感想一覧

▽感想を書く
私は、演劇にはあまり明るくないけどちゃんと舞台が「見えた」わ。

好きなセリフは雪乃の、
「同じ過ちを繰り返すことはできません。ですから、悔恨はできても、反省をすることは、できないと思います。」
これは「たしかに」と唸ってしまった。獄中に囚われ二度と娑婆に出ることができない人間の静かな迫力があるセリフだと思った。

好きな人物は、陽菜。
「死」よりも他者(世界)からの「忘却」を恐れる彼女の心情が痛いほどわかってしまって読んでて辛くなってしまった。

己の「死」を回避するために必死なかがみ。
己の「死」を受け入れる雪乃。
己の「死」より他人の記憶から「忘却」されることを恐れる陽菜。
そして罪人の更生を願うが職務の枠からは決して逃れられない看守。

それぞれの群像劇として読んだけど、結末は正直、モヤモヤしてしまった。もちろん、そのモヤモヤ(一切皆苦(いっさいかいく))こそが作者の狙いだとは思うのだけど。
たぶん、場面(背景)が独房以外も使える戯曲以外の表現手段であれば、3人の事件を絡めて『かがみ事件』の真犯人にたどり着く、みたいな話も可能だと思うけどあえてそれをせず、あの結末としたのは謎解きが作者の書きたかったものではなかったのだと思う。
しかし、主軸であるかがみが「生への渇望」という他の2人とは違うベクトルで動いていたので、イマイチ作者の表現したい部分が弱く感じてしまった。それが私の結末へのモヤモヤの原因だと思う。
  • 投稿者: 猫トマト
  • 男性
  • 2026年 07月09日 17時14分
↑ページトップへ