感想一覧
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[一言]
まずこの薄ぼんやりした題名が良い。初めはまさしく緩い感じだと思えるのですが、本文を読むうちにこの緩んだ蓋なるものがどんどん存在感を増してきて、しまいにはそれで頭がいっぱいになるほどです。これしかないという題名です。
そしてとにかくこの怪奇現象の真相の破壊力が凄まじい。イライラする原因を自分で作って自分でイライラしているというのは不可解な行動のはずなのに、実にすんなりと腑に落ちます。
まずこの薄ぼんやりした題名が良い。初めはまさしく緩い感じだと思えるのですが、本文を読むうちにこの緩んだ蓋なるものがどんどん存在感を増してきて、しまいにはそれで頭がいっぱいになるほどです。これしかないという題名です。
そしてとにかくこの怪奇現象の真相の破壊力が凄まじい。イライラする原因を自分で作って自分でイライラしているというのは不可解な行動のはずなのに、実にすんなりと腑に落ちます。
千賀藤兵衛 様
ご感想ありがとうございます。
私はふだん作品のタイトル決めに苦労することが多いのですが(そして苦労する割にハマらない……)、本作に関しては書き始める前からタイトルが決まっていました。お褒めのお言葉を頂戴し、とても嬉しく思います。
語り手の主観と客観的事実の齟齬をオチにしたホラー作品は珍しくはないので、どうやって説得力を持たせるかに悩みました。少し強引だったかもしれませんが、納得感を持って受け止めていただければ幸いです。
末筆ながら、他の作品への誤字報告もありがとうございました。この場を借りて心より感謝いたします。
ご感想ありがとうございます。
私はふだん作品のタイトル決めに苦労することが多いのですが(そして苦労する割にハマらない……)、本作に関しては書き始める前からタイトルが決まっていました。お褒めのお言葉を頂戴し、とても嬉しく思います。
語り手の主観と客観的事実の齟齬をオチにしたホラー作品は珍しくはないので、どうやって説得力を持たせるかに悩みました。少し強引だったかもしれませんが、納得感を持って受け止めていただければ幸いです。
末筆ながら、他の作品への誤字報告もありがとうございました。この場を借りて心より感謝いたします。
- 橘 塔子
- 2023年 10月21日 21時22分
[良い点]
大好きな小説です。何度も読みました。情景が浮かび上がる素敵な描写でした。私は真衣タイプ、彼氏は智之タイプでこれから同棲するので震えてます・・・笑
[一言]
夜に音読ソフトでこの小説を朗読してもらいながら寝ています。本当に大好きです。
大好きな小説です。何度も読みました。情景が浮かび上がる素敵な描写でした。私は真衣タイプ、彼氏は智之タイプでこれから同棲するので震えてます・・・笑
[一言]
夜に音読ソフトでこの小説を朗読してもらいながら寝ています。本当に大好きです。
なな 様
ご感想ありがとうございます。古い作品にもかかわらず、今でもこうやって読んで頂けていると知り、たいへん嬉しく思います!
音読ソフト! だ、大丈夫でしょうか……誤字・脱字もそのまま音声化されているんじゃないかと心配しています(笑)。子守歌がわりにしてはずいぶん後味の悪い作品ですが、楽しんでいただけているようで何よりです。
ここだけの話、私も真衣タイプで夫は智之タイプなんです。それでも結婚生活なんとかなっていますので、きっとうまくいきますよ! 一緒に生活するようになってから私はすこーし几帳面になり、夫はすこーし大雑把になりました。お互い様の精神、歩み寄りが大切だと思うのです。
他にも目にとまった作品があれば、ぜひ覗いていってくださいね。ありがとうございました。
ご感想ありがとうございます。古い作品にもかかわらず、今でもこうやって読んで頂けていると知り、たいへん嬉しく思います!
