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[一言]
執筆お疲れ様でした。
もうすでにずいぶん充実した批評が並んでいて大したことを書けるかどうかはわからないのですが、読んで思ったことを率直に述べていこうと思います。
自分が何よりも初めに思ったのは、「これって本当に黒木さんの作品?」でした。
タイトルからしてまったくオリジナリティを感じさせない単なる学園ロボットもの。正直、タイトルと冒頭だけで読むのをやめた人もけっこうな数いるんじゃないかと思います。はっきり言って、これが身内作品じゃなければ僕もそうしていました。
僕が思う黒木さんのもっとも優れた点は「オリジナリティ」で、前作のサヤナミカに関しても「三人の少女が合体する」というリアルに土下座をかましたくらいのオリジナリティに溢れていた物語だったのに比べて、今回の物語は本当に同一作者の作品なのか疑ってしまうくらいにセールスポイントがどこにも見当たりませんでした。
随所に見られる走太がロボットについて語るくだりなんかも、ロボットアニメが好きで好きで仕方ない人が読めばそれなりに面白いのかもしれませんが、正直それほどロボットものに造詣の深くない自分としては「物語の借り物感」を強めるだけの材料としか思えませんでした。それくらいこのゲートキーパーは二番煎じに満ちた物語だと感じてしまいました。
すでに挙がっている意見では物語の内容に苦言を呈するものが多いですが、たとえそこが上手く書けていたとしても、この設定では新人賞の原稿の山に埋もれてしまう可能性がかなり高いと思います。
学園ロボットものというと自分はフルメタル・パニックが一番に思い浮かびますが、同じ畑で戦うならせめてあれくらいの世界設定とキャラクターを用意してほしい。フルメタにはミスリルという巨大な機関があり、相介たちが戦わねばならない理由もそういった緻密に裏付けされた設定によるものなのに対し、ゲートキーパーの世界観は最初から主人公とヒロインの人間関係を修復するためだけの小道具であったようにしか見えませんでした。
一概にそれ自体が悪いとは言いませんが、こうして既存の作品と見比べられてしまうのもオリジナリティの欠如が招く結果だと思います。
どうして黒木さんほどの書き手が最初から設定負けしている話に十五万文字もの労力を費やしてしまったのか。正直、プロットどころか着想の時点でボツにしていい作品だったと思います。
それはおそらく、文面やmixiでの発言を見る限り「葛藤」を書くことへの強い想い、悪い言い方をしてしまえば妄執のようなものがあったせいなのではないかと感じました。
個人的に、葛藤が生む爽快感は書けていたと思います。みなさんが指摘しているように葛藤の中身自体は首を捻るところが多々見受けられたとはいえ、ひたすら悩んで悩んで悩んで、その末に幼なじみを守るために駆けつけた走太。あの瞬間は確かにカッコ良かった。
カッコ良かったんですが、なんと言うんでしょうか。そこで得られた爽快感に比べて、これまで葛藤に付き合わされたことによるストレスのほうがはるかに大きいんですよ。おかげで爽快感はその一瞬だけで瞬く間にたち消えてしまって、なんの余韻もないまま気づいたら物語が終わっていたという印象です。
オリジナリティの欠如に次いで思ったのは、こういった「葛藤」によって読者が抱くストレスについての気配りがあまりにもずさんだったという点。
「今はつまらなくても最後に面白くしてやろう」という気持ちで書かれた物語に対し、読者はまず最後までついてくることはありません。
葛藤によって読者にストレスが生まれるのは仕方ありません。そのストレスが弾けてこそ初めて爽快感たりえるのですから。では作者がすべきことは何かといえば、葛藤の最中にもほかの要素で面白さを演出してやるか、読者がまるで自分の悩みであるかのように考えてくれるくらい魅力的で共感できるキャラクターを書くかのどちらかだと思います。
今作ではそのどちらも書けていませんでした。ですが、黒木さんはそのどちらも書ける作者だと僕は思っています。今回の作品を教訓として創作活動に取り組んでいくことで、きっと見違えるような素晴らしいものが出来上がると信じています。
というか、絶対に書いてください。
僕は一時期、自分の凡人っぷりと黒木さんの非凡さを見比べて死ぬほど沈んでいた時がありました。それはきっと僕に限ったことではなく、黒木さんの周りにいる人もきっと少なからず感じていることなんじゃないかと勝手ながら思っています。
ですから、絶対に面白い作品を書いてください。筆を叩き折ってやるくらいの気持ちで、もう一度僕を絶望のただなかに叩き落としてください。
そうじゃなければあなたに憧れた意味がありません。
感情的な意見が混ざってしまいましたが、以上が今回の作品の感想となります。
またすぐに新作に取りかかる(すでに書き始めている最中かもしれませんが)とのことで、そちらの作品もまた読ませていただきたいと思います。お互いに頑張っていきましょう。
執筆お疲れ様でした。
もうすでにずいぶん充実した批評が並んでいて大したことを書けるかどうかはわからないのですが、読んで思ったことを率直に述べていこうと思います。
自分が何よりも初めに思ったのは、「これって本当に黒木さんの作品?」でした。
タイトルからしてまったくオリジナリティを感じさせない単なる学園ロボットもの。正直、タイトルと冒頭だけで読むのをやめた人もけっこうな数いるんじゃないかと思います。はっきり言って、これが身内作品じゃなければ僕もそうしていました。
僕が思う黒木さんのもっとも優れた点は「オリジナリティ」で、前作のサヤナミカに関しても「三人の少女が合体する」というリアルに土下座をかましたくらいのオリジナリティに溢れていた物語だったのに比べて、今回の物語は本当に同一作者の作品なのか疑ってしまうくらいにセールスポイントがどこにも見当たりませんでした。
随所に見られる走太がロボットについて語るくだりなんかも、ロボットアニメが好きで好きで仕方ない人が読めばそれなりに面白いのかもしれませんが、正直それほどロボットものに造詣の深くない自分としては「物語の借り物感」を強めるだけの材料としか思えませんでした。それくらいこのゲートキーパーは二番煎じに満ちた物語だと感じてしまいました。
すでに挙がっている意見では物語の内容に苦言を呈するものが多いですが、たとえそこが上手く書けていたとしても、この設定では新人賞の原稿の山に埋もれてしまう可能性がかなり高いと思います。
学園ロボットものというと自分はフルメタル・パニックが一番に思い浮かびますが、同じ畑で戦うならせめてあれくらいの世界設定とキャラクターを用意してほしい。フルメタにはミスリルという巨大な機関があり、相介たちが戦わねばならない理由もそういった緻密に裏付けされた設定によるものなのに対し、ゲートキーパーの世界観は最初から主人公とヒロインの人間関係を修復するためだけの小道具であったようにしか見えませんでした。
一概にそれ自体が悪いとは言いませんが、こうして既存の作品と見比べられてしまうのもオリジナリティの欠如が招く結果だと思います。
どうして黒木さんほどの書き手が最初から設定負けしている話に十五万文字もの労力を費やしてしまったのか。正直、プロットどころか着想の時点でボツにしていい作品だったと思います。
それはおそらく、文面やmixiでの発言を見る限り「葛藤」を書くことへの強い想い、悪い言い方をしてしまえば妄執のようなものがあったせいなのではないかと感じました。
個人的に、葛藤が生む爽快感は書けていたと思います。みなさんが指摘しているように葛藤の中身自体は首を捻るところが多々見受けられたとはいえ、ひたすら悩んで悩んで悩んで、その末に幼なじみを守るために駆けつけた走太。あの瞬間は確かにカッコ良かった。
カッコ良かったんですが、なんと言うんでしょうか。そこで得られた爽快感に比べて、これまで葛藤に付き合わされたことによるストレスのほうがはるかに大きいんですよ。おかげで爽快感はその一瞬だけで瞬く間にたち消えてしまって、なんの余韻もないまま気づいたら物語が終わっていたという印象です。
オリジナリティの欠如に次いで思ったのは、こういった「葛藤」によって読者が抱くストレスについての気配りがあまりにもずさんだったという点。
「今はつまらなくても最後に面白くしてやろう」という気持ちで書かれた物語に対し、読者はまず最後までついてくることはありません。
葛藤によって読者にストレスが生まれるのは仕方ありません。そのストレスが弾けてこそ初めて爽快感たりえるのですから。では作者がすべきことは何かといえば、葛藤の最中にもほかの要素で面白さを演出してやるか、読者がまるで自分の悩みであるかのように考えてくれるくらい魅力的で共感できるキャラクターを書くかのどちらかだと思います。
今作ではそのどちらも書けていませんでした。ですが、黒木さんはそのどちらも書ける作者だと僕は思っています。今回の作品を教訓として創作活動に取り組んでいくことで、きっと見違えるような素晴らしいものが出来上がると信じています。
というか、絶対に書いてください。
僕は一時期、自分の凡人っぷりと黒木さんの非凡さを見比べて死ぬほど沈んでいた時がありました。それはきっと僕に限ったことではなく、黒木さんの周りにいる人もきっと少なからず感じていることなんじゃないかと勝手ながら思っています。
ですから、絶対に面白い作品を書いてください。筆を叩き折ってやるくらいの気持ちで、もう一度僕を絶望のただなかに叩き落としてください。
そうじゃなければあなたに憧れた意味がありません。
感情的な意見が混ざってしまいましたが、以上が今回の作品の感想となります。
またすぐに新作に取りかかる(すでに書き始めている最中かもしれませんが)とのことで、そちらの作品もまた読ませていただきたいと思います。お互いに頑張っていきましょう。
返信遅れて申し訳ございません。あと、感想をありがとうございます。
いつも感謝しています。
>自分が何よりも初めに思ったのは、「これって本当に黒木さんの作品?」でした。
この返信を書いているのが、五ヶ月以上も経ってしまい、12月なのですが、静波さんのこの一言が私の心を深く抉ったのを覚えています。
当然ながら、個人的感覚としてはゲートキーパーは一切手を抜いておらず、全力で書いた作品です。
だからこそ、オリジナリティが無い、セールスポイントが見つからないと言われて、深くショックでした。
一応、補足をしておくと、『主人公が、ロボットに乗って戦うことを通して、心が離れてしまった幼馴染と仲直りをする』というのが、このゲートキーパーという作品で、私がやりたかったことでした。
しかし、こうして後から思い返すと、ゲートキーパーというロボットを中心として、それを取り巻く世界観の設定を疎かにしていたように思います。
つまり、実際問題として、私はプロットの段階で手を抜いていた、ということです。これは今後の教訓にしようと強く思いました。
あと、密かにもう一つショックだったのは、私にはオリジナリティ以外の面において人の心を動かす力が無いということが分かってしまった点です。正直、悔しかったです。
いつか絶対、オリジナリティと関係ないところで唸らせてやりたいと、心に誓った次第です。
>「葛藤」を書くことへの強い想い、悪い言い方をしてしまえば妄執のようなものがあったせいなのではないかと感じました。
間違いなくありました。これを書いていた時、一番意識していたのは「葛藤」であり、それを中心に据える為に周りの設定を小難しくせず、シンプルにしようと考えていました。
ですがどうやら、葛藤を意識して描くことは、私には向いていなかったようです。少なからず、技術不足でした。
最後に、静波さんの感想で奮起し、現在、オリジナリティある物語を書こうと強く意識していることを記しておきます。
大きなパワーを貰いました! 次は感謝の気持ちを込めて、もっと面白い物語を読ませられるよう、頑張りたいと思います!
