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[良い点]
全話読了しました。
まず何より良い点として上げたいところが、主人公である龍太の成長です。
一人称なことも相まって、やかましい印象を受けたヒルフェマンの頃の龍太が、重殻の頃になるとかなり落ち着いていてシリアスになっているので地の文だけでも成長がよくわかります。
ヒルフェマンの時の龍太は「頑張ることがすごいこと」に見えましたが、重殻の頃にもなると「頑張ることが当然」になっているように感じました。

そして命を救うことの難しさにも向き合っている作品だと思います。
このシリーズのテーマは「ヒーローが災厄から人々を守る」というよりは、「災厄から人々を守るヒーローが悪用されないよう、その在り方を守る」であるように見受けられます。
ヒーローが本来の活躍をする全然前段階のお話ではないでしょうか。
命を救うことそのものの難しさは勿論、それを実行する為の政治的なしがらみや複雑な事情による障害の時点からしっかりと書いていて、拙い言葉ですが「大変なことを書いていてすごい」と思いました。
[一言]
着鎧甲冑シリーズ、とりあえず本筋の部分は全て読ませて頂きました。
ラノベ風だったヒルフェマンからどんどん責任が重く規模の大きい戦いに発展していくサマが非常に「シリーズものを読んでいる」という気分にさせてくれました。

ヘイデリオンを読んでいる時にも思いましたが、オリーブドラブさんは「どうにもならないことにも立ち向かえる理想主義者のヒーロー」が得意なのでしょうか。
今作は特に一筋縄では行かない事件ばかりで、そこに妥協せずに向かっていく龍太とそれを書いたオリーブドラブさんに心から「お疲れ様でした」の言葉を送らせて頂きます。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2018年 12月01日 22時10分
管理
 感想ありがとうございます! 龍太を中心とする本筋の3部作、全て読了して頂いたことに深く御礼申し上げます。かなり長いお話だったかと思われますが、楽しんで頂けたようで本当に何よりであります(^^;;
 ヒルフェマンの頃は作者側も執筆自体が手探り状態だったので、龍太の人物像もそれに引っ張られてああなった感じです。そこからドラッヘンファイヤー、重殻とだんだん数をこなしていくにつれて、自然とあの形に着地しました。地の文に成長が現れたのは、半分くらいは偶然によるものでしたね(^^;;
 テーマについては円石先生の仰る通りで、「ヒーローの在り方を守る為の戦い」というのが、この3部作に共通する点でした。ヒルフェマンでは技術、ドラッヘンファイヤーでは思想、そして重殻ではその両方。龍太達の戦いは、それら諸々をしがらみや因縁から守り、救いの手を引っ込めさせない為のものでした。「ヒーロー」が職業として認知された世界観の作品はいくつかありますが、本作においてはそういったヒーロー社会の「黎明期」を意識するつもりで書かせて頂いておりました。
 本作以降は、龍太達によって「在り方を守られた」新世代ヒーロー達が主役になる為、着鎧甲冑による戦闘の場面は激減します。代わりに、本来の役目である「人命救助」にフォーカスした内容が中心となっております。