音読ソフト! だ、大丈夫でしょうか……誤字・脱字もそのまま音声化されているんじゃないかと心配しています(笑)。子守歌がわりにしてはずいぶん後味の悪い作品ですが、楽しんでいただけているようで何よりです。
ここだけの話、私も真衣タイプで夫は智之タイプなんです。それでも結婚生活なんとかなっていますので、きっとうまくいきますよ! 一緒に生活するようになってから私はすこーし几帳面になり、夫はすこーし大雑把になりました。お互い様の精神、歩み寄りが大切だと思うのです。
他にも目にとまった作品があれば、ぜひ覗いていってくださいね。ありがとうございました。
- 橘 塔子
- 2023年 04月06日 22時29分
[一言]
橘さんを初めて知った作品です。
読了ツイート飛ばしたのみで感想を残せていなかったので遅ればせながら。
近しいから、日常だから、許せなくなる。
繰り返すから。聞き流されている気がして。
自分が取るに足らない存在にすら思えて腹がたつ。
寂しかったのはもうずっと前からかもしれない。
と思いました。
ちなみにずぼらな私ですが水道や蓋だけはガチで締めます。
グラスを普通に拭いていてうっかり砕いたことも数回あるくらいの怪力で。
夫も息子も困っています^^;
ってことはわたしゃ永遠に湖の底だ。
橘さんを初めて知った作品です。
読了ツイート飛ばしたのみで感想を残せていなかったので遅ればせながら。
近しいから、日常だから、許せなくなる。
繰り返すから。聞き流されている気がして。
自分が取るに足らない存在にすら思えて腹がたつ。
寂しかったのはもうずっと前からかもしれない。
と思いました。
ちなみにずぼらな私ですが水道や蓋だけはガチで締めます。
グラスを普通に拭いていてうっかり砕いたことも数回あるくらいの怪力で。
夫も息子も困っています^^;
ってことはわたしゃ永遠に湖の底だ。
- 投稿者: 遠宮 にけ ❤️ nilce
- 2017年 04月03日 17時14分
にけ 様
ご感想ありがとうございます!
読了報告頂けただけでも嬉しいのに、こちらにまでお送り下さるとは心より感謝!
他の方の感想にもあったのですが、智之が真衣を許せなくなったのは、単に彼女のズボラ云々ではなく、自分の言葉をまったく聞き入れてないことに傷ついたからかもしれません、書いた時はあまり意識していなかったのに、読み返してみて自分で「なるほどなあ~」と納得しました。でも、それでも、人間は言葉を重ねて近づいていくしかないのでしょう。この二人、ちょっと相手を諦めたところがあって、それが悲劇を招いたんですよね。
あ、私と正反対(笑)。蓋が緩いのをよく夫に指摘されます。あとドアをきちんと閉めないとか。言い訳すると、閉めすぎると瓶が傷むんじゃないかとか、地震が来た時にドアが開かないんじゃないかとか、いちおう理屈はあるんですよ(笑)。
相互理解、大事ですね……。
ありがとうございました!
ご感想ありがとうございます!
読了報告頂けただけでも嬉しいのに、こちらにまでお送り下さるとは心より感謝!
他の方の感想にもあったのですが、智之が真衣を許せなくなったのは、単に彼女のズボラ云々ではなく、自分の言葉をまったく聞き入れてないことに傷ついたからかもしれません、書いた時はあまり意識していなかったのに、読み返してみて自分で「なるほどなあ~」と納得しました。でも、それでも、人間は言葉を重ねて近づいていくしかないのでしょう。この二人、ちょっと相手を諦めたところがあって、それが悲劇を招いたんですよね。
あ、私と正反対(笑)。蓋が緩いのをよく夫に指摘されます。あとドアをきちんと閉めないとか。言い訳すると、閉めすぎると瓶が傷むんじゃないかとか、地震が来た時にドアが開かないんじゃないかとか、いちおう理屈はあるんですよ(笑)。
相互理解、大事ですね……。
ありがとうございました!
- 橘 塔子
- 2017年 04月03日 22時28分
[良い点]
真衣との結婚生活においてまるで真綿で締めつけられるような、智之が彼女の悪癖に苦しめられる心理描写が素晴らしかったです。
自分は真衣側の大雑把な人間なのですが、智之の方に感情移入してしまうほどでした。
[一言]
一番興味深いのは真衣が本当はどう思って暮らしていたのかなという点です。
確かに努力はしているし家事も一通りこなしている、だからこそ両者のすれ違いが深まっていったという皮肉な面がありますが。ただ謝っている口調が智之の言葉を最初から受け流しているようにも聞こえるんですよね。あくまで智之目線なのでしょうが。ひょっとしたらあの悪癖も無意識のメッセージだったのかなって思います。医者の医療ミスは気に入らない患者に起こる傾向が高いとどこかで聞いたことがありますが、少し通ずるものを感じました。
真衣との結婚生活においてまるで真綿で締めつけられるような、智之が彼女の悪癖に苦しめられる心理描写が素晴らしかったです。