いつも感謝しています。
>自分が何よりも初めに思ったのは、「これって本当に黒木さんの作品?」でした。
この返信を書いているのが、五ヶ月以上も経ってしまい、12月なのですが、静波さんのこの一言が私の心を深く抉ったのを覚えています。
当然ながら、個人的感覚としてはゲートキーパーは一切手を抜いておらず、全力で書いた作品です。
だからこそ、オリジナリティが無い、セールスポイントが見つからないと言われて、深くショックでした。
一応、補足をしておくと、『主人公が、ロボットに乗って戦うことを通して、心が離れてしまった幼馴染と仲直りをする』というのが、このゲートキーパーという作品で、私がやりたかったことでした。
しかし、こうして後から思い返すと、ゲートキーパーというロボットを中心として、それを取り巻く世界観の設定を疎かにしていたように思います。
つまり、実際問題として、私はプロットの段階で手を抜いていた、ということです。これは今後の教訓にしようと強く思いました。
あと、密かにもう一つショックだったのは、私にはオリジナリティ以外の面において人の心を動かす力が無いということが分かってしまった点です。正直、悔しかったです。
いつか絶対、オリジナリティと関係ないところで唸らせてやりたいと、心に誓った次第です。
>「葛藤」を書くことへの強い想い、悪い言い方をしてしまえば妄執のようなものがあったせいなのではないかと感じました。
間違いなくありました。これを書いていた時、一番意識していたのは「葛藤」であり、それを中心に据える為に周りの設定を小難しくせず、シンプルにしようと考えていました。
ですがどうやら、葛藤を意識して描くことは、私には向いていなかったようです。少なからず、技術不足でした。
最後に、静波さんの感想で奮起し、現在、オリジナリティある物語を書こうと強く意識していることを記しておきます。
大きなパワーを貰いました! 次は感謝の気持ちを込めて、もっと面白い物語を読ませられるよう、頑張りたいと思います!
- 黒木猫人
- 2011年 12月13日 22時14分
[一言]
前略。
まず最初に言いたいことは、それなりの覚悟を持って以下を読んでください。
では、感想を書いていきたいと思います。
ちなみに、正直言ってこの作品の思うところを全部言おうと思ったら三日三晩かかってしまうので、私の中で一番重要だと思う点だけに絞って書いていきたいと思います。
詳しい内容よりも先に全体の感想をひとことで言いたいと思います。
一言で言って、ゲートキーパーは「酷い出来」です。普段、全体感想では「面白い」か「つまらない」かを言うように心がけていますが、はっきり言って「つまらない」以下でした。別の言い方をすれば読み進めるのが苦痛でした。
ではなぜ苦痛だったのか。
要因はいろいろとあると思いますが、最大の理由は私は『人間』だと思いました。
我々の間ではよく「宇宙人」という単語が出て来ますが、今回の小説では登場人物全員が宇宙人でした。ただ、全てのキャラに言及するわけにはいかないので、ここでは主人公とヒロインに限定して話を進めていきたいと思います。
主人公とヒロインを比較した時、より酷いのはヒロインだったので、まずはヒロインの話からしたいと思います。
ヒロインのキャラクター性の中でもっとも酷かったのは、自分を見捨てた主人公に対して自分が悪いんだ、という結論を出したことだったように思います。
長々と書くこともできますが、簡単に言ってしまえばこれは作者の都合によってキャラクターの心情が操作された典型だと思います。この都合、というのは作者に主人公とヒロインのぎすぎすした空気感、距離感が描けない、あるいは、一度嫌われたヒロインに再度好かれる展開を描けない、のようなものが想像されます。
普通、自分がいじめられている場を見た好きな人が逃げ出すといったシーンで出くわした場合、その相手には軽くても失望、最悪好意が反転して殺意すら覚えてもおかしくないと思うのですが、どうでしょうか。
一番の欠陥は上記の話ですが、ヒロインの場合まだほかにも問題があります。
それは、主人公に対しての言動・リアクションとその他の人への言動・リアクションの不一致です。自我同一性が崩壊しているというか、別人格というか、もはや別人でした。
当然、人間なので好きな人へは態度も変わろうと言うものですが、それでもその態度だって本人の性格の一端の表れであるはずです。気の弱い人の好意の表し方と、気の強い人の表し方、素直な人の好意の表し方とひねくれ者の好意の表し方。この程度の分類でだって、それぞれ地の性格の特徴が出るはずです。
ですが、このヒロインの場合、主人公に対しては従順で気の弱い女の子なのに、他人に対しては強くてかっこいい女の子になっていて、そもそも地の性格がどこにあるのか分かりません。
気が弱いのが元にあるのなら、必死に強がっている描写がどこかに必要ですし、気の強い人間が可愛らしさをアピールしているならそういう描写が必要です。
なぜこんなことになったのかを想像するに、恐らく作者自身がキャラを書きだす前にレッテル張りをして、しかもそれに囚われたのだと思います。書きたかったのは恐らく気弱な女の子がトラウマを克服するために必死に強くなった、というものだったと思うのですが、これではまるで別人格がひとつの身体を共有しているようにしか見えません。
さらに細かい点を言えば、気弱(しかも恥ずかしがり)な女の子が同い年の男の子にあそこまでセクハラ発言や行動をするとも思えません。全体からすれば瑣末な部分ではありますが、こうした細かいところにもキャラクターの自我同一性の崩壊のようなものが見れます。言ってしまえば、これも作者の都合ですよね。
次に主人公の話です。
主人公の人間性の崩壊で真っ先に気になったのは言動です。
この作品は分類的にはシリアスで、設定以外の部分ではなるべく現実に似せて作られるべき作品だと思われます。
そんな作品の中で、主人公は死ぬような目にあった時に、「やばいやばいやばい! 力入れ俺の腰! 尻餅なんかついてる場合じゃないよ!?」のような発言をします。
果たして、人間が死ぬような目にあった時にこのような発言をするでしょうか。
『ゼロの使い魔』あたりを思い浮かべてもらいたいのですが、彼らはわりと始終ふざけていますが、戦場でこのような発言をしたことはなかったはずです。むしろ、サイトは命のやり取りのない世界から来たからこそ、人に生き死にについて人一倍真剣に考えます。言動と思考は密接に関係しますので、当然彼は戦場でコメディなことを言ったりはしません。逆に言えば、戦場で場違いなことを言う人間(ゲートキーパーの主人公のことです)は頭の中がお花畑だと思われてもおかしくありません。
次に、主人公の場合、勇気と臆病の発揮のされかたがちぐはぐな印象を受けました。
普通そんな勇気は発揮できないよ、というところで彼は勇気を発揮し、普通そんなところで逃げないよ、というところで逃げ出します。だからまったく共感できません。
こうなった理由も、やはり作者の都合であって、よく言う「プロットに踊らされている」現象だと言えるでしょう。
妙な勇気でまっさきに上がるのはヒロインを見捨てた翌日にヒロインに「もう話しかけるな」と言いに行くシーンです。普通、そんなことが人にできるでしょうか。
あるいはできるかもしれませんが、それができるなら謝ることだってできたはずです。
考えるに、あんなことがあった翌日であればヒロインのことは徹底的に無視するはずです。人間は都合の悪いものからは逃げる生き物です。そうしていつの間にかお互いに話しかけてはいけない空気になり、気まづくなってしまう。それが自然な流れではないのでしょうか。
他にも大小勇気と臆病のちぐはぐさは散見されます。
言い出したらキリがないので、この件はこの程度にしておきます。
設定の話にも少し言及しておきます。
正直にいって、これまで設定のアイディア面では尊敬している節がありましたが、今回の件で能力におけるバランスの悪さを感じました。なにが足りてないかと言えば、世界観の整合性、設定の考察力です。まさかここまで基礎力が不足しているとは思ってませんでした。
最初に指摘したいのはこの世界観に徹底的に「大人」が不足していることです。養護教諭のようなどうでもいい端役は考慮しません。話の中核にいなかった、ということです。
まず単純に、命のやり取りをする現場に大人がいないということは不自然です。なぜなら、命をかけている者に対する命の責任をとれる者がいなくなってしまうからです。司令官や上官は部下の命を預かっているからこそ、偉いのであり、逆らってはいけない存在なはずです。その存在がない。では、あの現場はいったいどのようにして回っているのでしょうか。かなり謎です。
関連して組織の問題もあります。