 シリーズが進むごとに話が大きくなっていく、理想主義者の葛藤が主軸……といった作劇の要素は、執筆当時に放送されていた「仮面ライダー鎧武」の主人公・葛葉紘汰の影響もあったように思います。「現実に立ち向かう理想主義者」という主人公像は、着鎧甲冑シリーズだけでなく他の拙作でもよく使われるようになりました。得意というほどでもない……とは思いますが、書きやすいというか、書いていてしっくり来る、というのはあると思います。
 さて。此度は、一筋縄ではいかない理想を追い続ける龍太の物語を、最後まで応援して頂きありがとうございました。外伝でも何でも、またいつでもお気軽に遊びに来て頂ければ幸いです(^^)
 ではでは、ありがとうございましたっ!
[良い点]
 戦闘描写はやはりさすがという印象を受けました。スピード感と人物の動きの細部の表現が絶妙なバランスだと思います。こんな表現をされているのだから、読んでいる私も熱くなるはずですね(笑)
 そして今シリーズの重殻では、とりわけ人間関係や心理描写が凄く緻密に書かれているなあと感じました。
 個人的に印象に残っているのは、ラドロイバーとの戦闘に向かいたい龍太くんを止めようとした梢先輩のシーンです。龍太君を取り巻く女性陣は龍太君に好意を寄せていることもあって、彼の行動を尊重したい気持ちが表れていた印象がありました。その中で初めて龍太君の行動を止めにかかったということで読んでいて「おおっ」となりましたね。
 もちろんその中でも龍太君を思う気持ちがあっての行動でしたし、茂さんも色んな思いを持って戦いを受けたのでしょうね。そういった細かいところにキャラクターを大事にしていると感じられました。
[気になる点]
 一応、挙げるとすれば。というようなレベルの話ですがいくつか。
 まずは龍太君が矢村ちゃんを人生の伴侶に選びましたが、もう一つ彼女との大きなエピソードが欲しかったなと思いました。もちろん、第一シリーズであるヒルフェマンのときから……あるいは読者が龍太君の存在を知る前から彼を献身的に支えてきた存在ですから、彼女を選ぶのは当然のことだと思います。そして矢村さんを選んでくれて僕も嬉しかったです(笑) ただ、読んでいるときの印象だと、ちょっとあっさり決まったなあという感じは否めませんでした。
 もう一つ、龍太君が鮎子と共にラドロイバーとの戦いに向かうところですが、その場にいない龍太君の視点で戦闘状況が書かれているのがたまに違和感があったかなあ……と。
 ただ、こんな偉そうな感想を書いておいてあれなんですが、具体的な解決法を提示できないです← お恥ずかしい&情けない限りです……。
 一人称を急に三人称にしたり、視点を変えたり(龍太君→救芽井ちゃん→また龍太君みたいな)するのは読者の混乱を招く原因になり得ますからね。
 本当に! 本当に言うだけの感想になるのが申し訳ないです。私にもっと力があればと悔やまれます…!
[一言]
 まずは、「読む読む」と言いながら感想が大変遅くなってしまい申し訳ありません。
 偉そうなことをつらつらと書きましたが、文句なしで楽しませていただきました!
 個人的には「ヒーロー」というものを考えさせられるような話だったなあと思います。
 読み始めは「ヒーローっぽさが薄れているなあ」なんて思っていたのですが、龍太君に戦う理由があるように、茂さんや古我知さん、龍太君を支える矢村ちゃんや救芽井ちゃんたちヒロイン、ジェリバン将軍やダウゥ姫も。そして今回の敵キャラであったラドロイバー、真壁くんも。みんなに戦う理由がきっとあり、それぞれのヒーロー像のために戦っていたのではないかなと読んでいくうちに考えていました。
 だから「ヒーローっぽくない」なんて指摘は野暮かなあという結論に最終的には至っていました。
 ただ一つ言えることは、龍太君は最初から最後までヒーローでしたね。かっこいいぜ龍太君!

 一応、龍太君たちに関する着鎧甲冑シリーズは終わり(?)ということで何だか寂しさも覚えつつの感想でした。
 これからもドラブさんの作品にお邪魔させていただくと思いますが、温かく受け入れてください← やはり単純にドラブさんの作品が好きなので(笑)
 2年以上前に完結されたお話に言うのは少し変な感じもしますが、お疲れ様でした! またお邪魔します! 断られてもお邪魔します!
 ヒルフェマンから含め、素敵な作品をありがとうございました。着鎧甲冑シリーズ大好きだー!
  • 投稿者: 桜二冬寿
  • 男性
  • 2017年 11月17日 00時19分
 感想&初レビューありがとうございます! ふぉお……わざわざ2年も前の作品を、ここまでガッツリ読み込んで頂き感無量です。レビューまで頂いてしまい……もう、感謝の言葉もありません。

