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[良い点]
∀・)すごく濃い2時間モノ深夜ドラマをみた感じでしたね(そんなものありませんが)。まぁ、塔子さまのホラー作品です。いわずもがなどんなことでもやってのけると思ってましたけど、主人公の狂気が想像以上に濃かったです(笑)そしてそれを盛り立てる演出、見事にハイクオリティでした☆彡
[気になる点]
∀・)ここ1年で橘塔子さんが僕の気になるなろう作家さんになっている気がします(笑)
[一言]
∀・)これはこう言って問題なければと思いますが、橘塔子版冷たい熱帯魚を観ている感じがしました。すんごいダークな作品でしたが、読みに来て良かったです☆彡
いでっち51号 様


ご感想ありがとうございます。
古い作品にもかかわらず、探し出して(掘り出して?)読んでいただけて嬉しい限り……当時の私は「信用できない語り手」がお気に入りだったのがよく分かりますね(笑)。

主人公の狂気と偏執で、妄想と現実の境が曖昧になる感覚を味わって頂けたのなら幸いです。ドラマ化したら2時間ももつかしら……?
私だったら遺体処理をどうするかと考えた時に「毎日すこーしずつ棄てれば気づかれないんじゃね?」と安易に思いつき、こういうネタになりました。完全犯罪にはきっとコツコツした努力の積み重ねが大事。そもそもそんな大きな冷凍庫が一般家庭にあるのかとか、被害者の当日の足取りを追われたらすぐに露見するだろうとか、粗は多いんですけどね。

ドロっとしたホラーにお付き合いいただきましてありがとうございました!
[良い点]
橘さま、こんにちは。はじめまして。いくつか短編を拝読しました。今日は拙い感想を書かせて頂きます。

終始淡々としている主人公の一人称と、硝子の風鈴から逃れられないはずの(血を想わせる)赤い蝶の描写が、印象的な作品でした。
人ひとり殺してしまえば、動揺して当然。事故ならなおさら、ですよね。この辺りから、主人公は、夫の行為に便乗した、実は自分が最も彼女を消したかったのだな、と感じました。夫に対しても、そうですよね……自分の生活を維持することが最優先。結局彼女は、自分自身が一番大切だったのですね。
徐々に緊張感が高まっていく描写は、素晴らしかったです。どう決着がつくのかな、と楽しみに拝読して……成る程、こう来たか、と(^^)
登場人物の精神疾患や高次脳機能に謎ときの一端を負わせるのは、推理小説では時に反則と言われることがありますが、ホラーなら構いませんよね。
若年性ナンタラ(笑)というより、カプグラ症候群な印象でした(メジャーではないですね…)。

面白かったです。楽しませて頂きました。また他の作品を拝読させて頂きます。
Azurite 様


この度はご高覧ならびにご感想をありがとうございました。
ツイッターの方でも何度も読了ご報告を頂きまして、感謝の念に絶えません。拙い作品ばかりですが、少しでも楽しんで頂けたら幸いです。

短編~中編では一人称記述のホラー作品が多く、語り口に狂気や恐怖や緊張感を含ませることにいつも苦心しております。淡々とした文章になってしまうのは私の癖ですが(これ、本当は意識的にコントロールしたい……)、今回はそれが主人公の異常性を引き立てていたようでよかったです。
「主人公が一番大事だったのは自分自身」というご指摘はまったくその通りだと思います。夫に手を貸して「助けてあげた」のも結局は彼を支配するためで、思い通りにならなくなったらあっさり切り捨ててしまうのです。でもまあ彼はそれだけのことをしたわけですから、自業自得といえば自業自得……。
カプグラ症候群という病名、恥ずかしながら存じ上げませんでした! 世の中にはいろんな神経症があるものですね……今回は認知症という設定にしましたが、主観と客観のズレという意味では共通するモチーフですね。これはこれでまた使ってみたい気もします。

最近はあまり短編が書けていないのですが、温かいお言葉を頂いて、頑張ろうという気持ちになってきました! 本当にありがとうございます。
また気が向かれましたらお立ち寄り下さいね。
[良い点]
赤い蝶の風鈴のイメージが物語を誘導する事。
主人公の行動の歪みを表現する行動描写。
二人の女の対比。
[一言]
動揺し、妻に事情を洗いざらいぶちまけてすがり、怯える、みっともなくも人間味のある夫に引き比べ、主人公のなんとドライで感情の起伏の薄いことだろう。
まるで全てが膜の外のようだと感じました。

私はこの女も夫も超えて、淡々と事を運び何事もなかったかのように強く現実を渡り歩いて行ける。
そう信じていた主人公は実は誰よりも強烈な感情に溺れていたのかもしれない。
支配しているようで飲み込まれていたのかもしれない。

