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[良い点]
唐突に「学校」という無茶振りを受けて、これだけのクオリティのものを短時間で用意できた総合力。やっぱり鵜狩さんは総合力が高い。
日常生活で、すぐ傍にある「机」に恐怖を絞った点も良い着眼点だと思います。折に触れてゾッとさせてくれそうですね。学生さんドンマイ!
[気になる点]
カメノテ検索してしまったじゃないかーーー!
ギャアァァァァ━━━━━━(|||゜Д゜)━━━━━━!!!!!!
[一言]
遅れませながら、拝読しておりましたので、感想を書かせて頂きます!

直球でガツンと来る怖さでした。いつも身近にあるのに、ちょっとしたことで異常な世界への扉となる…日常の中の非日常が、そっと頭を擡げたような。怪異というものの、気まぐれな残酷さが良くわかるお話。
あと、さりげなく思春期の少女達の複雑な葛藤なども織り込まれていて、ホラーとしてだけではなく、短編作品としても秀逸。この辺は「月の好い日は窓を開けて」に通じる才気を発揮されておりますな。

指の外観は、あの、とっても、嫌です(素敵の意味で)。カメノテが頭から離れなくなりました。あれ食えるのか…誰だよ最初に食おうって言った奴…ホラーだぜ。
なんかこう、狭い机の中に、ああいうのがみっちり詰まってる図を想像したら、大変に肝が冷えた。「ちょっとずつ」ってのが、またいやらしい。カリカリの音が耳に付くようです。


追伸。
猫は段ボールではなく、端っこを齧るのが好きなのです! 机の脚や曲がり角など、気分次第で端っこを齧ってます。なんでかは知らない(笑)。端っこって美味いのかな…。


  • 投稿者: 雪麻呂
  • 2015年 08月07日 21時14分
 いつもながら詳細な感想、ありがとうございます。
 いきなりの「学校」縛りで文字数は少なめになりましたが、でもネタとしてはいいものが用意できたのではないかと自負しておりました。そこを総合力と仰っていただけて有頂天です。
 また日常を侵食する非日常というのは俺のホラーの基本形態であったりしますので、「気まぐれな残酷さ良くわかる」として仰ってくださったのも嬉しいポイントです。「これに出遭いさえしなければ」「これに行き遭ってしまったばかりに」って感覚が好きなものですから。
 そして自分では盛り込み不足を感じた点だけに、感情的な葛藤を読み取って下さった事へも御礼をば。ホラーを抜いた短編として評価してくださりありがとうございます。

 机。
 これは学校といえば教室、教室といえば机、という単純発想からでした。理科室だの音楽室だのが七不思議ネタになりやすいけど、でも誰もが座った事あるといえばまず机だろう、と。
 でも何故かこれをメインに据えた話は少ないようで、俺が読んだところまでだと、俺のともう一件くらいしかなさげでした。意外と言えば意外。
 まあ死角になってる中空の中に、みっしりみっちりあんなのが詰まって蠢いていたらすげぇ嫌ですよね。もうあの手の机に座って勉強する年頃じゃなくてよかった。

 カメノテ。
 検索しちゃいましたか。あれが味噌汁に入ってたらびびりますよなあ。というかなんで日本人はなんでもかんでも取り敢えず食べようとするんだよ!
 
 追伸の返信。
 ああ多分、塩せんべいの周りから齧っちゃうとかそんな心理に通じてるんだ。そうに違いない!
[一言]
友人の様子がおかしくなっていく心理的な恐怖と、机の中から出現する「指」の生理的な恐怖、そして机に「食われた」友人が呼びかけてくる驚愕的(?)な恐怖、種類の異なる怖さが同時に楽しめる贅沢な作品でした。
かりかりがりがりと音を立てながら獲物を貪る「指」はもちろん恐ろしいのですが、机の罠に嵌って徐々に痩せこけてゆく千広の様子が個人的には怖かったです。贅肉と一緒に理性まで削ぎ落とされ、さらには自己まで奪われてしまう。「茅子」と呼びかけていた彼女は、もはや机が捕食するための生餌のような存在になっていたのでしょうね。
終盤、茅子の部屋の学習机から声が聞こえてきて、いったんはしのいだと油断した途端、ドカンと最後の恐怖がやってくる。このあたりの演出はさすがだなあと思いました。怪談やホラーの定石かもしれませんが、綺麗に使えてる方はそういないと思います。お見事でした。怖かった。

微笑ましく無邪気なのに、ある種の危うさを孕んだ女子高生同士の友情がたいへんリアルでした。ややスノッブで情報通な千広も、わりと内向的で自制のきく茅子も、本当にその辺にいそうな女の子ですよね。
茅子が抱えていた「諦めきれない片思い、大切な友達への嫉妬」は、それほど根の深いものではなくて、きっと時間が洗い流してくれた類のものだと思うんです。軽めの筆致で描かれているのが丁度良いさじ加減でした。あんまりコッテコテな表現はこの年頃にはそぐわないような気がするので。
そんな些細な瑕疵を目ざとく見つけて、千広の口を借りて責め立て、貪り食おうとする机(の向こうにいるもの)は、人間の醜さが好物だったのかなあなどと考えました。そして机に囚われた者は次の犠牲者を求めるのですね。おまえだって私と同じ醜い人間じゃないかと。
まさに負のスパイラル。この怪異の無限ループはおっかないです。学校の机のぽっかりあいた口が、地獄への直行路に思えてきました。

