
極めつけは、やっぱりルディの叙勲志願ですね。
これはつまり、ルディを通した新生〈円卓会議〉と斎宮派の結託を意味します。
まあ、実際のところは、せいぜいが「一線を引いた友好関係」であり、二つの組織はそうそう結託とか出来る間柄では無いのですが。
しかし、インティクスさんにとっては、そんな事情は理解できません。
なにせ彼女は、常日頃から陰謀と他人の利用ばかりを考えている人ですからね。
ヒトは、自分を基準にしなければ、他人のことを理解することが出来ません。
他人を利用することと追い落とすことしか考えないようなインティクスさんから見れば、世界は全て陰謀ワールドなわけです。
実際、彼女は、包囲殲滅されてもおかしくないくらい悪事を働いているみたいですしね。
疑心暗鬼になるもやむなしでしょう。
それにしても、東西の会合で濡羽さんが大量に好感度を稼ぐ前に彼女を追い落としたのは良いものの、〈大地人〉貴族の暗殺に〈Plant hwyaden〉の暗部の暴露とは、本当に思い切ったものです。
ウェストランデは、その政体を再編せざるを得ないことでしょう。
逆に、そこにこそ色々チャンスがあるのでしょうが・・・まあ、それは次回の更新を楽しみにしてますね!
○「ログホラで気になる四つの点」
これから書く話は、たぶん大したことない話だと思いますし、私が見当違いの思い込みをしている可能性も高いです。
しかし、どれも見過ごしているとマズそうな話に思えてならないので、一応ざっくりとした不安の概要だけ置いておくとにいたします。
・まず、これからに関わりそうな重要な感じの気がかり二つです。
アキバの、セルデシアの未来がけっこう気がかりです。
『円卓崩壊』のときのアキバの危機は、レイネシア姫の持つ生得的な権威と〈冒険者〉の持つ能力的な優越(と姫の選択と決断)によって救われました。
しかし、ウェストランデでは、それらが崩れそうな気がするのです。
アキバの〈大地人〉が喜んでいる好景気と経済成長は、近代の光の面、いわば夏休み初日にしか感じないような幸福感に過ぎません。
それは、良質な製品を大量生産すれば確実に売れて、努力が必ず報われると信じることが出来た時代の光です。
近代化がウェストランデに訪れるときこそ、近代の闇の面が、すべてが不安定になる恐怖の時代が出現する気がしてならないのです。
そして、シロエのこれからも、ちょっと気がかりです。
私には、ときどきインティクスと濡羽さんが、かつて「置かれた」場所から動けないでいる意固地な子供のように、見えるときがあります。
ただ、あの二人は「自分が何に縛られているか」ということにある程度は気づいているでしょう。
彼女たちには、自分の今の行動が、過去の何に対しての意地を張った結果なのか、その自覚はあるように思えます。
しかし、シロエは、まだあまりそれに気づいていないような気がするのですよ。
それが気にかかります。
もし彼に、今もまだ抗議することが、他人とぶつかることが出来ないのであれば・・・インティクスや濡羽さんと向き合うことは、おそらく出来ないでしょう。
感情を封じ込めていては、他人の感情を理解することは出来ませんし、存分に泣いたことがなければ、他人の感情を受け止めることは難しいでしょうから。
なにより、アカツキさんとのこれからの関係も・・・・・・・・まあ、流石にそこまで言及するのは、野暮というものでしょうか。
・次に、今更追求してもあまり意味がないかもしれなさそうな、そんな気がかり二つです。
この間は「カナミさんのことはもうケリをつける」と書きましたが、ごめんなさい。
またカナミさんのことです。
一言で言うと「カナミさんのもたらす明るさと近代資本主義のもたらす希望は、どちらも人を酔わせるけど片手落ちに見える」ということなのですが・・・・・・。
私には、知識や資料が不足しているため、なかなかこのあたりの思考を上手く説明出来そうにないのです。
カナミさんの目指す方向性と凡人が進むべき幸福ルートのズレや、彼女の外部依存性、「未知の世界に一番乗り」の問題点と日常を再発見する能力の不足、彼女には『星の王子さま』で言うところの「自分だけのバラ」を育てられないのではないかという疑惑、と大体の方向性を羅列するぐらいは何とか出来るのですが・・・・・・・。
もう一つも、大体似たような話で、こちらは『円卓崩壊』で救われたアキバのこれからの話ですね。
こちらも「レイネシア姫の「みんながんばれ」作戦と、近代の終わりから来た〈冒険者〉たち」とか「〈リーチャー〉問題と無限に再定義される『キリギリス』」とか「『ウサギとカメ』の続きに救いはあるか?」
・・・・・・・・といった感じに、なんだか格好良さげなサブタイトルだけは出来ましたが、きちんと論じるための経済や近代の知識が足りなくて、そこで行き詰まってます。
そのうち、時間を作ってしっかり勉強してそのうえでまた考えてみたいのですが、なかなかその時間を作れなくて・・・・・・・。
まあ、どれもたぶん私の杞憂だと思います。
たとえ当たっていたとしても、いわば「夏休み」の宿題が、ここで全部片付くことを期待するのは、流石に筋違いでもあるでしょうし。
ともかく、今回の感想はここまでです。
お騒がせしました。
それでは、また。
次回の更新も、夏の新刊も楽しみにしてますね!
ままれさん、おはようございます!
前回の感想からまだあまり時間が経っていませんが、なんだか心配になってきたので少しだけお邪魔します。
最近、気温の変化が激しいですが、ままれさんのお体は大丈夫でしょうか?
また、密かに肺炎で入院なさっていないかちょっと心配です。
まあ、便りがないのは良い便りと申しますし、あんまり深刻にならない方が良いのかもしれませんが。
とりあえず、今回は、「EP14で気づいたこと」と「ログホラで気になる四つの点」についての雑感を置いておきます。
後半の話など、夏の新刊の前にするにはやたらとヘビーな内容ですし、時間を作れなくてえらくざっくりした内容になってしまいましたが・・・・・・・・。
私の座右の銘は「明日なきものとして、毎日を生きよ」なこともありますし、あとで後悔しないように、念の為書いておくことにします。
まあ、気晴らしが必要なときにでもお読みください。
というわけで、以下、長文失礼します。
なお、今回も、抗議や批判、ご質問などは常時受け付けております。
○EP14で気づいたこと
そういえばふと気づいたのですが、インティクスさんは、実はかなり追い込まれた末に「会心の一手」を打っているのですね。
最初に読んだときには、この時点で、どうしてここまで過激な暴挙に出るのか良く分からなかったのですが、読み直したら事情が納得出来るようになりました。
全ては「KRがキョウ全体を密かに監視している」という点こそが、要だったのですね。
インティクスさんの視点から全ての情報をまとめると、政変が起きたあの場面は、彼女が包囲殲滅される直前でしかありませんでした。
あの暗殺や冤罪のなすりつけは、いわば「窮鼠猫を噛む」的な「反撃」の一手であって、決して、思いつきで衝動的に行われた暴挙ではなかったわけです。
まあ、あの政変は、単にストレスがたまったインティクスさんが衝動的に手慣れた「暗殺」や「秘密の暴露」を行ってしまっただけであり、それがたまたま状況に合致しただけという可能性もなくはないですが・・・・とりあえず私は上記の説を支持します。
仮にも元〈茶会〉のメンバー、シロエと同格の参謀だったインティクスさんが、単にヤケクソや敵愾心だけで行動するとも思えませんからね。
このEP14には、場面転換がたくさんあり、その度に、状況に大きな変化をもたらす場面が幾つも描かれてきました。
私は、場面転換があるとどうしても「その場面にいない人物はその内容を知らない」と思い込んでしまいがちなので、今回もてっきり「それらの場面を全て見ているのは読者だけ」だと思っていました。
しかし、それは違ったのですね。
今回の場合はその思い込みは完全に間違っていたというわけです。
ウーデル公の元に濡羽さんが潜入して実権を握っている場面、シロエと濡羽さんが対談する場面、ミズファの襲撃失敗と新型〈動力鎧〉の存在、そして、斎宮派のアインスさんにルディがナカスの新領主として叙勲を願う場面。
どれもこれも、場面に登場する当事者以外は知らない話だとばかり思い込んでいましたが、これら全てを(召喚生物を通して)「KRが見ていた」とすると、話は大きく変わります。
そう、これらをインティクスさんの視点からまとめると、「みんなが一致団結してインティクスさんを追い落とそうとしている」ようにしか見えないのですね。
実権を握られているウーデル公や濡羽さんと親しげなシロエは言うまでもなく、新型の〈動力鎧〉も、暗殺を得意とするインティクス陣営にとってはマズイ情報です。
極めつけは、やっぱりルディの叙勲志願ですね。
これはつまり、ルディを通した新生〈円卓会議〉と斎宮派の結託を意味します。
まあ、実際のところは、せいぜいが「一線を引いた友好関係」であり、二つの組織はそうそう結託とか出来る間柄では無いのですが。
しかし、インティクスさんにとっては、そんな事情は理解できません。
なにせ彼女は、常日頃から陰謀と他人の利用ばかりを考えている人ですからね。
ヒトは、自分を基準にしなければ、他人のことを理解することが出来ません。
他人を利用することと追い落とすことしか考えないようなインティクスさんから見れば、世界は全て陰謀ワールドなわけです。
実際、彼女は、包囲殲滅されてもおかしくないくらい悪事を働いているみたいですしね。
疑心暗鬼になるもやむなしでしょう。
それにしても、東西の会合で濡羽さんが大量に好感度を稼ぐ前に彼女を追い落としたのは良いものの、〈大地人〉貴族の暗殺に〈Plant hwyaden〉の暗部の暴露とは、本当に思い切ったものです。
ウェストランデは、その政体を再編せざるを得ないことでしょう。
逆に、そこにこそ色々チャンスがあるのでしょうが・・・まあ、それは次回の更新を楽しみにしてますね!