ドライどころか誰よりもショックを受けていたのは主人公かもしれない。
心は頭の知らぬ間に壊れて歪んでいたのでしょうか。

私自身が見ている世界がずれていく事、わからない事に恐怖を感じました。
ありがとうございました。
にけ 様


ご感想ありがとうございます。
どろっとした情念渦巻くホラーに、このような詩的なご感想が頂けて感激してしまいました。にけ様の言語センスは本当に美しい~。

主人公こそが実はいちばん感情に溺れているというご指摘、その通りだと思いました。それは夫への情愛でも子供への母性愛でもなく、強烈な自己愛に他なりません。受け留めてくれる者のない愛情は、拗らせると本人を壊してしまいます。ほんの少しでも他人を慮ることができれば彼女の選択は変わってきたはずで、家庭が壊れてしまったとしてもああいう結末は免れたと思うのです。

主観と客観のズレは永遠のテーマですね。ホラーではつい繰り返し使ってしまいます。そろそろネタ切れが……(笑)。

素敵なお言葉を頂けて、書いてよかったなあと嬉しくなりました。ありがとうございました!
[良い点]
序盤から主人公の異常性・違和感がこれでもかと匂わされ、常軌を逸していく過程が衝撃的でした。

せっかく手に入れた家庭や幸せを守りたいという至極まっとうな動機なのに、なるべくしてなった理不尽・狂気・惨劇──のけぞるような良質のホラーをありがとうございます!
  • 投稿者: LED
  • 2017年 03月27日 07時47分
LED 様


ご感想ありがとうございます。

一人称記述のホラーなので、語り手の歪んだ認識が滲み出るような地の文にしたいと思いました。その認識のずれがオチになっており、最後までバレないように、でも違和感だけを表現して……と腐心しました。読み取って頂けてよかった。ヒロインが守ろうとしたのはあくまで「自分のための」幸せなんですよね。夫はパーツにすぎず、だから矯正できないと踏んだらあっさりと捨ててしまう。実に身勝手ではあるのですが、こんな心境になるかもしれないなあと思って頂ければ幸いです。

良質なホラーだなんて光栄です! 今後も精進したしますので、よろしければまた覗きに来て下さいね。
[良い点]
・読み進めるにつれて湧きあがる蝶の群れの如き恐怖感
[一言]
 はじめまして、橘 塔子様。上野文と申します。
 御作を読みました。
 最初は三角関係がこじれたタイプのホラーかな? と思いきや、奈江さんの日常が崩れ、正気さえも崩れてゆく精緻で緊迫感のある描写に圧倒されました。
 摩耗しきった終わりのシーンが、惨劇と狂気の再来を確信させて、鳥肌が立ちました。面白かったです!
  • 投稿者: 上野文
  • 2017年 02月11日 11時09分
上野文 様


はじめまして。この度は拙作へのご感想ありがとうございました。

本作は昨年の夏ホラー企画に合わせて書いたもので、夏に相応しくじめっと陰湿な作品にすることを心がけました。蝶の群れの如きとは嬉しいお言葉です! じわじわと追い詰められ、歪んでゆく現実が伝わっていれば幸いです。
終わったと思ったらまだ続いていた……という余韻はホラーにはよくあるエンディングの形だと思いますが、上手く機能していたようでよかったです。心霊現象よりもクリーチャーよりも、生きた人間の妄想の方が恐ろしいと感じるのですよ………。

丁寧なご感想、励みになりました。今後とも精進しますので、よろしければまた覗きに来て下さいね。
ありがとうございました。

[一言]
はじめまして!一気読みさせて頂きました。いや、もう凄いとしか言えません。美しい文章、その中の静かなる恐怖。赤と風鈴と、見えないはずの刃物の鈍い光。それらが脳内を駆け回りました。ホラーと言うより狂気を、感じさせて頂きありがとうございました。
キクゾウ 様


はじめまして。この度はご感想をありがとうございました!

こちらは今年の夏のホラー企画に合わせて書いたもので、締め切りもありましたので少し練り込み不足だったのですが、一気に読んで下さって本当に嬉しいです。普段から、漫画ではなく活字で表現する以上、読者様の想像にお任せする余白を残したいと心掛けており、脳裏に映像が浮かんだというお言葉は何よりありがたいです。いえ、決して描写する手間を惜しんでいるわけでは……(笑)。
陳腐な言い回しですが、やはり幽霊よりも生きた人間の偏執の方が怖いと思うのです。ヒロインの狂気が伝わったようで、書いた甲斐がありました!