 本作は一応の最終章ということもあり、戦闘より人物同士のやりとりに重きを置いて書かせて頂きました。本作における梢の存在も、龍太の異常性にちゃんとツッコむためには必要でしたし。なんだかんだ彼女が一番、ぶつかってでも龍太を大事にするだろうな、と。

 矢村が最終的に選ばれる、というのは前作ラストから決めていたのですが、確かに本作で伴侶を決める下りはあっさり過ぎましたね(笑
 彼女のイベントは前作でほぼやり切っていて(研究所で鮎美に拒否られた時や花火の下り、最終戦手前まで一緒にいた上にキスまでした時等々)、それを本作で一気に回収するという構成だったので。

 龍太と鮎子が最終戦に合流するまでのアレは、ぶっちゃけかなりの苦肉の策でした。構成上ああならざるを得ないとはいえ、「プロローグとエピローグ以外は一貫して龍太視点」というこれまでのフォーマットを崩すわけにもいかず。もうちょっとやりようはあったのかも知れませんが……私には思いつきませんでした(笑
 この件でかなり苦労したので、本作以降は三人称がデフォになってます。こっちの方がやりやすいったらない(笑

 本作は主人公も含め、誰もがヒーローっぽくない話でした。どう転んでも100%ハッピーエンドにはならないし。そうと分かった上で、ちょっとでもマシになる展望を目指して皆が足掻くような、そんなお話です。もしかしたら、その様子がちょっとだけヒーローっぽかったのかも知れません。

 龍太達を主役とする着鎧甲冑シリーズは、本作でスッパリ終わり……ですが。龍太が日本を離れている間に起きた出来事を描いた「メタル・ライフセーバーズ」や「お嬢様学校のヒーロー用務員」等、派生作品もちらほらあったりもします。断りなんかしませんよ、ジャンジャン遊びにきてください!(笑
 私の作品を好きと言って頂けて、光栄の極みです。拙作なんぞでよければ、この先も楽しんで下さいませ!(笑

 2年以上も前の作品をこうして掘り返して頂き、誠にありがとうございました。私も、連載当時を思い返すことが出来ましたよ。これからもお互い、創作頑張って行きましょう。ではでは!
[良い点]
・ヒーローのいらなくなった時代の予感。

 一般人でさえ身に纏えばヒーローとなれる着鎧甲冑の普及が進み、今現在ヒーローと呼ばれる存在はきっと近い未来にはいて当たり前の存在となっている事でしょう。ヒーローを生み出す着鎧甲冑がヒーローの存在を打ち消してしまう。皮肉であると共に、その未来はとても希望に満ちてみえます。
 一般人がヒーローを目指し、ヒーローとなった事で道に迷い、傷つき、ヒーローが一般となり存在しなくなる。空虚ではありませんが、胸に爽やかながらもどこか冷える風が吹き抜けるお話でした。

・皆が無理に集まり登場しなかった所。

 責任ある立場につく社会人となり、それぞれに目指す目標へ向かって行動している最中に、そう簡単に集まる事等軽々に行えば無責任の誹りは免れないでしょう。幾ら嘗ての想い人であり、中心人物であったとしても、今の彼・彼女らにとっての優先順位を考えれば自然な流れでした。
必要以上の親しさは馴れ合いへと堕し易く、その危険を避けている様を最後に見られたの事が何故か無性に嬉しく思えました。
[気になる点]
 シリーズを通してなのですが、純粋に人命救助に着鎧甲冑が使われた場面の描写があったのが線路に投げ入れられた女性を救う時と、海上での客船への出動だけだったのが少し残念でした。
 着鎧甲冑の振るう力は、生命の危機にさらされた人々の生存への道を塞ぐ瓦礫や障害へと振るわれる物であり、敵の装甲を撃ち貫く物ではないのでしょうから。普及の黎明期だからこそ、人へと振るわれたのは分かるんですけどね。
[一言]
 完結おつかれさまでした。憚りながらお邪魔させて頂きます。

