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本人が何も語らなかったが故に、想像をかきたてられます。

己の死を以て復讐とするのであれば、遺言なり何なり残すことも出来ただろうに、そうしなかった。
誰かにわかってほしいとは思わなかったのでしょう。
にも関わらず…だからこそかもしれませんが、全てが終わってから直接関係のなかった人に「見事な勝利!」だとか思われているわけですね。
後世になってからも珍事件として語られたりしそう。

勝手に想像する一市民としては、死ねば復讐になるからこそ死ぬつもりはなかったんじゃないかなぁ、なんて思いますね。
家族や配偶者がいつか気付いてくれるんじゃないか。
私達が間違っていたよごめんねって言ってくれるんじゃないか。
そうでなければ、あなたたちは終わってしまうんだよ、と。
かすかな期待があるからこそ、他の貴族や王家の手を取るわけにはいかなかった。
自分の手で終わらせてしまえば、もうそこに希望はない。
それが唯一の希望であれば、他人の手を取る理由はないので。

なんてね。
勝手な想像をするのはいつだって楽しいですね。
マルグリットは王家に対しても復讐したかったように自分には思えるんだよなぁ。

何故なら周囲の貴族が「総領娘はマルグリットで、お前はただの代理だぞ」と父親に何度も言ったとは書いてあるけど、王家が父親に苦言を呈したとは書かれてないんだよね。
これ、どう見ても御家乗っ取りって事で、王家が強制的に介入して然るべき事案だよ。むしろ訴えガーなんて言って静観していたら、他の貴族から
「御家乗っ取りが明らかなのに静観するだけの王家は、果たして信用に足りるのか?今後我が家が危機に陥っても何もしてくれないんじゃないか?」
と信用されなくなるよ。
そんな一種事なかれ主義にも見える王家の対応に、幼い頃のマルグリットは絶望したんじゃないかな、と。

で、マルグリットの死という最悪の事態が起こって、初めて重い腰を上げた王家。
果たして貴族達の王家に対する評価はまだ高いままだろうか?自分にはそうは思えない。
単純に侯爵家と伯爵家への復讐を成し遂げたと思い込み、王家の評価が下がってしまった事に気づいていない王太女が、最後に

――見事な勝利よ、マルグリット。

と言ったのを見たマルグリットは、あの世で王太女を嘲笑っているんじゃないかな? と、自分は思いました。
  • 投稿者: FATMAN
  • 2026年 06月26日 16時17分
あぁ、なるほどこれは痛烈です。
そして例え皮肉を受けようとも人は考察して勝手に解釈する。
人は理屈を付けては簡単に不可侵の領域に足を踏み込みますからね。
無論私自身も。
  • 投稿者:
  • 2026年 06月26日 15時32分
とても面白く読めましたので、活動報告は見ないことにします。
知りたい気もしますが、これはこれで完結で良いと思います。
  • 投稿者: @kaz
  • 2026年 06月25日 18時08分
情報を並べて、結末まで置いて、軸となる推測を立てて。
そうそう「読者の想像にお任せします」ってこういうのでいいんだよ、こういうので。
  • 投稿者: はぜ
  • 2026年 06月25日 12時17分
なかなか考え深いお話でした。

真実は全て墓の下。

彼女の立場としたら、見てるだけで動かない奴らもまるっと信用出来ねぇので、全部、自分でヤルしかないんですよね。
そら、こうなりますわよな。
という感想になりました。
わりと好きです、こういうお話。
主人公の王太女さんの解釈が正しい保証もなく、読者の解釈が正しい保証もなく、故に延々あれこれ考えられる読後の余韻がたっぷりあって。
久し振りに感嘆し、作家としての姿勢に感服するお話を読みました。
良い作品に出会えて光栄です。
  • 投稿者: 人魚
  • 2026年 06月25日 08時39分
色々と想像したくなるお話でした。自分としては主人公は復讐したかったわけでも悲劇のヒロインに酔っていたわけでもなく、虐待被害者の多くが陥る逃げられない心理状態だったんじゃないかなと思いました。結果的に復讐になったけど主人公はただ無気力だったんじゃなかろうかと。
伯爵家に関しては死ななくても、全員地獄に送れたと思うけど、何で動かなかったんだろうなぁ。
完全に伯爵家の乗っ取りなので、婚姻の無効と乗っ取りを訴えれば毒父と平民の母娘は死刑に出来ただろうに。
  • 投稿者: じぇい
  • 2026年 06月25日 08時17分
まるで映画を観ているかのような空気感の小説でした。
マルグリットは幼い頃から、ろくでもない父親を選んだ(父親の不貞をそのまにしていた)母親にも恨みを持っていたんでしょうね…。
もう1人くらい別視点での物語も読んでみたい気もします。
  • 投稿者: りんこ
  • 2026年 06月25日 05時49分
まさにジャンルの妙ですね。ミステリー要素はあるのに決定的な何かがないからミステリーには出来ないし、真実に重きを置いてないからこそ主人公を本人にして完全な復讐譚にもしなかった。受け手に判断を委ねる最後にすることでヒューマンドラマ枠ならではの人間味や心の機微をそれぞれに考えて楽しんでほしいという作者様の意図を感じました。久しぶりに感想を書きたくなる秀逸な作品に出会いました。素敵な作品をありがとうございます。
  • 投稿者: 橘 蜜柑
  • 2026年 06月25日 05時26分
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