感想一覧

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[一言]
だいぶ前に読んだんですが、あらためて読んだので、短い感想を記したいと思います。

自分は元教員なので、教育虐待という言葉を想起しました。この友達は実在しているようですがイマジナリーフレンドみたいですね…。

自分の場合はコミュニケーションが難しかったので、感情はあるんですが、ズレているというか変な人間になりました。特に今は父親に対しては思うこともないんですけどね。子供時代は何にも通じ合わないなと思うことばかりでした。
自分のことはさておきですが、自分を外側から見つつ、変な世界に遊んでいましたよ。さすがにこの歳になるとあの頃の感覚ほとんど忘れてしまいましたが、色々な子供時代の感覚を思い出しました。そういう郷愁みたいなものを読んで感じたので、良い作品だと思いました。

そして、私はこれを読んで、気持ちを受け止め、感情拓いて、今一度、なけなしの空想をたよりにして進みたいと思いました。やはりそれしかないですから。

変な感想になりましたが、八雲さんの新しい作品を楽しみにしています。
感想ありがとうございます。みなさんおのおの感じ方や捉え方が違うようで、たぶん、時間を置いて読んでもまた違った感想が出てくるのではないかなと。
そういう作品を1作品でも書けたら、と思ってこういう活動をしてるわけですから、冥利に尽きます。また気が向いたらこの作品でも、ほかの作品でも、気持ちを向けてみてください。
[良い点]
心地よく読めました
[気になる点]
?を使う理由がわかりかねます。
[一言]
綺麗な作品だなと思いました。

空想にしか逃げれなかった少年と

現実に戻れた少年

共通から別れまで綺麗に書かれていました。

?を使っていますが、正直使う必要がないと思います。
ライトノベルっぽく見えてしまいます。

敬愛を込めて、以上
‪ ‬ご感想ありがとうございます。心地よく読まれた、ということで作者として嬉しく思います。

‪ ‬一方で、「?」についてですが、たしかに明確な理由(意図)があるわけではありませんが、ご指摘通りにこれを排してしまうと、なんだか作者としては元来あった雰囲気(大人になりきれていない子供っぽさといいますか)が損なわれるような気がしてならないので、そのままにさせてください。
‪ ‬これは、ライトノベルっぽいとか、純文学らしさとは別の、もっと根本的な、表現したいモノに根ざしているのでなかなか変えがたいです。どうかご理解いただけるとさいわいであります。
[良い点]
全体にすごく現実味がある一方で、そのストーリーの中に一つのファンタジーが自然に溶け込んでいるところ。
[一言]
はじめまして。
ちょっと短編を読み漁ろうかと検索してたどり着きました。

おかげ様でとても懐かしい気持ちになれました。

なんと言うか、子供の頃の妄想や超理論って、無敵ですよね。
今にして思えば「バカだなぁ」と思ってしまうようなことでも、当時の自分からすると大真面目な思想や哲学だったりなんかして。

あるいはこの物語の主人公が失ってしまった『証』というのは、そういう現実を超越したような感性のことなのかな……なんて思ってみたり。

まぁ、幻想を幻想だと思うようになってしまったら、もう帰れませんよね。
だからと言って、いまさら妖精の国に行きたいとも思いませんが。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2016年 12月27日 22時37分
管理
 ご感想ありがとうございます。何気なく手に取って、感想をいただけたこととても光栄に思います。

 主人公の子が失くした『証』というのが何なのか、自分自身、成人式を過ぎてからあれこれ思い悩むことが増えてきてます。幻想を幻想だと認識したら、もう夢見る時間は終わっているのはたしかでしょうし、かと言って妖精の国では生きてゆけるわけでもなし(だって、あそこは人間の住むとこじゃありません 笑)。
 このまえ、訳あって中高生の人たちと話すことがあって、彼らと自分とのあいだに大きな隔絶があるのを思い知りました。それこそ、中二病だとか、高二病とかで笑えるかもしれない、いわゆる子供の頃の超理論と類を同じくするモノですが、創作をしていると、ああしたものがとても羨ましく感じますね。