自分は真衣側の大雑把な人間なのですが、智之の方に感情移入してしまうほどでした。
[一言]
一番興味深いのは真衣が本当はどう思って暮らしていたのかなという点です。
確かに努力はしているし家事も一通りこなしている、だからこそ両者のすれ違いが深まっていったという皮肉な面がありますが。ただ謝っている口調が智之の言葉を最初から受け流しているようにも聞こえるんですよね。あくまで智之目線なのでしょうが。ひょっとしたらあの悪癖も無意識のメッセージだったのかなって思います。医者の医療ミスは気に入らない患者に起こる傾向が高いとどこかで聞いたことがありますが、少し通ずるものを感じました。
- 投稿者: 退会済み
- 23歳~29歳 男性
- 2017年 03月15日 00時53分
管理
きんぴら大根 様
はじめまして。この度は拙作へのご感想ありがとうございました。
心霊ホラーを書くのが苦手で、どちらかというと日常の中の人間心理の怖さを描きたかったものですから、心理描写を褒めて頂けて本当に光栄です。ひとつひとつは些細でも、継続することによって心のタガが外れる、そんなリアリティが出ていれば嬉しいです。
私も真衣側の人間で(笑)。自分の行動(特に夫に指摘された)を箇条書きにしたのが役に立ちました。
真衣の真意について、たいへんに鋭いご指摘だと唸りました。実を言うとそこまで掘り下げて考えていたわけではないのですが、ズボラな人間でもやっぱり自分のあれこれを事細かく指摘されれば腹も立ちますし、悪意も抱きます。わざと直さずに智之をイラつかせて、ほくそ笑んでいた面もあったように思います。彼女がもう少し歩み寄りを見せれば、彼もまたここまで追い詰められずに済んだかもしれません。うん、私も気をつけよう(笑)。
過分なお褒めのお言葉と、深い考察、感謝の気持ちでいっぱいです。これを励みに今後とも精進いたします。
ありがとうございました。
はじめまして。この度は拙作へのご感想ありがとうございました。
心霊ホラーを書くのが苦手で、どちらかというと日常の中の人間心理の怖さを描きたかったものですから、心理描写を褒めて頂けて本当に光栄です。ひとつひとつは些細でも、継続することによって心のタガが外れる、そんなリアリティが出ていれば嬉しいです。
私も真衣側の人間で(笑)。自分の行動(特に夫に指摘された)を箇条書きにしたのが役に立ちました。
真衣の真意について、たいへんに鋭いご指摘だと唸りました。実を言うとそこまで掘り下げて考えていたわけではないのですが、ズボラな人間でもやっぱり自分のあれこれを事細かく指摘されれば腹も立ちますし、悪意も抱きます。わざと直さずに智之をイラつかせて、ほくそ笑んでいた面もあったように思います。彼女がもう少し歩み寄りを見せれば、彼もまたここまで追い詰められずに済んだかもしれません。うん、私も気をつけよう(笑)。
過分なお褒めのお言葉と、深い考察、感謝の気持ちでいっぱいです。これを励みに今後とも精進いたします。
ありがとうございました。
- 橘 塔子
- 2017年 03月15日 22時53分
[良い点]
怖いだけではなくて、人の物悲しい心理も語られていると思いました。
やっぱりうっかり真衣を「片づけて」しまった後悔が、その後のいろいろな動作に現れていたのではないかと思います。
恋人とはいえ、他人同士が一緒に住むのは、やはり最初は大変だと思います。一歩すれ違っただけで取り返しがつかない事態になる怖さを読ませていただきました。
歩み寄り、大事ですね。
[一言]
羊飼いのセレネイド~の方を読んだときにも筆力のある作家さんだなと思って読んでいましたが、これも読者賞を取った物語なんですね。なんだか納得してしまいました。遅ればせながら、読者賞おめでとうございます。
ホラー作品、それだけじゃなく、とても考えさせられる話でした。「羊飼い~」の方にも感想を書きましたので、読んでくださると嬉しいです。
怖いだけではなくて、人の物悲しい心理も語られていると思いました。
やっぱりうっかり真衣を「片づけて」しまった後悔が、その後のいろいろな動作に現れていたのではないかと思います。
恋人とはいえ、他人同士が一緒に住むのは、やはり最初は大変だと思います。一歩すれ違っただけで取り返しがつかない事態になる怖さを読ませていただきました。
歩み寄り、大事ですね。
[一言]
羊飼いのセレネイド~の方を読んだときにも筆力のある作家さんだなと思って読んでいましたが、これも読者賞を取った物語なんですね。なんだか納得してしまいました。遅ればせながら、読者賞おめでとうございます。
ホラー作品、それだけじゃなく、とても考えさせられる話でした。「羊飼い~」の方にも感想を書きましたので、読んでくださると嬉しいです。
- 投稿者: 退会済み
- 女性
- 2017年 01月26日 11時31分
管理
ロージア 様
「羊飼い」に引き続き、こちらの作品にまでご感想をありがとうございました!
