感想一覧

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>本来なら、そこで終わるべきなのだ。祝福され、過去は過去として棚に上がり、今のリリアンが今の彼女として扱われるべきだった。
>なのに誰もそうしない。
>皆が昔のリリアンを抱えたまま、今の彼女を飾り立てている。
>そのために、自分だけが昔のままの役目を背負わされている。

2人の母親の水子供養のことを思い出した。
生まれてくることのなかった我が子を思い、毎年 命日に追悼をするのは同じだが、
片方は十年も経ったのにずっと赤ちゃん向けのものを供え続け、もう片方は我が子が成長していたらこういうものを欲しがっているだろうなって年相応のものを供え続けていたという。
ずっと昔のままっていうのはこういうことなのではないだろうか。我が子を思う気持ちに嘘偽りはないのはたしかだが、一人の人間として尊重しているのはどちらかなのか、直感的に理解できるのではないだろうか。

つまり、時が止まっているのだ。認識が止まるというのは時が止まること。そこにこそ永遠があるというのは愛の表現として美しい文句ではあるが、
誰もこのままずっとこれでいいのかと成長している肝腎の当人たちが不安を抱いていることを察してくれない。
ずっと昔のままの美しいままの思い出のままでいて日々の癒しとなってくれと願われているのだ。何の悪意もなく。
だが、そうやって他人に自分の人生の枠を組まれて何が面白いものか。

>「私は昨夜、あなたがどれほど不満を抱えていたのかを知りました。けれど同時に、あのような場であのように振る舞う方と、今後とも歩めるかと問われれば、自信が持てなくなったのです」
まあ、パーティーを台無しにしたのは明らかな非なので言っていることはごもっともではあるが、これを言っているのが王弟の子という王甥殿下なのがヤバイ。今回のはおめえの対応が不満の一番の原因だよ。
階級社会の身分制度の序列を明らかにすべき立場の王族が 婚約者を蔑ろにして その妹を私的に優先する振る舞いの方が 将来的に外戚の専横を許すことになりそうで 非常に怖いな。
これを機に破談になったのは結果として王国としても最良の結果になったのではないか;王家に嫁入りした娘の伝手を利用して いつまでも妹のためと称して 毒母が今度は王族にもでかい顔をしてくるのが目に見える。公爵夫人ってことだから余計に止めることができないだろう。
この男、疲れた様子なのは事情聴取を受けて婚約者がパーティーを台無しにしたのは婚約者を蔑ろにしたお前にも責任があると責められていたからではないだろうか。
本当に王族としての自覚を持つ人間ならば毅然とした面持ちで参上しているはずだからな。都合の悪いことは隠して取り繕っているが、本来は 他人から妻になる もっとも理解や配慮を示さなければならない相手の家庭の事情を察していない辺り、亭主としての凡庸さは否めないな。
いや、考えなしに場の空気に流されて婚約者への礼節を欠いて結果として序列を乱す行いに加担したのだ。次の婚約者を選べる立場だといいな。
夜会でファーストダンスを婚約者ではなく妹と踊ることを追認する;これも公衆の面前で王族が悪役令嬢を断罪する場面に相応するスキャンダルではないか。
  • 投稿者: LN58
  • 2026年 04月23日 21時39分
ありがとうございます。
とても深く読んでいただけて嬉しいです。

「ずっと昔のまま」というところを、認識が止まっていること/時が止まっていることとして受け取っていただけたのが、まさに書きたかった核でした。
相手を思う気持ちそのものに嘘はなくても、その人の成長や変化を見ず、いつまでも“あの頃のまま”で扱い続けるなら、それはもう現在のその人を見ていないのだと思っています。
守っているつもりで、実際には相手の人生の枠を固定してしまう。しかも悪意なく。母にはその厄介さを背負わせたかったので、そこを汲んでいただけてありがたいです。

婚約者についての読みも、その通りだと思います。
作中では主に「婚約者としてエレノアを見ていなかった」という凡庸さを書いたつもりでしたが、仰る通り、王族側の立場から見れば、あの場で妹を優先する流れを追認した時点でかなり危ういんですよね。
個人の感情やその場の空気に流されて、婚約者への礼節と公的な序列を崩してしまっているので、結果としては破談になってよかった、というのは本人たちだけでなく王家側にとってもそうだと思います。

疲れた様子についても、そこまで読んでいただけてなるほどと思いました。
書いていた時点では、彼自身の中で「自分は穏便に収めているつもりだったのに、実はそうではなかった」と突きつけられた消耗を主に意識していましたが、外から事情を問われていた可能性も確かにあると思います。
あの立場で本当に自覚があるなら、もっと別の顔で来るべき男でした。

丁寧に、しかも作品の内側だけでなく制度や立場の側からも読んでくださって、ありがとうございました。
姉が搾取子で妹が愛玩子って感じですが、妹の方は見送りにくる気持ちがあるなら関係の再構築は出来るかもですね。母のが年長者であることと今までの子育ての苦労の分変わるのが難しそう。

あと婚約者も言い返されるまで自分に全て決定権があると思ってた傲慢さを直せたら良いですね。
  • 投稿者: ima
  • 23歳~29歳 女性
  • 2026年 04月23日 20時16分
ありがとうございます。
まさに仰る通りで、姉は長く「引く側」「支える側」に置かれ続け、妹は守られる位置のまま育ってしまった形でした。
ただ、妹の方は悪意や加害の自覚が強いというより、その役割を“当たり前”として受け取ってきた側でもあるので、見送りに来たことも含めて、まだ関係を立て直せる余地はあるのだと思っています。

一方で、母はどうしても「あの頃の弱かった娘」を基準にしたまま止まっていて、そこから離れるのがいちばん難しい人として書きました。
苦労したからこそ手放せず、守っているつもりのまま、別の誰かを削ってしまう──その厄介さが出ていたなら嬉しいです。

婚約者についても、悪意というより、仰る通り「自分が穏便に収める側でいられる」と無意識に思っていた傲慢さがあったのだと思います。
あの場で初めて、自分が見ていたのは彼女自身ではなく、“聞き分けのいい婚約者”だったと突きつけられた形でした。

丁寧に読んでいただき、ありがとうございました。
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