 着鎧甲冑の普及黎明期に纏わるシリーズ、遂に完結しましたね。一般人をヒーローへと強化する、特別な存在だった着鎧甲冑が、紆余曲折の末に世界に普及し、極当たり前の存在となる未来が目に浮かんでくるお話でした。ありえる未来に着鎧甲冑は、機能制限はされているでしょうが地方の消防団員が現場へ向かう際に身に付ける耐火服のように配備され、現在のAED・除細動機の様に街の要所要所に設置されたりする事でしょう。
 河川の氾濫を防ぐ為に土嚢を積む着鎧甲冑。洪水にて浸水し、取り残された人々を救助に向かう着鎧甲冑。事故現場にて居合わせた人が助けの手を伸ばす一助となる着鎧甲冑。誰もがヒーローであり、誰もがヒーローではない未来に、新たに生まれる命は生きるのでしょうね。

 最終話における一煉寺君の描写を読んでいて、GO DA GUNという漫画の主人公が頭に浮かんでいました。同じ作者さんの書いた漫画にパト犬という作品があるのですが、そこに成長した主人公が登場するんです。その時のイメージが重なったのだからでしょう。粗野で粗暴に見えながらも熱い男であり、不器用で無骨ながらも優しさを持ち合わせる好漢。一煉寺君もそんな男になって欲しいですね。

 鉄が強い磁石に接する事で磁力を帯びるように、極普通に暮らしていた一煉寺君が救芽井嬢という磁石と出会い、仮初とは言えその磁力を帯びて方位を指し示し始めたヒルフェマン。帯びた磁力が固着し、より大きな磁力を帯びた瀧上氏の影響を受けたドラッフェンファイア。身に帯びた磁力に振り回され、一時方位を指し示さずに迷走しつつも久水家の二人に叩き直された重殻。一煉寺君という方位磁石を片手にこの物語という旅に同道できた事に感慨も一入です。
 一煉寺君達の人生がこれからも続くのと同様に、オリーブドラブ様の人生もこれからも続いていきます。ひとつの物語を書き終えた事に尊敬と感謝の念を送りつつ、失礼させて頂きます。

 本当にありがとうございました。
  • 投稿者: tagi
  • 2015年 03月13日 02時10分
いつも感想ありがとうございます。最後まで本作を応援して頂き、感謝の言葉もありません。tagiさんの応援がなければ、ここまでたどり着くことは出来なかったことでしょう。

ヒーローが大勢いる、という世界観を持った作品が出てくるようになったことを受けて、その黎明期に焦点を当てた話を書いてみたくなってから早三年。龍太が大人になるまで連載が続いてしまったことに、私自身も驚いています。
おかげ様で、私なりの黎明期の物語を書き切ることが出来ました。ただやはり、tagiさんが仰る通り本来の用途の描写が少なくなってしまったのが心残りですね。
「人命救助の技術を悪用しようとする勢力との戦い」がシリーズ全体の主軸にありましたので、そうならざるを得なかったという部分もあるにはあるのですが。

その先鋒となり続けてきた龍太の物語も終わったことですし、またこの世界観に触れる機会があった時は、きちんと本来の役割に準じた話にしたいところですね。今のところはいつ活動が再開できるかもわかりませんが。
ちなみに各シリーズのラストは、必ず救芽井の台詞で締める仕組みになっています。彼女の胸中から来るその台詞も、龍太のように時系列に応じて目まぐるしく変化しているわけですね。

ヒーローが当たり前になる、少し前の時代を描いたこの作品を最後まで楽しんで頂き、誠にありがとうございました。
いつかまた、どこかでお会い出来る日を楽しみにしています。それでは、失礼しました。
[良い点]
・終わる物語と始まる物語。