自分でも言っていましたが、主人公は恋人を邪魔だといって排除しておきながら寂しがっているという身勝手な男です。本当はそういった自己中心的な思考に自ら追い詰められていく怖さを書きたかったのですが、気づくと真衣のズボラさ、主人公の几帳面さにリアリティを持たせることに躍起になっておりました(笑)。そんな中で「物悲しい心理」を読み込んで下さって嬉しいです。
歩み寄り、本当に大切。折れるところは折れて、譲れないところはケンカして落としどころを決める、それをサボったカップルの悲劇ですね。
昨年のホラー大賞では、皆様の応援のおかげで過分な賞を頂くことができました。一息に読むのに丁度いい長さだったのかもしれません。今後はもっと長い作品でも飽きさせないように、ホラーの腕を磨きたいと思います。
温かいご感想ありがとうございました。重ねてお礼申し上げます。
「羊飼い」に引き続き、こちらの作品にまでご感想をありがとうございました!
自分でも言っていましたが、主人公は恋人を邪魔だといって排除しておきながら寂しがっているという身勝手な男です。本当はそういった自己中心的な思考に自ら追い詰められていく怖さを書きたかったのですが、気づくと真衣のズボラさ、主人公の几帳面さにリアリティを持たせることに躍起になっておりました(笑)。そんな中で「物悲しい心理」を読み込んで下さって嬉しいです。
歩み寄り、本当に大切。折れるところは折れて、譲れないところはケンカして落としどころを決める、それをサボったカップルの悲劇ですね。
昨年のホラー大賞では、皆様の応援のおかげで過分な賞を頂くことができました。一息に読むのに丁度いい長さだったのかもしれません。今後はもっと長い作品でも飽きさせないように、ホラーの腕を磨きたいと思います。
温かいご感想ありがとうございました。重ねてお礼申し上げます。
- 橘 塔子
- 2017年 01月26日 21時20分
[一言]
大変興味深く、拝読させていただきました。
最初から最後まで、とくに前半の智之の心理描写がリアルで、ずぼらなわたしでさえ彼に共感し、「蓋は閉めようよ! 」と思ってしまいました。
大がかりな舞台や特殊な設定を用いることなく、読み手を惹きつけとらえて離さない橘さんの技量には感服のいたりですが、そこには妥協を許さない綿密なストーリーの骨組みがあるような気がします。そして的確かつ丁寧な心理描写。
ずぼらな人間と細かい人間ってなんとなく合うような気がしますけど、すれちがって溜めこむと大変なことになりますね。智之は身の回りには神経質だったけど人の心には無頓着な人だったのかな? ああでも智之の心情を察せなかったのだから真衣もいっしょか……。別々の生活で生きてきた人と暮らすのって難しいなと思いました……。
最後になりましたが、アルファポリスホラー小説大賞、「読者賞」おめでとうござます。心からわたしもうれしいです。
大変興味深く、拝読させていただきました。
最初から最後まで、とくに前半の智之の心理描写がリアルで、ずぼらなわたしでさえ彼に共感し、「蓋は閉めようよ! 」と思ってしまいました。
大がかりな舞台や特殊な設定を用いることなく、読み手を惹きつけとらえて離さない橘さんの技量には感服のいたりですが、そこには妥協を許さない綿密なストーリーの骨組みがあるような気がします。そして的確かつ丁寧な心理描写。
ずぼらな人間と細かい人間ってなんとなく合うような気がしますけど、すれちがって溜めこむと大変なことになりますね。智之は身の回りには神経質だったけど人の心には無頓着な人だったのかな? ああでも智之の心情を察せなかったのだから真衣もいっしょか……。別々の生活で生きてきた人と暮らすのって難しいなと思いました……。
最後になりましたが、アルファポリスホラー小説大賞、「読者賞」おめでとうござます。心からわたしもうれしいです。
ふさふさしっぽ 様
ご無沙汰しております。
丁寧なご感想ありがとうございました! こちらの作品がしっぽさんのお目に留まってとても光栄です。
心霊現象よりは精神状態に重きを置いたホラーでしたので、智之の心理描写についてお褒めのお言葉を頂き嬉しく思います。蓋は……閉めないと駄目ですよね……私もよく夫から叱られています……。
自分がずぼらなタイプなのと、それを見てイラつく人間を身近に知っているので、両方のリアリティを描けたのかもしれません。でもほんと気をつけねば(笑)。
おっしゃる通り、智之は自分にとって居心地のいい環境を求めるあまり、相手の気持ちには無頓着な人間だったような気がします。夫婦に限った話ではありませんが、一緒に暮らすのならお互い様なんですよね。ある程度は妥協して、どうしても許せないところはとことん話し合わなければならないのでしょう。智之は一人で苛立って、真衣は一人で我慢して、衝突を避けてしまったのが彼らの不幸だったのだと思います。
ホラー小説大賞のおかげでたくさんの方に読んで頂けて、ラッキーな作品になりました。ちょっとハードルが上がってしまった気もしますが、今後とも精進いたします。