○「ログホラで気になる四つの点」
これから書く話は、たぶん大したことない話だと思いますし、私が見当違いの思い込みをしている可能性も高いです。
しかし、どれも見過ごしているとマズそうな話に思えてならないので、一応ざっくりとした不安の概要だけ置いておくとにいたします。
・まず、これからに関わりそうな重要な感じの気がかり二つです。
アキバの、セルデシアの未来がけっこう気がかりです。
『円卓崩壊』のときのアキバの危機は、レイネシア姫の持つ生得的な権威と〈冒険者〉の持つ能力的な優越(と姫の選択と決断)によって救われました。
しかし、ウェストランデでは、それらが崩れそうな気がするのです。
アキバの〈大地人〉が喜んでいる好景気と経済成長は、近代の光の面、いわば夏休み初日にしか感じないような幸福感に過ぎません。
それは、良質な製品を大量生産すれば確実に売れて、努力が必ず報われると信じることが出来た時代の光です。
近代化がウェストランデに訪れるときこそ、近代の闇の面が、すべてが不安定になる恐怖の時代が出現する気がしてならないのです。
そして、シロエのこれからも、ちょっと気がかりです。
私には、ときどきインティクスと濡羽さんが、かつて「置かれた」場所から動けないでいる意固地な子供のように、見えるときがあります。
ただ、あの二人は「自分が何に縛られているか」ということにある程度は気づいているでしょう。
彼女たちには、自分の今の行動が、過去の何に対しての意地を張った結果なのか、その自覚はあるように思えます。
しかし、シロエは、まだあまりそれに気づいていないような気がするのですよ。
それが気にかかります。
もし彼に、今もまだ抗議することが、他人とぶつかることが出来ないのであれば・・・インティクスや濡羽さんと向き合うことは、おそらく出来ないでしょう。
感情を封じ込めていては、他人の感情を理解することは出来ませんし、存分に泣いたことがなければ、他人の感情を受け止めることは難しいでしょうから。
なにより、アカツキさんとのこれからの関係も・・・・・・・・まあ、流石にそこまで言及するのは、野暮というものでしょうか。
・次に、今更追求してもあまり意味がないかもしれなさそうな、そんな気がかり二つです。
この間は「カナミさんのことはもうケリをつける」と書きましたが、ごめんなさい。
またカナミさんのことです。
一言で言うと「カナミさんのもたらす明るさと近代資本主義のもたらす希望は、どちらも人を酔わせるけど片手落ちに見える」ということなのですが・・・・・・。
私には、知識や資料が不足しているため、なかなかこのあたりの思考を上手く説明出来そうにないのです。
カナミさんの目指す方向性と凡人が進むべき幸福ルートのズレや、彼女の外部依存性、「未知の世界に一番乗り」の問題点と日常を再発見する能力の不足、彼女には『星の王子さま』で言うところの「自分だけのバラ」を育てられないのではないかという疑惑、と大体の方向性を羅列するぐらいは何とか出来るのですが・・・・・・・。
もう一つも、大体似たような話で、こちらは『円卓崩壊』で救われたアキバのこれからの話ですね。
こちらも「レイネシア姫の「みんながんばれ」作戦と、近代の終わりから来た〈冒険者〉たち」とか「〈リーチャー〉問題と無限に再定義される『キリギリス』」とか「『ウサギとカメ』の続きに救いはあるか?」
・・・・・・・・といった感じに、なんだか格好良さげなサブタイトルだけは出来ましたが、きちんと論じるための経済や近代の知識が足りなくて、そこで行き詰まってます。
そのうち、時間を作ってしっかり勉強してそのうえでまた考えてみたいのですが、なかなかその時間を作れなくて・・・・・・・。
まあ、どれもたぶん私の杞憂だと思います。
たとえ当たっていたとしても、いわば「夏休み」の宿題が、ここで全部片付くことを期待するのは、流石に筋違いでもあるでしょうし。
ともかく、今回の感想はここまでです。
お騒がせしました。
それでは、また。
次回の更新も、夏の新刊も楽しみにしてますね!
[一言]
この連載小説は未完結のまま約3ヶ月以上の間、更新されていません。
この連載小説は未完結のまま約3ヶ月以上の間、更新されていません。
- 投稿者: Chosen
- 2018年 06月28日 22時10分
[一言]
少しお久しぶりです、ままれさん。
この先しばらく感想を書けるか怪しくなってきたので、今のうちに考察の類を片付けておきます。
まあ、これでログホラ関連の妄想とか分析はしばらく品切れになるので、ご安心を。
この間は、気になった点をまとめたら批判ばかりになってしまって申し訳ありませんでした。
どうしても「良い点」より「気になる点」の方が、説明が簡単かつ理屈立って論理的に説明出来るもので・・・・・・・・言い訳ばかりですみません。
今回は、そのあたりに気をつけてなるべく褒め言葉多めでいきます!
とはいえ、私は「感動」の言語化が苦手なので、褒めるとなると、シロエすげー、アインスさんすげー、姫格好いいとか極端に短くなってしまうのですが。
今回の感想は、短いものも合わせて全部で五件あります。
これが「他山の石」とは言わないまでも「他山の砂」くらいにはお役に立てば良いのですが・・・・・・・・。
ともかく、始めます。
以下、すごく長い長文、失礼します。
なお、ご批判およびご不満なども、常に受け付けております。
1 11巻感想
2 ゴールデンウィーク特別短編の感想
3 『Ep12 円卓崩壊』の個人的な印象の整理(完)
4 『ログホライズン』におけるインティクスとの対決の意義と、受け継がれる問題対処法
5 キョウ政変と濡羽さんの状況整理
>1 11巻感想
web版の102にあたるレオナルドのヒーローへの感慨など、加筆部分がとても良かったです!
一気に読むと「広大な大地を旅している」感が無くなってしまうのは残念ですが、それでも内容盛りだくさんで、何度読んでも面白かったですよ!
>2 ゴールデンウィーク特別短編の感想
まったりとしていて、それでいて活気があって楽しい食卓で、素晴らしかっったです!
ネガティブな私ですが、読んでいてちょっとポジティブになれました!
そう、望まないと願いは叶いませんし、自分を信じて突き進まなければ、他人ともつながれない・・・・・・・・言ってるそばからまたネガティブですが、ともかく無理せずに頑張っていきたいです!
・・・・・・・・ほどほどに。
>3 『Ep12 円卓崩壊』の個人的な印象の整理(完結版)
この間は、今ひとつ説明が不足していたので、追記しておきます。
前回の「2『異世界の始まり下(円卓結成)』の鏡像として、効果的に機能していない(分かりにくい)」のあたりの件ですね。
あの件で私が「円卓崩壊」で「分かりにくい」と感じたのは「なぜアインスさんが困っているか」が良く分からなかったからではないかと思います。
〈リーチャー〉の件での主な問題は、確かに「なぜ〈リーチャー〉は頑張れないのか?」でシンプルです。
ですが、どうもそのあたりに、問題をスッパリ解決できないような明言出来ない理由もしくは構造があるように思えたのです。
(ミノリレイドのような〈典災〉の襲撃や、西の陰謀への対処の必要性があるという話は、メタ寄りなのでこの話では除外します)
おそらく「なぜ〈リーチャー〉は頑張れないのか?」の理由は3つあります。
・壱 もともと人間は頑張れないものである(省エネするもの)
・弐 異世界での活動に向いてない人や上手くいってない人も、中にはいる
そして
・参 「成功要素」を持っていない/あるいは、持っていないと勘違いしてしまっているので、希望を無くしている
です。
たぶん、この参こそが、シロエが上手く〈リーチャー〉問題に対処できなかった、そして作中でその原因を明言出来なかった理由だったのではないでしょうか?
