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[一言]
 様々な情景の描写がすばらしいと思いました。どの桜の描写もそれぞれが美しく、どんな様子なのかが目に浮かびました。なんとなくですが、美枝子が出てくる部分だけは、その存在が飛び出して感じられるというか、美枝子だけが色鮮やかに浮かぶというかそう印象を受けました。また、将志のどうにも情熱を全てにかけきれないという葛藤が感じられ、読んでいてもこちらまでもどかしい気持ちになりました。
 ただ、「春の夜の夢」の最後の方で弥助の思いが示された時に、少々唐突な印象をうけました。僭越ですが、奥方への執着や思慕がもう少し描かれていても良いかなと思いました。
 作品の世界に引き込まれ、最初から最後まで一気に読んでしまいましたが、様々な部分で人物や情景の対比がなされていたり、その人の人となりや気質がちょっとした文章で表されていたりと読んだ後にもう一度読み返しては楽しませていただきました。
 とても素敵な作品だと思います。

 はじめまして。拙作をお読みくださり、ありがとうございます。感想、とても嬉しかったです。素敵な作品、なんてもったいないほどの言葉をいただいて。
 「春の夜の夢」に関するご指摘に関してですが、あの部分は幻想小説的な文章に挑戦してみたいという、物語の筋とは若干はずれた意図を持っていたため、あの章自体がそもそも全体の中で少し浮いてしまったかなとも思います。弥助に関して事情をどこまで詳しく書こうかと何パターンか考えていたのですが、結局ほとんど書かないパターンを採りました。都合のいい伏線になってしまった感もあるので、もう少し書いてもよかったのかもしれませんね。構成を見直すよいきっかけになります、ありがとうございました。
 ほとんど動きもないし、語り手の思索が鬱陶しいほどの文章になってしまったかなと思っていたのですが、作品の世界に引き込まれたと言っていただけてほっとしました。桜や美枝子をはじめ、登場する人や物に対しては、なるべく将志の感受性の豊かさや思慮深さを反映するよう心がけ、細かな描写にこだわって書いたつもりです。読み返しに耐えうる文章になっていればよいのですが…。
  • 由佐
  • 2014年 04月13日 15時03分
[一言]

 ロマンティックホラーのテイストも楽しみながらのファンタジーでした。
 時代を越えた想いを抱える桜の木の執念(言葉は悪いですが)と、それを背負おうとしている美枝子の気持ち、そして、頑なな彼女の心を知ろうとする将志の賢明さが、静かな流れの中にも情熱的で――。と、思いながら読み進めていると、そこにある本当の『心』に導かれる。

 ――だから呼ばれたのか、と。
 
 印象的だったのは父親との会話で、空想癖にも似た自分の一人笑いを見透かされた時の将志の反応や、葉巻から『望んで変化するのだ』という変革の確信に触れる場面。
 親というのは、息子が困っていると、知らずに行き先を照らしてくれる――そんな存在なのではないか、とも思えました。

 そして、古くから宿っている心と対峙した後の将志の手の震えも人間的で、幻想的なストーリーの中で、彼らが生きた人間であり、これからも生きて行くのだ、ということを思い出させてくれるもののようでした。
 何より、将志の人間性を分析する手厳しい美枝子の言葉が、何故か暖かい(笑)。
 ああ、こんなにも真っ直ぐ将志のことを見ていてくれたんだ、と。
 過去から現代、そして未来へと続いて行く、心のこもったファンタジーでした!

 祝、完!


