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[良い点]
すごい。サイコな主人公だけど、文章の力に引き込まれる!
純文学ホラー!
読んでいただきありがとうございました。

>サイコな主人公だけど、文章の力に引き込まれる!

そう言っていただけると嬉しいです。
半ばヤケになるとサイコを書きたくなるのは何故なのでしょうね。

>純文学ホラー!

それ一番なろう受けしないジャンルや~(爆笑)

多様性を考えるとそれでもいいかなと思います。
己を貫きます♪





[良い点]
ゾクッとするのだけれど、清々しい空に繋がる磐座(いわくら)をイメージしました。
感想が言語化しにくいというか、何かいい感じの世界なのに、背筋がゾワゾワします。
禁足地、神様というのはやはり、何か怖いものなんでしょうね。

岡山県の赤磐市にある、石上布都魂神社(イソノカミフツミタマジンジャ)の磐座(いわくら)を連想しました。

数十分で行ける奥宮は山頂がほとんど岩で覆われていて、注連縄で囲われていて禁則地になっています。その前に小さな祠があり参拝できます。

ここの宮司さんは最近、苗字を物部氏に戻したのですが、備前一宮ですが、八俣の大蛇の尾っぽから出てきたスサノオの刀があったのですが、京都の石上神宮に移されました。正確には吉備王国から大和朝廷に強奪されたんですが、木製のレプリカが残されてます。
[一言]
主人公の正体が気になる。
全体的に不穏な空気がヤバい。
  • 投稿者: 坂崎文明
  • 50歳~59歳 男性
  • 2022年 03月28日 04時43分
読んでいただきありがとうございました。

>ゾクッとするのだけれど、清々しい空に繋がる磐座(いわくら)をイメージしました。
>感想が言語化しにくいというか、何かいい感じの世界なのに、背筋がゾワゾワします。

そう言っていただけると嬉しいです。
個人的に最近は「空気感」みたいなものを表現することにハマっています。
その方が自分らしさを出せる気がしています。
好き嫌いは分かれてしまうかも知れませんが、もういいかなと(苦笑)

>全体的に不穏な空気がヤバい。
ジャンル分けに苦労しました。
私の中ではホラーではないのです。ただ人間の内面を描いたらこうなった、みたいな。でもヒューマンもちょっと違うしなと思い、初めて「純文」ジャンルをつけた記念すべき作品です。


[良い点]
色彩的表現が豊かな景色に関する繊細な描写と、僕の生い立ちの話から彼女との再会に至るまでの次第に不穏な気配が高まっていく展開のギャップにぞわぞわとさせられる作品でした。
それでいて、神社と同様に寂れた空気も漂っていて、自分ももしも僕に誘われてしまったとしたら彼女と一緒の選択をしてしまうのではないかと思ってしまうほど、心惹かれる危うさにも繋がっています。
また、僕のほうは自身の素性やあの神社に惹かれる理由も描かれていますが、彼女は同じ寂しさがあると描写されているだけで、その空虚さがどこからくるものなのかも分からないままだったので捜査されていないことも含めて色々と想像が膨らみました。
今後の活動を応援しております。
[良い点]
おもしろかったです。意外な展開に目を見張りました。
  • 投稿者: 百鬼
  • 30歳~39歳 男性
  • 2020年 11月22日 12時01分
読んでいただきありがとうございました。

>おもしろかったです。意外な展開に目を見張りました。
そう言っていただけると嬉しいです。
爽やかな五月だからと言って「汚いこと」が起きないとは限らない(笑)
また「悪いこと」をする人間が「汚い奴」とも限らないと思います。
そういう意味を込めて書きました。
[一言]
前半の重苦しさとは一転して、どこか清々しさを感じる後半がとても印象的でした。雨の降る梅雨時ではなく、寒風吹き荒ぶ冬でもなく、若葉と青空が美しい五月という季節だからこそですよね。とはいえ、この世界が五月に見えるのはもしかしたら語り手の「僕」だけなのかもしれませんが。

語り手の「僕」は、生きているか死んでいるのかも曖昧で、現時点での年齢も不明です。自分自身で生き方を選べない無力感、家族へのどこか厳しい眼差し、図書館で出会った少女が「僕」に対して警戒心を抱かなかったことから、思春期の高校生で時が止まっているようにも思えます。

>この時間の中で
>この時間の中で
>閉ざされた時間の中で――生きる意味がないと嘆く――ヒトという器。それが僕だった。

時間やヒトという器から離れたはずの「僕」の記憶が失われていき、自身の名前さえあやふやになっているというのに、家族という楔からは抜け出すことができない理不尽さ。

彼は、この世界からの解放を目指しているのでしょうか。あるいは世界からはみ出してしまったもの同士で、また別の共同体を築き上げているのでしょうか。

それでもこの世とあの世の間にあるこの森は、生きづらさを抱える人々にとっての休息地なのでしょうね。片道切符で帰って来られないのは、帰ることを望まないものばかりが誘われてしまう場所だからなのかもしれません。

