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[良い点]
「全てが手に入る筈じゃありません?」と尋ねてくるマーガレットの言葉が、宝くじの当たった後の彼女の人生を集約している気がしました。マンションの話や旅行の話では、お金を無心しにくる周囲に対する寂しさを感じます。意地悪なウェイトレス仲間の話からは、自分自身にさえ嫌気を感じるようになったことが伝わってきます。お金を手に入れたことで気付かされた寂しさや煩わしさ、自分自身に対する苛立ち、そういったもの全てから解放されたい。そんな気持ちが一言に凝縮されている気がしました。

今後の創作活動を応援しております。
[良い点]
一見すると、輝いている者と、輝いていないのに、鈍く光る者との対比が交互に突き刺さり、胸の内を暴かれていく様な気分になりました。

命の輝きは自らが消してはいけない。自らが光っている、光れる事も気付かない哀しみが、余韻の様に残りました。


キャシーが出なかったら、とても静かな別の雰囲気になった気もしますが、そんなバージョンも読んでみたくなる様な、そんな静かな物語に魅いられました。



然り気無く場面の連射での回想が、汽車の速度の様に、走馬灯の様に、過去を語ってくれるのが非常に綺麗で物悲しく、切なさを掻き立てていたのも印象深かったです。



読み終えて、この様に感想を書こうと筆を取ると、既に胸の中に物語の余韻が居座っている……そんな静かに主張する作品と感じました。

ありがとうございます。
[一言]
オリエント急行は、殺人が起こるには似合いの場所と、某作品からもインスピレーションが溢れてきます
玉藻稲荷&土鍋ご飯様、【殺し屋さん、聞いて下さい】へ感想ありがとうございました。

物語の余韻に浸っていただけたとのお言葉、嬉しいです。
キャリーは物語を転がすと同時に色々なものを浮き彫らす密かなキーパーソン役ですので、彼女のいないバージョンで描く事は申し訳ありませんが……難しいです。
でも、そういった『別バージョン』まで想像して頂けて光栄です!ありがとうございます。
オリエント急行の某作は、この話の車両の内装を書く為に観ました。凄く面白かったです。
こちらも物語とは別に雰囲気を楽しんで頂けたのなら幸いです。

誰しもが過去や悲しみ、満たされない思いを背負っています。
それはその人にとってはとても重要ですが、他人からしたらさして興味のないもの、聞くのすら煩わしいものかもしれません。

でも聞いてもらいたい。

どうやって、どんな想いで?その時どんな気持ちになる?……と色々思いながら書きました。

色々感じて頂けたのなら、嬉しいです。
ありがとうございました。

梨鳥ふるり


[良い点]
表現が本当に素敵で、(特に比喩!)あぁもう本当にこのような小説には引き込まれてしまいます……!
命、というものをテーマに、それを一貫して物語に織り混ぜるというか……
(表現が下手ですみません)そんな文章がとても好みです。
読んでいて私も殺し屋が書きたくなってきました。なんというか、殺し屋の儚さみたいなのが好きなんです。
不器用な二人のやり取りも魅力的です。
素敵な小説をありがとうございました!
ネフェリィさん、【殺し屋さん、聞いて下さい】へ感想をありがとうございます。
引き込まれたとのお言葉、嬉しいです。
文章も好みと言って頂けて、今後の励みになりました!
こちらの作品は<殺し屋企画>殺し屋が主人公・テーマの作品を書こう、と言う企画に参加して書いたものです。
殺し屋書きたくなりましたか?是非挑戦してみて下さいね!
殺し屋の儚さ……命を奪う職業だからでしょうか、なんとなく解ります。
不器用な二人の不器用な物語を見つけて頂き、ありがとうございました!
こちらこそ、嬉しい感想をありがとうございました!!