 ダスカリアンにおいて一煉寺君の物語が終わりを迎えるのと並行して、ジェナ嬢と元・鉄拳の真壁氏による新たな物語の息吹が感じられました。
 新しく始まるには先ず終を迎えなければいけない。新たな彼らを感じられた事で、物語が終わりへ向かっているのだと強く印象に残りました。
[一言]
 お邪魔させて頂きます。

 一煉寺君の物語が終わりに向かう中、ダスカリアンでは新たな物語が始まっていましたね。

 始まりの物語で大人と子供という違う立ち位置にいた一煉寺君と古我地さん。歳の差婚等の話題で16歳と10歳なら犯罪だが、26歳と20歳なら問題ないという話を聞きますが、それって実際の年齢というよりも6年という時間の生きてきた時間の割合が少なくなるからなのでしょう。一煉寺君も濃い生き方をしていますから、古我地さんとの関わり方も変化して当然でしょうね。

 人として挨拶が出来て当たり前、「ごめんなさい」と「ありがとう」をきちんと言えるのが大人の最低条件なんて聞いた事があります。「ありがとう」と言葉にできた彼女達が暮らす、一度壊滅したダスカリアンは、新たな国として今話で一つ大人の国へと近づいたのかもしれませんね。

 帰国の途へとついた一煉寺君ですが、いい意味でも悪い意味でも一度実績を残していますからね。政府がそう簡単に放置する事はないでしょう。ですが自らが選択した末の行動の結果ですし、それを受け入れる必要もあるでしょう。日本で彼を待つのは懐かしい人達だけではなく、嬉しくない事柄もありえそうです。一煉寺君の物語の終末になにが待っているのか楽しみにしています。

 お邪魔致しました。
  • 投稿者: tagi
  • 2015年 03月09日 15時00分
お久しぶりです。久方ぶりの返信となってしまい、大変申し訳ありません。感想欄でご指摘頂いた点につきましては、こちらで可能な限り訂正させて頂きました。

さて。とうとう最終回一歩手前、というところまで来てしまいました。
従来のシリーズからは掛け離れた尺となったエピローグも、次回で終わり。シリーズそのものも次回で終わり。やはり、少々名残惜しい気はしますかね。

このエピローグにおける話の目的は、ダスカリアンを舞台にしての主役交代劇――のような演出をすることにありました。単に成長した彼を書きたかった、というのもありますが。
ちなみに二十二歳くらいが特撮ヒーローの年齢としては一番平均的な数字なんじゃないか、というイメージがあったので、本エピソードはそれに合わせた時間経過となっています。本郷猛や風見志郎が仮面ライダーになったのがその辺り、という一説もありますし。

ジェナと真壁は読者側から頂いたキャラ案を元に作られました。くせのない、良くも悪くも無難な人物になったかな、という印象です。
真壁の方はちょっとだけ、ウォーズマンを参考にして書いてました。無口だけど実は情に溢れてる、というタイプは結構好みなんで。
余談ですが、連載中盤くらいまではジェナが「救済の超機龍」を受け継ぐという展開を予定しておりました。鉢巻を託したのはその名残りですね。

龍太と剣一の関係の変化については、遅かれ早かれ触れる予定でした。十五歳と二十歳の五歳差(ヒルフェマン)と、二十二歳と二十七歳の五歳差(重殻)の違いって大きいですからね。
特に剣一は、色んな立ち位置から龍太の戦いをずっと見つめ続けてきたキャラですから、彼の変わりようを表現するためには必要なポジションでした。実はヒロインより龍太の戦いをよく見てるんですよねぇ(笑
ちなみに、真壁が二十四歳でジェナが十五歳なので、二人は九歳差となります。ブッチギリで犯罪ですね。こいつおまわりさんです。