 枯れた泉、とでも言いましょうか。いまでは脳のちがうところで考えているような気がします。かつては掃いて捨てるほど湧いていた妄想が、いまではめいっぱい削って絞り込んで初めて捻出されるようなものに変わってます。ある意味現実味みたいなものに、ほんのちょっぴり、エッセンスを足すような、そんなレベルにです。
 失くしたくない、と思うからまだ物を書く趣味を辞められないのでしょう。けれども、過ぎたことに固執したところでどうしようもないので、まだまだまえに進みます。強く、強く。

 またどこか、ご縁があれば作品でお会いしましょう。
[一言]
交流が長いながら今まで作品を拝読していませんでした失礼をお許しください。
また、作品に熱が入るとどうしても解釈的になってしまうこともお許しいただけると幸いです。

さて、過保護な親に対する「必須科目」としての教育の絶対視とけだるさ、それに対して「妖精の子」、「子供の自由さ」という導きを与える存在としての、同級生の出現がありました。一文だけ挙げるとすれば、序文が一番好きな一文です。子供らしい子供特有の優美な逃避、と表現すればいいでしょうか。

それは主人公にとって確かな心の支えとなったことでしょう。ある種のすがる思いもあって、少年たちはひかれあっていきました。やはり、二人だけで共有する秘密。これがとても、少年の心のよりどころとして素晴らしく工夫されたものであるように感じました。

夢を追うことに、縋りついた友。彼は、「妖精」足りえたのかもしれません。最後のシーンで再び彼の現れる印象的なシーンがありましたが、これが、とてもいい余韻で。お恥ずかしながら涙を禁じえませんでした。主人公はかつて友人と共有した、「妖精」という秘密に、心からの懐かしみを覚えたのではないでしょうか。それを自覚した主人公は、ようやく「大人」になれたのだと思いました。

とにかく全体の流れが美しいです。なんと美しい過程(家庭ではなく)で、主人公は成長するのでしょう。こういう成長もの、すごく好みです。忘れていたものを振り返ること、それが大人になるということなのだと感じました。

素敵な作品をありがとうございました。
  • 投稿者: 退会済み
  • 18歳~22歳
  • 2016年 06月22日 06時51分
管理
感想ありがとうございます。
いえいえ、解釈まで踏み込んだ感想はうれしいですし、読んでなかったことを謝る必要もありませんよ。

たぶん、わたしはどこかで「大人」になりそこなった人間なんだと思います。現実世界では、年齢的にも、社会的にも、そしてなにより虚栄心とでも呼ぶべき自意識が「大人」であることを強制しますが、その実何が「大人」たるにふさわしいのか、わかったためしがないんです。もちろん知識的には何が「大人」として求められているのか知っていますが、その常識的なものに漠然と疑問を抱き続けているのもまたたしかです。『フェアリィ・チャイルド』の話は言葉を走らせているうちに偶然できた作品ではありますが、こうしたわたしの素の部分が濃くにじみ出てしまった結晶でもあるような気がします。
さいきん感想やレビューで自作を見直すことが多くなったのですが、なんやかやで自分の書きたいものは変わらないな、と思いますねw ある種の執着とでもいいましょうか、思えば書き始めからこのかた、自分は同じ怪物と戦い続けたのかもしれません。この作品の主人公はある意味成長しましたが、わたし自身はというと……w

まあ今後もこんな調子で物を書いてゆくと思います。繰り返しになりますけど、感想ありがとうございました。
[一言]
初めまして。
観月さんのレビューから参りました。

子供がいる私としては、警告を受けるような話でした。
私自身は、塾なんかひとつもないど田舎出身で、ありがたく外で泥んこになって遊びまわった非常に幸せな子供時代を過ごしましたもので、本当に作品の中の子供たち二人が哀れに思えました。子供の生活から遊びをとったら、とてつもなく恐ろしいことになるだろうに。

自分のことを妖精の取り替えっこだと、信じたくなる子供たちの状況に胸がつまりました。
主人公は自分の子供たちに自分の両親と同じ過ちをして欲しくないな、と祈っております。