ではでは、寒い日々が続きますが元気にお過ごしください。
ありがとうございました。

梨鳥ふるり


[良い点]
 3人の台詞。一見、軽い洒脱なやりとりに思えるのですが、その軽さが、実はすべて「命」をベースにしているのが垣間見れたような気がします(表現力なくてすみません)。
 子供と過ごした寝台列車の旅の思い出を、もちろん「オリエンタル」ではないですが、ふと思い出しました。すばらしい作品をありがとうございました。
パン大好き様、感想をありがとうございます。ご返信が送れまして大変申し訳ありませんでした。
3人のキャラクタの台詞、誉めていただきありがとうございます!
この作品は『殺し屋を書こう』という企画の為に、書いたので、命というものに触れた内容になっております。
それより。パン大好き様、寝台列車体験された事があるのですね!羨ましいです!
作中に違和感はなかったでしょうか?
梨鳥もいつか乗ってみたいです。
作品を通して思い出に触れて頂いた事、光栄に思います。
こちらこそ、感想を書いて頂いてありがとうございました。
ではでは、乱筆失礼しました。

梨鳥ふるり
[良い点]
芳醇な香りをまとったウィスキーボンボンのような小説でした。綺麗で甘くて、内側にほろ苦い大人の味。
不器用な二人が乗り込んだ列車は、彼らの不器用な思いを揺れ動かして、終着点もまた、不器用のまま、それぞれの駅に降りました。
互いに自信のない想いがあったせいで、ほんのわずかな時間触れ合うのみにとどまった二人。ルドルフは、違う世界に生きる違う性質を持った女性に、自分と似た部分を感じ取ったからこそ、惹かれたのかな……なんて想像してしまいました。
独白では少女のような初々しさと少々わがままっぽい面を見せるマーガレット。なのに、ラストで感傷的になるルドルフと比べて達観しているというか、ドライという印象を受けました。マーガレットという女性は、私が思っていたより大人だったのかもしれません。茶封筒に写真を入れているあたり、やっぱり自分勝手だなと思いますが。
ルドルフが見た彼女の命の輝きは、きっと自分勝手に輝く「お星さまみたい」だったのかなあ、と。
[一言]
梨鳥ふるり様、初めまして。北瀬多気と申します。ツイッターの読了を拝見してお邪魔いたしました。
言葉にしがたい感情を、澄み渡る水のような文章で表現されているのが見事で、流れに身を任せ読書に耽りました。時折、水の中に綺麗な色や濁った色があって、そのどれもが登場人物、ドラマの魅力を伝えてくれます。
二人の持つ不器用さ、きっとたくさんの人が抱えているのだと思います。不器用な人だからこそ刺さるものがあるというか。人間のどうしようもない、けれど愛しい部分を感じました。
素敵な物語に出会えて嬉しかったです。ありがとうございました。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2016年 02月06日 23時11分
管理
北瀬多気様、はじめまして。
『殺し屋さん、聞いて下さい』へ感想をありがとうございます。
北瀬様、文章が綺麗ですね……。ちょっと、緊張します……。
なんかもう、ほとんど読み取って、物語を北瀬様の中で良い具合に消化して頂けたんだな、という思いです。嬉しいです。
なので梨鳥、お口にチャックしたいところですが、マーガレットの独白からの性格考察が嬉しいのでここだけ……。
人って、長く生きるとたくさんの自分が出来るのかなと。
独白で、彼女は素です。
でも、やった事はとてもクール。あらかた割り切っています。割り切る事を彼女が覚えた背景や心情を想像して頂けたら、と思います。

一言の欄の嬉しい言葉の数々もありがとうございます。こんなに綺麗に例えて頂けると、舞い上がりそうです。

》人間のどうしようもない、けれど愛しい部分

これは小説を書く際の梨鳥の永遠のテーマです。極端に言うと、そこにしかあんまり興味がありません。なので、そう言って頂けると凄く嬉しいです!見て頂いてありがとうございます。

こちらこそ、北瀬多気様に見つけて頂けて嬉しかったです。
興味を持って頂き、ありがとうございました。

それでは、はじめましてにも関わらず、長々と駄文を垂れ流して申し訳ございませんでした。
ではでは、北瀬様、良い夜をお過ごしください!