まず、〈リーチャー〉問題で必要な「成功要素」とは、おそらく行動力といわゆるコミュ力です。
高い行動力があるなら、ガンガン戦いガンガン起業出来て、レベルは上がりますし何時かは商業的に成功出来る目もあります。
さいわい、今のセルデシアは開拓できる土地も就ける仕事も増加傾向にありますからね。
そして、コミュ力というか、親しくはげましあえる関係や積極的に交渉に取りくめる自信があれば、たとえ低レベルや社会経験の薄い〈冒険者〉であっても、心折れずに努力出来るのです。
しかしたぶん、〈リーチャー〉の人々には、こうした要素はありません。
もしくは「自分にあると信じる」ことが出来ていません。
まあ、作中で描かれたように、なにか切っ掛けがあったり、〈黒剣〉の訓練のように段階を踏めば「成功要素」を揃えることは意外と難しくなかったりもするのですが。
それは、勘違いしている〈リーチャー〉さんたちには、当然ながら分からないのですね。
行動力や「コミュ力」は、メニュー画面で経験値が分かるものでも、攻略法を熟知しているものでもありませんし。
そして更に推測を重ねますが、その勘違いを加速させているのが、「シロエの成功」である気がしてなりません。
〈円卓会議〉の結成において、シロエは「味のあるレシピの秘密」「もともとの名声」「仲間の結束」で大成功を収めました。
それは、それ自体としては問題ありませんでした。
しかし逆に、だからこそ「〈円卓会議〉の結成」という大成功こそが、成功を「持つ者」の特権として強く印象づけてしまったのではないでしょうか?
これはあくまで私の推測に過ぎませんが、アインスさんや〈リーチャー〉にある屈託の裏には、なんらかの強い思い込みがあるように思えてならないのです。
そしてそれが、悪い意味で「シロエの成功」が前例になってしまっていると考えれば、この屈託にはすっぱりと説明がつきます。
「シロエの成功」はあの状況と、それまでに積み上げたものがあってのことですが、結果だけ見れば「持つ者が抜け駆けした大成功」にしか見えませんからね。
それに、おそらく〈円卓会議〉の結成こそが、アキバで一番有名な「成功」でしょう。
アレを基準にして、しかも短期的な結果を求めたのであれば、自分が成功できない「持たざる者」だと思いこんでしまうのも、無理はないと思います。
ついでに付け加えれば、これもまた「見方」の問題ですね。
現在を、覆せない一回性の「成功」が無ければダメな「失敗の結果」と見るか、何度でも繰り返せる試行の「過程」に過ぎず、努力を積み重ねていけばいつかは「成功」にたどり着ける、と見るか、という。
(まあ、不況とか努力しても上手くいかないことや、頑張りすぎて過労死とかもありますが、それはここでは置いておきます)
要するに、シロエが直接的にアインスさんや〈リーチャー〉の皆さんを立ち直らせようとすると「成功したものが、成功できてない者を頑張らせようとする話」になってしまうので、すごくカドが立つのだと思います。
鬱屈(フラストレーション)を抱えている相手を直接説得すると、かえって更に鬱屈を与えてしまう、シロエはそうした立場に立ってしまった。
だからこそ、「円卓崩壊」では、〈リーチャー〉の直接描写、シロエが彼らと直接触れ合う描写がなかったのではないでしょうか?
アインスさんと〈リーチャー〉との対話や聞き取りぐらいはあっても良かったかもしれませんが、この話の場合、しっかりとそのあたりの「問題」を理解できてたらその時点で解決したも同じですからね、無い方が自然だと思います。
まあ、それだけ制限があったからこそ逆に「円卓崩壊」のラストは、あれほどさわやかで素晴らしかったのだとも思いますけどね!
鬱屈はありましたが、その鬱屈も含めて微妙な感情の描写が、本当に素晴らしい話でした!
あと「シロエの成功」といえば、「円卓結成」とはどういう意味を持った事件だったのか、実はアキバでは、あまりしっかりとは理解されていない気もします。
軍隊における補給ぐらい、大事な件だと思うのですが。
必要とされているのは「みんな一丸となって異世界生活を支援出来る強い組織を作る」なのに、実態は「掃除くらいはやろうよ、ここが基地なんだし」ぐらいの感覚しか無い印象があるといいましょうか。
「弱者をなぜ庇護し、なぜみんな強くならなければならないのか」という理由を、シロエたち〈円卓〉の何人かくらいしか理解してないように思えるのです。
まあ、ミノリさんのレイド後には、さすがに変わっているとは思いますが・・・・・・・・。
そうですね、仮に、セルデシアからの帰還の条件が「レベル91向けのレイドクエストをクリアすること」だった場合を考えてみましょう。
その場合、真っ先に帰れるのは〈黒剣〉あたりであり、彼らが成功者となってたでしょう。
でも、そうではなかった。
シロエたちの現状は、帰る見込みもなく、このまま、長期を考えて生活するしかないという状態です。
あるいは、全国の高校野球部が、野球ゲーム風の世界に転移したパターンを考えれば、より分かりやすいでしょうか?
食料などは、普通に働いたり育てないと手に入らない設定で。
マネージャーがやってるような雑用や、弱小校の強化が必要なのに、強豪校だけが幅を効かせているという感じですね。
・・・・・・・・つまり、そのままだとスタジアムが「掃除されない男子寮」のような有様と化すのです。
ゴミの山と無気力な人々という、スラム街ですね
逆に分かりにくいでしょうか?
最後に「円卓崩壊」といえば、レイネシア姫とアキバの「歪んだ関係」が完全に解消して、本当に良かったです!
姫は、〈冒険者〉と〈大地人〉の二大勢力に出来なかった膠着状態の解決を成し遂げた英雄なのに、どちらかというとゴミ処理係みたいな役柄に収まってましたからね。
いやまあ、英雄そのものも、わりとゴミ処理係みたいなものかもしれませんが。
ともかく、合意があるとはいえ、アキバには、姫が戦乙女(しにがみ)の格好を自然にしているような不気味な「レール」がありました。
姫と〈水楓の乙女たち〉はともかく(シロエが代表する)公的なアキバと姫の間には、心の交流はあんまりありませんでしたし。
「レール」つまり「演出家」と操り人形になりかねない「役者」の関係が、完全に変化してよかったです!
しかし改めて考えると、「円卓崩壊」ではシロエの特技である「完全に下準備をして『一つしか正解のない選択を選ばせる』」が、ことごとく裏目に出ている気がします。
婚約の件も、姫様にもっと早く話を通しておけば、あそこまで混乱を産まなかったでしょうし。
いや、もしかしなくてもシロエが、姫様を予定が分刻みで決まっている芸能人のようにしか扱わないのは「歪んだ関係」というより、単に「女性の扱いが分からない」だけとか?
・・・・・・・・あり得ますね。
そういえば、アカツキさんは男性として付き合い始めましたしニンジャですし、マリ姉はマリ姉ですし、カナミさんは論外ですし、ミノリやセララたちとは「後輩」という関係でしか付き合っていない気がします。
そしてなにより、彼の脳裏に一番焼き付いているのが、あのインティクスさんだということが、最近判明しましたし。
まさか、この時点ですでに被害を出していたとは・・・・・・・・インティクスさんとシロエの女性関係の問題は、相当根深いようです。
まあ、なにをさておき、今年の夏予定の「円卓崩壊」の書籍化、楽しみにしてます!
ご無理なさらず、予定前倒しで頑張ってくださいね!