ありがとうございました。
ご無沙汰しております。
丁寧なご感想ありがとうございました! こちらの作品がしっぽさんのお目に留まってとても光栄です。
心霊現象よりは精神状態に重きを置いたホラーでしたので、智之の心理描写についてお褒めのお言葉を頂き嬉しく思います。蓋は……閉めないと駄目ですよね……私もよく夫から叱られています……。
自分がずぼらなタイプなのと、それを見てイラつく人間を身近に知っているので、両方のリアリティを描けたのかもしれません。でもほんと気をつけねば(笑)。
おっしゃる通り、智之は自分にとって居心地のいい環境を求めるあまり、相手の気持ちには無頓着な人間だったような気がします。夫婦に限った話ではありませんが、一緒に暮らすのならお互い様なんですよね。ある程度は妥協して、どうしても許せないところはとことん話し合わなければならないのでしょう。智之は一人で苛立って、真衣は一人で我慢して、衝突を避けてしまったのが彼らの不幸だったのだと思います。
ホラー小説大賞のおかげでたくさんの方に読んで頂けて、ラッキーな作品になりました。ちょっとハードルが上がってしまった気もしますが、今後とも精進いたします。
ありがとうございました。
- 橘 塔子
- 2016年 06月23日 21時22分
[一言]
『緩んだ蓋』
このタイトルが……ここで書けないのが残念ですが、面白かったです!文章力、構成力の上手さはもちろん、夫婦生活〇〇年続けている私には共感を超え、彼女のズボラと無神経さ、そして仕事でのストレスから崩壊していく様はリアルで、智之の気持ちと一緒になって物語を追っていました。まるで自分が陥ってしまったかのような恐怖を感じながら……。
うちも神経質まではいきませんが几帳面男とズボラ女の夫婦ですので、夫婦円満の秘訣はお互いさまと妥協であると自分に言い聞かせて過ごしております。
良いところを見るようにしてお互いカバーし合っていると思いたいものです。自分の身にも起こりうるありきたりの日常から起こる恐怖は読んでいてゾッとします。
日常で読者を惹きつけるのは難しいですよね。歯磨き粉の蓋は私も子供の頃よく怒られました。そして緩んだ蓋に気付かずにソースをぶちまけたことがあります。子供を叱りました。あれは頭にきます(笑)
我慢しすぎてもいけないし、相手が我慢していることに気付かずに甘えすぎてもいけませんね。今夜からもうちょっと旦那さまに優しくしようと思いました(笑)
『緩んだ蓋』
このタイトルが……ここで書けないのが残念ですが、面白かったです!文章力、構成力の上手さはもちろん、夫婦生活〇〇年続けている私には共感を超え、彼女のズボラと無神経さ、そして仕事でのストレスから崩壊していく様はリアルで、智之の気持ちと一緒になって物語を追っていました。まるで自分が陥ってしまったかのような恐怖を感じながら……。
うちも神経質まではいきませんが几帳面男とズボラ女の夫婦ですので、夫婦円満の秘訣はお互いさまと妥協であると自分に言い聞かせて過ごしております。
良いところを見るようにしてお互いカバーし合っていると思いたいものです。自分の身にも起こりうるありきたりの日常から起こる恐怖は読んでいてゾッとします。
日常で読者を惹きつけるのは難しいですよね。歯磨き粉の蓋は私も子供の頃よく怒られました。そして緩んだ蓋に気付かずにソースをぶちまけたことがあります。子供を叱りました。あれは頭にきます(笑)
我慢しすぎてもいけないし、相手が我慢していることに気付かずに甘えすぎてもいけませんね。今夜からもうちょっと旦那さまに優しくしようと思いました(笑)
- 投稿者: 退会済み
- 2016年 06月07日 21時15分
管理
樹里 様
ご感想ありがとうございます。読んで下さってとても嬉しいです!
タイトルについてはいわゆるダブルミーニングにできたようで、我ながらよくできたと自画自賛しております(笑)。
我が家も几帳面夫とズボラ妻の組み合わせでして、二人の性格を表すエピソードには事欠きませんでした。共感して頂けてよかったです。
共有する日常だからこそ、些細なことだからこそ、本当は丁寧に歩み寄らないと駄目なんですよね。「夫婦円満の秘訣はお互いさまと妥協である」まったくおっしゃる通りで、きっと樹里様のところは上手にやっているのだろうなあと思います。
蓋の緩みは、私もついやってしまうのですが、他人にやられると腹が立ちますね。ついカッとなってしまう感覚、分かって頂けて光栄です。
でも逆に固く締められすぎててもムカつくんですよねえ……ジャムの蓋とか。私の握力では開かないことがたびたび(笑)。
お互い様の気持ちで、どうしても譲れない部分はちゃんと口に出して話し合う。本当にこれ心掛けたいですね……。
丁寧なご感想ありがとうございました! 今後とも頑張ります。
ご感想ありがとうございます。読んで下さってとても嬉しいです!