梨鳥 ふるり

[良い点]
最初から最後まで素晴らしい列車の情景とマーガレットとルドルフの関係性を見事に描き切っていたと思います。
中年女性のマーガレットの冴えない容姿や臆病な性格。そして完全な善人ではない部分がかえって人間味があって好感が持てました。
どん臭さも物語が進むにつれてチャーミングに見え始めるように描写する筆力も脱帽するばかりです!
不幸な生い立ちから一転して幸運を手に入れる流れでマーガレットのキャラがぐっと引き出され、「標的は誰だ?」とルドルフが彼女の人生を振り返ることで心を奪われていくこの文章

『いつの間にかマーガレットの人生のレールの一部を行ったり来たりし、ガタンゴトンと楽しみ、味わっていたんだ』

ここが特に好きで、ぐっと心を掴まれました。
きっとルドルフもマーガレットに盗まれたはずです!

そしてマーガレットは憧れていた赤いハイヒールを履き、美しく着飾って最期を素敵な男性に捧げた。

ルドルフは彼女の願いを叶えて大金を手にしてけれど、きっとなにかを無くした。
そんな終わり方が切なく、そして大人の余韻があって良かったです。

[一言]
梨鳥作品の中で一番好きな作品になりました。
これからも素敵な作品を書き続けてください。
  • 投稿者: 151A
  • 2016年 02月06日 20時22分
151Aさん、感想をありがとうございます。
列車の情景、出来ていましたか!?ありがとうございます。
もっと、もっとこってこてにやりたかったのですが、力及ばず……。
もっとこう……どっしりした描写を書けないといけないな、と勉強になった話でした。
マーガレットについても、好感を持っていただきありがとうございます!!
後ろ向きなラストを望んだ(本人は超前向きというか、一世一代のお茶目心なんですけど)キャラなので、あんまり受け入れられないかな……と心配していたのですが、結構受け入れて貰えて喜んでいます。
しかも、チャーミングになっていきましたか?!うう……嬉しい……。
梨鳥のこう見て欲しいをどうしてそんなにわかってくださるんですか……(泣)

》不幸な生い立ちから一転して幸運を手に入れる流れでマーガレットのキャラがぐっと引き出され、「標的は誰だ?」とルドルフが彼女の人生を振り返ることで心を奪われていくこの文章

ありがとうございますーーーーー!
これを、これを!!作中でやりたかったんです!!
不幸自慢って、気持ちいいかも知れないけれど、まともに頑張って生きている人間には大抵聞き流されるじゃないですか。
ルドルフは話の裏を(そんなものは大してないのに)見たくて、前のめりで聞いて、マーガレットの事を色々考えてしまう。
なんてゆうか、誰もが一度は「私ってこんなに可哀想なの」って言って深々と話を聞いて自分の事を思ってくれないかなって思うと思うんです。多分。そんな気持ちを妄想で埋めて見ました。
素敵なイケメンに、「私こんなに辛かったの」って話が出来たら気持ちいかもなって思ったんです。最後に「若かった頃は、まだマシだったでしょ?多少今より可愛かったでしょ?」って写真を押し付けたり。。。
意味不明だったらすみません。。。(>_<)
マーガレットは、自分勝手で悪い女です(笑)

》そしてマーガレットは憧れていた赤いハイヒールを履き、美しく着飾って最期を素敵な男性に捧げた。

なんてドラマチックにまとめてくださるんですか~!!嬉しいです。ありがとうございます・・・!!
ルドルフは完全に巻き込まれましたね。
本当に、お気の毒です。
余韻も楽しんで頂けて嬉しいです。ありがとうございます。

作品の中で一番のお言葉も、ありがとうございます!!
地味だしあんまりかな……と少し自分にがっかりして投稿したので(すみません、読んで下さる方に失礼ですね(>_<)一定レベルはちゃんとしましたよ!)ちょっとびっくりしたとともに、やはり『竜の花嫁』で自分的に衝撃みたいなのを下さったいちごさんを(勝手に)見習って、自分の描きたいものを書いても正解?なんだ!と自信がつきました!!ありがとうございます!!

はい! これからもがんばります!!
いちごさんの活躍も、応援&楽しみにしております!!
お互いがんばりましょう!!
ありがとうございました!!