生徒会がどの程度の組織なのかは分かりませんが、それにしても世界を守護する組織としては脆弱だと言わざるを得ません。なぜ、そこに大人がいないのでしょうか。
百歩譲ってゲートキーパーの資格が大人になると失せてしまうにしても、元ゲートキーパーが現ゲートキーパーを指揮する組織が編成されていてもおかしくないのではないでしょうか。それが生徒会ではまずかったのでしょうか。
ゲートキーパーは明らかに強力な力です。力あるところに権力は必ず発生します。その権力を利用しよう、手にしようとする人間も当然出てくるはずです。
設定の不備は他にもあります。
キーパーマスターの候補者がキーパーマスターになる「うまみ」はいったいなんなのでしょうか。選ばれたから、戦わなければ世界が滅びるから。これらは理由になるようで理由になっていない気がしてなりません。
さんざん言われている『まどか☆マギカ』のQBですら、魔法少女になる代わりに願い事をひとつ叶えてくれました。ゲートキーパーはいったいなにを与えてくれるのでしょうか。
また人間一般の話になりますが、突然現れた人に「お前が戦わなければ地球が滅ぶ。だから戦え」と言われて、果たして本当に戦えるでしょうか。少なくとも私は戦えません。地球(世界)、なんて言われてもピンときません。しかも、相手の言っていることが本当かどうかも分かりません。まだ私はなにも失っていません。そして、その報酬すらもありません。
そんな要求では私は絶対に動きません。たぶん、世間一般の人もそうだと思います。
これは組織さえきちんと設定できていれば攻略可能な問題です。
たとえば、権力ある組織の一員になれる未来を約束される。あるいは巨額の金が出る。あるいは、ゲートキーパーの不思議な力で願いがひとつ叶う、でも構いません。
それがなんであれ、なにかしら「うまみ」が無ければゲートキーパーなんていう命懸けの仕事がやれるとは思えません。
あるいは逆でも構いません。
「うまみ」が出せないのであれば、「喪失」でもいいのです。
たとえば次元獣は現実を喰らうらしいですが、すでに何度も次元獣は現実を喰らっている。そして、その喰らわれた現実は『無かったこと』になる。土地も、人も。その変化を認識できるのは、中間世界に関わる者だけだ。こんな設定が付け加わるとします。そして、キーパーマスターは過去、自分の大切なものや人を次元獣によって奪われている。こんな設定を付けくわえるとします。それだけで彼らには戦う理由ができるはずです。
崩壊や喪失は現実のものとなって初めて実感として当人に自覚されます。来るかもしれない世界の崩壊なんてものは、実感できないのです。
他にもゲートキーパーが修理されていることに関する疑問やキーパーアシストという役職への疑問などもありますが、それは今度会ったときなどに話したいと思います。
最後に。
黒木さんには二つの選択肢があると思います。
今後も、ロボットものを書きたいという志をものにするために、シリアスの書き方を改めて勉強していく選択肢。もうひとつは、シリアスを書くことは長い目標としてコメディの作品だけを書いていく選択肢。
今回の小説を読んで思ったのは、個人的にはまずコメディを極めた方がいいと強く感じました。シリアスを書く勉強を下手にすると、今あるコメディの空気すらもバランスを壊してしまうのではないかと思うので。
それくらい、シリアスは向いていないと感じました。
自分自身がなにを書きたいのか、どこを目指しているのかを今一度考えて欲しいと思いました。上のシリアスを回避するべきだというのは、私が個人的に思うプロへの近道の話です。ロボットもの、しかもスパロボ参戦できるようなシリアスの、というものに拘るのであれば、全力で応援していきたいと思います。
繰り返しになりますが、自分がどこを目指しているのかを今一度深く考えてみてください。
前略。
まず最初に言いたいことは、それなりの覚悟を持って以下を読んでください。
では、感想を書いていきたいと思います。
ちなみに、正直言ってこの作品の思うところを全部言おうと思ったら三日三晩かかってしまうので、私の中で一番重要だと思う点だけに絞って書いていきたいと思います。
詳しい内容よりも先に全体の感想をひとことで言いたいと思います。
一言で言って、ゲートキーパーは「酷い出来」です。普段、全体感想では「面白い」か「つまらない」かを言うように心がけていますが、はっきり言って「つまらない」以下でした。別の言い方をすれば読み進めるのが苦痛でした。
ではなぜ苦痛だったのか。
要因はいろいろとあると思いますが、最大の理由は私は『人間』だと思いました。
我々の間ではよく「宇宙人」という単語が出て来ますが、今回の小説では登場人物全員が宇宙人でした。ただ、全てのキャラに言及するわけにはいかないので、ここでは主人公とヒロインに限定して話を進めていきたいと思います。
主人公とヒロインを比較した時、より酷いのはヒロインだったので、まずはヒロインの話からしたいと思います。
ヒロインのキャラクター性の中でもっとも酷かったのは、自分を見捨てた主人公に対して自分が悪いんだ、という結論を出したことだったように思います。
長々と書くこともできますが、簡単に言ってしまえばこれは作者の都合によってキャラクターの心情が操作された典型だと思います。この都合、というのは作者に主人公とヒロインのぎすぎすした空気感、距離感が描けない、あるいは、一度嫌われたヒロインに再度好かれる展開を描けない、のようなものが想像されます。
普通、自分がいじめられている場を見た好きな人が逃げ出すといったシーンで出くわした場合、その相手には軽くても失望、最悪好意が反転して殺意すら覚えてもおかしくないと思うのですが、どうでしょうか。
一番の欠陥は上記の話ですが、ヒロインの場合まだほかにも問題があります。
それは、主人公に対しての言動・リアクションとその他の人への言動・リアクションの不一致です。自我同一性が崩壊しているというか、別人格というか、もはや別人でした。
当然、人間なので好きな人へは態度も変わろうと言うものですが、それでもその態度だって本人の性格の一端の表れであるはずです。気の弱い人の好意の表し方と、気の強い人の表し方、素直な人の好意の表し方とひねくれ者の好意の表し方。この程度の分類でだって、それぞれ地の性格の特徴が出るはずです。
ですが、このヒロインの場合、主人公に対しては従順で気の弱い女の子なのに、他人に対しては強くてかっこいい女の子になっていて、そもそも地の性格がどこにあるのか分かりません。
気が弱いのが元にあるのなら、必死に強がっている描写がどこかに必要ですし、気の強い人間が可愛らしさをアピールしているならそういう描写が必要です。
なぜこんなことになったのかを想像するに、恐らく作者自身がキャラを書きだす前にレッテル張りをして、しかもそれに囚われたのだと思います。書きたかったのは恐らく気弱な女の子がトラウマを克服するために必死に強くなった、というものだったと思うのですが、これではまるで別人格がひとつの身体を共有しているようにしか見えません。
さらに細かい点を言えば、気弱(しかも恥ずかしがり)な女の子が同い年の男の子にあそこまでセクハラ発言や行動をするとも思えません。全体からすれば瑣末な部分ではありますが、こうした細かいところにもキャラクターの自我同一性の崩壊のようなものが見れます。言ってしまえば、これも作者の都合ですよね。
次に主人公の話です。
主人公の人間性の崩壊で真っ先に気になったのは言動です。
この作品は分類的にはシリアスで、設定以外の部分ではなるべく現実に似せて作られるべき作品だと思われます。
そんな作品の中で、主人公は死ぬような目にあった時に、「やばいやばいやばい! 力入れ俺の腰! 尻餅なんかついてる場合じゃないよ!?」のような発言をします。
果たして、人間が死ぬような目にあった時にこのような発言をするでしょうか。
『ゼロの使い魔』あたりを思い浮かべてもらいたいのですが、彼らはわりと始終ふざけていますが、戦場でこのような発言をしたことはなかったはずです。むしろ、サイトは命のやり取りのない世界から来たからこそ、人に生き死にについて人一倍真剣に考えます。言動と思考は密接に関係しますので、当然彼は戦場でコメディなことを言ったりはしません。逆に言えば、戦場で場違いなことを言う人間(ゲートキーパーの主人公のことです)は頭の中がお花畑だと思われてもおかしくありません。
次に、主人公の場合、勇気と臆病の発揮のされかたがちぐはぐな印象を受けました。
普通そんな勇気は発揮できないよ、というところで彼は勇気を発揮し、普通そんなところで逃げないよ、というところで逃げ出します。だからまったく共感できません。
こうなった理由も、やはり作者の都合であって、よく言う「プロットに踊らされている」現象だと言えるでしょう。
妙な勇気でまっさきに上がるのはヒロインを見捨てた翌日にヒロインに「もう話しかけるな」と言いに行くシーンです。普通、そんなことが人にできるでしょうか。