素敵なレビューまで頂戴し、本当にありがとうございました。今後とも精進いたします。
[良い点]
一度途中で読むのを諦めようかと思うほど、本当に怖ろしかったです。
風鈴や花火、蝶などの儚い物達に美しく彩られた、夏らしいホラーでした。
[一言]
遅ればせながらお邪魔します。
濃厚! 読み終えてから意外と少ない文字数を見て驚いてしまうほど、どっぷりと引き込まれてしまいました。

奈江の取った行動は猟奇的、偏執的なものでしたけれども、それでも彼女にどこか憐憫と言いますか、哀しみを感じてしまうのは、少しずつ磨耗していく彼女の詳細な描写、またそうなるのも致し方なしと思われるような浩一郎の態度が端々から感じ取れるためなのでしょう。

先にツイッターの方でも触れさせていただきましたが、あの行為をケーキカットに例えたくだりは本当にぞっとしました。既婚者であれば、人生のうちで最も晴れやかしい1コマであってもおかしくないはずのそれに例えるか! と。
けれど妊娠・出産と夫婦で協力しなければならない時期を経ているはずなのに、
>こんなに息の合った『共同作業』は、披露宴のケーキカット以来
と彼女に評させてしまうあたり、夫は結婚生活初期の頃から家庭をないがしろにしていたのだろう気配が感じられ、何とも切ないです。
ケーキカットや初めてのプレゼントである風鈴、それら美しい思い出ひとつひとつ汚され、恐怖の象徴となっていく様に、もう胃が、胃が……。

少し横にそれてしまいますけども、よく『夫は不倫した妻に対して怒り、妻は不倫相手の女に怒る』みたいに言いません? 自分、今まで女性側の理由がぼんやりとしか理解できていなかったんです。
けれど『其の二』でハンバーグを食べる家族のくだりで、すとんと腑に落ちました。
>別に感謝の言葉や金銭的な対価が欲しいわけではない。彼らの笑顔と健康こそが私の仕事の成果なのだ
学生時には努力が成績の数字に反映され、社会に出てからは賃金によって示されますが、『家庭を守る』ということは、その成果が一切数値といったもので可視化されない稀な仕事なのだよなと。頑張っても評価が実感が得にくい。だからこそ、
>一生懸命やっていることをそのまま受け取ってくれる家族がいる
このことが大きな支えであるのに、それを奪おうとする者がいれば全力で排除しようとするのは至極当然な心の動きだなと、物凄く納得しました。
……流石大人の橘様……! 

新たな略奪者認定されてしまったお嫁さん、全力で逃げてー! と祈りつつ拝みつつ。
濃厚なサイコホラーを堪能させていただいたばかりか、新たな視点を開いていただき、ありがとうございました!

鮎川 渓 様


ご感想ありがとうございました!
夏にぴったりの暑っ苦しいホラー、楽しんで頂けたようで何よりです。胃を痛めつけてしまって申し訳ありませんでした……。

奈江の心境をたいへん丁寧に読み解いて下さって、作者の方が「なるほどそうだったのか!」と膝を打つほどです。ケーキカットの比喩、我ながらうまくハマったとほくそ笑んでおりました(笑)。

家事に限らずですが、自分の努力が評価される環境は必要だと思うのです。奈江は家庭を守っている自負があり、自分がいるからこそ夫は外で戦えているのだと信じていたのに、彼はしれっと浮気をしていました。しかも自分とは正反対のタイプと(←ここ重要)! これは裏切りであるばかりでなく、自分の労働に対する不当な搾取だと怒っても無理はありません。
なので、彼女は浮気相手だけでなく夫にも復讐を果たしたわけです。子供を守る『母』である以上、使えなくなった夫にいつまでも縋ってはいないと思うんですよね……怖いけど。

私自身はずっと外で働いていて、本当の意味で家庭に入ったことがないので、奈江の気持ちは想像で描くしかありませんでした。納得して下さって本当に嬉しいのですが、あんまり真に受けないで下さいね(笑)。こればかりは人それぞれなので。

怖くて読むのを諦めかけたなんて最高の賛辞でした。これからも鮎川様を震え上がらせるような作品が書けるよう、精進いたします。
ありがとうございました。
[良い点]
 相変わらず、いい意味で淡々とした「橘ワールド」。
 この淡々とした独特の雰囲気が、何となく恐怖感を煽られます。
[一言]
 ご無沙汰しております。ようやく読めました。
 夏休みも終わって、娘の宿題も終わりましたからね(笑)。

 さて、今作を読んで一番最初に思ったこと。
 それは、

 浮気は絶対にしてはいけない。

 ということですな(笑)。

 もちろん、自分は浮気なんてしていませんじょ?
 そもそも、浮気ってのは時間と金がかかりますから、両方とも持ち合わせていない自分には絶対にできません。ええ。
 浮気する時間があったら、小説を書きたい(笑)。