梨鳥 ふるり


[一言]
オシャレすぎて、のめり込んでしまいました。
台詞ひとつひとつが洗練されていて、各情景が頭の中で自然と思い浮かぶ名作。

この文章量の中で、ここまでのドラマを作りだすのは、一創作者として脱帽せざるを得ません。

素敵かつモダンな小説。
楽しませて頂きました。
  • 投稿者: 珈琲
  • 2016年 02月04日 20時22分
珈琲さん、感想をありがとうございました。
お、オシャレでしたか? 
そんな風に言って頂けるとは思いませんでした……嬉しいです。
セリフも各情景も、楽しんで頂けたなら幸いです!
文章量は、自分にスタミナが無いのもありますが、長くなると詰め込み過ぎてしまって、もともと薄ぼんやりしか書けない話の核が更に見えなくなってしまうので、とにかく書いてから削る作業をしています。
必要なものだけ厳選出来ていればいいですが、やはり毎回足りなかっただろうか、と不安です。
なので、お言葉とても嬉しいです。
珈琲さんに楽しんで頂けて嬉しいです。

読んで頂き感想まで下さってありがとうございます。

珈琲さんに思いがけない幸運な週末が訪れます様に!!

梨鳥 ふるり
[良い点]
マーガレットのターゲットを冒頭から気付いていたこと、こっそりと自慢させていただきたいです。ほとんどカンではありますが……あえて根拠を挙げるなら以下の文でしょうか。
>その一声を上げるのに私は二十年もかけてしまった。
>やってみれば、拍子抜けもイイところよ。
彼女が思い切ったのはなぜだろう、と思ったらそうかな、と。

マーガレットのリアルな中年不美人描写とキャリーの魅力の対比が生々しくリアルでいたたまれないほどでした。キャリーがマーガレットを嘲る気持ちも分かってしまうけれど、自分自身がマーガレットよりだからそれが余計に突き刺さる、という。
ルドルフの感情も単純なロマンスではなくて、多分に鈍臭いマーガレットへの苛立ちやもっとこう……! という思いが含まれているように読めました。でも憐れみとも違っていて確かに特別な感情もあって、何と呼んで良いか分からない関係に非常に萌えました。
ルドルフの目に、マーガレットが次第に魅力的に映っていったのはなぜだろう、とも考えました。ルドルフが話を聞いてくれたから? と一瞬思ったものの、彼はお金の前にシャッターを閉ざしてしまった、と彼女は感じたのですよね……。ならばなぜ、と思うと、この関係は恋ではないけど非常に恋に似ているのかな、と思いました。自分を見て欲しい、そのために言葉を選んでは後悔して、少し大胆になったり、相手の知らない部分を素人したり。そんな駆け引き、必死さが彼女を輝かせたのかも、と。ディナーの装いを、マーガレットを引き立てると感じ、プロムの少女を思い起こしたルドルフの驚き・感情の揺れがとても愛おしかったです。
……などと色々と書き連ねてみましたが、結局のところあとがきの>不器用と不器用が不器用に触れ合う というフレーズが最もしっくりくる気がします。言葉にならない微妙な感覚・距離感を描き出される筆致が、いつもお見事だと拝読しています。
[一言]
キャリーが不思議と魅力と存在感に溢れるキャラクターでした。ラスト付近の>貴女に必要だったのは、キャリーみたいなガールフレンドだよ、マーガレット。という独白が妙に心に残っています。マーガレットとは対極で、マーガレットのような女性は理解できないししようともしないであろう彼女ですが、キャリーの存在によってマーガレットとルドルフの不器用さ・どうしようもなさが際立っていたように思いました。ふたりを引き合わせたことといい、この物語の密かなキーパーソンだったのだと感じます。
Veilchenさん、感想ありがとうございました。
あら、冒頭からバレていましたか!!
はい、どうぞこっそりと言わず「この話知ってる?私は冒頭でターゲット分かったけど☆」と宣伝も兼ねて自慢しまくってください(^^)/
使えるものは親でも使う梨鳥です。(心貧)
マーガレットは冒頭でご指摘の通り既に思い切っております。
高級サロンへ行くことも、崇拝?していた赤いハイヒールを「下さい」という事も、それくらい彼女にとって勇気のいる事だったと思って頂ければ、と思います。
彼女が「そうしよう」と思いつくシーンも書いたのですが、あんまり面白く無いので止めました。なので、「ターゲットは誰だろう?」と楽しんで頂けたなら思わぬラッキーです。ありがとうございます。