怖さというよりも、世界から切り離された静けさのようなものを感じる作品ですね。
読んでいただきありがとうございました。

あまり一人称は使わないのですが、「僕」と世界感を一致させたいのであえて使ってみました。
純文にしたのは、適当なジャンルがなかったという適当な理由です(笑)が、言葉に重きをおいたので、ジャンル詐欺には当たらないかなと思ってはいます。

>怖さというよりも、世界から切り離された静けさのようなものを感じる作品ですね。
ホラーというより爽やかな五月を意識したので、そう言っていただけると嬉しいです。怖さから残虐性を削ぎ落したら案外癒しに傾くかもという実験をしたかったのかも知れません。
そこは読んでいただく側の印象なので私としては何とも言えませんが(言ってはいけませんが)、ひとつの作品としての世界を感じていただければ幸いです。
[良い点]
自然の緻密な描写、植物の名前に色名が散りばめられ、タイトルからも爽やかな物語かと思いきや、一転母親の愚痴などリアルな世知辛さが描かれており、そこからの『彼女』の登場。鮮烈でございました。

ゾクッとするけど、エンターテイメント的なホラーとはまた違う。日常の中から一歩外れると、こんな不思議な間(あわい)の世界がある――味わい深い物語ですね。
読んでいただきありがとうございました。

理想は読んで下さった人の記憶を引き出し、世界を構築することです。
まだまだだなぁ(苦笑)

>ゾクッとするけど、エンターテイメント的なホラーとはまた違う。日常の中から一歩外れると、こんな不思議な間(あわい)の世界がある――味わい深い物語ですね。
ありがとうございます。
これは五月だからこそ成り立った物語だと思っています。確かに狭間とかあわいとかの世界好きですね。どこにもない日常が描ける気がして。
味わい深いと言っていただけると嬉しいです。
言葉を選んだかいがありました。
[一言]
鮮烈な初夏の緑と対照的に、語り手の存在の曖昧さが印象的です。高校生くらいの少年かなと想像するのですが、最後まで読むと生死すら怪しく思えてきます。輪郭のぼやけた主体の感覚だけが雄弁に語っているような、不思議な読み口の短編でした。
何かとてつもなく禍々しい気配を感じるのに、むせかえるような五月の生命力がすべてを覆い隠していきます。「その場所」も、淀んではいても不浄ではない。人間の正気を奪うのは陰鬱な冬ではなく、実はこういう明るく澄み渡った季節なのかもしれませんね。
  • 投稿者: 橘 塔子
  • 女性
  • 2020年 05月13日 22時49分
読んでいただきありがとうございました。

>人間の正気を奪うのは陰鬱な冬ではなく、実はこういう明るく澄み渡った季節なのかもしれませんね。
確かに、と思います。
五月はとても夏前の良い季候ですね。(五月病はありますけれど)
日常生活を普通に送っている者には暑い夏前の過ごしやすい季節だと思います。
だからこそなのか、なぜか「五月に閉じ込めたい」という衝動的にかられました。結果、こいういう話になったわけで……。
こんな時だから曖昧で結果の不確かな物語があっても良いかなと思いました。すべてを読み手さんに捧げたい。
[良い点]
年齢や性別とは別の、感覚的な部分の表現に心を傾けている、という事でしょうね。
サイコパスを思わせる描写だけを見ないで、もっと多角的に鑑賞すると良いのかもしれません。

描写が細やかで、文章の流れも良く、とても完成度の高い作品だと思います。
  • 投稿者: Kobito
  • 2020年 05月11日 17時33分
再度ありがとうございます。

読み手さん達には自由に読んで欲しいと思っていながら、結構私言っちゃってますね。
感想返しで失礼なことを書いて申し訳ありませんでした。
読み直すと冷や汗が出てきます。

>年齢や性別とは別の、感覚的な部分の表現に心を傾けている、という事でしょうね。
>サイコパスを思わせる描写だけを見ないで、もっと多角的に鑑賞すると良いのかもしれません。
個人の感覚で読んもらえると、ありがたいです。
読み手がどう受け取ったか書き手の楽しみでもうりますから。
最終的には好き嫌いに分かれると思うのですが、それも含めて楽しんでもらいたいですね。
サイコパスはすごくキャラクターとしては書きやすいと思います。だから書き手の個性が出やすい部分がある気がします。

>描写が細やかで、文章の流れも良く、とても完成度の高い作品だと思います。
嬉しいです!
[良い点]
古都ノ葉さんの新作、待っていました!
さっそく、拝読させていただきました。

『五月の唄』そして、『マイナスエネルギー』によって生まれたと言われていた作品。
古都ノ葉さんの、初!『純文学』短編ということで、どんなものかとすっごく楽しみでした。