もう学校の机とは縁がなくなってしまいましたが、機会があれば前に座ってスリルを楽しんでみたいと思います。
酷暑にひんやりさせて頂いてありがとうございました。

  • 投稿者: 橘 塔子
  • 女性
  • 2015年 08月05日 21時55分
 指とその音、そして削ぎ取られて変貌していく友人とをメインに据えた本作でありましたが、軸がブレて散漫化する事なく怖さを演出できていたようで一安心です。
 実は咀嚼過程の千広は、所謂新興宗教にハマってる人がベースイメージでした。自分で考えるのをやめて言われた通りに動いてしまっている、みたいな。
 それでも思い直して茅子を逃がしたり、そののち執着して部屋まで追っかけてきちゃったりするのは、やっぱり大事な友達だからなわけで、そこらとカレシへの複雑な感情も織り交ぜた情念をもうちょっと上手く盛り込みたかったな、と若干悔いる次第。
 ただ「こんな感じでいいんじゃない?」的ご意見を多く賜りまして、なんか現状維持でいいような気もしてきた! そもそも変に話を付け加え過ぎるとすっきりしないから描写をカットしたわけですしな。
 二度の怪演出は「しんみり切ない感じで終わったフリしてどかーんで行こうぜ」と気張って組み込んだものだったりします。油断して腹筋の力を抜いたところを狙い澄ますボディブローっぽい感じで。
 皆様から頂戴した感想を見るにご好評いただけたようで、そして綺麗にやってのけているとお褒めに与れて、誠に嬉しい限りです。

 そして千広が抱えていたものは、持って行って欲しいと頼んでしまったものは、仰る通り時間が解決してくれるものだったろうと思います。
 でも俗っぽく見えて千広はかなり考えちゃう子で、だからただ待つだけというのは苦しくて、楽になろうと自分の大部分を渡してしまった結果がああでした。
 話中に盛り込み切れなかった部分ですが、「千広が大浦と交際している」というは嘘(不自然に「交際は公には秘密」と言っていたり、放課後必ず茅子を迎えに来たりする辺りはその含みです)なので、時間経過でその嘘がバレる可能性がどんどん高まる、というのも彼女が気持ち的に追い詰められた理由のひとつです。
 片思いを忘れてしまえれば、嫉妬心から見栄を張らなくなれば、「嘘ついてごめん」って素直に友達に言えるかもなんて考えてしまったのですな。

 机の中のもの。
 他の方の感想にも回答している通り、正体はまったく設定していません。でも「人間の醜さが好物」というのは物語的にとても素敵な気がしました。
 自分から細瑕を告白させて、それにつけ込んでループさせていく。千広のように取られすぎずに、日常に溶け込んで「ちょっとだけ」の約束を拡散させていく。実に七不思議っぽいです。
   
 などと思いつくままに書き連ねていたらまたぞろ長文になってしましたが、いつもながら詳細な感想、誠にありがとうございます。励みになります。
[一言]
ようやっとゆっくり拝見いたしました。
ごちそうさまでした。

短編にはもったいないような深く練られた設定と、それを活かす文章と筋書きとなんかもう色々と、流石でございます。
全編に渡り、わたくしの中では伊藤潤二先生の絵柄で想起されました。だからどうしたといったところですけれども、それ程の見事な描写力に脱帽でございます。

こわかったので、こわいボタン乱れ打ちさせていただきました。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2015年 08月02日 06時21分
管理
 感想とこわいボタン乱打ありがとうございます。
 いつも「くっそ、すげぇな」と思いながら拝読しているふしのさんに設定やら文章やらを褒めていただいてしまうのは面映ゆい限りなのですけれども!
 伊藤潤二さんはもうあの絵柄だけで怖い感じなのですが、あの作品に盛り込まれるアイデアもヴィジュアルと組み合わさって凄まじいお方ですよな。
 その絵柄でイメージしていただけたというのは一歩でもあの境地に近づけた気がして、なんだか嬉しい心持ちです。
[良い点]
オリジナリティもあり描写もしっかりしていて非の打ち所のない作品でした。

まさかここまでしっかりとしたホラー作品をなろうで見ることになるとは……本当に嬉しい誤算でした。
[気になる点]
スマホで見ているからか、所々で変な改行が見受けられました。