>4 『ログホライズン』におけるインティクスとの対決の意義と、受け継がれる問題対処法
結論から言えば、シロエと新生〈円卓〉は、同じヤマトの仲間としてしか「西」には関われません。
それでもおそらく新生〈円卓〉は、、その理念を明確にしながら「西」に可能な限り関わらねばならないでしょう。
それこそが新生〈円卓会議〉の(あまり自覚されてない感じの)理念であり、「西」の隣人としてやるべきことだから。
たぶんこれはそうした話です。
この先、分かりやすそうで、たぶん分かりにくい説明を付け加えます。
すみません、これが今の私の限界でした。
「西」の〈Plant hwyaden〉と「東」の新生〈円卓会議〉の対決、たぶんこれは「宗教改革」になり残った構図なのだと思います。
「新生〈円卓会議〉こそ、偉大なる〈茶会〉の後継者、人びとに希望をもたらすものである!新しい酒は新しい革袋に!間違った後継者である〈Plant hwyaden〉は、おとなしく解散するが良い!」
とかいう流れだったら、話も「どう関わるか」もすごくシンプルだったはずです。
しかし、そういうわけでは全然ないのです。
全くもってそうではありません。
自助努力が基本であり、カナミ=キャンプファイアーに燃料を投下する集団だった〈茶会〉と、〈円卓会議〉は完全に違う組織です。
両方ともギルドではありませんし、〈円卓〉創唱者のシロエの脳裏には、カナミに助けられて立ち直った思い出があるように思えますが、両者の方針はほぼ真逆です。
〈茶会〉は、カナミという「かがり火」を一種の「夢」とする趣味サークルであり、人助けはそのおまけのようなものでした。
しかし、〈円卓〉は、その人助け(と参加者の自立)が目的の組織です。
義務とか束縛を足蹴にすることこそが、存在理由だったような〈茶会〉を受け継ぐわけにはいかないのですね。
ただ、〈円卓〉には確かに〈茶会〉の影響があります。
言ってみれば〈茶会〉の「光」、荒野の明日を信じる心と、開拓精神が。
そしてきっと、〈茶会〉の「闇」あるいは「陰」を受け継いでしまった、いいえ、続けてきてしまったのがインティクスさんであり〈Plant hwyaden〉なのです。
なぜ私がそうした発想に至ったかと言いますと、インティクスさんと濡羽さんの「扱われ方」が、似ているように思えたからです。
軍師などの役職ではなく、「隔離されるべき『ケガレ』」としての立場」がです。
〈茶会〉終盤以降、カズ彦さんがインティクスさんを扱うやり方と、インティクスさん自身が濡羽さんを見る目は、完全とまでは言いませんがかなり似ている気がするのです。
かたや〈茶会〉が気持ちの良い場所として終わるために、存在しなかった「ケガレ」とされたヒト、かたやその境遇ゆえに、インティクスさんに脅迫されて行動を制限されていたヒト。
まるで、夢の国であるテーマパークに「落ちているはずがないゴミ」のように、誰もが知らないうちに「片付けられた」二人。
あの二人の境遇は、同じような価値観に基づいて形成されているように思えて仕方がないのです。
そう、カズ彦さんは問題を隠そうとして、かえって現在まで〈茶会〉の問題を「続けて」きてしまったのではないでしょうか?
そしてそれは、インティクスさんからの、濡羽さんの扱いという形でさらに受け継がれてしまった。
あたかも、児童虐待のように。
あるいは、ユング心理学でいう「シャドウ」の方が適切な例えでしょうか。
同族嫌悪なのか、『新約聖書』の「放蕩息子」のように「手厚く面倒見られる悪い子」なのか、関係の詳細は分かりませんが。
まあ、この私の発想が合っているかどうかは別として、〈Plant hwyaden〉が〈茶会〉という過去から強い影響を受けているのは確かです。
いずれにせよ、新生〈円卓〉は〈Plant hwyaden〉と関わらねばならないでしょう。
「西」の隣国として、〈茶会〉という共通の因縁を持つ間柄として、そして〈茶会〉と関係ない新しい組織同士・ヤマトの隣人として。
>5 キョウ政変と濡羽さんの状況整理
結論から言えば、濡羽さんには選択が待ち構えていると思います。
彼女がこれまで築き上げた「居場所」を守るかどうか、そこにいた人たちとの新たな未来を信じるか。
そして何より「ケガレ」が明らかにされたあと、「素」の自分で、「素」の自分のための「居場所」を作ろうと思い立つことが出来るか。
彼女にとっては、それこそが問題であり、勝負どころであると思います。
それにしても、インティクスさんは思い切った賭けをしたものです。
まあ、確かに東と西の顔合わせだったあの会合こそ、勝負所ではあったのですが・・・・・・・・まさかウーデル公の暗殺までするとは、本当に大胆な行動です。
彼も、なかなか良いキャラしてましたし、カラシンさんの働き次第では〈円卓〉と協力する未来もあったでしょうに・・・・・・・・残念です。
ともかく、私がインティクスさんだったら、今のうちに追撃で濡羽さんの謝罪の機会を完全に奪っておきますね。
自分こそが「加害者」として、土下座したり自殺して謝っておけば、日本にありがちな「喧嘩両成敗」の流れを味方につけることが出来ますから。
実際に責任はありますし、世間的にも連帯責任はあるわけですから、そこを突かれないためには率先して謝罪しておくのが一番なのですよ。
実質的な責任者ではない(ように見える)人が、過分に(見える)責任を背負って痛々しく謝罪しておけば、ギルマスという明らかに責任者なのに、自分の責任から逃亡している濡羽さんに圧勝することが出来ます。
あの濡羽さんを永久追放し西の主権を完全に握る、そのためであれば、泥にまみれようが、何度死のうが、お釣りが来ますからね。
「証人」の中に、サクラを紛れ込ませておいて、率先して状況を操作するなどの手も有効でしょう。
ついでに、ギルドの財産を民衆に振る舞い、選挙を準備すれば完璧ですね。
とはいえ、謝罪をするにしても限界はあるでしょうが(というより、状況が不自然すぎるので一般〈大地人〉や〈冒険者〉が信じるのが関の山)そこはディオ=ブランドーみたいな出自の将軍さんが頼りなのでしょう。
もし〈大地人〉がレイドに挑むのだとしたら、どこまで健闘出来るのか、そこだけはちょっと楽しみです。
そして、この件については、濡羽さんの逃亡はとても痛いです。
実際に全く関与していなくとも、少なくとも、ギルマスとしての責任はあるのですから、
あの場で形式上だけでも「ギルマスとしての責任」だけに絞って認めて、責任を引き受けて謝罪しておけば、形勢を建て直す手もあったでしょうが・・・・・・・・あのような状況では動揺して逃亡するのも仕方ないで
すね。
とはいえ、濡羽さんの目の前で暗殺が起きたのは今回が初めてなだけであって、インティクスさんがこれまでひたすら〈大地人〉を暗殺し続けていたというのも、また事実でしょう。
それに今まで気づかなかったのか、あるいは実際に目撃するとインパクトが違ったのか、もしくは別の事情があったのか。
いずれにせよ、自分の目の前で暗殺が起きただけで動揺してしまったというのは、インティクスさんの上司としては、完全に失格の振る舞いでしかありませんでした。
彼女の逃亡によって、実際の「主犯」としての責任の立証うんぬんはともかく、「動揺した責任者が無言で逃亡した」という構図が出来てしまいました。
これは、悪意あるものに「いくらでも自分を攻撃して良い」という許可を与えたも同様です。
濡羽さんは、政治家としてギルドマスターとして、完膚なきまでに敗北してしまったのですよ。
この状況でもし彼女が、自分の「居場所」としての〈Plant hwyaden〉を守りたいのであれば、もう「主犯」としての責任があろうが無かろうが謝罪するしかありません。
謝罪の基本は、経緯の説明、再発防止のための善後策、関係者(および関係者でない人間)へのおわび、そしてひたすら「被害者」の感情を受容していることの表明で「被害者」の怒りが静まるまで待つことだそうです。
彼女が自分の「居場所」に戻るには、そうした要素を満たした謝罪をしなければなりません。
そして、問題なのは、彼女が自分のギルドのメンバー(構成員)に「自分を信じてくれ」と言えるかどうか、そして「立ち直るために力を貸してください」と言えるかどうかです。
困ったときに頼ってくれないひとは、すなわち自分たちを信じてくれないひと、ということになりますからね。
明らかな苦境である今、彼女が頼らなければ、〈Plant hwyaden〉のギルドメンバーにしても、濡羽さんを信じることは難しいでしょう。
濡羽さんは、これまで、どうやってもひとを信じることが出来ない人生を送ってきたのでしょうが、それはそれ、これはこれです。
彼女が自分の「居場所」を守りたいのであれば、謝罪に加えて「先んじてヒトを信じること」信頼を示すことが必要なのです。
その上で、ギルドメンバーが濡羽さんを支持してくれるか、それは彼ら次第の問題にはなりますが。
信頼とは、相互の関係なのです。
まあこの場合、濡羽さん個人だけなら、マリ姐のところに変身して身を寄せるか、もう誰も来ない〈カーネル少佐の戦闘訓練場(チュートリアル・グラウンド)〉あたりへ行って休んでいるのが最適かもしれましれませんね。
まずは、精神の疲労を和らげないとどうしようもありませんし。
そしてそもそも濡羽さんの場合、人がいるところなら世界中どこでも生きていけそうですから〈Plant hwyaden〉にこだわる理由があるかどうか、不明なのですよね・・・・・・・・。
生きるべきか、死ぬべきか。
しかし、〈冒険者〉は死のうにも死ねませんし、これまでの「素」の濡羽さんは、初めから生きることを受け入れられていなかったのでしょう。
他人にも、自分にさえも。
そして、ウーデル公をはじめとして不可逆の〈大地人〉の死に返せる「対価」など、なにもないのです。
未来のためであれば、出来ることはあるかもしれませんが。
濡羽さんが何を選ぶにしても、それは、厳しい選択になるでしょう。
彼女の歩む道に、幸あらんことを。
さて、今回の感想も、これでようやく終わりです。
今年中に次の感想が書けるかどうか分かりませんが、次こそは考察少なめ/褒め言葉多めでいきたいです!