タイトルについてはいわゆるダブルミーニングにできたようで、我ながらよくできたと自画自賛しております(笑)。
我が家も几帳面夫とズボラ妻の組み合わせでして、二人の性格を表すエピソードには事欠きませんでした。共感して頂けてよかったです。
共有する日常だからこそ、些細なことだからこそ、本当は丁寧に歩み寄らないと駄目なんですよね。「夫婦円満の秘訣はお互いさまと妥協である」まったくおっしゃる通りで、きっと樹里様のところは上手にやっているのだろうなあと思います。
蓋の緩みは、私もついやってしまうのですが、他人にやられると腹が立ちますね。ついカッとなってしまう感覚、分かって頂けて光栄です。
でも逆に固く締められすぎててもムカつくんですよねえ……ジャムの蓋とか。私の握力では開かないことがたびたび(笑)。
お互い様の気持ちで、どうしても譲れない部分はちゃんと口に出して話し合う。本当にこれ心掛けたいですね……。
丁寧なご感想ありがとうございました! 今後とも頑張ります。
- 橘 塔子
- 2016年 06月07日 22時49分
[良い点]
伏線キッチリ、構成ばっちり、タイトルに説得力あり
文章力もあり
引きこまれました
[一言]
アルファポリスホラー大賞読者賞おめでとうございます
賞に相応しい作品だと思いました
面白かったです
あえて言うなら、怖いというより切なくなるのが、ジャンルを考えると難点でしょうか(笑)
>「それでも私、一緒に暮らしてるんだからお互いに妥協しなくちゃって思ってたのよ。イラッときても智之のいいところをいっぱい思い出して、許してた。でも、智之は違ったんだね」
こんなのうっかり殺してしまった彼女から言われたら、自責と後悔の念で立てなくなります……
伏線キッチリ、構成ばっちり、タイトルに説得力あり
文章力もあり
引きこまれました
[一言]
アルファポリスホラー大賞読者賞おめでとうございます
賞に相応しい作品だと思いました
面白かったです
あえて言うなら、怖いというより切なくなるのが、ジャンルを考えると難点でしょうか(笑)
>「それでも私、一緒に暮らしてるんだからお互いに妥協しなくちゃって思ってたのよ。イラッときても智之のいいところをいっぱい思い出して、許してた。でも、智之は違ったんだね」
こんなのうっかり殺してしまった彼女から言われたら、自責と後悔の念で立てなくなります……
天満川鈴 様
はじめまして。ご高覧ありがとうございました!
ホラー小説大賞で結果を残せたことそれ自体も光栄なのですが、こうやって多くの方のお目に留まり、ご感想を頂けるのが何よりも嬉しいです。
ホラー作品はこのくらいの長さが私にとっての限界で、そのぶん構成やヒキには気を遣いました。惹き込まれたとおっしゃって頂けて報われた思いです。
恋愛要素を絡めるとどうしても切なくなっちゃいますね……実を言うとさほど意識せずに書いたのですが、他の方からも「恋愛モノとしても読める」とのご感想を頂いて、ああそうかもなと今さらながら思い至った次第です(笑)。ただ恐ろしいだけでなく、人間の身勝手さや皮肉な擦れ違いが表現できていれば嬉しいのですが。
真衣の亡霊(?)はああ言っていたものの、やはりイラっときたら喧嘩するべきだったと思います。言葉にしないと伝わらないことは多いですからね……結果として妥協するにしても、ぶつかり合わずに自己完結するのは不幸のもとです(自省も込めて)。
最後になりましたが、ツイッターの方でも読了ご報告ありがとうございました。
これを励みにこれからも精進いたします!
はじめまして。ご高覧ありがとうございました!
ホラー小説大賞で結果を残せたことそれ自体も光栄なのですが、こうやって多くの方のお目に留まり、ご感想を頂けるのが何よりも嬉しいです。
ホラー作品はこのくらいの長さが私にとっての限界で、そのぶん構成やヒキには気を遣いました。惹き込まれたとおっしゃって頂けて報われた思いです。
恋愛要素を絡めるとどうしても切なくなっちゃいますね……実を言うとさほど意識せずに書いたのですが、他の方からも「恋愛モノとしても読める」とのご感想を頂いて、ああそうかもなと今さらながら思い至った次第です(笑)。ただ恐ろしいだけでなく、人間の身勝手さや皮肉な擦れ違いが表現できていれば嬉しいのですが。
真衣の亡霊(?)はああ言っていたものの、やはりイラっときたら喧嘩するべきだったと思います。言葉にしないと伝わらないことは多いですからね……結果として妥協するにしても、ぶつかり合わずに自己完結するのは不幸のもとです(自省も込めて)。
最後になりましたが、ツイッターの方でも読了ご報告ありがとうございました。
これを励みにこれからも精進いたします!
