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[一言]
まさか道真が神様になるとはこの時点ではガチの天の神様でも考えまい……。
ですよねえ~。しかも、太宰天満宮はもともと菅原さんが道真のために建てたお寺だったし。
つまりは仏様になったはずの道真が、「たたりだ、たたりだ」と都で騒がれて、勝手に神様にされちゃって。ついには都合よく国中の受験生に合格祈願される身の上。

死後も、神様になってからも、大変な道真さんです。
  • 貫雪
  • 2013年 10月12日 19時38分
[一言]
本編は紀貫之らを主人公にした古今和歌集の成立の物語(ですよね?)とみましたが、こういった史実は実はどんなファンタジーよりファンタジーかもしれません。

 日本だと歴史書(古事記)が朝廷の都合の良いように編纂されているとか言われますが、辞書や歴史書、歌集の編纂作業は民族や共同体の世界観、歴史観を統一する上で物凄く有効だったと思うのですね。
千年以上前に万葉集と言う形で古今東西身分問わずに歌を残した日本人は中々有能だと思うのです。
(傍目には唄だの歴史だの言葉の網羅など暇人の遊びに見られて『何の役にも立たない』からな)
ちなみに、日本や中国は紙の普及が早かったので意外と早く辞書の編纂も成立してた模様。
(現存する最古の辞書は空海さんが編纂したとされるようです)
現代からみれば、戦前、戦後さえもファンタスティックに思えるほど生活の変化が激しいですからね。
千年も前まで遡れば立派にファンタジーでしょう。

日本史は権力者に改ざんされていると言われますけど、権力者の都合だけで書きかえたわけじゃない。
ちゃんと日本書紀と記紀の二つに分けて、それぞれ違う角度で歴史を表している。
さらに他の風土記などを合わせれば、それなりにきちんとした史実が分かるようになっている。
国家の体裁を整え、有力氏族のメンツも保ちつつ、権力者が国外に伝えたい意思も伝えている。
これだけ工夫を持って史記の編纂が出来ると言うのはなかなかのものだと思っています。

古今和歌集も日本古来の文化であった和歌にスポットをあて、日本文化の復権を目指すために編纂されたわけですが、唐文化と言うとっても便利なマニュアルが当時権力を握っていた藤原北家に重宝に使われて実質不自由が無かったにもかかわらず、国内文化の復権を目指した。
これはその時ちょうど藤原家の権力の空白時期が発生し、その間隙をぬって天皇による皇族中心の政治の復権を目指したことから始まった国家事業でした。
その一番の象徴こそが、勅撰和歌集だったんですね。

この話は古今集編纂前夜的な貫之の若い時代から、古今集成立へ。
そして少し後日談として貫之たちのその後を語る、群像劇を目指しています。
史実のほとんどさえあいまいな時代ですから、私の想像に寄り所が多くなりますが(貫之の生年さえおぼつかないほどですので)こんな時代の解釈もあるんだろうと思っていただければ幸いです。

それから、日本、中国の辞書編纂が早かったと言うトレビア情報。ありがとうございます。
ちょっと調べてみようかな。
  • 貫雪
  • 2013年 10月08日 20時07分
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