あるいはできるかもしれませんが、それができるなら謝ることだってできたはずです。
考えるに、あんなことがあった翌日であればヒロインのことは徹底的に無視するはずです。人間は都合の悪いものからは逃げる生き物です。そうしていつの間にかお互いに話しかけてはいけない空気になり、気まづくなってしまう。それが自然な流れではないのでしょうか。
他にも大小勇気と臆病のちぐはぐさは散見されます。
言い出したらキリがないので、この件はこの程度にしておきます。
設定の話にも少し言及しておきます。
正直にいって、これまで設定のアイディア面では尊敬している節がありましたが、今回の件で能力におけるバランスの悪さを感じました。なにが足りてないかと言えば、世界観の整合性、設定の考察力です。まさかここまで基礎力が不足しているとは思ってませんでした。
最初に指摘したいのはこの世界観に徹底的に「大人」が不足していることです。養護教諭のようなどうでもいい端役は考慮しません。話の中核にいなかった、ということです。
まず単純に、命のやり取りをする現場に大人がいないということは不自然です。なぜなら、命をかけている者に対する命の責任をとれる者がいなくなってしまうからです。司令官や上官は部下の命を預かっているからこそ、偉いのであり、逆らってはいけない存在なはずです。その存在がない。では、あの現場はいったいどのようにして回っているのでしょうか。かなり謎です。
関連して組織の問題もあります。
生徒会がどの程度の組織なのかは分かりませんが、それにしても世界を守護する組織としては脆弱だと言わざるを得ません。なぜ、そこに大人がいないのでしょうか。
百歩譲ってゲートキーパーの資格が大人になると失せてしまうにしても、元ゲートキーパーが現ゲートキーパーを指揮する組織が編成されていてもおかしくないのではないでしょうか。それが生徒会ではまずかったのでしょうか。
ゲートキーパーは明らかに強力な力です。力あるところに権力は必ず発生します。その権力を利用しよう、手にしようとする人間も当然出てくるはずです。
設定の不備は他にもあります。
キーパーマスターの候補者がキーパーマスターになる「うまみ」はいったいなんなのでしょうか。選ばれたから、戦わなければ世界が滅びるから。これらは理由になるようで理由になっていない気がしてなりません。
さんざん言われている『まどか☆マギカ』のQBですら、魔法少女になる代わりに願い事をひとつ叶えてくれました。ゲートキーパーはいったいなにを与えてくれるのでしょうか。
また人間一般の話になりますが、突然現れた人に「お前が戦わなければ地球が滅ぶ。だから戦え」と言われて、果たして本当に戦えるでしょうか。少なくとも私は戦えません。地球(世界)、なんて言われてもピンときません。しかも、相手の言っていることが本当かどうかも分かりません。まだ私はなにも失っていません。そして、その報酬すらもありません。
そんな要求では私は絶対に動きません。たぶん、世間一般の人もそうだと思います。
これは組織さえきちんと設定できていれば攻略可能な問題です。
たとえば、権力ある組織の一員になれる未来を約束される。あるいは巨額の金が出る。あるいは、ゲートキーパーの不思議な力で願いがひとつ叶う、でも構いません。
それがなんであれ、なにかしら「うまみ」が無ければゲートキーパーなんていう命懸けの仕事がやれるとは思えません。
あるいは逆でも構いません。
「うまみ」が出せないのであれば、「喪失」でもいいのです。
たとえば次元獣は現実を喰らうらしいですが、すでに何度も次元獣は現実を喰らっている。そして、その喰らわれた現実は『無かったこと』になる。土地も、人も。その変化を認識できるのは、中間世界に関わる者だけだ。こんな設定が付け加わるとします。そして、キーパーマスターは過去、自分の大切なものや人を次元獣によって奪われている。こんな設定を付けくわえるとします。それだけで彼らには戦う理由ができるはずです。
崩壊や喪失は現実のものとなって初めて実感として当人に自覚されます。来るかもしれない世界の崩壊なんてものは、実感できないのです。
他にもゲートキーパーが修理されていることに関する疑問やキーパーアシストという役職への疑問などもありますが、それは今度会ったときなどに話したいと思います。
最後に。
黒木さんには二つの選択肢があると思います。
今後も、ロボットものを書きたいという志をものにするために、シリアスの書き方を改めて勉強していく選択肢。もうひとつは、シリアスを書くことは長い目標としてコメディの作品だけを書いていく選択肢。
今回の小説を読んで思ったのは、個人的にはまずコメディを極めた方がいいと強く感じました。シリアスを書く勉強を下手にすると、今あるコメディの空気すらもバランスを壊してしまうのではないかと思うので。
それくらい、シリアスは向いていないと感じました。
自分自身がなにを書きたいのか、どこを目指しているのかを今一度考えて欲しいと思いました。上のシリアスを回避するべきだというのは、私が個人的に思うプロへの近道の話です。ロボットもの、しかもスパロボ参戦できるようなシリアスの、というものに拘るのであれば、全力で応援していきたいと思います。
繰り返しになりますが、自分がどこを目指しているのかを今一度深く考えてみてください。
返信遅れて申し訳ありません。
感想ありがとうございました。いつも感謝しています。
>今回の小説では登場人物全員が宇宙人でした。
これについては、意識し過ぎなくらい意識していたにも関わらずそうなってしまったことが、泣きたくなる程にショックでした。
未だに引きずっていて、どうしたら『宇宙人』にならないように書けるのか、正直分かりません。
過去の履歴をきっちり作ればそうならずに済むのかと言えば、そうじゃない気もしますし、こればかりは書いて学んで行くしかないのかもしれません。
>世界観の整合性、設定の考察力です。まさかここまで基礎力が不足しているとは思ってませんでした。
これは必死に誤魔化して来ましたが、昔からです。そもそも自分は物書きの才能が無い人間だと思っていますので、ひたすら学んで、吸収して行くしかないと考えています。
天野さんからご指摘頂いた、登場人物の感情面や、設定の不足分は、言い訳のしようも無く、全くもってその通りであり、深く受け止めて、今後の糧にしたいと思っています。
>それくらい、シリアスは向いていないと感じました。
正直な気持ちを言えば、二つの選択肢とか、そんなのは個人的にどうでもいいです。
私はただ、自分が書きたいと思う面白い物語を書きます。これは今も昔も変わらない気持ちです。
ですから、その物語にとってシリアスが必要だと思うなら、シリアスを書きますし、必要ないなら書きません。
なので、向いていなくても物語にシリアスが必要なら書いて行きます。というか、書かざるを得ません。
スパロボ参戦出来るような作品を書きたいのは間違いないので、シリアスの勉強はして行きたいです。
感想ありがとうございました。いつも感謝しています。
>今回の小説では登場人物全員が宇宙人でした。
これについては、意識し過ぎなくらい意識していたにも関わらずそうなってしまったことが、泣きたくなる程にショックでした。
未だに引きずっていて、どうしたら『宇宙人』にならないように書けるのか、正直分かりません。
過去の履歴をきっちり作ればそうならずに済むのかと言えば、そうじゃない気もしますし、こればかりは書いて学んで行くしかないのかもしれません。
>世界観の整合性、設定の考察力です。まさかここまで基礎力が不足しているとは思ってませんでした。
これは必死に誤魔化して来ましたが、昔からです。そもそも自分は物書きの才能が無い人間だと思っていますので、ひたすら学んで、吸収して行くしかないと考えています。
天野さんからご指摘頂いた、登場人物の感情面や、設定の不足分は、言い訳のしようも無く、全くもってその通りであり、深く受け止めて、今後の糧にしたいと思っています。
>それくらい、シリアスは向いていないと感じました。
正直な気持ちを言えば、二つの選択肢とか、そんなのは個人的にどうでもいいです。
私はただ、自分が書きたいと思う面白い物語を書きます。これは今も昔も変わらない気持ちです。
ですから、その物語にとってシリアスが必要だと思うなら、シリアスを書きますし、必要ないなら書きません。
なので、向いていなくても物語にシリアスが必要なら書いて行きます。というか、書かざるを得ません。
スパロボ参戦出来るような作品を書きたいのは間違いないので、シリアスの勉強はして行きたいです。
- 黒木猫人
- 2011年 12月13日 23時04分
[一言]
どうもこんにちは、白鳥です。作品完結おめでとうございます。