さて、いよいよ本作も終わりが近づいてまいりました。無駄に長く続いてしまったこのシリーズの顛末、最後まで生暖かく身届けて頂ければ幸いと存じます。
では、今回も素晴らしい感想をありがとうございました。
[良い点]
・一煉寺君が攻めの駆け引き以外の手段を覚えた所。

 これまでの一煉寺君って攻める為のフェイント等の駆け引きはあっても、戦い全体を見越した駆け引きを行った事って記憶にないんですよね。いつでも全力全開。それが良い所であると同時に若輩である証明でもあった気がします。腕を失ったからこそ老練な戦い方が身に付いたというのは皮肉ですが、まっとうな成長を見れたのは嬉しかったです。

・挑戦者たる鉄拳:真壁 悠の存在。

 今まで何度か瀧上氏や一煉寺君が「前作の主人公」に見えると述べましたが、ここに新たな挑戦者たる真壁氏が登場した事でシリーズ、ひいては物語の終わりが近づいている事をひしひしと感じました。
[一言]
 お邪魔させて頂きます。

 今話での戦い、完全に一煉寺君は受けて立つ先達となっていましたね。逆に真壁氏はどこの主人公?とでも聴きたくなる程に生き方を求め、人生に挑んでいた印象です。今話中盤での倒れた鉄拳兵士とその傍にいる超機龍の場面、龍に挑み破れた兵士が再び立ち上がり、力をつけて再び龍に立ち向かうというファンタジー開幕の王道に見えました。
 新たな物語が始まるという事は、これまでの物語は終わるのと同義。いよいよ一煉寺君の物語も終わりに近づいてきたのだと感じられるお話でした。最後までご無理のない範囲で頑張ってください。

 お邪魔致しました。
  • 投稿者: tagi
  • 2015年 03月07日 20時10分
[良い点]
・悪と理解していても自分の道義を通す鉄拳。

 悪人からであろうとも受けた恩は恩として返す。悪行の報いを受ける事も由とし殉じる。そこに自分の幸せは求めず、それでいて恩人相手にも譲れぬ矜持は通す。魅力ある人物に気持ちが沸き立っております。

・ジェナ嬢の若輩ながらも真っ直ぐ立って生きていこうとする姿勢。

 恨み辛みを忘れる事なく、飲み込まれずに昇華する。ちょっとやそっとの心構えでは至れぬ心境でしょう。そんな生き方の彼女の、一煉寺君に頼り切りもせず依存もせず、自分の足で人生を歩んでいける姿を見せようとの考えに感銘にも近い清々しさを覚えました。
[一言]
 お邪魔させて頂きます。

 初っ端の頭領の内心部分で、瀧上氏が暴れて荒廃したダスカリアンに発生したゴキブリみたいだなぁ、等と考えていた所に「台所に巣食う害虫を見るかのように」思わず声を出して笑ってしまいました。小者の下劣な悪人も狂言回しとして輝いていますね。

 瀧上氏という存在から直接間接を問わず人生を狂わせる程の影響を受けた三人。その三人の人生が交錯する一瞬がこのエピローグですね。三者三様の生き方がどこへ向かい、どう決着するのか楽しみにしています。

 お邪魔致しました。
  • 投稿者: tagi
  • 2015年 03月07日 01時38分
[一言]
あら? まさかのジェナ・ライアン大抜擢?
完結期待です。
さて専門学校探すか……
  • 投稿者: MrR
  • 2015年 03月06日 19時22分
どうもお久しぶりです。返信遅れてしまい申し訳ありません。
ジェナ・ライアン、エピローグの準主人公として使わせて頂いております。

元々頂いていたキャラ案の設定からはかなり離れてしまったのですが、褐色という特徴だけは本筋に深く活かせたかな――とも思っています。むむむ、本当に申し訳ない。
結果として「着鎧甲冑を使うわけでもない、単なる生身の保安官」という立ち位置となりましたが、彼女ならではの見せ場も作ることが出来たため、私としても勉強になるキャラでした。
現在掲載されている分のエピソードで一先ず彼女の出番は終了となりますが、最後まで本作を見送って頂ければ幸いです。