それでは、また。
少しお久しぶりです、ままれさん。
この先しばらく感想を書けるか怪しくなってきたので、今のうちに考察の類を片付けておきます。
まあ、これでログホラ関連の妄想とか分析はしばらく品切れになるので、ご安心を。
この間は、気になった点をまとめたら批判ばかりになってしまって申し訳ありませんでした。
どうしても「良い点」より「気になる点」の方が、説明が簡単かつ理屈立って論理的に説明出来るもので・・・・・・・・言い訳ばかりですみません。
今回は、そのあたりに気をつけてなるべく褒め言葉多めでいきます!
とはいえ、私は「感動」の言語化が苦手なので、褒めるとなると、シロエすげー、アインスさんすげー、姫格好いいとか極端に短くなってしまうのですが。
今回の感想は、短いものも合わせて全部で五件あります。
これが「他山の石」とは言わないまでも「他山の砂」くらいにはお役に立てば良いのですが・・・・・・・・。
ともかく、始めます。
以下、すごく長い長文、失礼します。
なお、ご批判およびご不満なども、常に受け付けております。
1 11巻感想
2 ゴールデンウィーク特別短編の感想
3 『Ep12 円卓崩壊』の個人的な印象の整理(完)
4 『ログホライズン』におけるインティクスとの対決の意義と、受け継がれる問題対処法
5 キョウ政変と濡羽さんの状況整理
>1 11巻感想
web版の102にあたるレオナルドのヒーローへの感慨など、加筆部分がとても良かったです!
一気に読むと「広大な大地を旅している」感が無くなってしまうのは残念ですが、それでも内容盛りだくさんで、何度読んでも面白かったですよ!
>2 ゴールデンウィーク特別短編の感想
まったりとしていて、それでいて活気があって楽しい食卓で、素晴らしかっったです!
ネガティブな私ですが、読んでいてちょっとポジティブになれました!
そう、望まないと願いは叶いませんし、自分を信じて突き進まなければ、他人ともつながれない・・・・・・・・言ってるそばからまたネガティブですが、ともかく無理せずに頑張っていきたいです!
・・・・・・・・ほどほどに。
>3 『Ep12 円卓崩壊』の個人的な印象の整理(完結版)
この間は、今ひとつ説明が不足していたので、追記しておきます。
前回の「2『異世界の始まり下(円卓結成)』の鏡像として、効果的に機能していない(分かりにくい)」のあたりの件ですね。
あの件で私が「円卓崩壊」で「分かりにくい」と感じたのは「なぜアインスさんが困っているか」が良く分からなかったからではないかと思います。
〈リーチャー〉の件での主な問題は、確かに「なぜ〈リーチャー〉は頑張れないのか?」でシンプルです。
ですが、どうもそのあたりに、問題をスッパリ解決できないような明言出来ない理由もしくは構造があるように思えたのです。
(ミノリレイドのような〈典災〉の襲撃や、西の陰謀への対処の必要性があるという話は、メタ寄りなのでこの話では除外します)
おそらく「なぜ〈リーチャー〉は頑張れないのか?」の理由は3つあります。
・壱 もともと人間は頑張れないものである(省エネするもの)
・弐 異世界での活動に向いてない人や上手くいってない人も、中にはいる
そして
・参 「成功要素」を持っていない/あるいは、持っていないと勘違いしてしまっているので、希望を無くしている
です。
たぶん、この参こそが、シロエが上手く〈リーチャー〉問題に対処できなかった、そして作中でその原因を明言出来なかった理由だったのではないでしょうか?
まず、〈リーチャー〉問題で必要な「成功要素」とは、おそらく行動力といわゆるコミュ力です。
高い行動力があるなら、ガンガン戦いガンガン起業出来て、レベルは上がりますし何時かは商業的に成功出来る目もあります。
さいわい、今のセルデシアは開拓できる土地も就ける仕事も増加傾向にありますからね。
そして、コミュ力というか、親しくはげましあえる関係や積極的に交渉に取りくめる自信があれば、たとえ低レベルや社会経験の薄い〈冒険者〉であっても、心折れずに努力出来るのです。
しかしたぶん、〈リーチャー〉の人々には、こうした要素はありません。
もしくは「自分にあると信じる」ことが出来ていません。
まあ、作中で描かれたように、なにか切っ掛けがあったり、〈黒剣〉の訓練のように段階を踏めば「成功要素」を揃えることは意外と難しくなかったりもするのですが。
それは、勘違いしている〈リーチャー〉さんたちには、当然ながら分からないのですね。
行動力や「コミュ力」は、メニュー画面で経験値が分かるものでも、攻略法を熟知しているものでもありませんし。
そして更に推測を重ねますが、その勘違いを加速させているのが、「シロエの成功」である気がしてなりません。
〈円卓会議〉の結成において、シロエは「味のあるレシピの秘密」「もともとの名声」「仲間の結束」で大成功を収めました。
それは、それ自体としては問題ありませんでした。
しかし逆に、だからこそ「〈円卓会議〉の結成」という大成功こそが、成功を「持つ者」の特権として強く印象づけてしまったのではないでしょうか?
これはあくまで私の推測に過ぎませんが、アインスさんや〈リーチャー〉にある屈託の裏には、なんらかの強い思い込みがあるように思えてならないのです。
そしてそれが、悪い意味で「シロエの成功」が前例になってしまっていると考えれば、この屈託にはすっぱりと説明がつきます。
「シロエの成功」はあの状況と、それまでに積み上げたものがあってのことですが、結果だけ見れば「持つ者が抜け駆けした大成功」にしか見えませんからね。
それに、おそらく〈円卓会議〉の結成こそが、アキバで一番有名な「成功」でしょう。
アレを基準にして、しかも短期的な結果を求めたのであれば、自分が成功できない「持たざる者」だと思いこんでしまうのも、無理はないと思います。
ついでに付け加えれば、これもまた「見方」の問題ですね。
現在を、覆せない一回性の「成功」が無ければダメな「失敗の結果」と見るか、何度でも繰り返せる試行の「過程」に過ぎず、努力を積み重ねていけばいつかは「成功」にたどり着ける、と見るか、という。
(まあ、不況とか努力しても上手くいかないことや、頑張りすぎて過労死とかもありますが、それはここでは置いておきます)
要するに、シロエが直接的にアインスさんや〈リーチャー〉の皆さんを立ち直らせようとすると「成功したものが、成功できてない者を頑張らせようとする話」になってしまうので、すごくカドが立つのだと思います。
鬱屈(フラストレーション)を抱えている相手を直接説得すると、かえって更に鬱屈を与えてしまう、シロエはそうした立場に立ってしまった。
だからこそ、「円卓崩壊」では、〈リーチャー〉の直接描写、シロエが彼らと直接触れ合う描写がなかったのではないでしょうか?
アインスさんと〈リーチャー〉との対話や聞き取りぐらいはあっても良かったかもしれませんが、この話の場合、しっかりとそのあたりの「問題」を理解できてたらその時点で解決したも同じですからね、無い方が自然だと思います。
まあ、それだけ制限があったからこそ逆に「円卓崩壊」のラストは、あれほどさわやかで素晴らしかったのだとも思いますけどね!
鬱屈はありましたが、その鬱屈も含めて微妙な感情の描写が、本当に素晴らしい話でした!
あと「シロエの成功」といえば、「円卓結成」とはどういう意味を持った事件だったのか、実はアキバでは、あまりしっかりとは理解されていない気もします。
軍隊における補給ぐらい、大事な件だと思うのですが。
必要とされているのは「みんな一丸となって異世界生活を支援出来る強い組織を作る」なのに、実態は「掃除くらいはやろうよ、ここが基地なんだし」ぐらいの感覚しか無い印象があるといいましょうか。
「弱者をなぜ庇護し、なぜみんな強くならなければならないのか」という理由を、シロエたち〈円卓〉の何人かくらいしか理解してないように思えるのです。
まあ、ミノリさんのレイド後には、さすがに変わっているとは思いますが・・・・・・・・。
そうですね、仮に、セルデシアからの帰還の条件が「レベル91向けのレイドクエストをクリアすること」だった場合を考えてみましょう。
その場合、真っ先に帰れるのは〈黒剣〉あたりであり、彼らが成功者となってたでしょう。
でも、そうではなかった。
シロエたちの現状は、帰る見込みもなく、このまま、長期を考えて生活するしかないという状態です。
あるいは、全国の高校野球部が、野球ゲーム風の世界に転移したパターンを考えれば、より分かりやすいでしょうか?