》マーガレットのリアルな中年不美人描写とキャリーの魅力の対比が生々しくリアルでいたたまれないほどでした。

すみれさん……梨鳥もですね、マーガレットの描写するときいたたまれなかったです……キャリーは良いですよ?美人は美人ってかいときゃ良いですからね。
あんな風に書いて意地悪な作者だな、とか思われたらどうしよう、とビクビクでした。
でも、途中からそれすらチャーミングになりませんでしたか?
なりましたよね?(ごり押し)
ドンくさいマーガレットに「もっとこう……!」とルドルフはなってくれてたかな、アイツも大概鈍だでな……と、ちょっと不安ですが、すみれさんがそう思ってくれて嬉しいです。
何と呼んでいいかわからない関係は、め、目指しました!!
恋っぽいですが、なんちゃらかんちゃら始まる前に、幕が降りるというタイミングは、ルドルフに彼女をちゃんと知って欲しかったからです。
恋に落ちている「熱に浮かされた人」と、恋(と言うには微妙なラインですが……惹かれる?とかそんな感じの感情)に落ちる前の「相手を見極めようと」する人、どちらの視線が鋭くマーガレットを描けるだろうと思うと、そうなりました。
マーガレット側はと言うと、興ざめされたら申し訳ないのですが、若干コミカルというか、極端に言うとクールです。疑似恋愛や片思いみたいな気持ちを楽しもう。〇〇んだし☆という感じです。それが最後にどう変わったか、はたまた変わっていないのか、彼女だけの秘密にしましょう。悪い女です。

ディナー前の最も短く、最も濃く二人が触れ合うシーンの、ルドルフの戸惑いも、ありがとうございます!
イギリスにプロムがあるか凄い分からなくて、留学していた友人に十年ぶりくらいに電話しました。後日談ですが「なに?あんだけ?あんだけの為に電話したの?」と笑われました。読むなら、なろうに登録してブクマとポイント入れて欲しい梨鳥です。

》言葉にならない微妙な感覚・距離感を描き~

ありがとうございます!しかしこれは泣きどころでもあるんですよ(泣)いつか言葉にならないものをバシンと明確な言葉にしてみたいです。たとえそれでそのものの魅力が削げてしまっても、もう少し多くの人に伝わるのかも知れない……とか思ったりします。褒めて頂いたのに、後ろ向き返しすみません(>_<)
滅茶苦茶嬉しいのは、本当です。

それから、キャリー!

》マーガレットのような女性は理解できないししようともしないであろう彼女

マーガレットに必要なのは、これだと思うんです。
理解しようとすれば深みにハメられ、無関心にすればしぼんでしまう。
だったら、
「解んないわよ、興味ないわ!それより、面白い話があるの……金? んなもん、相手に払わせりゃいいのよ」
なんて言ってくれそうな彼女がいいんじゃないかな、と。

はい、二人の不器用さは、彼女がいて助かりました。
酒をかけられて、ルドルフはまんまとマーガレットなんかのウジウジペースにハマってしまった事に気付くのですが、時すでに遅しです。
写真でまたペースを持ってかれそうになって、彼は……すみませんΣ(゜Д゜)凄い語ってしまってとんでもない事に!!ごめんなさい!!

あ、すみません、キャリーは「運ぶ」のキャリーです。
物語を運ぶ、の意味で付けました。
つまり、はい、キーパーソンです!お見事です!!

