感想一覧

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 時司 龍さん、こんにちは。
「可愛いって言う人の方が、可愛い ~ステップ・バイno.2」拝読致しました。


 あ、メッセージが、届いた。
 急がなきゃ!
 こんなに一生懸命、予定を合わせてくれたのに。
 こんなにいつも、励ましのメッセージをくれていたのに。
 トップアイドルなのに、優しい。意外に普通で、でも、嬉しい。
 単に、一緒にご飯に行こう。ただ、それだけなのに。

 うわぁ、もう迎えに来て貰ってる。
 今日も可愛いね。
 舞い上がっちゃいそうだけど。
 佐伯さん、すごくカッコイイんですけど。
 これって、私服、なんだよね?
 私、釣り合ってるだろうか?
 そして、生身の人なのに、なんか、迫力が、テレビの画面とは桁違いだ。
 心臓が、おかしくなっちゃいそう!
 そんなに急がなくても、大丈夫。
 あ、ちょっと待って。
 こういう時って、変装しないとダメじゃなかったっけ?
 うわぁ、助手席へのエスコートが、自然過ぎてカッコイイんですけど!
 夢じゃないよね?
 声が裏返りそうになる。
 緊張してる?
 うん、見抜かれてる。
 すごく、見抜かれちゃってます。

 高級車の中は、甘い香りが漂う。
 距離が、近い。
 そして、何をしていても、とても絵になる。キマッテル。
 そんなに見つめられると…
 ご、ごめん!
 見ないでいられるのも、寂しいな。
 そ、そうなんですか?
 ど、どうしたら…

 あのね、今日はトップアイドルじゃなくて、一人の男として、見て欲しいな。
 …ずるいよぉ。
 そんなの、するいです。
 今日は、いっぱい、困った顔をしてくれるね。
 ああ、遊ばれてるなぁ。

 着いたよ。
 あ、はい。
 シートベルトが、外れないよぉ。
 焦らないで。
 そして、自然にエスコート。
 なんて自然な、お姫様扱い。

 着いたのは、和食の個室。
 お勧めとか、好きな料理を告げていく彼の声が、なんだか幼い。
 意外、なんか、意外。
 うん、ずるいよ。
 そんな風に振る舞う彼の姿を知るのが私だけだなんて、なんだか、ズルい。
 なんだか、緊張しすぎて、どうしたらいいのかって、うん、ダメかも。
 箸、ちゃんと持ててるかな?
 食べ方…うわぁ、キレイな食べ方だなぁ。
 所作が、美しすぎる。こういうお仕事を、ずっと続けていた人の食べ方だね。
 美味しい?
 は、はい。
 嫌いなものは、食べてあげるよ?
 は、はい。
 いや、本当はあるけど、あるんだけど。
 なんか、そんなの、どうでもいい。
 だって、目の前にトップアイドルの、佐伯紬がいるんだもん。
 考えてることが、顔に出てるよ。
 フフ、可愛いね。
 見抜かれてて、悔しいけど。
 でも、ずっと見ていたい。見つめていたい。

 久しぶりに、ちゃんとゴハン食べたなぁ。
 美味しそうに食べる君を見ていたからかな?
 うわぁ、なんて破壊力…
 ご、ごちそうさまでした…

 そういえば、会計。
 わ、わたしが払う、約束ですよね?
 もう払ってあるよ。
 だって…
 君と一緒に食べられたから、それでいいよ。
 だって君、とても可愛いんだもん。
 そのまま、手を繋がれる、結流。
 いや?
 そ、そんなこと、ないです…

 これって、こんなのって、ドラマの中だけの話じゃないの?
 これって、こんなのって、今、現実に起きてていいの?

 本当は、もう少し一緒に居たいけど。
 この後、仕事なんだよね。
 だから、今日はここまで、ね。
 だから、またデートしようね?
 え?
 これって、デートだったの?
 しかも、次があるの?
 え? え?
 着いたよ。
 あのね、お願い、聞いてくれる?
 僕を、恋人候補にしてくれる?
 え? ええ?!
 いやあのその、逆、そう、逆ですよね??
 ああ、もう、頭が変になりそう…
 あと、さ。
 紬って、呼び捨てにして欲しい。
 つ、むぎ…?
 うん、可愛い。
 あとさ、もう一つ。
 キスしても、いい?
 え、ちょ、ちょっと待って。
 嫌じゃない、無いんだけど。
 あの、その、順番が…
 うわぁ、軽く、ほんのちょっとの、感触。
 もう、持たない!
 軽く突き飛ばすような仕草を見せたけど。
 もしかして、初めて?
 う、うん。
 ああん、死ぬほど恥ずかしいんですけどっ!
 次からは、もう少しゆっくりしようね。
 頭を軽くなぜられて。
 大切にされてるんだなぁ。
 部屋まで、送る?
 だ、大丈夫、です。
 本当に?
 本当は送って欲しい、けど。
 本当に、身がモタナイ。

 お休みメッセージ、送るからね。
 うん、無理。無理無理無理!
 脱兎のごとく逃げ出して。
 あ、なんにも、言ってない。
 美味しかったも、ありがとうも。
 自己嫌悪。
 でも、彼はそのまま、待っていてくれる。
 軽く手を上げ、バイバイ。
 ああ、なんてカッコイイんだろう。
 思いっきり頭を下げて。
 逃げるようにエントランスへ。
 まだ、待っていて、見守ってくれて、いる。


 ~ 読み終わって ~

 結流視点になり切って、もうですね、キュンキュンしっぱなしでしたね。
 なんだコイツ、無茶苦茶カッコイイんですけど!
 ああ、こりゃ、惚れるわぁ。
 遊ばれてるのは分かってる、分かってるんだけど。
 いやでも本気? 本気なんですか?

 芸能界にいるとはいえ、全然擦れていない結流の事を、すっかり気に入った紬。
 二人の関係は、どうなるんでしょうね。
 前作の「告白」とは一味違う、トップアイドルの余裕げな視線が、ヒロインの心をゆさぶって行く様が、なんともくすぐったくなる魅力ですね。

 堪能しました。いやぁ、堪能しました!


                         白河夜舟
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