  • 投稿者: 竹比古
  • 2014年 03月09日 19時45分
 感想ありがとうございます。とても嬉しく読ませていただきました。

 全体的にあまり動きもない上に二人とも全然「好き」と言わない恋愛小説でしたが、情熱的と言っていただけて嬉しく思います。少しは恋愛小説らしくなったでしょうか。

 父親とのシーンでも終盤でも、将志の「人間らしさ」は常に意識していました。彼をただの探偵的役割や、恋人を救うヒーローにはしたくないという思いがあって。父と息子の関係には憧れもありました。おっしゃるとおり、親って無意識に偉大だよなあと思います。それで、父親を前にうろたえながらも導きを得る息子としての側面を書いてみました。
 美枝子が将志の欠点を見抜く鋭さと、それを本人に言ってしまう率直さを持ち合わせていることは予定通りだったので書けてよかったと思う部分です。将志のような甘ったれた自惚れ屋には、美枝子くらい手厳しくてちょうどいいのではないかと(笑) 厳しいのも愛情のうちということで。 

 恋愛を書くからには人の心を解き明かそう、そして、歴史を書くからには現在にも未来にもつながる意義を見出そう、そういう意識でもって作品の終着点を定めました。心のこもったファンタジーとのお言葉、とても嬉しかったです。

 完結までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。
  • 由佐
  • 2014年 03月10日 19時33分
[一言]

>◆聴こえぬ世界まで

 植物と話が出来た理由。
 そして、話が出来なくなったわけ。
 それらを考え、当てはめ、結論を出す将志の心の描写が、印象的でした。もちろん、大きな事件が起こる訳でもなく、静かに考える時間での出来事――派手な描写ではありませんが、彼が自分を恥じる心も、そうせざるを得なかった若き日の心も、どれも納得できるものでした。
 人の中での孤独が植物と話をするための力なら、外に目を向けた時に潰える力であるのも道理――。多くのおとぎ話が、純粋さを妖精や小人を見ることが出来る力である、としているのと同じように、その純粋な部分もまた、他人から見れば孤独と見える一面だったのでしょう。そんな気がします。
 桜と美枝子さんの心を救う日を楽しみに、また伺います。


  • 投稿者: 竹比古
  • 2013年 10月26日 15時44分

 感想ありがとうございます。

 かつて軽蔑してしまった庭師の言葉を真剣に受け止めて自分を省みる、という物語の1つの山でした。ずっと地の文ばっかりだし、実際には何が起こっているわけでもないし、いざ書いてみると不安になりましたが、納得できるものと言っていただけてほっとしました。
 ファンタジー(おとぎ話)は、「いつか卒業する」ことに普遍性があると考えています。いつか忘れられてしまうけど、現実と地続きにあって現実を生きていく手助けをしてくれる存在。そういうふうにファンタジーの要素を書きたいなとずっと考えていました。
 植物と話す力と孤独との関係を感じ取っていただけてうれしかったです。ありがとうございました。
  • 由佐
  • 2013年 10月27日 09時36分
[一言]

 >◆出逢った日のことまで

 冒頭から興味をそそられる二度目の拒絶。
 両刃の剣のようにどちらもが傷つくということは、どちらも真剣であるということなのでしょう。

 墓標であるという桜と、その桜に起こっている異変。
 そして、二人とも《それ》と話しが出来る――声が聞ける、という不思議。

 何より、時代を映し出す二人の会話や背景描写は美しく、この時代や身分、彼らを知る上での手掛かり、足がかりになります。

 また、伺います。


 もし宜しければ、ルビを振った行だけが行間が広くなって不揃いになる、という現象をいくらか解消するために、レイアウト設定から、行間サイズを200%くらいに変更されることも一つの方法です。
 この方法なら、意味なく行間を空けるのとは違い、均一の行間にする、というだけなので、シンも利用しています。


  • 投稿者: 竹比古
  • 2013年 06月22日 12時01分

 感想コメントありがとうございます。

 起承転結の「起」にあたる部分なので、物語のはじめに提示すべき「謎」をざっと出してみたつもりです。
 明治らしい、時代を感じさせる要素もちょこちょこ投入して、いくらか時代小説らしくなるよう工夫していきたいと思います。

 行間について、アドバイスありがとうございます。ちょっと行間を200にしてみたのですが、こんなものでいかがでしょう。
 レイアウトなどの設定はいまひとつよく分かっておらず、使いこなせていないので、アドバイスは大変助かりました。ありがとうございます。
  • 由佐
  • 2013年 06月23日 10時46分
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