感想一覧

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[良い点]
・「花」をイメージさせるファンタジー世界としての基本設定がとにかく美しい。特に「四麗華」はいわゆる四天王系の設定としては近年見なかった程に心を惹かれる魅力を感じた。また、《原罪者(ブルーム)》と《無原罪者(フラワー)》は物語の鍵を握るであろう設定であることも相まって、序盤の世界観解説の時点でグッと心を掴まれたのは事実。これらがどのような意味を持ち、今後の物語の中で展開されていくのか、非常に期待の持てる導入部だったと思う。
[気になる点]
・描写がシーンや設定の解説に多く割かれており、キャラクターの心象や情景描写が少なかったため、やや主人公フレアの揺れ動いているはずの気持ちに共感しにくかった印象を持った。ここまでは基本的に彼女の視点から描かれていると思うので、もっと彼女が何を見てどんなことを感じていたか(感動していたか)をより実感的な言葉にしてもらえたら、感情移入(共感)しやすかったかもしれない。

・「ママ」と「お母さん」の描き方
「お母さん」が「女性」でありながら「(こちらで言う所の)お父さん=男性(側)」としての描かれ方をされているのが気になった。「女性」のはずだが言葉遣いがほぼ男性の父親のもののようなので、「お母さん」を(こちらで認識する所の)女性と男性のどちらのように見れば良いのかわからなかった。

「形の上では女性と女性」だけれど「実質は女性と男性の関係性(のように思えてしまう記述をされている)」というこの点もあって、この物語の核の一部でもある「女性優位の世界像」がうまくイメージできなくなりかけた点もありました。「女性の女性性」をいかに守るかは、この物語の核であるはずの「女性優位の世界像」を際立たせていく上でとても大事だと感じました。

・「お母さん(お父さん?)」が「いわゆる父親像」という表現を脱せていない印象があり、彼女(「お母さん」)を個性のあるキャラクターとして見られなかった点も気になった。「あの人物」が物語の中で果たす役割にふさわしい描写をされていたのかは気になりました。
これは後半の「魔族の男」にも言えることで、言動の描写から個性(=意思・人間性?)が読み取れず、彼らが(言い方が不躾でしたらごめんなさい)「モブ=舞台を成立させるために必要な装置」としての役割以上のキャラ(=意味)を持っていない印象を持ってしまった。
物語は世界の中に生きるキャラクターが集まって作られていくものだと思うので、たとえ端役でも意味や人間味のあるキャラクター造形がされていると、よりシーンが引き立つと個人的には思います。
フレアやレイアがとても魅力的なキャラクターであるとこちらも思っている以上、それに接触する相手もそれなりに気骨や魅力のある人間である方が愛着が湧き、ワクワクできるのではと感じました。

・戦闘終了後のフレアとレイアの接触が少し突発的で、文脈を追い切れなかったような印象を持ちました。「この世界はそういう接触の仕方が普通に行われる場所なのかな?あるいはレイアが何かしら特殊なのか、それともまだ語られていない何かしらの要因が?」と、解釈に迷ってしまいました。もう少しそのシーンに至るまでの何かしらの脈絡(キャラクターの内的情動や、状況的な必然性など)の描写があると、読む側としても入り込みやすいように感じました。
[一言]
キャラクターの内面から光景に至るまで、丁寧な描写は状況や情態の理解から共感・感動までの道筋になると思うので、多少盛り気味なくらいに書き表してしまっても良いと個人的には思いました。
このお話のように、世界背景から登場人物達の個性まで語ることが多い物語の場合は特に、まずはその要素の一つ一つを明確に描写して大切に輝かせ、それらが一つ筋を通して絡み合うことができれば、とても色鮮やかで重奏的で美しい物語になりうると感じます。
主役・悪役・脇役・端役にかかわらず、「全ての人物の全ての言動・行動にその物語なりの意思と意味がある」ことを意識してキャラクターの造形をしていけると、読んでいる側もそのキャラクターのことをちゃんと興味を持って意識していけるようになるかもしれません。キャラクター達はあなたの想いを具現化してくれる、あなたの化身です。あなたの意思を映し出す彼らの意味を今後も常に見極め、その姿に相応しい言葉で綴り続けてほしいと思います。
総じてまだまだ語られていない謎が多く、絶対これで終わる作品ではないと思うので、続きもあれば読ませて頂きます。あなたの想い描く世界が美しい花と咲きますように。
大変な長文・雑観を失礼致しました。
  • 投稿者: イクス
  • 2020年 01月27日 21時37分
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