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感想
読み終わって最初に思ったのは、「ああ、聖女が可哀想」ではなかった。「聖女が、ようやく見つけてもらえた」だった。
ざまぁカテゴリで読み始めたのに、最後に残ったのはすごく静かな感情で、自分でも驚いている。主人公が怒らないのがいい。嫉妬しないのがいい。ただ観察して、記録して、その記録が結果として一番深い理解になっている構造がずるい。
特に好きなのは、魅了が解けた後の周囲の反応。あれだけ聖女に群がっていた人間が、中和剤ひとつで離れていく。あの薄情さの中で、観察を続けている主人公だけが聖女の隣にいる。敵なのに。駆除する側なのに。でもそこにしか本物がない。
「愛より観察」ってタイトルの意味が、最終話で完全にひっくり返る。観察することが、この物語における最も誠実な愛の形だった。やられた。
続編があるなら、学会報第47号の「次号、新種報告」の先が読みたい。次の外来種にも、こういう観察者がいてほしい。
  • 投稿者: muchi
  • 2026年 04月22日 18時04分
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