今回も前回と同じくロボットものということで、そういう点もふまえて色々と物申させていただこうと思います。身内視点、私見が多く含まれますことをご了承ください。
とりあえず、物語の構成、人物の物語中での装置的な役割などの配置とか、そういう「構築技術」みたいなものに関しては悪くなかったと思います。なんか苦労して書いたんだろうなぁ、という気はします。
ただ、それは所謂僕らで言うところの「綺麗な話の作り方」として間違いを犯していなかっただけであり、物語単体の「面白さ」という点で見れば、少々苦言をしなければならないところも多々。
今後色々な人が批評を入れると思いますので、自分は黒木さんがこれから「ロボットものを書く」ということを前提にして、この作品から色々考えていこうと思います。
1、シリアスがひたすらに描けていない
この作品の最大の問題であり、今後ロボットものを書く際の最大の改善点となる部分だと思っています。
紅坂との過去、主人公のトラウマなどが、ほぼ全て台無しになっている。戦闘シーンに切迫感が無い、等々、様々な問題を引き起こしています。以下、その理由をつらつらと。
「静と動」というわけではありませんが、戦闘ものには所謂「戦闘シーン」と「日常」というものの二つで構成されます。無論、その二つにおける掛け合いの調子は全く違うものであり、地の文章にしても雰囲気の作り方は違う意識の元で構成されると思います。これがほとんど同じになってしまうと、「静と動」に全く違いが生まれず、起伏の無い平坦な話に見えてしまいます。
今回にはそれが当てはまる。会話の流れというのが、一定して「ギャグ調子」であり、次元獣という怪物と命の取り合いをしているにも関わらず、茶番っぽさがにじみ出ています。走太の言葉がいちいちギャグに走っている。これがまず最大の改善点だと思います。日常ならまだしも、戦闘中にそれはまずい。しかも、つい最近まで一般人だったにも関わらずあのノリの良さ。ワケが分かりません。
例えばスパロボのリュウセイなどは、同様にロボットオタクであり、初出撃も結構軽いノリではありましたが、他人から「戦いは遊びではない」という指摘や彼自身が次第に真面目になっていく様が描かれているので違和感を感じません。
しかし、走太の周りの人物は走太をむしろギャグの方面に巻き込んでいく一方で、全体の雰囲気をひたすらに壊していく。
下手をすれば人が死ぬ。世界が壊れる。その危機感が一切感じられず、結果として最終シーンでさえも最早茶番にしか見えない。
危機感の演出、というのをもう少し考えたほうがいいかもしれません。ラストの戦闘だけが盛り上がるシーンではありません。一つ一つの戦闘で命の取り合いが発生しているのです。尚且つ、今回の主人公は「守れない」という劣等感を抱えている。戦闘という場においてそれが表出しないわけもありません。
元々設定がギャグっぽいならまだしも、恐らくゲートキーパーはかなりガチな設定。戦闘において恐怖を覚えないわけがない。役に立つ立たないではなく、そもそも「命を落とすかもしれない」という考えが主人公無かったように思えます。あったとしても、それが表出するのが遅い。一戦目からというか、むしろ一戦目にこそあるべき感情です。
逆に言うならば、ブラックテイラーの力を手に入れた主人公が、自分の力を過信してしまったような描写があってもいい。そしてその後折れる、と。
☆この問題は、黒木さんの中で「ヒロインを守る」というもののテーマ性が強すぎたのが原因の一つだと考えます。というのも、再三「命の取り合い」を強調してきましたが、今作で酷く現れているのは、ひたすらに主人公が「守れない!」と思っていること。
つまり、自分がやられるのではなく、ヒロインが守れないのではないか、ということばかりが表立って、戦闘というものの本質的な感情を忘れてしまっている気がします。それは物語の根幹を担うテーマであって、戦闘をする際の感情ではない。そこの意識も必要かもしれません。
2、文章の問題
今回は恐らくあまり書きなれていない三人称で結構無理をしたんだと思います。努力が垣間見られました。これはテーマ性というものの演出の問題でもあります。以下、それを。
()の中でキャラの心情を独白させる手法。これが、恐らく三人称を書いたことで現れた問題のひとつ。
別に無しではないのですが、今回の作品においては()独白がひたすらに逆効果。主人公が持つトラウマなどを読者に伝える便利な技法としての甘えが多々垣間見られる。
例えば、僕が書いてる作品では主人公が元犯罪者なので、それが一つの劣等感要素となっていますが、
(だって、俺は元犯罪者なんだ……)
と書いてしまうと、なんだか一気に陳腐に見える気がしないでしょうか。
今作では主人公がヘタレである点、守れないというトラウマを背負っている点などが、ひたすらに()の中で独白され、読者としては彼が持つトラウマへの印象がどんどん陳腐になっていっていると思いました。
()の中で許されるのは、口に出さない思考としての視覚情報や状況把握、他のものに関する感想、くらいだと思います。所謂「思考」は()で表現できても、「想い」「思想」と呼ばれる側の「感情」は()で表現してはいけない。というか、地の文章でやれるなら全部やるべきです。
あと、ヘタレだのという「言葉」が「表現」ではなく書かれている部分が多く見受けられますが、ここも考えたほうがいいかもしれません。ある種、自分をヘタレだという主人公が一つのゆがみになっている様は分かりますが、ヘタレだと思っていても、他人から指摘されれば怒る、そのくらいの「人間味」が無ければ使ってはいけない手法だと思います。
というのも、読者からすれば、こいつは「ヘタレという自分を認めておきながら反省もせず強くなろうともせず、ただ弱さを認めているだけ」という不快な印象を抱きます。そういうキャラを描いている明確な描写があればまた話は別ですが、恐らく走太は違う。ただの「ヘタレ」として扱いたいならば、あまり口に出さないほうがいいとは思いました。
あと、それに付随して菜美子の考え方が少々厳しすぎるというのも一つ。
ヘタレヘタレ言って主人公を蜂起させようとしているのは分かりますが、主人公の言う「死ぬかもしれない」という考えを「世界が滅んでもいいのですか?」という切り替えしで解決しようとするのはあまりに鬼畜過ぎる。言いたいことは分かりますが、本当に世界が滅ぶことを憂いでいて走太を必要としているならば、菜美子は決して「ヘタレでもいいと思います」などと言うべきではない。もっと必死になっていい。その上で「ヘタレ」だと怒鳴り散らすならまだしも、諦観に似た調子で言われてはたまったものじゃないですね。
3、ロボットものとしてのオリジナリティ
今回、サヤナミカと違って大きく劣るのはここ。ロボットものとして、単純に惹かれる設定ではなかったということ。
自分はロボットものにあまり詳しくはありませんが、ロボットとは「兵器」でありながらも、それ以上の意味を見出していくのが一つだと思っています。エヴァにせよガンダムにせよ、身体の延長という意味だけではなく、キャラの心情とか、そういうものすらも含めた所謂「相棒」であったはず。今作においてはブラックテイラーはある意味ではその役割を果たしていますが、やはりそれも魅力的に使われたかと聞かれれば否で、そもそもラノベであるならばブラックテイラーは女の子でも良かっただろうと思います(紅坂とのいざこざの発生装置にもなりますし)。
所謂特殊性、黒木さんのこの「ゲートキーパー」にしかない特殊な設定が欲しかった。次元獣だけでは足りない、肌の刻印でも足りない。そういうものではなく、「搭乗機」としてのオリジナリティ、それが欲しかったように思えます。
というのには、やはりブラックテイラーの設定が明かされるのがもう少し早くて、その辺りを利用したり、後半に明かすにしても、もう少し面白い伏線をはるだとか、やはり色々と足りないものはあると思います。今一度、その辺りを見返して設定を練り直す必要があると僕は思います。オリジナリティ信者としては、今回のゲートキーパーは味方にしても敵にしても非常に薄い。自分が思う「これが俺のロボットものだ!」と言えるような設定を作り上げていただきたい。
・まとめ
総じて、「シリアスを書く」ということを意識することが重要だと思います。コメディ方面での心配は特にないのですが、これからロボットものを書こうというのなら、サヤナミカのような作品ならともかく、今回のゲートキーパーのような作品を作るとすれば必要不可欠なことだと思います。
人間を書くだのどうだのという話ではなく、「人がある場面に直面した時に持っていて当然の感情」というものの意識が足りない。その意識が足りないから、後半の盛り上がりも失速するのだと思います。会話、というのもしかり。人と人が会話して「そうなるべき反応」というのがやはりあるわけであって。コメディではある程度許されることですが、ことシリアスに関してはやらなければならないことです。
