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いやはや、壮観であるな。
一つの歴史として自己分析できるぐらいに寝ても覚めても“悪役令嬢もの”を積み重ねてきた熱意はどこから生まれてきたのか。本当に好きだねぇ。
自己分析を更に深掘りするなら、いずれは現実世界で“悪役令嬢もの”というものにいつどこで何の作品で触れたのかの思い出を振り返ることになるだろう。
何を感じて、何を思い、何を求めて筆を執ることになったのかを。

私の場合は、ネット広告で宣伝されていた漫画版『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』から“悪役令嬢もの”の概念に触れ、そこから『小説家になろう』に入り込んだものだ。広告って本当に大事。
その頃の名作は『婚約破棄という断罪イベントを回避するために奔走する』のと、『婚約破棄の後のアフターライフをいかに充実させるか』のどちらかの生存戦略がとられており、
今現在のランキングを長らく席巻している“婚約破棄もの”は本来は物語の導入に過ぎなかったものだ。
それが粗製乱造される短編のテンプレートとして大喜利大会になったのは、テンプレートとしての使いやすさ=“ざまぁ”としての完成度の高さであり、基本構造はそのままにあらゆるシチュエーションに応用可能の発明だったからに他ならない。
そのため、テンプレートを利用したわかりきった定番というわけで、本質的には物語の構造が使い古されているために新鮮味を楽しむのではなく、定番のネタに新しい驚きを吹き込むために捻り出したアイデアを楽しむものだと思っているため、
こうしてあらゆるジャンルでランキング入りさせるほどのシチュエーションを提供した熱意と引き出しの多さに脱帽なのです。

いやはや、本当におめでとうございます。

落語の大喜利になっている以上、無名の落語家よりも顔馴染みの名人の話を聞きたいと思って客席に詰めかけているわけであり、
それはつまり、落語がいくら伝統芸能として評価されていようが、それがノーベル文学賞にノミネートされるほどの文学的な価値を有するジャンルではないけれども、
それでも、この狭いようで広いような界隈で一定の評価を得たことに激賞する人間が少なからずいるわけなので、
どうかこれからも“あなたの作品”ではなく“あなたがするお話”を聞かせていってくださいませ。
作品のファンであることと作家のファンであることは別というお話でした。
  • 投稿者: LN58
  • 2026年 07月19日 04時48分
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