  • 投稿者: 青瓢箪
  • 2016年 04月29日 23時31分
 初めまして。感想ありがとうございます!
 殆んど手癖で書いたような本作ですが、おっしゃる通り、ある意味では警告というか、警鐘のように細部を凝らしたところもあります。特に「子供の生活から遊びを云々」のくだりはそうで、飽くまで自説ですが、現代の子供たちは「自由な遊び場」がどんどん奪われていやしないか、と考えたことがあります。あるいは、現実から奪われた「自由な遊び場」を求めて、「ファンタジィ」の形式が一般的になったのではないか、とも。ちょうど私の幼かった頃から現在にかけて、危険だからという理由で公園から遊具が消えたり、その一方でゲーム脳が真剣に議論されていたりしたわけですから、「妖精」というのは単純にファンタジィ的な象徴というよりは、むしろ心理的な逃避の象徴だと読み取ることは大いに可能でしょう。
 それがこれを書く動機になっていたわけではありませんが、書いてる最中に日ごろ考えていたようなことが作中に反映されたのはまぎれもないと思います。遊び場そのものは以前よりぐんと減ったようにも見えますし、あるいは我々の側から見えなくなってきただけなのかもしれません。これの続編『チェンジリング』ではその辺のことをほんのり言及し、さらにただいま執筆中の最終作では、もう少し踏み込んでみたいなあと考えてます。

 ただ、主人公の子が将来自分の両親と同じ過ちを犯すかどうかは、明らかにはされないでしょう。最終作は設定が同じなだけの独立した連載長編の予定です。なので、どうか祈ってください。移ろいやすい現代のなかで、子供達はどこに遊び場を見出してゆくのか、少しでも考えるためにも。


 長文、乱文の返信でお目汚し失礼致しました。
[良い点]
 子どもから大人になるにつれ、夢から現実へと世界が変わる様を肯定する作品や、夢を忘れずに現実を生き続ける、という作品はいくつか出会ったことがありましたが、夢に完全に溶け込み、そんな友人に焦がれるという形で終わる物語というのは、新鮮に感じました。
 文体という点ですと、作者様の他作品(と比較してよいものかとも考えましたが、表現上お許しください)と比べますと、ざらざらと無数に細かな棘があるような文体から、磨きあげられた槍の先端のようにすっと一本心に届くものがあるような風に変わっているように感じました。表現がシンプルかつ適切で、余分がない、というのと近いでしょうか。そのような印象を受けました。

[気になる点]
 強いていうならば、時折主人公の目線がぐっと上に持ち上げられてしまうところに違和感があったところです。例えば、親たちを批判した後、しかし彼らにもこれこれこういう事情があったのかもしれない、という記述が続くところなどがそれにあたります。
 主人公の持ったカメラを通して見ていたはずの景色が、突然ドローンのカメラのようにぐいっと広がり、主人公から離されてしまうような印象を受けました。
 直接的表現でなく、そのような事情があったことをほのめかすのが一つの策ではないかと考えます。
[一言]
 長々と書き並べてしまいましたが、綺麗な作品だという感想を抱きました。例えば彫刻などをするとき、簡単に削ったあと、やすりをかけ、ワックスをぬったりしますが、今回の作品はまさにその全段階をきちんと踏んで作られたものであると思います。しかし、同時に思わぬところで指を刺すようなささくれがあっても面白いのではと考えました。
 個人としては、ひっかかりもなく、読みやすく、すりと飲み込みやすい完成度の作品であると同時に、冒険のしがいのある作品であるというように思いました。
 夢と現実。大人になるということ、子どもの夢を持ち続けること。改めて、考えるきっかけにもなりました。ただし、ここで語り出すと止まらなくなってしまいそうなので、この辺りで失礼させていただきます。
 素敵な作品、ありがとうございました。
 執筆、応援してます。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2016年 04月06日 16時16分
管理
 充実した感想ありがとうございます。しょうじき何も考えないであっぱらぱーと書き上げたシロモノなのにもかかわらず、反響が大きくて嬉しいです。
 考えないで、というのがおそらく一番大きいのでしょうが、読みやすさに関しては自分が見てもわかるほどハッキリと出ているようです。逆に言えば、いまのいままでは結構緊張して書いてたんだなぁという反省も込みです(笑)