すみません、なんか凄く語ってしまって本当にすみませんです。(でも消さない)

すみれさん、むらむらする感想を、ありがとうございました。
物語や人物を深く理解して頂いて嬉しかったです。


梨鳥 ふるり


[良い点]
「私の話を聞いて」「私を知って」「私を理解して」というのは、人間の割と根源的な欲求ではないのかと思うのです。
そうこう言ってる狼子自体が、ここでこのように作品を発表している訳ですから、これは狼子の欲望なのかもしれません。
誰も私に目を留めてくれなかったと、己の自身のなさ故に愛を信じられないマーガレットと、自分の気持ちに自信が持てなくて彼女を引き止められなかったルドルフ。
2人が高級列車で気取って会話をしながら、その実、叫んでる心の声が聞こえるような気がします。「私の話を聞いて!」と。
このストーリ、ほとんどはルドルフの一人称で構成されていて、マーガレットの視点が出てくるのは最初と最後の少しだけ。それでも読者にとってはマーガレットの心の方が掴みやすく感じるのは、もちろんマーガレットが普通のおばさんで身近な存在だというのもありますが、それ以上に、ルドルフが常にマーガレットの表情を追ってくれているからでしょう。彼女が少し言葉に詰まったこと、ちょっと笑ったこと、キラキラとした目で自分を見ていること……。
その描写の1つ1つで、私たちはまずマーガレットの気持ちを知り……それから、マーガレットのことをそこまでしっかりと見つめて話を聞いているルドルフの気持ちを知るのです。
人間は皆不器用で、自分のことなど自信がなくて……でも触れ合いたくて。話を聞いて欲しくて。そして大抵の場合擦れ違ってしまうのでしょう。
哀れで切ない2人の人間を、梨鳥さんの視点をお借りすることで、こんなにも愛おしく感じることが出来ました。大変良い物語でした。ありがとうございました。
狼子さん、感想ありがとうございます。
人間の根源的な欲求……ですね。確かに。
そして当たり前の様に満たされても罪の無い望みだと思います。
誰かに「聞いて」と言うのは何気に勇気がいります。
そうでもない方も多々おられますが、梨鳥はそうです。
面白く無いかも知れない。呆れられるかもしれない。お怒りになるかも知れない……返って来る反応が「良いもの」では限らないとビクビクしつつ、それでもやっぱり「聞いて」と言わずにおれないのは、仰る通り人間の欲求だからなんだろうな、と思います。
マーガレットの一世一代の「聞いて!」は本当に彼女にとって、ドキドキハラハラだったんです。何度か失敗しているので、今度こそ!相手ちょっと特殊な人だし!みたいな感じです。
彼女の後半の独白では「欲しい反応がまた貰えなかった」等々つらつら言っておりますが、貰えたら満足するのかと言ったら満足はしないと思います。
彼女はラストにルドルフが述べた様に自意識過剰です。
それから、多分気付いていないけれど理想が高い。
だから自分がつまらないものに見えてしょうがないんです。
実のところ、梨鳥はマーガレット嫌いです。無視されている、なんて言いながら、無視しているのは彼女自身です。そして傷つける。
でも、そこがどうしようもなく可愛らしい。ずるいと思います。
だから嫌いです!(`^´)=3

>誰も私に目を留めてくれなかったと、己の自身のなさ故に愛を信じられないマーガレットと、自分の気持ちに自信が持てなくて彼女を引き止められなかったルドルフ。

ありがとうございますーーーーーー!!
焦れ焦れですよね?これ、焦れ焦れして頂けたんですよね!?
ちょ、気持ち悪いエッセイ口調で失礼します!
ルドルフはですね、もう最初からマーガレットに興味ビンビンだったんですよ。
彼はですね、なんなんでしょうね?なんか退屈していたのでしょうか?いまいち分かりませんが、なんかマーガレットに「ぴん」と来ちゃったんです。

>ルドルフが常にマーガレットの表情を追ってくれているからでしょう。彼女が少し言葉に詰まったこと、ちょっと笑ったこと、キラキラとした目で自分を見ていること……。

これです!!(人の見解を盗む!!)
やたらとマーガレットに惹きつけられたのは、ぶっ飛んでた報酬額から、彼女自身へ、そして、どうして惹きつけられるのか解らなくて余計に惹きつけられるループに彼はハマりました。

