感想一覧

このへん活動報告ではつらつらっと解説したのですが、本文では始終ローラ嬢の視点だったので何の説明もなく終わってしまいましたね

> 主人公と婚約していると勘違い
サイラスくんはローラ嬢が好きでした。まあ当時12歳のサイラスくんが18歳のドルシラを将来の伴侶候補として見られるかと言われれば難しいとは思うのでこれ自体はそこまで問題ではありません。ドルシラに誠実に接していればそれでいい話だったので
ただ問題だったのが、サイラスくんが「ローラは自分が好き」と思い込んだことですね。ローラ嬢はドルシラの心の平穏のためにサイラスくんが必要だと理解していたので、サイラスくんにはそれなりにお優しく接していました。つまり現代でいう店員さんから愛想良く振る舞われたから「この店員は自分に惚れている！」と勘違いするひとと同じ理屈です
「だから自分とローラは婚約しているんだ！」は思考の飛躍の結果ですね。サイラスくんはあんまり頭がよろしくありませんでした

> 次期侯爵の勘違い
サイラスくんはドルシラの婚約者候補だったので、次期女侯爵代理（補佐？）候補でした。このへんの「代理」とか「候補」だとかが都合よく頭からすっぽ抜けて「自分が次期侯爵なんだ！」って勘違いしました
サイラスくんは男爵家のご令息だったので、いきなりお城みたいなお屋敷に住んでいる侯爵家と関わりを持つことになって舞い上がるあまりに認識しておくべきことがらが何もかも右から左に抜けてしまいました

> 親あたりも問題
両親は別にめちゃくちゃ悪人というわけではありませんが、ほどほどに俗物的でしたので男爵家の子どもが侯爵家と縁づくかも知れないということにそれなりに舞い上がっていました。男爵家にとって金の卵であったサイラスくんを必要以上に甘やかしてしまった面はありました
両親は決して悪人ではありませんでしたが、自分たちの息子であるサイラスくんが原因で親戚のジャスティンが亡くなったために転がり込んできた侯爵家との縁に舞い上がる程度には手前勝手な人たちでした。そもそもサイラスくんが増水した川に遊びに出た時点で子育てにわりと失敗しているので…

ちなみにこれも活動報告にちょろっと書きましたが、サイラスくんの従兄のジャスティンは子爵家の出身ですが、優秀さを見込まれて縁戚の（ドルシラの侯爵家とは別の）侯爵家に養子として引き取られて高い教育を受けていました
サイラスくんはめちゃくちゃおバカさんでしたし勘違いと思い込みの激しい困ったさんでしたが、実のところ侯爵家に見込まれるほど優秀であった従兄と比べるのは些か可哀想な境遇でした。まあそんな事情を吹き飛ばすほどサイラスくんには能力的にも人格的にも問題がありましたが

ご感想ありがとうございます！

そうですね、虚しいです。良い人は誰も報われません。現実でもよくあることですが
まあ、生まれたことそのものが間違いだよねって人はたまにいるものなので。これもよくあることですが

ローラ嬢はとてもとても怒っていますしサイラスくんを憎んでいますが、かといっていまのところわざわざサイラスくんに必要以上に攻撃をすることは選びませんでした。残念なことに、ローラ嬢はサイラスくんに復讐をしたってドルシラが戻ってこないことを理解できる程度には賢い女の子でした
サイラスくんに使う時間が勿体ないというのもありますが、年齢が上がれば取るべき責任も大きくなるので、将来的にいま以上に問題が大きくなって社会的に取り返しがつかないほどダメージを受けてしまえという思いもあります
それでも納得いかなければ将来的にローラ嬢がサイラスくんに直接的な復讐をするかも知れませんし、しないかも知れませんし、サイラスくんが勝手に転がり落ちて自滅するかも知れません。ローラ嬢はサイラスくんに関わりはしませんが眺めてます。ずっとずっと眺めてます。なぜならローラ嬢はずっとずっと怒っているので

仲のいいまともなお友だちがいたらきっと指摘してくれたのでしょうけれど、残念なことにサイラスくんの周りにまともなお友だちはいません。まともなご令息ご令嬢には嫌われるので…
お取り巻きのご令嬢たちはともかく、お友だちのご令息たちには本気で騙されているのとサイラスくんを担いで腹で笑っているのがいます。あとは谷に落ちるまで突っ走るだけです

ドルシラお姉様はきっとジャスティンと一緒に家族やローラたちを見守っているし、ローラが長い人生を終えたあとには出迎えてくれるでしょう。もしかしたら来世にはドルシラとローラは本当の姉妹として生まれるかもしれませんね

楽しんで頂けたようで何よりです！ご感想ありがとうございました！