エピソード150の感想一覧

ポチ隊員なら魚肉なだけで臭いで気づきそう。

[一言]
　リザが叱っているが、アリサの小遣いはムーノ男爵領でニナさんから支払われた給料だ。

ムーノ侯爵領末期にゼン絡みで荒廃し、ムーノ男爵領時代には魔族執政官に輪をかけて毟られ、再開発の為に銅貨1枚でも投資して欲しいはず。
それを、地産地消どころか、ムーノ男爵領で稼いだ金を外で使われてはニナさんも不本意でしょう。
せめて、ムーノ男爵領の城下町で散財してくれよと。
穿った見方でそれ程外れてもいないでしょうが、脳筋組みのリザは、そこまでは考えていないでしょうね？
現代日本の庶民には、作中の奴隷の財貨は主のモノという感覚は馴染まないかと思いますが、子供が貰ったお年玉はママのモノと言い換えればピンと来るのではないでしょうか。
なくすといけないから預かっておくねと言われて、無かったことにされたり、いつの間にか自分に使った事にされたという経験は身に覚えがあるでしょう。
愛玩動物は飼い主のモノだから、その動画を投稿して得た広告収入なども、飼い主のモノ。
子役などで得た出演料なども、マネージメントした母親のモノ。
リアルでも耳にすることがあると思います。
サトゥーにとっては、養子というか披保護者に過ぎませんが、この世界のネイティヴにとっては家畜や動産と同じ商品であって、現代日本の法令では器物に過ぎない犬猫と同じ人権など持たないモノなのです。

本作ではテーマとしていませんが、現代日本感覚で亜人や奴隷と同等に接しようとするサトゥーの方が異端で珍妙な頭がかわいそうな人と思われて当たり前です。
まだよく分かっていないポチ達は兎も角、奴隷である自分を平民扱いするサトゥーに対して、リザはそのズレ齟齬にアイデンティティを揺さぶられ不安定にさせられ、自分はサトゥーの奴隷に過ぎないと常々言い聞かせているかも知れません。
奴隷を奴隷扱いしないサトゥーは、人形や家畜を同等の人扱いし度々話し掛けるのと同じ珍妙なことで、頭がかわいそうな人と避けられるならまだしも中には異なる価値観を認めず積極的に排斥しようとする者も出て来るでしょう。
命の恩人であり忠義を尽くす主、サトゥーの為にも、悪意を呼び込むような悪目立ちは、リザには出来ないのでしょうね。
同等に扱おうとするサトゥーの振る舞いを、手放しに受け入れ難い、奴隷で当たり前の常識もあるのです。

本作に関わらず、ラノベの異世界モノなどに出てくる奴隷は、奴隷制度や人権問題をテーマにしたものではないのですから、親分に逆らえない子分を奴隷と呼んでるくらいで丁度良いと思いますね。
逆に、ラノベの奴隷は現実の奴隷とは別物ですので、一緒くたにしては駄目です。