それでは、失礼します。

(専門学校ですが、中々決まらないのであれば「通いやすさ」で絞ってしまうのも手かも知れません。とにかく話を進めてみないことには、状況は変えられませんから)
[良い点]
・一煉寺君が頭領の確保を他者に任せた所。

 ここまでの一煉寺君の言動を見るに、どうしても問題を武力で解決する考えが根付いていますね。力で対処しなければいけない問題ばかりを相手取ってきた訳ですし、政治的問題は他の人に任せてきたのもあって、今の一煉寺君は言葉は悪いですが裏方での汚れ仕事が相応しく感じます。そんな彼が武装組織の頭領の確保という華々しい成果を上げてしまえば違和感が生まれてしまうでしょう。結果とはいえ一番の大手柄をジェナ嬢へ譲る今回の流れは物凄く納得出来てしまいました。
[気になる点]
 ほんの些細な点なのですが、今話の流れで妙なちぐはぐさを覚える所がありました。どうも地の文や台詞での描写と一煉寺君の言動が噛み合っていない様な印象を受けたのです。
 「隙あらば一瞬で仕留める」とまで相手が口にする程に攻め気を想起させながら動揺を誘う様に相手の情報を喋る。一当たりした後にルナイガン氏を運ぶ為に薄い警戒の描写のみで背を向ける。「慢心を見せることなく」の文の後に読み合いに負け一撃を喰らい仮面を破損し、全力を出すと電磁警棒を投げ捨てる。
 言葉の並びを入れ替えたり、短い一文をいれるだけでも打ち消せる違和感だけにもったいなく思いました。
[一言]
 お邪魔させて頂きます。

 今話を読んでいてジャッジメント・オーバーマンという漫画を思い出していました。悪の秘密結社の総帥として世界を征服し世界を平和にする事を目的とする主人公の在り方や、「剛腕令嬢」「贖罪番犬」等と異名を取る登場人物達から連想したのでしょうね。
 一煉寺君はこれまでのシリーズで傍観者から始まり、闖入者、抵抗者と弱い側からの挑戦者でありましたが、重殼に入ってからは力ある者、強者の視点に立っていたのだと今回の話で強く認識しました。それが故の言動と考えてみると、一煉寺君は人を救う者ではなくて人を救う為に力を振るう者となっていたのだと妙に納得が行きました。嘗ての着鎧甲冑の理念とは微妙にずれた今の一煉寺君が行き着く先、楽しみにしています。

 お邪魔致しました。
  • 投稿者: tagi
  • 2015年 03月04日 14時13分
[良い点]
・目的の為に盲目的に邁進するルナイガン氏。

 下劣な願いを持ち、窮地においてそれを取り繕うだけの心の強さを持ち得なかったルナイガン氏の在り方、私には妙に一煉寺君と重なって見えて仕方ありません。
 執着する望みがあり、それを追い求めるあまりに道を踏み違えるルナイガン氏の姿は自らを化け物と呼称する一煉寺君と変わりがないでしょう。もし一煉寺君が力を得た後に出会った人々が救芽井嬢達ではなかったならばと考えるとありえなくはないでしょう。ボタンをかけ違えた男二人の姿に感慨深い物を感じました。
[気になる点]
 ルナイガン氏率いる特捜隊なのですが、国家の根幹を揺るがす武装組織を壊滅させる為に突入させるには少し戦力不足に思えました。前話で姫の承認を受けていると窺えるだけにルナイガン氏のゴリ押しだけで通った作戦ではないでしょうし、そこに違和感を覚えました。前話辺りでルナイガン氏の内心で慢心し、将軍へ上げた作戦要項を改ざんしたなり、部隊の進軍により国民の不安を煽らない為に少数精鋭で臨む等の描写があれば、この出兵と作戦の破綻を防ぐ為に一煉寺君を派遣する説得力を更に補強できたのではないかと愚考した次第です。