空気感、といえば良いんでしょうか。そういうものを出す努力をしてみたらいかがかと。すれば、恐らく文章も自然とついてくると思います。ひたすらに甘えない会話、それが必要です。
とりあえずはこのくらいでしょうか。今回は黒木さんの良い点が悪い方面に働いてしまった感じでしょう。改善点、というよりは今後のスタンスというか、そういうものを今回指摘させていただきました。
どうもこんにちは、白鳥です。作品完結おめでとうございます。
今回も前回と同じくロボットものということで、そういう点もふまえて色々と物申させていただこうと思います。身内視点、私見が多く含まれますことをご了承ください。
とりあえず、物語の構成、人物の物語中での装置的な役割などの配置とか、そういう「構築技術」みたいなものに関しては悪くなかったと思います。なんか苦労して書いたんだろうなぁ、という気はします。
ただ、それは所謂僕らで言うところの「綺麗な話の作り方」として間違いを犯していなかっただけであり、物語単体の「面白さ」という点で見れば、少々苦言をしなければならないところも多々。
今後色々な人が批評を入れると思いますので、自分は黒木さんがこれから「ロボットものを書く」ということを前提にして、この作品から色々考えていこうと思います。
1、シリアスがひたすらに描けていない
この作品の最大の問題であり、今後ロボットものを書く際の最大の改善点となる部分だと思っています。
紅坂との過去、主人公のトラウマなどが、ほぼ全て台無しになっている。戦闘シーンに切迫感が無い、等々、様々な問題を引き起こしています。以下、その理由をつらつらと。
「静と動」というわけではありませんが、戦闘ものには所謂「戦闘シーン」と「日常」というものの二つで構成されます。無論、その二つにおける掛け合いの調子は全く違うものであり、地の文章にしても雰囲気の作り方は違う意識の元で構成されると思います。これがほとんど同じになってしまうと、「静と動」に全く違いが生まれず、起伏の無い平坦な話に見えてしまいます。
今回にはそれが当てはまる。会話の流れというのが、一定して「ギャグ調子」であり、次元獣という怪物と命の取り合いをしているにも関わらず、茶番っぽさがにじみ出ています。走太の言葉がいちいちギャグに走っている。これがまず最大の改善点だと思います。日常ならまだしも、戦闘中にそれはまずい。しかも、つい最近まで一般人だったにも関わらずあのノリの良さ。ワケが分かりません。
例えばスパロボのリュウセイなどは、同様にロボットオタクであり、初出撃も結構軽いノリではありましたが、他人から「戦いは遊びではない」という指摘や彼自身が次第に真面目になっていく様が描かれているので違和感を感じません。
しかし、走太の周りの人物は走太をむしろギャグの方面に巻き込んでいく一方で、全体の雰囲気をひたすらに壊していく。
下手をすれば人が死ぬ。世界が壊れる。その危機感が一切感じられず、結果として最終シーンでさえも最早茶番にしか見えない。
危機感の演出、というのをもう少し考えたほうがいいかもしれません。ラストの戦闘だけが盛り上がるシーンではありません。一つ一つの戦闘で命の取り合いが発生しているのです。尚且つ、今回の主人公は「守れない」という劣等感を抱えている。戦闘という場においてそれが表出しないわけもありません。
元々設定がギャグっぽいならまだしも、恐らくゲートキーパーはかなりガチな設定。戦闘において恐怖を覚えないわけがない。役に立つ立たないではなく、そもそも「命を落とすかもしれない」という考えが主人公無かったように思えます。あったとしても、それが表出するのが遅い。一戦目からというか、むしろ一戦目にこそあるべき感情です。
逆に言うならば、ブラックテイラーの力を手に入れた主人公が、自分の力を過信してしまったような描写があってもいい。そしてその後折れる、と。
☆この問題は、黒木さんの中で「ヒロインを守る」というもののテーマ性が強すぎたのが原因の一つだと考えます。というのも、再三「命の取り合い」を強調してきましたが、今作で酷く現れているのは、ひたすらに主人公が「守れない!」と思っていること。
つまり、自分がやられるのではなく、ヒロインが守れないのではないか、ということばかりが表立って、戦闘というものの本質的な感情を忘れてしまっている気がします。それは物語の根幹を担うテーマであって、戦闘をする際の感情ではない。そこの意識も必要かもしれません。
2、文章の問題
今回は恐らくあまり書きなれていない三人称で結構無理をしたんだと思います。努力が垣間見られました。これはテーマ性というものの演出の問題でもあります。以下、それを。
()の中でキャラの心情を独白させる手法。これが、恐らく三人称を書いたことで現れた問題のひとつ。
別に無しではないのですが、今回の作品においては()独白がひたすらに逆効果。主人公が持つトラウマなどを読者に伝える便利な技法としての甘えが多々垣間見られる。
例えば、僕が書いてる作品では主人公が元犯罪者なので、それが一つの劣等感要素となっていますが、
(だって、俺は元犯罪者なんだ……)
と書いてしまうと、なんだか一気に陳腐に見える気がしないでしょうか。
今作では主人公がヘタレである点、守れないというトラウマを背負っている点などが、ひたすらに()の中で独白され、読者としては彼が持つトラウマへの印象がどんどん陳腐になっていっていると思いました。
()の中で許されるのは、口に出さない思考としての視覚情報や状況把握、他のものに関する感想、くらいだと思います。所謂「思考」は()で表現できても、「想い」「思想」と呼ばれる側の「感情」は()で表現してはいけない。というか、地の文章でやれるなら全部やるべきです。
あと、ヘタレだのという「言葉」が「表現」ではなく書かれている部分が多く見受けられますが、ここも考えたほうがいいかもしれません。ある種、自分をヘタレだという主人公が一つのゆがみになっている様は分かりますが、ヘタレだと思っていても、他人から指摘されれば怒る、そのくらいの「人間味」が無ければ使ってはいけない手法だと思います。
というのも、読者からすれば、こいつは「ヘタレという自分を認めておきながら反省もせず強くなろうともせず、ただ弱さを認めているだけ」という不快な印象を抱きます。そういうキャラを描いている明確な描写があればまた話は別ですが、恐らく走太は違う。ただの「ヘタレ」として扱いたいならば、あまり口に出さないほうがいいとは思いました。
あと、それに付随して菜美子の考え方が少々厳しすぎるというのも一つ。
ヘタレヘタレ言って主人公を蜂起させようとしているのは分かりますが、主人公の言う「死ぬかもしれない」という考えを「世界が滅んでもいいのですか?」という切り替えしで解決しようとするのはあまりに鬼畜過ぎる。言いたいことは分かりますが、本当に世界が滅ぶことを憂いでいて走太を必要としているならば、菜美子は決して「ヘタレでもいいと思います」などと言うべきではない。もっと必死になっていい。その上で「ヘタレ」だと怒鳴り散らすならまだしも、諦観に似た調子で言われてはたまったものじゃないですね。
3、ロボットものとしてのオリジナリティ
今回、サヤナミカと違って大きく劣るのはここ。ロボットものとして、単純に惹かれる設定ではなかったということ。
自分はロボットものにあまり詳しくはありませんが、ロボットとは「兵器」でありながらも、それ以上の意味を見出していくのが一つだと思っています。エヴァにせよガンダムにせよ、身体の延長という意味だけではなく、キャラの心情とか、そういうものすらも含めた所謂「相棒」であったはず。今作においてはブラックテイラーはある意味ではその役割を果たしていますが、やはりそれも魅力的に使われたかと聞かれれば否で、そもそもラノベであるならばブラックテイラーは女の子でも良かっただろうと思います(紅坂とのいざこざの発生装置にもなりますし)。
所謂特殊性、黒木さんのこの「ゲートキーパー」にしかない特殊な設定が欲しかった。次元獣だけでは足りない、肌の刻印でも足りない。そういうものではなく、「搭乗機」としてのオリジナリティ、それが欲しかったように思えます。
というのには、やはりブラックテイラーの設定が明かされるのがもう少し早くて、その辺りを利用したり、後半に明かすにしても、もう少し面白い伏線をはるだとか、やはり色々と足りないものはあると思います。今一度、その辺りを見返して設定を練り直す必要があると僕は思います。オリジナリティ信者としては、今回のゲートキーパーは味方にしても敵にしても非常に薄い。自分が思う「これが俺のロボットものだ!」と言えるような設定を作り上げていただきたい。
・まとめ
