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[一言]
今回、この物語を読めて本当によかったと思います。

私の理解力のなさか、一度目は物語をなぞるように、二度目はかみ締めるように読みました。
少女一人一人を記憶にとどめようと思いながら。



主人公のサミュエルが少女たちと出会い、マッドと呼ばれる兵士から自分を取り戻し、戦争と平和について考え直していく。
この変化が少女たちとのやり取りでゆっくり書かれていて、最後の彼の演説で大泣きしました。
戦いは主に戦車によるものでしたが、その砲撃のもたらず威力、悲惨さが容赦なく欠かれていて、リアルティがあふれていました。
超能力という題材を扱っていながら、ここまで過酷に書かれていて、本当、胸がつぶれる思いで読み進めました。

最終決戦では、本当、意外な人物も出てきて、胸が一気に熱くなりました。

悲惨な戦争の物語。
最後まで読んで、一気にこの物語が好きになりました。

ネット小説大賞1次突破というきっかけで読むことになった「砂海とピンクと狩猟の女神」
読めて、私はラッキーだったと思います。

本当になろうには宝物がいっぱい埋まってます。
短編の時もそうでしたが、泣かせる話を書ける白笹さんはすごいと思います。
これからも応援してます。

ありま氷炎様、ご感想ありがとうございます。

ハードミリタリーSFとでも呼ぶべきコアな作品でありましたので、退屈させてしまわないか不安でありましたが、お楽しみ頂けたようで何よりでございます。

戦争の悲惨さ、無意味さ。普段なら虫も殺さないような人物にも、簡単に人殺しという禁忌を越えさせてしまう戦争の狂気。
その中で見出す正義の形、戦う覚悟、未来への渇望、平和の脆さと尊さ。
そのようなものを表現したくて筆を執りました。
エンタメ向きの作品では御座いませんでしたが、ありま様のような読者の方にこの作品を見つけて頂けたことを、大変嬉しく思います。

最後まで(しかも二度も!)お読みいただきまして、ありがとうございました。
応援もありがとうございます。これからも精進してまいります。
[良い点]
・ちゃんと完結させたこと
・いかにもラノベ設定なのに重厚に書いたこと
・群像劇なのに視線がとっ散らかなかったこと

[一言]
完結、お疲れ様でした。
企画の段階から、ブレインストーミングに参加させて頂いていた身としては、『完』の字でうるっと来てしまいましたよ。
野郎しか出てこない漢臭むんむんの作品しか書けない私から見ると、この砂と糞の過酷な戦場に「少女だと?」と、危惧したものですが、きちんとキャラを立て、ご都合主義に傾きすぎることなく、最後まで完走したことに、驚嘆を禁じ得ません。
ヒロイン役のルディの覚悟、黒豹との決戦時のプリムラの行動、ネタバレを避けるためにあえて名前を出しませんが、〝――せめて、世界がもう少し優しくあってくれたら――〟という「私お気に入りにツンな彼女」の絞り出すようなセリフ……これら、終始いちゃいちゃするだけの読んでいるだけで頭が悪くなりそうな作品に叩きつけられた『反逆の牙』にただただ唸りました。
サミュの最後の演説は、「風とライオン」のライズリーの最後で、子供が彼の眼鏡を拾ったような、「想いの伝わり」を感じさせていいシーンでした。
作者の伝えたいことを演説に託すのは、よくある技法ですが、お花畑の「なろうラノベ」だと、思想すらありませんからね。
たった一つ、謎解きを楽しみにしていたサミュの人格形成のプロセスが、鷹樹的には消化不良でした。
父親の抑圧が原因なのだと、最低限の「解」は示されていましたが、意志の強い男がそこまで影響受けるかなぁ? と、思ったのです。
ひょっとして虐待で歪んだのか? とも思いましたが、そっちに言及すると枝葉にはいってしまうし、悩ましいところではありますね。
「実は、サミュは狂人である」というオチを予測していましたが、外れました。
白笹様は、そんなムナクソなラストにする作風じゃないですね。
最後にちょっぴりの救い。それ、大事です。

ラノベと文学の中間を目指すという試み、今は「新文学」「ライト文学」というカテゴリが作られたようですが、正直言って、私には今までのお花畑と区別がつきません。
ですが、『砂海と~』はラノベの舞台を使いながら、重厚な戦場物語として成立させているのが、改めてすげぇなぁと思いました。
あのシーンは、バタースカッチの味を舌に感じましたぜ。
プリムラには、
「サミュみたいな男は、やめとけ。女を不幸にする」
と言いたいです。