扉を開けてみると、「あぁ、自分にはない表現や、滑らかな文面だ……流石だなぁ」と。
ただただ、勉強させていただきました。
読めない漢字がたくさんあって……でも、それが何を意味しているのかは、なんとなく読み取れて。
それがまた、古都ノ葉さんの『文章力』と『魅力』なのかなと思いました。

『神』、『社』についての主人公の考察。
そして、細かく描かれる植物の名前や様子、特徴。

個人的に興味があり、少しばかりかじったことがある分野だったので、特に魅入りました。
また、「あ、それは聞いたことがある!」と思った一文がありました。


『屋根の形で男神か女神かわかるが、千木は男、鰹木の数は女を表している』

……これです。


屋根の形で男神か、女神か分かるということ。
数年前に、知人から教わって知りました。

この一文を見たときに、懐かしいなぁ……と思いましたが、最後まで読み進めたところ、結構なキーワードだったのではないかと、思いました。


はじめは、少年が家庭環境を苦に思い、祠のある一角で身体を休める。
そして、愚痴をこぼし、身体を大地に預ける。
ゆったりとした五月晴れが、少年を癒す。

そんな話かなと思いました。

でも、物語クライマックスに近づき、新たな登場人物が出てきました。
朽ちた『少女』と、大地に身を委ねた『少年』。

彼らこそが、『屋根の形で男神か女神かわかるが、千木は男、鰹木の数は女を表している』の、文面に当てはまる答えなのではないか。
そう思いました。

こんな風にフラグが散りばめられていて、回収される。
筋が真っすぐに通っている作品は、読みやすい。
そして、読み終わった後に「すっきり!」する。

それを、しみじみと感じることが出来ました。


また、母親の愚痴のはじまり。
そこの部分だけ、余計な言葉を挟まずに、「 」だけで詰め込まれている。
その効果で、より一層、母親の鬱々とした感情。
それを横で聞いていた少年の鬱々とした感情。

どちらも、際立ってくるのだと感じました。


途中までは、『空への道』は、清くて心地よい世界だと想像しました。
でも、実際には『あの世の世界』だったのではないか。

そう、感じることが出来ました。


もしかしたら、違った考察をしているかもしれません。
でも、小田はこんな読み解き方をすることが出来ました。

とっても興味深く、勉強になるストーリーでした。
本当に、古都ノ葉さんの作品を読むことが出来て嬉しいです。

ありがとうございました。


また、次作も楽しみにしております!!
読んでいただきありがとうございました。

色々な解釈、書き手としては本当に嬉しいです。
映像も音もない文字だけというのはシンプルです。だから心に直接アクセス出来る気がします。

色にルビを振らなかったのは、読む前に漢字を感じて(ダジャレではありません・笑)もらいたかったからです。
和名を多用したのはその方が想像力が働くと思ったから。
ちょっと格好つける言い方になりますが、読む人に投げてみたんです。

ぶっちゃけ「五月の唄」がどんなものかわかりません。その人の中に流れている音はみんな違うと思いますし、どれも正解です。答えはありません。

私はこれからも読む人あっての作品だということを忘れないで書いていこうと思っています(あ、出来るかどうかはわかりませんが・汗)
ありがとうございました。

[良い点]
彼の気持ちが分かる部分もあるけれど、乾いて歪んでしまっている部分は、もう手の施しようがないですね。

読みながら、例えば、彼が歳をとって、60代になっても同じことをしていたら、どんな印象か、と考えてみました。

きっと、少年の時とは違った雰囲気になりますよね。

ここが、少年を取り扱う文芸の危うさであり、魅力な部分ではないかな、と思いました。
  • 投稿者: Kobito
  • 2020年 05月10日 20時24分
人生100年と考えたら祖母100、母80、僕60は成り立ちますけれど、さすがに無理矢理感はありますね。

祖母80、母60、僕40が上限でしょうか。

「40代の僕」がいっぱいいっぱいですね。失礼しました。
読んでいただきありがとうございました。

実は主人公の「僕」、性別と年齢は明記していません。あえて削りました。

性別不明なら「私」でもいいかと最後まで悩んだんですけれど、「僕」を未成熟の象徴として選びました。(カタガナの「ボク」ではないのは、狂気が宿りすぎると判断したせいです)

少年という年齢が一番妥当なのだと思いますが、私としては「六十代文学青年の僕」でも「少し病んだ僕っ娘」でも良かったんです。
読み手にすべて任せます。

あえて言うなら社の千木と鰹木に考え至る「僕」、それが五月に閉じ込める相手に求めた条件(?)でしょうか。

ここでkobitoさんが活報に映画のBGMのことを書かれていたのを思い出しました。
小説に音楽流れないけれど、一人称で面白いほど変わりますね。
そこに気づきました。ありがとうございます。
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