総じて、「シリアスを書く」ということを意識することが重要だと思います。コメディ方面での心配は特にないのですが、これからロボットものを書こうというのなら、サヤナミカのような作品ならともかく、今回のゲートキーパーのような作品を作るとすれば必要不可欠なことだと思います。
人間を書くだのどうだのという話ではなく、「人がある場面に直面した時に持っていて当然の感情」というものの意識が足りない。その意識が足りないから、後半の盛り上がりも失速するのだと思います。会話、というのもしかり。人と人が会話して「そうなるべき反応」というのがやはりあるわけであって。コメディではある程度許されることですが、ことシリアスに関してはやらなければならないことです。
空気感、といえば良いんでしょうか。そういうものを出す努力をしてみたらいかがかと。すれば、恐らく文章も自然とついてくると思います。ひたすらに甘えない会話、それが必要です。
とりあえずはこのくらいでしょうか。今回は黒木さんの良い点が悪い方面に働いてしまった感じでしょう。改善点、というよりは今後のスタンスというか、そういうものを今回指摘させていただきました。
感想ありがとうございます。そして、返信が遅れて申し訳ございません。
いつも感謝しています。
>1、シリアスがひたすらに描けていない
自分らしいロボットものを書こうとした結果、戦闘がこうなってしまいました。今では深く反省しています。冷静に思い返すと、この作品は真面目な方向で書くべき作品であり、コミカルな要素は排除してしまってもよかったと思っています。
>2、文章の問題
三人称は昔書いていたのですが、改めて書いてみて、色々と試行錯誤した結果、こうなってしまいました。
今まで( )の使い方が良く分かっていなかったのですが、言われてみると、なるほどと思うことが多く、蜻蛉さんの指摘は大いに勉強になりました。
>3、ロボットものとしてのオリジナリティ
ゲートキーパーにおいては、ブラックテイラー問わず、『イメージを力に変える』ということをやってみようと思っていたのですが、余りにも練り込みが足りず、何の変哲も無いロボットものになってしまいました。
いや、そもそも練ったところで、おそらく他のロボットものより尖ったりはしないでしょう。
次はもっと、自分だけのロボットものを作り出したいと思っています。
>ひたすらに甘えない会話、それが必要です。
素晴らしいアドバイスで、とても心に沁みます。これは今後、書く際に大いに意識して行きたいと思います。
いつも感謝しています。
>1、シリアスがひたすらに描けていない
自分らしいロボットものを書こうとした結果、戦闘がこうなってしまいました。今では深く反省しています。冷静に思い返すと、この作品は真面目な方向で書くべき作品であり、コミカルな要素は排除してしまってもよかったと思っています。
>2、文章の問題
三人称は昔書いていたのですが、改めて書いてみて、色々と試行錯誤した結果、こうなってしまいました。
今まで( )の使い方が良く分かっていなかったのですが、言われてみると、なるほどと思うことが多く、蜻蛉さんの指摘は大いに勉強になりました。
>3、ロボットものとしてのオリジナリティ
ゲートキーパーにおいては、ブラックテイラー問わず、『イメージを力に変える』ということをやってみようと思っていたのですが、余りにも練り込みが足りず、何の変哲も無いロボットものになってしまいました。
いや、そもそも練ったところで、おそらく他のロボットものより尖ったりはしないでしょう。
次はもっと、自分だけのロボットものを作り出したいと思っています。
>ひたすらに甘えない会話、それが必要です。
素晴らしいアドバイスで、とても心に沁みます。これは今後、書く際に大いに意識して行きたいと思います。
- 黒木猫人
- 2011年 12月13日 23時35分
[一言]
どうも、あまつばめです。
今回の作品は精読しましたが、正直に言ってひどい出来だと思いました……。ストーリー構成、設定、キャラの描写から単純な文章まで、全てにおいて水準を突破できていないと思います。
以下、箇条書きで思う所を書いていきます。
・文章
僕が感じた中で一番ひどかったのが文章です。誤字脱字が多い、という意味ではありません。とにかく全体的に、研磨されていない印象を受けます。単語や勢いだけで場面を単純に描写するだけであったり、似たシーンを描写する際に何度も同じ単語を使ったり(具体的な例では「サムズアップ」)などなど、文章の軽さにひどく引っかかりました。軽快な文章を書くのは黒木さんの味なのだと思います、ラブコメなど書いている時のテンポの良さは本当に見習いたいです。けれど今回のように「大型ロボットによる戦闘」などが入る物語では、いつものノリでは雰囲気を壊しかねないと思うのです。
以前に書いたサヤナミカも、ライトなノリとギャグで書いているじゃないか、と思われるかもしれませんが、そちらは問題ありません。なぜなら物語の根幹にあるトラウマや解決すべき問題がまったく違うからです。落ちこぼれではない、という反骨精神を見せるサヤナミカと、イジメられる少女を見捨てて逃げたという臆病者を中心に据えたゲートキーパー。同じノリで書いては空気が破壊されます。キャラクタの性格などによって戦闘シーンの見え方は大きく変わるのですから。
二章で初めて戦うときにもそうです。敵から逃げ惑う際に、なぜギャグ成分を挿入したのか。物語の終盤では「死ぬのが怖い」という理由で逃げ出すことになっているのに、死に直結する戦闘シーンでギャグをやっては意味が分からなくなってしまいます。シリアスとギャグの分別がまったくできておらず、チグハグな印象がぬぐえません。作品の持つ空気感は丁寧に変遷していかないと、確実に読者が離れてしまいます。
次に、キャラ描写の点。特に主人公の性格描写「ヘタレ」がひどいです。本当にやばいです。「俺ヘタレだから!」「お前は本当にヘタレだな」などなど、この手の描写は全て削って欲しいです。描写じゃないです、レッテルを貼って性格を描写した気にならないでください。素直になれない女の子がいて「君ってほんとにツンデレだね!」とか言わないでしょう。ラノベのノリでも無理があります。黒木さんの中では、ヘタレ=腰抜け、という位置づけなのかも知れません。でもヘタレは……ネットの掲示板や、何か作品(またはキャラ)を批判するときに出る単語のように思えます。日常会話において、こんな単語が出ることが想像できませんでした。
・ストーリーとキャラクター
とにかく薄すぎます。キャラクタが人生を歩んでいるとは思えません。彼らの人生を、きちんとシミュレーション出来ていますか?
特に、ヒロインには本当に参りました。イジメられているヒロイン(しかも男子に集団でこぶしを振るわれている所)を見捨てた主人公を、なぜヒロインが嫌っていないのか、本当に理解ができません。わたしが弱いから、嫌われちゃったんだ。いやいやおかしいです。普通そんな風には考えない。「なんで助けてくれなかったの!?」と問い詰めること、あるいは主人公に失望はしこそすれ、ヒロイン自身が己の弱さを見つめて反省するなんて、人じゃあないです。この感情推移は本当にひどい。ちょっと想像しづらいです。
主人公は主人公でひどい。冒頭からずっとひどいですが、特に最後の葛藤シーン。なぜ、死ぬのが怖いという感情を貫き通して逃げ続けることができるのか。お前は十年前にヒロインを見捨てたことを、悔やんでいるのではなかったのか。罪の意識はないのか。再び弁解するチャンスが来たというのに、逃げるのか。ちょっと考えれば予想のつきそうな未来すらも想像できないほどにアホウなのでしょうか。「命がかかってるんだからしょうがないじゃんか」という反論は成立しません。なぜなら主人公は、自分が戦わねば、ヒロインが死ぬこと、ひいては現実世界の破滅の未来が見えているのです。もう、逃げることはできないんです。これは選択ではない。葛藤ではない。逃げる選択肢など、最初から存在していない。主人公が戦わないことによって発生しえる未来は「寿命を数時間伸ばすこと」のみ。臆病とかヘタレとか言ってる暇ありません。さっさと乗って戦うべき。それしかないのに、逃げ回る。腰抜けを越えてタダのクズです。なんてカッコ悪いのだろう。
エヴァの似たシーンを例えに出します。「男の戦い」で、シンジが戻ってくる所を思い返してください。彼は、葛藤を越えて、戦うために戻ってきました。あのシーンがなぜカッコ良く見えるかと言うと「シンジには逃げる選択肢があるのに戻ってきた」からです。彼の中では、逃げても(自分がいなくなっても)まだ何とかなるんだという要因があるんです。二号機がいますから。アスカがやられても、まだダミープラグがありますから。ダミープラグはあの時使えなかったので、状況は八方塞がりですが……シンジはそれを知りません。けれど帰ってくる。彼の中で、逃げること以上に「何かが打ち勝った」瞬間です。カタルシス!
