エピソード106の感想一覧

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[気になる点]
「元亀三年 決戦、三方ヶ原の戦い 千五百七十二年 十二月下旬」において

>これこそが信忠(奇妙丸)の甲冑にも採用されている弐号装備。石英ガラスを高熱で処理し、繊維になるまで引き伸ばしたガラス繊維を編みこんだ甲冑だった。

とありますが、石英ガラスの軟化点(軟化して変形し始める温度)は約1700℃で、加工可能なほどの流動性が得られる温度となると約1900℃もの高温が必要となります。
 強度の高いガラス繊維を得るためには、それだけの高温で液状化させた石英ガラスを「(白金等の)その高温でも十分な強度と耐食性が得られる材質で造られた」型材の小孔を通して時速何十kmもの高速で巻き取りながら紡糸する必要があります。
 融点が比較的低い鋳鉄なら兎も角、融点が1500℃ちょっとに過ぎない純鉄はおろか、純鉄よりも融点が低い鋼鉄すらまともに融かす事が出来なかった戦国時代において、それよりも遥かに高い1900℃もの高温を維持しながら石英ガラスを高速で紡糸するなどという芸当もとい神業を一体どのようにして実現したのでしょうか?(型材に使う白金も流通していませんし…)

 同じく

>そこで金属繊維とガラス繊維を交互に編み込むことで鎧の表面を形成し、鎧の下に着る帷子部分にもガラス繊維を編みこんだ軽量かつ強靭な甲冑を実現した。

とありますが、超硬合金のような硬度と耐摩耗性に優れた材質で造られた伸線ダイス(伸線加工を行うための小孔が空いた道具)も無ければ、伸線加工を行うための「強力且つ繊細な張力調整が可能な機械力による巻き取り機」も無く、加熱伸線加工の際に生じる空気による金属線の酸化腐食を防ぐための連続的なメッキ技術のノウハウの蓄積も無い状況下で、一体どのようにして「繊維」と呼べるほどの細さの金属線を製造したのでしょうか?
 更に言えば、矢を弾く程度であれば、ガラス繊維や金属繊維などという製造困難なものをわざわざ使って重い鎧を造らずとも、同じ重い鎧であれば、(西洋甲冑を参考にした)通常の鋼板を使った鎧にすれば済む話だと思います。



他にも

>炸裂筒とは、ダイナマイトを封入した筒を括りつけた特殊な矢を指す。

とありますが、ダイナマイトを造るためにはニトログリセリンが必要であり、そのニトログリセリンを造るためには、グリセリンに加えて濃硫酸と濃硝酸が必要になりますし、濃硫酸と濃硝酸を混ぜた混酸の高い腐食性に耐えられる反応容器も必要ですし、反応熱による昇温で反応が暴走して起爆するおそれを排除するために大量の氷も必要になるかも知れません。
 これが黒色火薬であれば原材料の粉末を直接混ぜるだけなので、原材料の使用量は完成する火薬の量と同等で済みますが、ニトログリセリンの場合は硝石を濃硫酸で処理して二酸化窒素を造り、その二酸化窒素を希硝酸に溶かして濃硝酸を造り、それを濃硫酸と混合して混酸とし、その混酸で(動植物油脂から造った)グリセリンを処理する事でニトログリセリンを合成するという何段階にも及ぶ工程が必要となり、各工程における効率は100%ではないため、一つの工程を経る毎に出来上がる材料の量は目減りして行き、最後のグリセリンと混酸の反応では硝酸や硫酸の廃棄物が大量に発生します。
 そのため、出来上がるニトログリセリンの量と比べて大量の硝石を消費する事になります。
 戦国時代において硝石は(当時としては強力な兵器であった)火縄銃の装薬(発射薬)である黒色火薬の原料として非常に重要な戦略物資であり、天然の硝石が産出しない日本において硝石は貴重で、硝石を(人造するなり天然ものを輸入するなりして)どれだけ確保出来るかが戦の趨勢を左右すると言っても過言ではありませんでした。
 そのような時代において、貴重な硝石を無闇に大量消費しなければ造れないダイナマイトを使うメリットが果たして有るものなのか疑問です。

>開放空間で使用した場合、衝撃の殆どが開放空間に放たれ効果が激減する。

>至近距離で炸裂すれば如何に威力が減衰しようと、人間程度なら一溜まりも無い

とありますように、どうせ至近距離でなければ殺傷力が得られないのであれば、ダイナマイトを使わずに、同量の硝石を使ってダイナマイトよりも大量に造る事が可能な黒色火薬を使った数多くの炸裂筒を矢継ぎ早に打ち込めば済む話ではないでしょうか。
 尚、その際には火薬を充填する筒の材質を紙や竹などではなく、厚めの鉄か銅の板に変えた密閉構造にすれば殺傷範囲をある程度広げる事が出来ます。

 因みに炸裂弾の類の兵器は鎌倉時代末期の元寇の時に元軍が手榴弾にあたる「焙烙玉」として使用していて、日本の武士も経験済みであり、戦国時代には「木津川口の戦い」で毛利水軍が織田家配下の九鬼水軍の軍船に対して「焙烙火矢」を使用するなど既に日本人同士でも使用されるようになっていましたから、炸裂筒に対して

>何が起きているのか理解できない。

などと理解出来ずにいるのはおかしな話だと思います。
[良い点]
いよいよ三方ヶ原の戦いクライマックス!
何度読み返してもワクワクします。
[気になる点]
長可君の名前、初登場の時のルビは「しょうぞう」だったのですが、こちらでは「かつぞう」。どちらが正しいのでしょうか?
  • 投稿者: ikko
  • 女性
  • 2023年 06月28日 00時00分
[良い点]
成る程ねぇー

足満のクスリを使い間者を盾にする、確かに外道ではあるが、世界一外道な戦術をしたのは、数ある戦いの中で日本人だろうとは思う。
麻薬を開発し、自軍の兵士に投与して死兵にしたり、中国最後の皇帝を戦争の駒扱い、更に敵に特効して死ぬだけの特攻隊を組織したりと日本軍の行いは、敵陣営を恐怖に堕とし入れた。
この様な非道な戦術を日本軍がしなかったらば、原爆が投下されたりはしなかっただろうと思える。
第二次世界大戦で最後まで戦い最後の敗戦国になった日本は、国として残ったのが不思議な程に、戦中は非道のを繰り返す蛮族だったが、蓋を開けて見れば、天皇陛下を崇拝する規律ある国民と分かり、さぞかし米国も困っただろうと予想は出来る。
悠久の時代より続く天皇の皇室一族を、人間と定めて地位を落とす事で崇拝対象から外した事で日本人は、呪縛から解かれたのかも知れないが、皇族は更に自由と権利を失い政治の駒になり現代では、批判の対象にすらなる。時代の移り変わりだとしても良い気持ちになどなれない。
  • 投稿者: 退会済み
  • 女性
  • 2022年 12月17日 22時14分
管理
[良い点]
本当に面白いです。
[気になる点]
征夷大将軍であることを明かし、そのことについて何も反応しない内馬場信春の反応は変すぎませんか?
[一言]
上記はあまりにと思ったので、記載させていただきました。基本的にはすごくいい作品だと思います。
[気になる点]
作者様。

目的語を書かないことありませんか。
誰が誰に話しかけるているのか分からないことがあります。

分かりにくい日本語が高度なわけではないと思います。
[気になる点]
”暗殺された事を”誰も非難せず
”暗殺したこと”あるいは”暗殺を”ではないかと。
  • 投稿者: yazuki
  • 2021年 08月02日 19時09分
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