読み返していたので、感想が遅くなりました。
スピンオフの採用に感謝しつつ、遅参に関してはお詫び申し上げます。

鷹樹鳥介様、ご感想ありがとうございます!
久々の赤文字に心臓が跳ねあがりました。きっと『なろうの赤文字』は健康に良い気がするのです。血流とか改善されそうです。

お褒め頂きましてありがとうございます。光栄に存じます!
小説はすべからく『エンターテイメント』であるべきであると考えています。SF的要素にラノベ的要素は、作品にエンターテイメント性を持たせる上で重要な部品になると思いますが、ともすればスナック菓子のように軽くなります。
小説は娯楽作品でありますが、読み終えた後に読者様の心に何かが残ってくれたら良いな、と願って書いております。
今作では設定はラノベ的に、ストーリーは容赦のない困難の連続という意外性やミスマッチを狙って書いていました。特に鉄と油の匂いが漂う戦車戦から、異能力を持つPSの少女たちの登場シーンの急転回は、戦場という場においての彼女たちの『異物感』引き立たせる演出でした。
狙い通りに『ラノベと文学の中間』を表現できていれば良いのですが。

主人公視点一本に絞りましたのは、作品全体に読者様の意識を散らばせるよりは、異常で過酷な戦場の中で、PSの彼女たちと少しずつ心を通わせてゆくサミュエルの視点に集中して欲しかったからです。
単純に、私に『多視点で物語を前に転がす』という技術がなかったというのが大きな理由でもあるのですが。HAHAHA!

鷹樹様には、企画の段階から大変お世話になりました。黒豹のモデルになった戦車兵にも、心よりの感謝を申し上げます。鷹樹様がおられなければ、この作品は生まれませんでした。
今作での書きたかった事の7割は、黒豹との決戦に込められています。少しでも鷹樹様の心に爪痕を残すことができたのであれば幸いです。

サミュの人格形成に関しては、説明不足でありましたね。やってしまいがちなのですが、『自分では理解しているので説明が足りていない』状態になってしまっていたようです。申し訳ありません。
一応補足で説明をさせて頂きますと

『サミュエルは本来大人しく、殊更に争いを好むような性格ではなかった。サミュエルの父親はいずれ訪れるであろう新たな戦争に立ち向かえるよう、繰り返しサミュエルに覚悟を促すが、それが逆にサミュエルの中に戦争に対する恐怖心を育てることになる。
しかしそれでも、サミュエルは戦争や死は遠いものだと思っていた。大戦の英雄である父親がいれば、何も恐れることは無いと考えていた。だがその父親が平和のうちに凶弾に倒れ、サミュエルの心は逃れられない死に塗りつぶされてしまう。

サミュエルは死に対する恐怖心を乗り越えるために、死を受け入れるように自身に暗示的に言い聞かせた。やがて戦争という舞台が用意されると、死を受けれている事を自身に対して証明するために戦場に赴く。
敵味方を問わずに死を振りまく〝マッド〟ソルジャーとして名を馳せるサミュエルであったが、自分とは全く違う形で死と向き合うPSの少女たちに出会い、大いに動揺する。

迷うなと自身に言い聞かせつつも、彼女たちの自らの使命に対する忠誠と献身にサミュエルは心を揺さぶられる。しかしそれも戦争の道具としてしか扱われない運命に対する諦めや悲嘆により生ずるものであると理解し、自身の鏡写しのような彼女たちの心に触れ、サミュエルは自身の死に対する捉え方を見つめなおすことになる。

やがてサミュエルは尊敬すべき敵に出会い、戦争というものが生み出す本当の悲劇を知る。それは彼に精神に決定的な影響を及ぼし、彼は指揮官として、戦士として、そして一人の人間として新たな方向へ成長を遂げることになる』

というのが、今作における主人公の成長プロセスです。
ヒロインに関しては、当初はルディがその椅子に座っていたはずなのですが、不在の期間が長すぎていつの間にかプリムラに奪われてしまいました。
しかしそうですね、私もプリムラにはやめておけと言いたい所です。HAHAHA!
[良い点]
 平和の味というテーマでスタートと終わりがきちんとつながっているところが、作品としてまとまりがあって秀逸です。
 