 無粋な差し出口、失礼しました。
[一言]
 お邪魔させて頂きます。

 中尉が指揮官という事は、基本的に特捜隊の構成は小隊規模という事になりますね。しかも装甲車が複数存在しているならば、国力が衰えているダスカリアンにおいては戦車小隊扱いに近いでしょうし、制圧の為の歩兵も必要となるでしょう。約五十人の小隊規模となると、本来ならばかなりの精鋭でないといけないのでしょうけどね。士官学校を出て一年で自動で昇進する中尉が、作戦前に姫に謁見できた事で舞い上がっていたのでしょうか、斯様な結果となったみたいで。
 欲望ばかりが肥大化し、精神がそれに見合うだけの強さを持ち得なかったルナイガン氏の行いは、下手をすれば一煉寺君にもありえた物で。その前に立ち塞がった「鉄拳」と一煉寺君の対峙を経てそれぞれにどの様な決着が訪れるのか、興味深く思います。
 ラストも近付く中、ご無理のない範囲で最後まで頑張ってください。

 お邪魔致しました。
  • 投稿者: tagi
  • 2015年 03月03日 12時41分
[良い点]
・下卑た欲望が行動原理の登場人物。

 これまでのシリーズを通して一煉寺君と対峙してきた相手って、受け入れる事はできずとも当人にとっての理想に従い行動してきた人ばかりだったんですよね。前座扱いとは言え、本能のまま下卑た欲望を原動力にした人物が描写された事で悪い意味でも生きた人間が存在する世界であると、新鮮な気持ちになる事ができました。
 なまじ一煉寺君が瀧上氏と重なる部分が多くなっただけに、単純に怒りを覚え不快に感じる相手というのは貴重ですよね。しかも本来ならば味方陣営であるルナイガン氏ですらも本質は小者であるという、この抑圧。発散される時が今から楽しみです。

・ダスカリアンにおける一煉寺君への贔屓する事ない最低限のバックアップ。

 社会的地位の高い人物からの後援を最低限とし、地道に活動する。このハングリーさは好ましく感じました。
 恵まれた人から差し伸べられた救いの手と、限界の状況にあっても救いになればと差し伸べられた手。どちらが立派という物でもないですが、救われた側としてより感謝の念を抱くのは後者でしょう。超越者よりも隣を一緒に歩く身近な誰かがヒーローになれる。それこそが着鎧甲冑の目指す姿なのかもしれませんね。
[一言]
 お邪魔させて頂きます。

 特捜隊が男性を集めて構築された自称・精鋭部隊ならば、男性の数が回復するまでにに兵務についていた女性による部隊も存在している気がします。そこに所属する女性達の様子や、特捜隊との確執も存在していそうですね。内憂外患ではありませんが、武装組織の影が薄くなってからが国を立て直す本番になりそうです。人を傷つけモノを壊すより、物を作り人を育てる方が難しいですね。そう考えるとダスカリアンの未来の為には武一辺倒の一煉寺君よりも教師となった矢村嬢の方が貢献できたりしてね。

 国の根幹を揺るがす事案の解決に、地位争いを紛れ込ませる人物。平時ならばまだしも国家存亡の危地においてそんな人物は害悪でしかないですよね。上層部がそんな人材をも使い熟すだけの度量があるならばまだしも、上層部自体が人材不足の中、まがりなりにも最低限の治安を回復させている将軍達の苦労は想像に難くありません。この状況に一つの区切りを付けるであろう武装組織の駆逐を前に情勢がどう動くのか、一煉寺君を自国へ招こうと望む姫の行く末と共に楽しみにしています。

 お邪魔致しました。
 
  • 投稿者: tagi
  • 2015年 03月02日 15時29分
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