 上でも書きましたが、相変わらず独特の雰囲気。この雰囲気が恐怖感をいや増すんだよな。
 いつか、自分も独特の雰囲気を作り出せるようになりたいものです。

 物語のラスト。
 単に主人公の精神がおかしくなったのではなく、もしかして殺された女性の時間をかけた復讐なのでは、と思いました。
 やっぱり、浮気はしちゃだめだな(笑)。


 では、これからもがんばってください。


 
  • 投稿者: ムク文鳥
  • 男性
  • 2016年 09月03日 10時45分
ムク文鳥 様


ご感想ありがとうございます!
無事に娘さんの宿題が納品できて何よりです。お疲れのところ、拙作に足をお運び下さいまして心よりお礼を申し上げます。

ホラーですからもうちょっと怪談っぽい文章にならないもんか……と常々自分では思っているのですが、淡々とした語りがよいとおっしゃって頂けてよかったです。
「浮気ダメ、ゼッタイ」これほんとにそうですよね(笑)。まあ中にはお互いに容認しているご夫婦もいるかもしれませんが、普通はダメです。本作にしても、そもそもの原因を作ったのは旦那さんなわけですし。主人公は浮気相手のことはもちろん夫のこともものすごく恨んでいて、だからこそ彼に貸しを作って支配しようとしたのです。憎い相手を遠ざけるのではなく、身近に縛りつけておく……情の深い女性は恐ろしいですよ。

ラスト、主人公の境遇は被害者の復讐ではないかという解釈、なるほどなあと思いました。とすると、夫は最初から蚊帳の外に置いた、女性二人による壮絶なバトルだったのかもしれませんね。勝者がいないところが何とも不毛です。

お互い、余ったエネルギーは創作に向けましょうね(笑)。平和な家庭生活が送れますよう……。
この度はありがとうございました!
[一言]
感想からお邪魔します。
もうすぐ出勤だというのに、止まりませんでした(笑

表現の豊かなとても美しい文ですね。頭の中にテレビを見ているかのように映像が浮かびます。
幽霊と生きた人間どちらが怖いのか?というのは僕もいつも考えています。そういうテーマもとても好ましく思いました。

いい作品に出会えて良かった。これに尽きますね。
他の作品も楽しみです。
  • 投稿者: pDOG
  • 2016年 08月31日 06時12分
pDOG 様


朝のお忙しい時間に足をお運び下さってありがとうございました! 何だかお気を遣わせてしまったようで恐縮です……。

情景描写を書き込みすぎる悪癖があり、ちょっと冗長になったかと危惧しておりましたが、テレビを見ているかのようとおっしゃって頂けてよかったです。自分の綴った文章が読者の脳裏で映像化されるなんて、とても光栄です。
幽霊と生きた人間のどちらが怖いか……難しいですね(笑)。私はいわゆる霊感がないので、心霊現象についてはあまりリアルに描く自信がありません。生きている人間の恨みや偏執ならば、身近な恐怖としてより多くの読者の共感が得られるのかな?という気がします。

私もpDOG様の他の作品を読ませて頂いております。こういった企画でホラー書きさんとご縁ができるのは嬉しいですね。
またお暇な時にでもお立ち寄り下さいませ。ありがとうございました!
[一言]
こんばんは。
はじめまして。
拝読しました。

怖かったです。作品を最後まで読んだあとに、もう一度初めに帰ると、蝶々の意味がわかって、再び鳥肌が立ちますね。
現実に起こりそうな事件というところも、恐怖心を煽られます。

特に次の一文は、とても好きでした。

――肉体的にはきつい仕事だったが、とても楽しかった。浴槽もタイルも鮮やかな色彩に塗れ、強烈な臭いに包まれて、私は独特の高揚感に酔っていた。

奈江さんの異常さが際立っている名文だと思います。
この言葉が出た時から、奈江さんの精神は奇妙な方向へ走っていったのでしょうね。

おもしろかったです。
ありがとうございました!
  • 投稿者: 退会済み
  • 2016年 08月25日 19時23分
管理
赤い杯 様


ご感想ありがとうございました!
わざわざ足をお運び頂き恐縮しております……。

実は赤い杯様の作品にお邪魔したのは風鈴繋がりで気になったからだったのですが、こちらでは赤い蝶の風鈴を主人公の曖昧な意識の象徴として使ってみました。同じアイテムでも作者ごとに印象が変わるものですね。

浴室のシーンの一文を挙げて下さって嬉しいです。猟奇的な描写は必要だけどあまりスプラッターにはしたくなく、悩んだ挙句の文章でした。状況の残酷さ以上に主人公の異常な精神状態が伝わっていれば狙い通りです。

楽しんで頂けて本当によかった!
こちらこそ心よりお礼を申し上げます。
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