 戦争に挑む軍人として、戦争という事実を受け入れ、戦わざるを得ない境遇を受け入れ、それでも生きることの重さ、敵への敬意を説く。
 救いにもならない偽善的な綺麗事を語らない最後の演説はとてもよかった。
[気になる点]
 最終話は文節が長くて、ちょっと駆け足で描いた印象があるかな。
[一言]
 ハリーズ中尉やプリムラとかルディが生きているのがご都合主義だって?
 ……いいの!あれでいいの!墓の前で泣くシーンより抱きしめ合う方がいいやんか!と思いました。

 完結お疲れ様でした。

>雪野宮竜胆様
ご感想ありがとうございます!
一巻完結の作品として、最初から伸びた線が、最後には戻ってきて円を描くというイメージを持って書いたのが本作でした。語りのみとは言え回想シーンからの導入は初めてだったので、お気に召したようであれば幸いで御座います。

どれだけ理由を重ねてみても、戦争はすれ違う悲劇であり、大いなる矛盾です。その矛盾が時に人を狂気に走らせたり、過度な暴力に繋がったりします。
戦争反対というのは私も同意見ですが、戦争を語る上で残酷な部分ばかりを語る作品ばかりが目立つので、もっと〝戦うという事〟に主眼を置いた作品を送り出したいという思いから生まれたのがこの作品でした。お楽しみ頂けたのであれば、これ以上の喜びはありません。

ラストはほぼ予定通りの進行でしたが、仰る通り公募のページ制限が頭をちらついていたのは事実です。いやぁ、バレてしまうものですね……。
サミュがルディたちを探したり、アルテミス第二陣を巡ってのマグヌス中佐との一悶着などのシーンは冗長になるのでは、と省略しておりました。その辺りをじっくり書いてみるのも良いかもしれません。

ルディたちの生存に付いて、機甲砲科特務隊の死亡率は、実際の戦闘での死亡率に照らせばかなり高いと思います。実際戦車が被弾しても乗員が即全滅という方が稀ですし、トラックが榴弾の破片を受けただけで全滅というのも、考えにくいですね。流石に弾薬庫に誘爆は生存の望み薄ですが……。

私は、小説はエンターテイメントであるべきと考えておりまして、そうであるなら読後感は爽やかな、あるいは救われたような、少なくとも希望の見える物でなければならないと考えております。お墓にそっと花束を置くのも絵になるでしょうが、寂しすぎますね。そのようなラストも胸が甘痒くて好きですが、今回は私たちが意識せずに享受している平和を再認識するというテーマも含まれていますので、未来を感じさせるラストになりました。

途中、長期間休載してしまったのにも関わらず最後までお付き合い頂きまして、ありがとうございました。深く感謝を申し上げます。
[良い点]
 絶望的な状況で目の前で死んでいく仲間達。助けたいけど何かできるわけでもない無力感。
 すべきことのためには彼女たちに背を向けなくてはいけない、引き裂かれるような気持ち。
 ハリーズ中尉の覚悟、敵への憎悪と任務を果たす軍人同士の共感。
 心情描写と状況描写が噛み合っていてとてもよかったです。

 きっとサミュエルは、決断の責任で敵と話さない方がよかったんでしょうね。そうすれば、狂気の指揮官のままで居られた気がします。
[一言]
 まさか、あの引きでエタったなんてことは、とか思ってました。続きが読めてよかったです。
雪野宮竜胆様、ご感想ありがとうございます!


お褒めの言葉を頂きまして、大変有難く存じます。命と信念を掛けた、互いの魂を擦り減らし合うような戦い。鉛と火薬だけではない、想いのぶつかり合い。お楽しみいただけたのならば、幸いに存じます。

サミュエルは父のあっけない死に命を儚さを覚え、それに対する恐怖心を乗り越える方法は〝死を恐れない〟あるいは〝死を特別な物とは思わない〟だと考えていました。一兵卒であれば勇敢とも取れるその考えも、指揮官となって部下にその思想を押し付けるとなれば、おっしゃる通りの〝狂気の指揮官〟です。

しかし彼の本質は素直で、他人に深く共感する事ができ、心根は優しい青年でした。自分などよりよほど不幸と思える生い立ちの少女たちが、自分よりよほど真っすぐに生と死を見つめ、真の勇敢さを持っている。
彼はその事に戸惑い、悩み、やがて彼女らに共感するようになります。そして雪野様の仰る通り、〝決断の責任〟で敵の勇敢で純粋な戦士であったマルセル・シャハナ―と語らい、サミュエルは人間性を取り戻します。