これ、二号機は無いわ、ダミープラグは使えないわって知ってたら、シンジくんに葛藤はなかったと思いませんか? 自分じゃなきゃダメなんだ、自分がやらなきゃ数時間後には確実にみんなが殺される。そうなったら戦うしかない。逃げるなんて許されない。親友が殺されたから、父親が嫌いだから、そんな思いを持っていても逃げることはしないでしょう。そんな状況で逃げるシンジくん、どう思いますか。これが今回の走太です。
葛藤は、必ず対極のことをぶつけて、選択させてください。自ら選んで、掴み取らせてください。その過程を「走る」というのです。
細かいところにはまだまだいい足りない部分がありますが、僕が気になった点はだいたい記しました。
サヤナミカの時には、ロボットの設定がきちんと練られていましたし、キャラクタももっと生き生きしていたと思います。今回は完全に全てがサヤナミカに劣っていました。これを送るくらいならば、サヤナミカをリライトして投稿した方がいいと思います。
以上です。少し辛辣になってしまったかもしれません。僕の感想を糧に、面白い作品を書かれることを期待しています。
どうも、あまつばめです。
今回の作品は精読しましたが、正直に言ってひどい出来だと思いました……。ストーリー構成、設定、キャラの描写から単純な文章まで、全てにおいて水準を突破できていないと思います。
以下、箇条書きで思う所を書いていきます。
・文章
僕が感じた中で一番ひどかったのが文章です。誤字脱字が多い、という意味ではありません。とにかく全体的に、研磨されていない印象を受けます。単語や勢いだけで場面を単純に描写するだけであったり、似たシーンを描写する際に何度も同じ単語を使ったり(具体的な例では「サムズアップ」)などなど、文章の軽さにひどく引っかかりました。軽快な文章を書くのは黒木さんの味なのだと思います、ラブコメなど書いている時のテンポの良さは本当に見習いたいです。けれど今回のように「大型ロボットによる戦闘」などが入る物語では、いつものノリでは雰囲気を壊しかねないと思うのです。
以前に書いたサヤナミカも、ライトなノリとギャグで書いているじゃないか、と思われるかもしれませんが、そちらは問題ありません。なぜなら物語の根幹にあるトラウマや解決すべき問題がまったく違うからです。落ちこぼれではない、という反骨精神を見せるサヤナミカと、イジメられる少女を見捨てて逃げたという臆病者を中心に据えたゲートキーパー。同じノリで書いては空気が破壊されます。キャラクタの性格などによって戦闘シーンの見え方は大きく変わるのですから。
二章で初めて戦うときにもそうです。敵から逃げ惑う際に、なぜギャグ成分を挿入したのか。物語の終盤では「死ぬのが怖い」という理由で逃げ出すことになっているのに、死に直結する戦闘シーンでギャグをやっては意味が分からなくなってしまいます。シリアスとギャグの分別がまったくできておらず、チグハグな印象がぬぐえません。作品の持つ空気感は丁寧に変遷していかないと、確実に読者が離れてしまいます。
次に、キャラ描写の点。特に主人公の性格描写「ヘタレ」がひどいです。本当にやばいです。「俺ヘタレだから!」「お前は本当にヘタレだな」などなど、この手の描写は全て削って欲しいです。描写じゃないです、レッテルを貼って性格を描写した気にならないでください。素直になれない女の子がいて「君ってほんとにツンデレだね!」とか言わないでしょう。ラノベのノリでも無理があります。黒木さんの中では、ヘタレ=腰抜け、という位置づけなのかも知れません。でもヘタレは……ネットの掲示板や、何か作品(またはキャラ)を批判するときに出る単語のように思えます。日常会話において、こんな単語が出ることが想像できませんでした。
・ストーリーとキャラクター
とにかく薄すぎます。キャラクタが人生を歩んでいるとは思えません。彼らの人生を、きちんとシミュレーション出来ていますか?
特に、ヒロインには本当に参りました。イジメられているヒロイン(しかも男子に集団でこぶしを振るわれている所)を見捨てた主人公を、なぜヒロインが嫌っていないのか、本当に理解ができません。わたしが弱いから、嫌われちゃったんだ。いやいやおかしいです。普通そんな風には考えない。「なんで助けてくれなかったの!?」と問い詰めること、あるいは主人公に失望はしこそすれ、ヒロイン自身が己の弱さを見つめて反省するなんて、人じゃあないです。この感情推移は本当にひどい。ちょっと想像しづらいです。
主人公は主人公でひどい。冒頭からずっとひどいですが、特に最後の葛藤シーン。なぜ、死ぬのが怖いという感情を貫き通して逃げ続けることができるのか。お前は十年前にヒロインを見捨てたことを、悔やんでいるのではなかったのか。罪の意識はないのか。再び弁解するチャンスが来たというのに、逃げるのか。ちょっと考えれば予想のつきそうな未来すらも想像できないほどにアホウなのでしょうか。「命がかかってるんだからしょうがないじゃんか」という反論は成立しません。なぜなら主人公は、自分が戦わねば、ヒロインが死ぬこと、ひいては現実世界の破滅の未来が見えているのです。もう、逃げることはできないんです。これは選択ではない。葛藤ではない。逃げる選択肢など、最初から存在していない。主人公が戦わないことによって発生しえる未来は「寿命を数時間伸ばすこと」のみ。臆病とかヘタレとか言ってる暇ありません。さっさと乗って戦うべき。それしかないのに、逃げ回る。腰抜けを越えてタダのクズです。なんてカッコ悪いのだろう。
エヴァの似たシーンを例えに出します。「男の戦い」で、シンジが戻ってくる所を思い返してください。彼は、葛藤を越えて、戦うために戻ってきました。あのシーンがなぜカッコ良く見えるかと言うと「シンジには逃げる選択肢があるのに戻ってきた」からです。彼の中では、逃げても(自分がいなくなっても)まだ何とかなるんだという要因があるんです。二号機がいますから。アスカがやられても、まだダミープラグがありますから。ダミープラグはあの時使えなかったので、状況は八方塞がりですが……シンジはそれを知りません。けれど帰ってくる。彼の中で、逃げること以上に「何かが打ち勝った」瞬間です。カタルシス!
これ、二号機は無いわ、ダミープラグは使えないわって知ってたら、シンジくんに葛藤はなかったと思いませんか? 自分じゃなきゃダメなんだ、自分がやらなきゃ数時間後には確実にみんなが殺される。そうなったら戦うしかない。逃げるなんて許されない。親友が殺されたから、父親が嫌いだから、そんな思いを持っていても逃げることはしないでしょう。そんな状況で逃げるシンジくん、どう思いますか。これが今回の走太です。
葛藤は、必ず対極のことをぶつけて、選択させてください。自ら選んで、掴み取らせてください。その過程を「走る」というのです。
細かいところにはまだまだいい足りない部分がありますが、僕が気になった点はだいたい記しました。
サヤナミカの時には、ロボットの設定がきちんと練られていましたし、キャラクタももっと生き生きしていたと思います。今回は完全に全てがサヤナミカに劣っていました。これを送るくらいならば、サヤナミカをリライトして投稿した方がいいと思います。
以上です。少し辛辣になってしまったかもしれません。僕の感想を糧に、面白い作品を書かれることを期待しています。
- 投稿者: 退会済み
- 男性
- 2011年 07月17日 19時32分
管理
返信遅れて申し訳ありません。感想ありがとうございます。
いつも読んでくれて、深く感謝しています。
>文章
研磨されていないのは、申し訳ありません。私の技量不足です。これでも一応、腐る程見直したつもりなのですが、それでも文章力が足りず、こうなってしまいました。
これについては、地道に練習して行こうと思います。
性格描写のへタレについては、記号化して、個性付けしようとした結果、こうなってしまいました。これもまた技量不足です。申し訳ありません。そもそも、描写というものを理解していなかったことにも原因がありました。
>ストーリーとキャラクター
ご指摘通り、彼らの表面的なものを描いているだけで、過去どんな道のりを歩いて来たかは具体的に考えていませんでした。
深く反省して、今後はもっとしっかりと設定を練って行くよう、努力したいと思っています。
>葛藤は、必ず対極のことをぶつけて、選択させてください。自ら選んで、掴み取らせてください。その過程を「走る」というのです。
これは未だに、やりたいとは思っても、なかなか出来ないのが現状です。そういう細かいことを考えるのが向いていないのかもしれません。
しかし、ライトノベル作家を目指す以上、真面目に取り組むべき問題なのは確かで、いつか出来るようになりたいと思っています。
ストレートな感想に、学ぶことが沢山ありました。
ショックを受けて、へこみましたが、それでもやっぱり悔しいので、努力して面白い物語を作って行こうと思います。
いつも読んでくれて、深く感謝しています。
>文章
研磨されていないのは、申し訳ありません。私の技量不足です。これでも一応、腐る程見直したつもりなのですが、それでも文章力が足りず、こうなってしまいました。
これについては、地道に練習して行こうと思います。
性格描写のへタレについては、記号化して、個性付けしようとした結果、こうなってしまいました。これもまた技量不足です。申し訳ありません。そもそも、描写というものを理解していなかったことにも原因がありました。
>ストーリーとキャラクター
ご指摘通り、彼らの表面的なものを描いているだけで、過去どんな道のりを歩いて来たかは具体的に考えていませんでした。
深く反省して、今後はもっとしっかりと設定を練って行くよう、努力したいと思っています。
>葛藤は、必ず対極のことをぶつけて、選択させてください。自ら選んで、掴み取らせてください。その過程を「走る」というのです。
これは未だに、やりたいとは思っても、なかなか出来ないのが現状です。そういう細かいことを考えるのが向いていないのかもしれません。
しかし、ライトノベル作家を目指す以上、真面目に取り組むべき問題なのは確かで、いつか出来るようになりたいと思っています。
ストレートな感想に、学ぶことが沢山ありました。
ショックを受けて、へこみましたが、それでもやっぱり悔しいので、努力して面白い物語を作って行こうと思います。
- 黒木猫人
- 2011年 12月14日 00時02分
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