食料などは、普通に働いたり育てないと手に入らない設定で。
マネージャーがやってるような雑用や、弱小校の強化が必要なのに、強豪校だけが幅を効かせているという感じですね。
・・・・・・・・つまり、そのままだとスタジアムが「掃除されない男子寮」のような有様と化すのです。
ゴミの山と無気力な人々という、スラム街ですね
逆に分かりにくいでしょうか?
最後に「円卓崩壊」といえば、レイネシア姫とアキバの「歪んだ関係」が完全に解消して、本当に良かったです!
姫は、〈冒険者〉と〈大地人〉の二大勢力に出来なかった膠着状態の解決を成し遂げた英雄なのに、どちらかというとゴミ処理係みたいな役柄に収まってましたからね。
いやまあ、英雄そのものも、わりとゴミ処理係みたいなものかもしれませんが。
ともかく、合意があるとはいえ、アキバには、姫が戦乙女(しにがみ)の格好を自然にしているような不気味な「レール」がありました。
姫と〈水楓の乙女たち〉はともかく(シロエが代表する)公的なアキバと姫の間には、心の交流はあんまりありませんでしたし。
「レール」つまり「演出家」と操り人形になりかねない「役者」の関係が、完全に変化してよかったです!
しかし改めて考えると、「円卓崩壊」ではシロエの特技である「完全に下準備をして『一つしか正解のない選択を選ばせる』」が、ことごとく裏目に出ている気がします。
婚約の件も、姫様にもっと早く話を通しておけば、あそこまで混乱を産まなかったでしょうし。
いや、もしかしなくてもシロエが、姫様を予定が分刻みで決まっている芸能人のようにしか扱わないのは「歪んだ関係」というより、単に「女性の扱いが分からない」だけとか?
・・・・・・・・あり得ますね。
そういえば、アカツキさんは男性として付き合い始めましたしニンジャですし、マリ姉はマリ姉ですし、カナミさんは論外ですし、ミノリやセララたちとは「後輩」という関係でしか付き合っていない気がします。
そしてなにより、彼の脳裏に一番焼き付いているのが、あのインティクスさんだということが、最近判明しましたし。
まさか、この時点ですでに被害を出していたとは・・・・・・・・インティクスさんとシロエの女性関係の問題は、相当根深いようです。
まあ、なにをさておき、今年の夏予定の「円卓崩壊」の書籍化、楽しみにしてます!
ご無理なさらず、予定前倒しで頑張ってくださいね!
>4 『ログホライズン』におけるインティクスとの対決の意義と、受け継がれる問題対処法
結論から言えば、シロエと新生〈円卓〉は、同じヤマトの仲間としてしか「西」には関われません。
それでもおそらく新生〈円卓〉は、、その理念を明確にしながら「西」に可能な限り関わらねばならないでしょう。
それこそが新生〈円卓会議〉の(あまり自覚されてない感じの)理念であり、「西」の隣人としてやるべきことだから。
たぶんこれはそうした話です。
この先、分かりやすそうで、たぶん分かりにくい説明を付け加えます。
すみません、これが今の私の限界でした。
「西」の〈Plant hwyaden〉と「東」の新生〈円卓会議〉の対決、たぶんこれは「宗教改革」になり残った構図なのだと思います。
「新生〈円卓会議〉こそ、偉大なる〈茶会〉の後継者、人びとに希望をもたらすものである!新しい酒は新しい革袋に!間違った後継者である〈Plant hwyaden〉は、おとなしく解散するが良い!」
とかいう流れだったら、話も「どう関わるか」もすごくシンプルだったはずです。
しかし、そういうわけでは全然ないのです。
全くもってそうではありません。
自助努力が基本であり、カナミ=キャンプファイアーに燃料を投下する集団だった〈茶会〉と、〈円卓会議〉は完全に違う組織です。
両方ともギルドではありませんし、〈円卓〉創唱者のシロエの脳裏には、カナミに助けられて立ち直った思い出があるように思えますが、両者の方針はほぼ真逆です。
〈茶会〉は、カナミという「かがり火」を一種の「夢」とする趣味サークルであり、人助けはそのおまけのようなものでした。
しかし、〈円卓〉は、その人助け(と参加者の自立)が目的の組織です。
義務とか束縛を足蹴にすることこそが、存在理由だったような〈茶会〉を受け継ぐわけにはいかないのですね。
ただ、〈円卓〉には確かに〈茶会〉の影響があります。
言ってみれば〈茶会〉の「光」、荒野の明日を信じる心と、開拓精神が。
そしてきっと、〈茶会〉の「闇」あるいは「陰」を受け継いでしまった、いいえ、続けてきてしまったのがインティクスさんであり〈Plant hwyaden〉なのです。
なぜ私がそうした発想に至ったかと言いますと、インティクスさんと濡羽さんの「扱われ方」が、似ているように思えたからです。
軍師などの役職ではなく、「隔離されるべき『ケガレ』」としての立場」がです。
〈茶会〉終盤以降、カズ彦さんがインティクスさんを扱うやり方と、インティクスさん自身が濡羽さんを見る目は、完全とまでは言いませんがかなり似ている気がするのです。
かたや〈茶会〉が気持ちの良い場所として終わるために、存在しなかった「ケガレ」とされたヒト、かたやその境遇ゆえに、インティクスさんに脅迫されて行動を制限されていたヒト。
まるで、夢の国であるテーマパークに「落ちているはずがないゴミ」のように、誰もが知らないうちに「片付けられた」二人。
あの二人の境遇は、同じような価値観に基づいて形成されているように思えて仕方がないのです。
そう、カズ彦さんは問題を隠そうとして、かえって現在まで〈茶会〉の問題を「続けて」きてしまったのではないでしょうか?
そしてそれは、インティクスさんからの、濡羽さんの扱いという形でさらに受け継がれてしまった。
あたかも、児童虐待のように。
あるいは、ユング心理学でいう「シャドウ」の方が適切な例えでしょうか。
同族嫌悪なのか、『新約聖書』の「放蕩息子」のように「手厚く面倒見られる悪い子」なのか、関係の詳細は分かりませんが。
まあ、この私の発想が合っているかどうかは別として、〈Plant hwyaden〉が〈茶会〉という過去から強い影響を受けているのは確かです。
いずれにせよ、新生〈円卓〉は〈Plant hwyaden〉と関わらねばならないでしょう。
「西」の隣国として、〈茶会〉という共通の因縁を持つ間柄として、そして〈茶会〉と関係ない新しい組織同士・ヤマトの隣人として。
>5 キョウ政変と濡羽さんの状況整理
結論から言えば、濡羽さんには選択が待ち構えていると思います。
彼女がこれまで築き上げた「居場所」を守るかどうか、そこにいた人たちとの新たな未来を信じるか。
そして何より「ケガレ」が明らかにされたあと、「素」の自分で、「素」の自分のための「居場所」を作ろうと思い立つことが出来るか。
彼女にとっては、それこそが問題であり、勝負どころであると思います。
それにしても、インティクスさんは思い切った賭けをしたものです。
まあ、確かに東と西の顔合わせだったあの会合こそ、勝負所ではあったのですが・・・・・・・・まさかウーデル公の暗殺までするとは、本当に大胆な行動です。
彼も、なかなか良いキャラしてましたし、カラシンさんの働き次第では〈円卓〉と協力する未来もあったでしょうに・・・・・・・・残念です。
ともかく、私がインティクスさんだったら、今のうちに追撃で濡羽さんの謝罪の機会を完全に奪っておきますね。
自分こそが「加害者」として、土下座したり自殺して謝っておけば、日本にありがちな「喧嘩両成敗」の流れを味方につけることが出来ますから。
実際に責任はありますし、世間的にも連帯責任はあるわけですから、そこを突かれないためには率先して謝罪しておくのが一番なのですよ。
実質的な責任者ではない(ように見える)人が、過分に(見える)責任を背負って痛々しく謝罪しておけば、ギルマスという明らかに責任者なのに、自分の責任から逃亡している濡羽さんに圧勝することが出来ます。
あの濡羽さんを永久追放し西の主権を完全に握る、そのためであれば、泥にまみれようが、何度死のうが、お釣りが来ますからね。
「証人」の中に、サクラを紛れ込ませておいて、率先して状況を操作するなどの手も有効でしょう。
ついでに、ギルドの財産を民衆に振る舞い、選挙を準備すれば完璧ですね。
とはいえ、謝罪をするにしても限界はあるでしょうが(というより、状況が不自然すぎるので一般〈大地人〉や〈冒険者〉が信じるのが関の山)そこはディオ=ブランドーみたいな出自の将軍さんが頼りなのでしょう。