 文体が急に冷めたように俯瞰するのは、もはやわたしの癖です←
 持論はいくらかありますけれども、言ってしまえば野暮な気がするのでなんとか工夫してみることにします。それでも治っておらず、気にかかるようでしたらまたご指摘頂けると幸いです。
 テーマ性については全く考えておりませんでしたが、むしろそれが読み手側に色々考えるきっかけを与えているのは、書いた側としては冥利につきます。これからもよろしくお願いします。
[一言]
 ファンタジィでありながら、しかしファンタジィへのアンチテーゼのようなものが感じられた。それは彼らが「妖精の国」と呼んでいたものこそ幼い日に感じていた「純粋に信じていた場所・姿」であり、いまでは「現実逃避」だった。「いつから信じられなくなったのか」という問いに対して、主人公は無自覚ながら長い時間を経て答えを得ている。それは現実から逃げきった自分の半身との別れだった。
 妖精郷へと旅立った彼は、現実から離れていった彼は、しかし現実で積み重ねた全てを捨ててしまった。私が感じたのは、「ファンタジィ」は確かに現実から逃げ出し飛び立ち心を癒すものであるが、積み重ねたもの、年齢であったり進学であったりの実績や時間が主人公を縛り、さらには「大人」というものが主人公を「現実」へとくくりつける。
 そして、「現実」から逃げないと決めた主人公に対し、「ファンタジィ」である彼は「逃げられない」と言ったのは、「現実」に生きるほどに「ファンタジィ」は必要になる、ということだったのではないだろうか。
 が、しかし、最後の主人公が「彼の居た場所」から離れていくところで、「現実」に還る……ということを意識させられた。「全ての幻想は現実に還る」。主人公の感じる「痛み」が「成長痛」であってほしいな、と思うばかり。痛みこそが幻から覚醒するものであるから。……というのは個人的な感性。
 ともあれ、文学として現代の世界を舞台にしているが、あなたの「ファンタジィ観」が非常に色濃く出ていました。素晴らしい作品をありがとうございます。

 急ぎですので、この拙い感想で失礼します。
  • 投稿者: ジョシュア
  • 18歳~22歳 男性
  • 2016年 03月27日 12時08分
 きっちり考察立てた感想、ありがとうございます。ぶっちゃけるとそこまで考えて書いてたわけじゃないので、むしろ考察されて嬉しく思ってます。
 考察に対しての答えは、書けるものなら続編で示して行きたいとは思いますが、自分の中では納得してても腑に落ちない箇所がいくつかありました。具体的には、「『現実』に生きるほどに『ファンタジィ』は必要になる」と、「『全ての幻想は現実に還る』」のくだり。この作品内ではそう読みも可能ですし、私もそういう視点を興味深く感じます。が、しかしおそらく私がこれから続編で書き継ごうとしている内容は、そことはまた異なった領域を歩きそうだなぁ、とほんのり肌で感じるのです。思いも寄らず、ファンタジィ観的なものを露出してしまった本作ですが、このあたりを、もうちっと掘り下げて行くのが今後の野心です。その辺は語ると野暮ですゆえ、続編に乞うご期待としか言えません。