[一言]
惜しむらくはこれが三話構成というところですね。

正直な話、もっと長く浸りたかったです。ホラー映画を見ているような気分にもなれたので、次にホラー作品を書かれる時は十話くらいの中編を見てみたいと感じさせられました。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2015年 08月02日 04時46分
管理
 感想ありがとうございます。
 オリジナリティや描写がお褒めに与れたのもさる事ながら、「長く浸りたかった」のお言葉に欣喜雀躍です。そうした感慨を抱いていただけるのは、書き手として至上の幸福であると思います。
 賞に応募する際にも割合と文量が必要とされる事がある雰囲気を強く感じる昨今でありますので、そのうちにまた長めのホラーも書いてみようと思っています。
 その折はまたお運びいただけましたら幸甚です。

 改行。
 確認したところ露骨におかしな箇所がありましたので、早速手直し入れておきました。ご指摘ありがとうございます。
[良い点]
面白怖かったです!
確かにいつも使ってるのに何が入ってるのか、自分でも分からない空間ですよね。どこかへ繋がってる、というのはありうります!お腹のあたりがぞわっとする~~。
今後、暗くて奥深い空間がちょっと怖くなるかも、です。
  • 投稿者: 猫又
  • 2015年 08月01日 03時35分
 感想ありがとうございます。
 机の中はすぐ傍の死角ですからね。夏休み前とか年度末に整理すると、思わぬものが奥の奥から出てきたりしますし。
 いやまあ俺の整理整頓性能に関してはさておき、その死角が意識されるような話を目指して頑張ってみました。
 狙い過たずでそうした死角的中空を気にしていただけたなら、書き手冥利というものです。
[一言]
 「机引き」拝読致しました。明るい導入部から読者を近づかせ、少しずつ日常描写を変じさせてゆき、最終的に一挙に引き込む。その手腕は物語の核となる怪、机引きそのものですね。 
 また、元凶を知ることができないところがまた、よい味となって後引く恐ろしさに繋がっていると感じました。
 最後には身近な人間ほど、変わってしまえば付きまとわれる理由となって恐ろしいのだなと考えさせます。酷暑の中に良い涼しさを頂き、ありがとうございました。

  • 投稿者: 黒漆
  • 2015年 07月31日 18時42分
 感想ありがとうございます。
 導入は後半への落差を意識して、思い切り明るい日常っぽく描いてみました。段階的変化が上手く引き込みとなり、また興を生じさせられたならば幸いです。

 元凶。
 ホラーに登場する怪物は恨み辛みを語るべき亡霊の類とは異なって、基本喋らない方がいいと考えています。それらは決定的に理解の及ばない不思議だからこそ、より恐ろしさが際立つと思うので。
 ですから本話の怪異も詳細、正体を設定しない格好ですけれど、それを妙味と感じていただけたのならば、大変にうれしいところであります。 

 付きまとう理由。
 近しくて親しいからこその、「好きだけど嫌い、嫌いだけど好き」。表裏ながらも執着という方向性で同じ情念といったものを盛り込みたかったのですが、この辺りきちんと調理しきれなかった感触が拭いきれません。本作の反省点です。
[良い点]
こっわ!ゾッとした、いやこれ学生時代に読んでたらちょっと学校行きたくなくなるくらいこっわ!ってくらいいい出来だと思う
[気になる点]
読んだ人が引き出し恐怖症になりそうなところ
[一言]
こっわ!
この一言に尽きる
 感想ありがとうございます。
 ある時期とても身近にあって、どうしても座らなければならないものを恐怖の対象にしてみようと書いた話でありますから、そうまで怖いと仰っていただけて、ホラー短編冥利に尽きるというものです。
 悪い点まで含めて、嬉しくお言葉頂戴いたしました。感謝です。
[一言]
 はじめまして

 とても怖いホラーでした。

 上手ですね。
 自分も、参考にします。


 感想ありがとうございます。
 お言葉ありがたく賜りました。そう思っていただけるような話を、今後とも書き続けていきたいと思います。
[良い点]
あれですね、指のくだりでは私的には少しインパクト足りないなー、と思ったら、最後の最後の「いたんだ」の一言で心臓が大きく震えました。文章だけでここまで恐怖を人に植えつけられるのは、さすがの一言に尽きます。
[一言]
やっぱり言葉は怪談における必殺の手札なのですね。
とても面白かったです。
  • 投稿者: 退会済み
  • 15歳~17歳 男性
  • 2015年 07月27日 15時25分
管理
 感想ありがとうございます。
 一旦安心させて弛緩させておいて、そこで改めてもう一度驚かす。これは「二度の怪」と呼称されるパターンでありまして、本作の「居たんだ」までの流れもそれを狙ってのものでした。上手く機能したようで何よりです。
 また文章面もちゃんと怖くできていたようで、とても面白かったと仰っていただけたのと併せて欣喜雀躍でありました。
 けれど一部インパクト不足との印象を生じさせてしまったのは非常に悔しいところ。今後の精進の種とさせていただきたく思います。
[一言]
恐ろしかったです。
恐ろしすぎてもう、勉強出来ないなー(棒)

  • 投稿者: frototype
  • 2015年 07月27日 11時50分
 感想ありがとうございます。
 やはりホラーですから、「怖かった」のお言葉が何よりの褒め言葉です。
 でも勉強しない口実に使われるのまでは予想の埒外である。
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