コメディ色を入れるなら

『ぼ、僕は熟女好きだったって事か……?い、いや……まさかそんなハズは……でもなんかあの二の腕……プニプニし……否!そんな馬鹿な!!?』

ですが、理由はラストでルドルフがキャリーに質問しています。
熟女フェチ目覚めたではなく、奪って来たからこそ、余計に眩しかった、という事にしておいてあげて下さい(ニヤニヤ)

>その描写の1つ1つで、私たちはまずマーガレットの気持ちを知り……それから、マーガレットのことをそこまでしっかりと見つめて話を聞いているルドルフの気持ちを知るのです。

ありがとうございます……。凄い嬉しいです。多分、狼子さんも小説を書いていらっしゃるので、梨鳥のこの嬉しさ分かるハズ……ありがとうございます。

二人を愛しく感じて頂けて嬉しいです。
すれ違いや、見栄や、疑いなんてなければ良い。
『その時俺たちは一つの岩になる。その岩は、転がったりしないんだぜ』
です。でも転がっちゃうのが、人間の愛しいところ。

とても巧みに物語を受け取ってくださり、ありがとうございました。
貴女に読んで頂けて幸せです。

では。乱筆失礼しました。

梨鳥 ふるり
[一言]
「何か、素敵な事をしようとするといつも……
ちっとも素敵じゃないって気付いてしまうんですよ。」

 それはきっとマーガレットさんにとって、そのこと自体が「素敵じゃない」のではなかった――
 そんな、煌めくようなドラマティックな舞台に、自分のような「素敵じゃない」者が入り込んだって、ちぐはぐで惨めで、ちっとも似つかわしくない――
 そんないたたまれなさを、彼女はそういうふうに表現したのではないでしょうか。
 女性は――いいえ男性も――誰でも、キャリーさんのように「意味もなく自信にあふれ」ることを許されていいはずだと思います。
 それは、自分自身を肯定し、自分に誇りを持ち、自分を愛すること。
 マーガレットさんには、それができなかった……
 これまでの環境が、積み重なった人生が、彼女をそうさせたのだと思うと、とても哀しかったです。
 
 オリエント急行の内部の描写、とても素敵でした。
 そのきらきらしさが、マーガレットさんの精一杯のきらめきと重なって、とても哀しかった。
 とても心に残る物語でした。
キュノさん、感想ありがとうございました。

>そんな、煌めくようなドラマティックな舞台に、自分のような「素敵じゃない」者が入り込んだって、ちぐはぐで惨めで、ちっとも似つかわしくない――

マーガレットはそういう思考回路かもしれません。
素敵な事は自分とそぐわない、なんて考えて幾つかの楽しい事やチャンスに尻込みし続けていたのかもですね。がっかりするのが怖くて。
何でも手に入れられるのに、素敵なドレスや靴を身に付けて遊びにいく場所や人間が無い、だから、それらに対して胸躍らなかった。
でも、『殺し屋』なんて非現実的な人物(しかもハンサムだという)と会う機会を持って、初めて身を飾る事にときめきを覚えた(冒頭)様な人です。
あと、ちょっと機転の遅い、ツイてない人です。デッキに行きたかったなら、のんびり走っている昼間に誘えば良かったんですよ、彼女は。
でもオシャレした姿でルドルフと見たかったんですね……きっと。
彼女に感情移入して頂けたみたいで、嬉しいです。
描写し切れていないのですが、意外と彼女は悪戯好きというか、茶目っ気をコッソリ隠し持っている人間で、たまに自分のそれに挑戦して宝くじ買ってみちゃったり、「殺し屋だ!」と二十年かけて「ソコォ!?」となるところに閃いちゃったりする人です。
もしもキュノさんが「ツイてないなぁ」とか「やんなっちゃうなぁ」という場面に出くわしたら、彼女を思い出して笑って下さい。

オリエント急行の描写、出来ていましたか!?
アガサ・クリスティの映画観たのに、「食器綺麗」くらいしか書けず……(泣)
でも、エクスプレスの旅楽しんで頂けたなら嬉しいです!!

ちょっと途中よくわからない内容になりましたが、すみません。ありがとうございました!

梨鳥 ふるり



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