 あまり大した返信になっておりませんが、以上です。重ね重ね、感想ありがとうございました。
[良い点]
出だしから心を掴まれました。親に虐げられている子供というモチーフと、妖精の子というファンタジーの取り合わせが突き刺さります。一人称視点でたくみな文章に、感情移入させられます。
物語も、最後のほうで「彼」が何者なのか、さまざまな想像が出来る余韻を含ませていて、大変巧みなまとめ方だと感じました。ツイッターで流れてきたのを見つけて、なんとなしに読んでみたのですが、大当たりだったという気分です。素晴らしい作品をありがとうございました。
 感想ありがとうございます。
 とりあえずこの作品では、1.読みやすいけど決して質を逃さない文章で書く、2.物語の結末部分は読者の意表を突くように工夫する、3.人物の或る感情をしっかり掴む、の3点を重視して書きました。好きな作家を誰かが批評していたときに捧げた、3要素だったからだと思います。今までの感想を俯瞰していると、ひと通りは成功したんじゃないかとひとり北叟笑んでおります←
 とはいえ、別の方の返信にも書きましたが、続編の構想はそれなりにありますゆえ、このぼかしたあたりをぼかしたままに、もう少し掘り下げるようにお話を書きたいという野心もあります。偶然見つけられたとのことでなんですが、これも何かの縁ということで続編にもお付き合いして頂ければこれ倖いです。
[良い点]
 素敵なお話でした。
[一言]
 人の子でも、妖精の子でも。
 現実から逃げても、逃げなくても。
 幸せかどうかは、終わってみるまで分からないのでしょう。
 ただ、現実の中で生きることを選んだからこそ、現実を終わらせた彼に想いを馳せ、何かを感じることができるのではないかと、私はそう思いました。
 感想ありがとうございます。
 色々お話から考えて頂けるなんて光栄です。

 ただ少しだけ、作者的な立場でものを言わせて頂けるならば、私はその感想がとても気に入っています。逃げ切ってしまえればさぞ愉快でしょうが、そこには今まで抱えていた喜びも悲しみもないんじゃないかな、なんて書きながら思えてならなかったのです。続編を書くとき、ここらへんも書いてみたいな、と参考になりました。重ね重ね、ありがとうございます。
[一言]
フェアリィ・チャイルド、読みました。
以前、八雲さんが仰っていた「伊藤計劃とかと同じ答えに行きつきそうだ」って言葉が、すごく意識されました。
描かれている世界は似ても似つかないのに、伊藤計劃が見つめていたような、一種の諦めに囚われた、それでいて空想の力が何よりも強い世界が、広がっているのですもの。
この境地は八雲さんのものなのだと思います。
虚飾のない、淡々とした語り口。主人公はどこか感情を抑えているような話し方で、彼の見ていた世界を語る。
妖精の王国。一種の幻想であり、一種の現実でもある楽園。
大人と子供の境界線に建つ国に、一度背を向けたらもう戻れない。しかし人は多くの場合、当たり前の真実に選択したあと気づいてしまう。後悔先に立たず、後の祭り。
けれど人生はゲームオーバーで終わってはくれない。残酷に、リトライのチャンスも与えず、先に進めと背中を押す。抗う術もなく、現実に取り残された主人公が、楽園の住人となった幼馴染に抱く想いを語るラストシーンは郷愁と羨望の混じった景色に見えました。
もしかしたらそれは、僕の自己投影の結果だったのかもしれませんが。

とても面白かったです。流石八雲さんだ。
  • 投稿者: 犬井作
  • 2016年 03月25日 23時32分
 読了、および感想ありがとうございます。
 あの時あなたに言ったときは、意識の科学に関する考察を深めていった結果……みたいな文脈だった気がしますものの、言われてみればこの作中の二人のすれ違いは、伊藤計劃作品に明示されていた、主人公と主犯との関係のそれに似ていたのかもしれません。特に『ハーモニー』あたりの。自覚がなかったのでそう言われるとそんな気分になってしまいますね。考察が意外なところで影響を与えてるようだw
 ついでに言うなら、この作品に出てくる残酷なまでに背中を押す現実観は、ルーシャス・シェパードに傾倒していたときに獲得したものです。利口ぶって無関心を装い、現実から目をそらすのは間違いなのだ、という強烈なスタンスは、私の作品に徐々に取り入れたいなぁなんてうつらうつら思っていたり。まあ、社会も現実も語れるほどの人間ではありませんが、妄言を吐かぬようにこれからも精進して行きたいところです。

 別の方の返信にも書きましたが、これを書き終わったとき、洪水のように次回作のアイデアが湧いてきたので、この短編も膨らませて連載に直すかもしれません。もしよろしければ、そのときをお楽しみにして頂ければ、とも。
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