もし〈大地人〉がレイドに挑むのだとしたら、どこまで健闘出来るのか、そこだけはちょっと楽しみです。
そして、この件については、濡羽さんの逃亡はとても痛いです。
実際に全く関与していなくとも、少なくとも、ギルマスとしての責任はあるのですから、
あの場で形式上だけでも「ギルマスとしての責任」だけに絞って認めて、責任を引き受けて謝罪しておけば、形勢を建て直す手もあったでしょうが・・・・・・・・あのような状況では動揺して逃亡するのも仕方ないで
すね。
とはいえ、濡羽さんの目の前で暗殺が起きたのは今回が初めてなだけであって、インティクスさんがこれまでひたすら〈大地人〉を暗殺し続けていたというのも、また事実でしょう。
それに今まで気づかなかったのか、あるいは実際に目撃するとインパクトが違ったのか、もしくは別の事情があったのか。
いずれにせよ、自分の目の前で暗殺が起きただけで動揺してしまったというのは、インティクスさんの上司としては、完全に失格の振る舞いでしかありませんでした。
彼女の逃亡によって、実際の「主犯」としての責任の立証うんぬんはともかく、「動揺した責任者が無言で逃亡した」という構図が出来てしまいました。
これは、悪意あるものに「いくらでも自分を攻撃して良い」という許可を与えたも同様です。
濡羽さんは、政治家としてギルドマスターとして、完膚なきまでに敗北してしまったのですよ。
この状況でもし彼女が、自分の「居場所」としての〈Plant hwyaden〉を守りたいのであれば、もう「主犯」としての責任があろうが無かろうが謝罪するしかありません。
謝罪の基本は、経緯の説明、再発防止のための善後策、関係者(および関係者でない人間)へのおわび、そしてひたすら「被害者」の感情を受容していることの表明で「被害者」の怒りが静まるまで待つことだそうです。
彼女が自分の「居場所」に戻るには、そうした要素を満たした謝罪をしなければなりません。
そして、問題なのは、彼女が自分のギルドのメンバー(構成員)に「自分を信じてくれ」と言えるかどうか、そして「立ち直るために力を貸してください」と言えるかどうかです。
困ったときに頼ってくれないひとは、すなわち自分たちを信じてくれないひと、ということになりますからね。
明らかな苦境である今、彼女が頼らなければ、〈Plant hwyaden〉のギルドメンバーにしても、濡羽さんを信じることは難しいでしょう。
濡羽さんは、これまで、どうやってもひとを信じることが出来ない人生を送ってきたのでしょうが、それはそれ、これはこれです。
彼女が自分の「居場所」を守りたいのであれば、謝罪に加えて「先んじてヒトを信じること」信頼を示すことが必要なのです。
その上で、ギルドメンバーが濡羽さんを支持してくれるか、それは彼ら次第の問題にはなりますが。
信頼とは、相互の関係なのです。
まあこの場合、濡羽さん個人だけなら、マリ姐のところに変身して身を寄せるか、もう誰も来ない〈カーネル少佐の戦闘訓練場(チュートリアル・グラウンド)〉あたりへ行って休んでいるのが最適かもしれましれませんね。
まずは、精神の疲労を和らげないとどうしようもありませんし。
そしてそもそも濡羽さんの場合、人がいるところなら世界中どこでも生きていけそうですから〈Plant hwyaden〉にこだわる理由があるかどうか、不明なのですよね・・・・・・・・。
生きるべきか、死ぬべきか。
しかし、〈冒険者〉は死のうにも死ねませんし、これまでの「素」の濡羽さんは、初めから生きることを受け入れられていなかったのでしょう。
他人にも、自分にさえも。
そして、ウーデル公をはじめとして不可逆の〈大地人〉の死に返せる「対価」など、なにもないのです。
未来のためであれば、出来ることはあるかもしれませんが。
濡羽さんが何を選ぶにしても、それは、厳しい選択になるでしょう。
彼女の歩む道に、幸あらんことを。
さて、今回の感想も、これでようやく終わりです。
今年中に次の感想が書けるかどうか分かりませんが、次こそは考察少なめ/褒め言葉多めでいきたいです!
それでは、また。
[一言]
また考察がたまってきたので、今のうちに三件だけ置いておきます。
今回もあまり時間を作れなかったので、あまりしっかり書けなかったのが残念ですが。
それでは、以下長文失礼しますね。
>カナミさんについての個人的な印象と対応方針
私もカナミさんほどではありませんが、衝動性と新奇追求性が強いタイプのヒトです。
というわけで、彼女とは、同属とまでは言わないまでも同類な気がします。
親近感はありますが、それ以上に「彼女を手放しで誉めるのは如何なものか?」という思いが強いので、ここでしっかりまとめてその辺りを解消しておきます。
カナミさんの印象の方は、一言でまとめると「妖精的トラブルメーカー」ですね。
あ、この場合の「妖精」は、『真夏の夜の夢』とか『魔法使いの嫁』などに出てくる伝統的な意味のアレです。
魅力的な人物ではありますが、運と魅力だけで生きているフシがありますし、その生き方は凡人には真似出来ないでしょう。
それに、基本的にケアや思いやりとは真逆の行動パターンの人なので、一時的なヒーローにはなれても、恒常的なリーダーや救世主にもなりそうにないイメージがありますね。
そして私の彼女への対応方針を端的に言えば、「アクセルは大事だが、それが車の全てではない」
進歩のための進歩とか、運動のための運動とか、革命のための革命とかは、ほどほどにといったところでしょうか。
もしかするとインティクスさんあたりは、彼女の爆発力を、自分の個人的な問題を掘り砕くためのダイナマイトに利用しようとしたのかもしれませんが。
まあ、それは過剰というか、見当はずれな期待というものです。
結局のところ、自分の問題は自分で向き合って結論を見出すしかありませんからね。
それから、彼女については、三つの点が気がかりです。
一つは、自分が巻き込んだ人間に対して、感謝や謝罪をしているところをあまり見かけないところ。
もう一つは、その行動方針が刹那的な快楽主義と紙一重なところ。
最後が、自省心と縁遠いので、いつか本当にとんでもない行き止まりに突き当たってしまいそうなところです。
総じて「迷惑ではあるけれど、今のところ致命的な危険は無い」といったところでしょうか。
まあ、いくら「ここではないどこかへ」目指して暴走するとはいっても、彼女の場合『幽遊白書』の左京とか、『血界戦線』アニメ第一期の絶望王のように破滅を望みは・・・・・・・・って、現在進行形で世界を繋げようとしてましてっけ。
考えすぎるシロエと真逆で、結果を全く考慮しないのが、彼女の一番恐ろしいところですね。
世界の接続は、様々な先住民の歴史について少しでも知っていれば、大いに恐れるべき危険な現象なのですが・・・・・・・・たぶん、彼女は、そのあたりのことは人任せにしておけばなんとかなると思っているのでしょうねー。
これまでのカナミさんの人生では、実際にそうだったのでしょうし。
下手すると、彼女こそ『まおゆう』のラストで語られた「邪悪な勇者」に一番近い存在と言えるかもしれません。
とはいえ、彼女には、シロエやレオナルドたち仲間もいますし、たぶん大丈夫でしょう。
彼女自身が、これから変わるかもしれませんし、あるいは、彼女への対応が確立されることによって、彼女の動く〈大災害〉化が阻止されるかもしれません。
ひとまずは、要観察対象といった感じですね。
これからも、見守っていきたいです。
>『Ep12 円卓崩壊』の個人的な印象の整理(暫定版)
今から振り返ると「アキバのみんなが『自分の視界』だけにこだわって失敗した話」に思えます。
あるいは「レイネシアの家族が、彼女に『選択肢』を与えた」けれど、他からはそれが見えにくかったという話でしょうか。
アキバ公爵と婚約の件は、シロエとカラシンたち〈円卓会議〉から見れば、アインスさんとマイハマのコーウェン家が暴走したようにしか見えませんでした。
けれど、それはそれぞれの抱えていた問題、視界からすれば、どれも必然的で切実な思いのもとに出された結論だったのだと思います。
たとえば、マイハマ側の意図としては「娘を良いように使ってるんじゃない」とか「レイネシアが自分の人生を掴めるように、ハッパをかけてやりたい」といったところだったのではないでしょうか?