- 橘 塔子
- 2016年 05月30日 21時08分
[良い点]
すごく綺麗にまとまった作品。
偏執的な主人公を見事に描けていて、それでいてキャラクターとしての魅力を損なっていない。
読みやすい文章で、しかも冗長にならない手腕が素晴らしく、作者様の筆力が輝く作品に感動いたしました。
すごく綺麗にまとまった作品。
偏執的な主人公を見事に描けていて、それでいてキャラクターとしての魅力を損なっていない。
読みやすい文章で、しかも冗長にならない手腕が素晴らしく、作者様の筆力が輝く作品に感動いたしました。
諏訪錦 様
はじめまして。この度はご高覧ありがとうございました。
いつも文字数を意識せずに書いているので、仕上がった後に「もっと短くまとめられたんじゃないか」「少し物足りないのではないか」と不安に思うもので、綺麗にまとまっているとおっしゃって下さって嬉しいです!
私の実力では長編でホラーのテンションを保つのが難しく、結果的にちょうどよいボリュームになっていたのかもしれません。今後は意図的に文字数のコントロールができるようになりたいです。
また、一人称の心理描写についても及第点が頂けたようでホッといたしました。癖のある主人公でしたが、彼と一緒に怖がって頂けたのなら幸いです。
頂戴したお言葉を励みにこれからも頑張ります! 本当にありがとうございました。
はじめまして。この度はご高覧ありがとうございました。
いつも文字数を意識せずに書いているので、仕上がった後に「もっと短くまとめられたんじゃないか」「少し物足りないのではないか」と不安に思うもので、綺麗にまとまっているとおっしゃって下さって嬉しいです!
私の実力では長編でホラーのテンションを保つのが難しく、結果的にちょうどよいボリュームになっていたのかもしれません。今後は意図的に文字数のコントロールができるようになりたいです。
また、一人称の心理描写についても及第点が頂けたようでホッといたしました。癖のある主人公でしたが、彼と一緒に怖がって頂けたのなら幸いです。
頂戴したお言葉を励みにこれからも頑張ります! 本当にありがとうございました。
- 橘 塔子
- 2016年 05月29日 15時40分
[良い点]
タイトルが秀逸すぎる
[一言]
面白かったです。
他人とともに暮らす事になった時、摩擦は避けて通れないですし、誰もが共感する身近な事が、恐怖に繋がる……という展開は、ホラーにあまり興味が無い私でも引き込まれました。
真衣のズボラさを表現する、緻密な文章表現が、鋭い説得力となり、物語の面白さを引き出している。
文章力が高い橘さんならではの作品と感じました。
特にタイトルの「緩んだ蓋」これがだらしのなさの象徴ですね。
私もだらしのない人間ですが、蓋が緩んでて中身がこぼれたらキレるな…と思います。
苛立が積み重なっていくと、心の中に封じ込めた怒りの感情の蓋が徐々に緩んで、
緩んだ蓋が外れて、こぼれ落ちる中身…は、怒りが爆発する所と重なるな…と。
こぼれ落ちた中身と重なる、溢れ出す怒り。
情景描写と心理描写が見事に重なりあって、より作品が魅力的になって行く所が素晴らしい。
智之の身勝手さと無意識の愛の深さ…読んでいてとてもリアルな人物像だなと感じました。
無意識のうちに自作自演してまで、恋人の面影を追い続ける姿が、哀れで愛おしさまで感じてしまう。
そしてより深く真衣の魅力を感じますね
どうしようもないすれ違い。
どこかで分かりあえる機会があったなら、幸せな2人でいられたかもしれない…
逆に今幸せである我々も、彼らのようにどこかですれ違ってしまうかもしれない。
とてもリアルで身につまされるからこその恐怖。
ここまで面白いと思えるホラーに出会ったのは初めてです。
ありがとうございました。
タイトルが秀逸すぎる
[一言]
面白かったです。
他人とともに暮らす事になった時、摩擦は避けて通れないですし、誰もが共感する身近な事が、恐怖に繋がる……という展開は、ホラーにあまり興味が無い私でも引き込まれました。
真衣のズボラさを表現する、緻密な文章表現が、鋭い説得力となり、物語の面白さを引き出している。
文章力が高い橘さんならではの作品と感じました。
特にタイトルの「緩んだ蓋」これがだらしのなさの象徴ですね。
私もだらしのない人間ですが、蓋が緩んでて中身がこぼれたらキレるな…と思います。
苛立が積み重なっていくと、心の中に封じ込めた怒りの感情の蓋が徐々に緩んで、
緩んだ蓋が外れて、こぼれ落ちる中身…は、怒りが爆発する所と重なるな…と。
こぼれ落ちた中身と重なる、溢れ出す怒り。
情景描写と心理描写が見事に重なりあって、より作品が魅力的になって行く所が素晴らしい。
智之の身勝手さと無意識の愛の深さ…読んでいてとてもリアルな人物像だなと感じました。
無意識のうちに自作自演してまで、恋人の面影を追い続ける姿が、哀れで愛おしさまで感じてしまう。
そしてより深く真衣の魅力を感じますね
どうしようもないすれ違い。
どこかで分かりあえる機会があったなら、幸せな2人でいられたかもしれない…
逆に今幸せである我々も、彼らのようにどこかですれ違ってしまうかもしれない。
とてもリアルで身につまされるからこその恐怖。
ここまで面白いと思えるホラーに出会ったのは初めてです。
ありがとうございました。
斉凛 様
ご感想ありがとうございます!