人間としては、成長したと言えるのかも知れません。しかし指揮官としては、非情さを欠いてしまいました。人として強くなり、兵士としては弱くなる。その矛盾を抱えたまま、なお覚悟と信念を胸に戦い続ける。それが本作で言う所の〝戦士〟であります。

北アリウムにおける決戦を戦い、仲間を失ったサミュエル。彼が最後に何を選択するのか。本作は次話で最終回となります。現在執筆中であります。最後までお付き合い頂けましたら、幸甚に存じます。


更新が大幅に遅れまして、申し訳ありませんでした……。また、お待ちくださっていたことに、深く感謝を申し上げます。今後とも、よろしくお願い申し上げます。
[一言]
更新待ってました。

みんな死んでいく... 戦場に男女の区別はないと思いますし、敵は基本皆殺しにするのが目的だと思いますが、プリムラみたいな小さな子まで死んでいくと、さすがにクルものがありますね。
  • 投稿者: コトム
  • 男性
  • 2018年 03月15日 14時47分
絶影 恒思様、ご感想ありがとうございます!

お待たせしてしまって申し訳ありません。引っ越しや仕事環境の変化などが重なって、大幅にリズムが崩れてしまいました。
読者様に「待っていた」と言って頂けるとは、光栄の極みです。お礼申し上げます。
この作品も次回の更新でラストになる予定です。今度はあまりお待たせすることなく更新をできるように努めます。最後までお付き合い頂けましたら、幸甚に御座います。

後方任務が主だったようですが、実際の戦闘でも少年少女が戦闘に動員されるのは珍しくなかったようですね。ひとたび戦場に立てば、大人も子供も平等……とはいえ、やはり守るべきものであるはずだった子供の命まで戦場で散るのは、胸が痛むものです。

しかしながら、もしかしたらネタバレになってしまうかもしれませんが、プリムラに関して言えばグルース航空基地での戦いの時のように、彼女の緊急回避能力は群を抜いています。きっと今回も……。

北アリウムでの戦いを終え、最後に何が残り、サミュエルはどのような答えを出し、そしてどこへ向かうのか。見届けて頂けましたら、幸いに御座います。
[良い点]
 味方が死んだときに、逃げるのではなく相手にこの報いを受けさせてやるという勇猛(狂気というべきかも)と、その結果仲間がまた死んだときに涙するという矛盾。
 明日を求めつつ戦場に身を晒し、殺し合う矛盾。

 この矛盾が戦争という理不尽な状況にマッチしてるように感じます。
 また、主人公や少女たち、ゲニア軍人それぞれの背景がきちんと設定されているため、この辺の相反する矛盾が不自然な感じではなく描写されているのが良いです。

 主人公は「決断の責任」以降、段々人間的になりつつ、指揮官としては甘くなっているのかもしれないけど、それがまた戦場の厳しさと残酷さを際立たせてるいるように思えます。

 砂漠の中の過酷な進軍、銃弾飛び交う文字通り死と隣り合わせの戦場、苦境の中の退路の確保、航空機の攻撃、ギリギリの支援砲撃と、戦闘場面とかに臨場感と緊張感があっていいです。
 飛行場の遭遇戦の終盤とシッテ・オアシスにたどり着いた場面が特によかったです。
 

[気になる点]
 これだけ高精度での遠隔砲撃ができるなら、危険な強襲部隊に貴重なサイキッカーを機関銃手とかで配備して使うのはもったいないような。
 危険な任務は訓練で能力に目覚めなかった人たちにやらせる、という風になりそう。


[一言]
 自らの存在意義と忠誠を示すためにヨーロッパで戦ったアメリカの日系移民部隊、第442連隊戦闘団を何となく思い出しました。

 この世界の戦争は我々の世界でかつてあった大戦のようにまだ続くのでしょうかね。続きを楽しみにしてます。
雪野宮竜胆様、ご感想ありがとうございます! 大変励みになります。確認が遅れてしまい、ご返信が遅くなってしまって申し訳ありません。

『兵士』であろうとしながら、機械的にはなりきれない。戦争という大いなる矛盾に抗えず、自らの義務や責任を果たすために、矛盾を抱えたまま戦う『戦士』たち。主人公や少女たち、そして敵であるゲ二アの軍人たちもそのような一人の『人間』であるとして描いています。その想いが雪野宮竜胆に届いたようで、大変嬉しく思います。