他に、私なりにあの事件を三つのポイントで整理すると、こんな感じです
1 現実経済との乖離
昇り調子で、コミュ力がなくても成功出来る経済は、なんだか馴染みがなくて違和感があります。
2 『異世界の始まり下(円卓結成)』の鏡像として、効果的に機能していない(分かりにくい)
ストーリー的な必要性は分かりますが、シロエ中心・〈円卓会議〉中心の視点で読むと、後半まで爽快感が無い感じですね。
「リーチャー」さんたちの実態が分からなくても、〈円卓会議〉結成と同様の意図をアインスさんが持っていることを推察出来なくはないのですが。
3 「英雄たちの世界の朝焼け」に、英雄の君臨を否定することの難しさ
また比較して悪いのですが、「英雄の時代の黄昏」であった『まおゆう』では「英雄を否定しながら、その無双ぶりと影響力を描く」という離れ業をこなせました。
しかし、『ログホラ』は、産業革命でも戦闘が変わらなかったり、元々データ的な能力にあまり差が無い〈冒険者〉から傑出した人物が出たりするため、同じスタンスは難しいと思われます。
まあ、現代の世の中で「強いリーダー」とか「英雄」を求めると、だいたいポピュリズムを支えとする独裁者になりかねない・・・・・・・・というかなってる気がするとまで言うと、身も蓋もないでしょうか?
『ログホラ』では、そのあたりをはっきり言及せずに、話の流れでなんとか対処しようとしている気がして、ちょっと隔靴掻痒の感があります。
>これからのログホラ
仮に「共感」の奪い合いが話の主軸なのだとすれば、仏教的な「三毒」への対応こそが鍵となるかもしれません。
「共感」だけの話であれば、優れたヒトの長所より、どこにでもいるようなダメなヒトの短所の方に共感が集まりそう、という話ですね。
三毒、つまり貪・瞋・癡(とん・しん・ち)というヤツですね。
いや、私、仏教は好きなだけであまり詳しくは無いので、テキトーな引用なのですが。
私の個人的な解釈では、強欲・妄執(激情)・先入観と決めつけによる認識(思考と感性の省エネ)、でしょうか。
それらは、どれも「生物」としてはある程度は必要なモノです。
果たして、シロエたちはそれを全否定するのか、あるいは「泥の中に咲く蓮」のように、それを受け入れ乗り越えるのか。
そのあたりが、ちょっと気になります。
今回は、以上です。
それでは、また。
次回も、楽しみにしてますね!
また考察がたまってきたので、今のうちに三件だけ置いておきます。
今回もあまり時間を作れなかったので、あまりしっかり書けなかったのが残念ですが。
それでは、以下長文失礼しますね。
>カナミさんについての個人的な印象と対応方針
私もカナミさんほどではありませんが、衝動性と新奇追求性が強いタイプのヒトです。
というわけで、彼女とは、同属とまでは言わないまでも同類な気がします。
親近感はありますが、それ以上に「彼女を手放しで誉めるのは如何なものか?」という思いが強いので、ここでしっかりまとめてその辺りを解消しておきます。
カナミさんの印象の方は、一言でまとめると「妖精的トラブルメーカー」ですね。
あ、この場合の「妖精」は、『真夏の夜の夢』とか『魔法使いの嫁』などに出てくる伝統的な意味のアレです。
魅力的な人物ではありますが、運と魅力だけで生きているフシがありますし、その生き方は凡人には真似出来ないでしょう。
それに、基本的にケアや思いやりとは真逆の行動パターンの人なので、一時的なヒーローにはなれても、恒常的なリーダーや救世主にもなりそうにないイメージがありますね。
そして私の彼女への対応方針を端的に言えば、「アクセルは大事だが、それが車の全てではない」
進歩のための進歩とか、運動のための運動とか、革命のための革命とかは、ほどほどにといったところでしょうか。
もしかするとインティクスさんあたりは、彼女の爆発力を、自分の個人的な問題を掘り砕くためのダイナマイトに利用しようとしたのかもしれませんが。
まあ、それは過剰というか、見当はずれな期待というものです。
結局のところ、自分の問題は自分で向き合って結論を見出すしかありませんからね。
それから、彼女については、三つの点が気がかりです。
一つは、自分が巻き込んだ人間に対して、感謝や謝罪をしているところをあまり見かけないところ。
もう一つは、その行動方針が刹那的な快楽主義と紙一重なところ。
最後が、自省心と縁遠いので、いつか本当にとんでもない行き止まりに突き当たってしまいそうなところです。
総じて「迷惑ではあるけれど、今のところ致命的な危険は無い」といったところでしょうか。
まあ、いくら「ここではないどこかへ」目指して暴走するとはいっても、彼女の場合『幽遊白書』の左京とか、『血界戦線』アニメ第一期の絶望王のように破滅を望みは・・・・・・・・って、現在進行形で世界を繋げようとしてましてっけ。
考えすぎるシロエと真逆で、結果を全く考慮しないのが、彼女の一番恐ろしいところですね。
世界の接続は、様々な先住民の歴史について少しでも知っていれば、大いに恐れるべき危険な現象なのですが・・・・・・・・たぶん、彼女は、そのあたりのことは人任せにしておけばなんとかなると思っているのでしょうねー。
これまでのカナミさんの人生では、実際にそうだったのでしょうし。
下手すると、彼女こそ『まおゆう』のラストで語られた「邪悪な勇者」に一番近い存在と言えるかもしれません。
とはいえ、彼女には、シロエやレオナルドたち仲間もいますし、たぶん大丈夫でしょう。
彼女自身が、これから変わるかもしれませんし、あるいは、彼女への対応が確立されることによって、彼女の動く〈大災害〉化が阻止されるかもしれません。
ひとまずは、要観察対象といった感じですね。
これからも、見守っていきたいです。
>『Ep12 円卓崩壊』の個人的な印象の整理(暫定版)
今から振り返ると「アキバのみんなが『自分の視界』だけにこだわって失敗した話」に思えます。
あるいは「レイネシアの家族が、彼女に『選択肢』を与えた」けれど、他からはそれが見えにくかったという話でしょうか。
アキバ公爵と婚約の件は、シロエとカラシンたち〈円卓会議〉から見れば、アインスさんとマイハマのコーウェン家が暴走したようにしか見えませんでした。
けれど、それはそれぞれの抱えていた問題、視界からすれば、どれも必然的で切実な思いのもとに出された結論だったのだと思います。
たとえば、マイハマ側の意図としては「娘を良いように使ってるんじゃない」とか「レイネシアが自分の人生を掴めるように、ハッパをかけてやりたい」といったところだったのではないでしょうか?
他に、私なりにあの事件を三つのポイントで整理すると、こんな感じです
1 現実経済との乖離
昇り調子で、コミュ力がなくても成功出来る経済は、なんだか馴染みがなくて違和感があります。
2 『異世界の始まり下(円卓結成)』の鏡像として、効果的に機能していない(分かりにくい)
ストーリー的な必要性は分かりますが、シロエ中心・〈円卓会議〉中心の視点で読むと、後半まで爽快感が無い感じですね。
「リーチャー」さんたちの実態が分からなくても、〈円卓会議〉結成と同様の意図をアインスさんが持っていることを推察出来なくはないのですが。
3 「英雄たちの世界の朝焼け」に、英雄の君臨を否定することの難しさ
また比較して悪いのですが、「英雄の時代の黄昏」であった『まおゆう』では「英雄を否定しながら、その無双ぶりと影響力を描く」という離れ業をこなせました。
しかし、『ログホラ』は、産業革命でも戦闘が変わらなかったり、元々データ的な能力にあまり差が無い〈冒険者〉から傑出した人物が出たりするため、同じスタンスは難しいと思われます。
まあ、現代の世の中で「強いリーダー」とか「英雄」を求めると、だいたいポピュリズムを支えとする独裁者になりかねない・・・・・・・・というかなってる気がするとまで言うと、身も蓋もないでしょうか?
『ログホラ』では、そのあたりをはっきり言及せずに、話の流れでなんとか対処しようとしている気がして、ちょっと隔靴掻痒の感があります。
>これからのログホラ
仮に「共感」の奪い合いが話の主軸なのだとすれば、仏教的な「三毒」への対応こそが鍵となるかもしれません。
「共感」だけの話であれば、優れたヒトの長所より、どこにでもいるようなダメなヒトの短所の方に共感が集まりそう、という話ですね。
三毒、つまり貪・瞋・癡(とん・しん・ち)というヤツですね。
いや、私、仏教は好きなだけであまり詳しくは無いので、テキトーな引用なのですが。
私の個人的な解釈では、強欲・妄執(激情)・先入観と決めつけによる認識(思考と感性の省エネ)、でしょうか。
それらは、どれも「生物」としてはある程度は必要なモノです。
果たして、シロエたちはそれを全否定するのか、あるいは「泥の中に咲く蓮」のように、それを受け入れ乗り越えるのか。
そのあたりが、ちょっと気になります。
今回は、以上です。
それでは、また。
次回も、楽しみにしてますね!
[良い点]
文章書くの苦手なので無いです
[気になる点]
同じく無いです
[一言]
投稿感謝します。これからも頑張って下さい。
文章書くの苦手なので無いです
[気になる点]
同じく無いです
[一言]
投稿感謝します。これからも頑張って下さい。
- 投稿者: yu yu
- 2018年 03月29日 16時39分
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