普段あまりホラージャンルを読まれないにも拘わらず、拙作に足をお運び頂いて本当に光栄です。
心霊現象の恐怖を描くのが苦手で(ホラー書きなのに!)、本作もちょっとだけ心霊ネタは入っていますけども、核にあるのは生きた人間の複雑な感情です。生まれも育ちも違う二人が一緒に生活するのだから、葛藤も摩擦もあって当然ですよね。ひとつ歯車が狂い始めるとどんどん深みにはまる……という過程をお楽しみ頂けたのなら幸いです。
日常のディテールがキモだと思って力を注ぎましたので、お褒め下さって嬉しいです。真衣のズボラさは私も覚えのあるところであり、リアルに描写できました。
ていうか、これ読んだ方たいてい「私も真衣タイプです!」っておっしゃるんですよね(笑)。
気づいて下さった通り、タイトルにはいろいろな意味合いを含ませました。真衣のズボラさの象徴、溜まった怒りで外れかかる理性、そして最後のオチです。特にトランクの蓋のくだりは、真衣の悪癖に智之が足を掬われるという皮肉なラストに仕上がったので自分でも満足しております。
無意識の自作自演と言うのは、ホラーではわりとよくある種明かしなんですよね。臆面もなく使ってしまいましたが、苛立ちつつも心の底では愛していたという身勝手な心情が表せたようでよかったです。
長く関係を維持しようと望む相手こそ、譲れない部分ははっきりと主張すべきなんでしょうね。その時々でいい顔をして解決を先延ばしにすると、負の感情ばかりが溜まっていつか蓋が外れてしまう。たとえ喧嘩別れになってしまったとしても、この二人のような末路よりはマシですもんね。
うん、私も気をつけよう。
楽しんで頂けてよかったです! 今後ともよろしくお願いいたします。
ご感想ありがとうございます!
普段あまりホラージャンルを読まれないにも拘わらず、拙作に足をお運び頂いて本当に光栄です。
心霊現象の恐怖を描くのが苦手で(ホラー書きなのに!)、本作もちょっとだけ心霊ネタは入っていますけども、核にあるのは生きた人間の複雑な感情です。生まれも育ちも違う二人が一緒に生活するのだから、葛藤も摩擦もあって当然ですよね。ひとつ歯車が狂い始めるとどんどん深みにはまる……という過程をお楽しみ頂けたのなら幸いです。
日常のディテールがキモだと思って力を注ぎましたので、お褒め下さって嬉しいです。真衣のズボラさは私も覚えのあるところであり、リアルに描写できました。
ていうか、これ読んだ方たいてい「私も真衣タイプです!」っておっしゃるんですよね(笑)。
気づいて下さった通り、タイトルにはいろいろな意味合いを含ませました。真衣のズボラさの象徴、溜まった怒りで外れかかる理性、そして最後のオチです。特にトランクの蓋のくだりは、真衣の悪癖に智之が足を掬われるという皮肉なラストに仕上がったので自分でも満足しております。
無意識の自作自演と言うのは、ホラーではわりとよくある種明かしなんですよね。臆面もなく使ってしまいましたが、苛立ちつつも心の底では愛していたという身勝手な心情が表せたようでよかったです。
長く関係を維持しようと望む相手こそ、譲れない部分ははっきりと主張すべきなんでしょうね。その時々でいい顔をして解決を先延ばしにすると、負の感情ばかりが溜まっていつか蓋が外れてしまう。たとえ喧嘩別れになってしまったとしても、この二人のような末路よりはマシですもんね。
うん、私も気をつけよう。
楽しんで頂けてよかったです! 今後ともよろしくお願いいたします。
- 橘 塔子
- 2016年 05月19日 22時26分
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