戦争物といえば、ドカンドカンと派手で、かつ敵を圧倒してカタルシスを得るという作品が多いように感じています。
しかし私の思う『戦争物』作品とは、狂気の中の人間性です。派手さと緊張感を兼ね備えた戦闘シーンは戦争物の醍醐味です。多くの場合はそれを求められますし、私も大好きです。私はそこからもう一歩踏み込んで、戦争という個人では抗いようのない、大きな暴力の渦に放り込まれた戦士たちの物語を描いてみたかったのです。お褒めの言葉を頂きまして、まことに感謝いたします。

ご指摘を頂きまして、ありがとうございます。強襲偵察隊の全員がPSで組織されているのは、複数の理由からになります。
ひとつは彼女たちの放り込まれた作戦は『戦果最優先』であり、指示を下すだけの上層部にとって彼女たちは使い捨ての駒でしかないという事です。確かに彼女たちPSは特殊な能力開発を受けた貴重な人材でありますが、高い所に居るだけの制服組にとっては補充や替えの効く道具でしかありません。

次に出し惜しみをしている余裕がアルストロ軍には無く、PS計画などという非人道的な代物を推し進めている者たちにとっては、それこそが大きなチャンスであったからです。ここで一定以上の戦果を示す事ができれば、PS計画は莫大な予算が得られ、軍内部での地位も約束されます。なればこそ、持ちうる最高の戦力が投入される事になりました。
しかしながら物語後半の〝黒豹部隊〟の奇襲により部隊はほぼ壊滅。この戦訓を受けて、今後は雪野宮竜胆様の仰るように、役割の分担に伴う部隊の再編成が進むかもしれません。

第442連隊戦闘団は恥ずかしながら、存じませんでした。調べてみて、衝撃を受けました。なぜ私は今まで知らなかったんだ……。まことにお恥ずかしい限りです。お教えいただきまして、誠に感謝いたします。掘り下げて学んでいこうと思います。

少しネタバレになってしまいますが、彼女たちの戦いは北アリウムで一旦の結末を迎えますが、『アルテミス』の名と魂は受け継がれ、一部の者は戦場に身を置き続けます。
応援を頂きまして、ありがとうございます。北アリウムでの戦いも終盤です。最後までお付き合い頂けましたら幸甚に御座います。

[一言]
『決断の責任』読ませていただきました。
印象深い一話でしたので感想欄にお邪魔したところ、鷹樹様もこのタイミングで足跡を残しておられている。偶然かもしれませんが、きっとそうさせたくなる話だったのかも(笑)
爽快な部隊の登場シーン。シニカルでハードな主人公がまるで別世界にでも迷い込んだかのようなコミカルな訓練風景。ですが一転、戦争という現実が部隊に重くのしかかる。結果として成功をおさめども、シャンパンの栓を飛ばすような気持ちになるのは上層部だけで、現場の人間は泥水を啜っている。まるで従軍ルポを読んでいるかのような現実感があります。
物語開始時は、なんとなく他人と一線をひいていた感のある主人公でしたが、厳しい実践に投入させる部下を思いやり、別行動をとっている腹心のことを想像し、死にゆく者と残された者をいたわり、『決断の責任』では敵兵士にこだわりを見せるようになったのがとても印象的でした。
読み初めの頃、彼女たちの超常の力は単なる作品に読者を惹きつけるためのスパイス、あってもなくてもどちらでもいいものだと考えていました。ところが普通の女の子が最前線のそれも無謀で悲惨な作戦に投入するための重要なツールなのだと感じまして(またしても深読みならスミマセン)、サスガだなぁと思った次第です。
物語の深い部分に流れている〝平和の味〟。どんな味なのか、ラストじっくりと堪能させていただきます。
  • 投稿者: もり
  • 2017年 08月21日 10時10分
もり様、いつもご感想ありがとうございます! 
少しづつ変わり始めていたサミュが、心境の変化に初めて正面から向き合うシーンでして、このお話の転換点のつもりで書きました。お楽しみ頂けたのならば幸いに御座います。

苛烈な戦闘描写から、ガラリと雰囲気の変わった、冗談のような光景。存在そのものすら馬鹿げていると思っていた彼女たちの純粋さと勇敢さに触れ、少しづつ考え方やものの見方に変化が訪れ、化け物のように思っていたゲ二ア兵の人間性に触れ、自分の本質と目指すべき心のあり様を知る。それこそが本作のメインストーリーラインでありました。
死を恐れるがあまりに死を量産した〝理想の兵士〟(軍部にとっては)であったサミュが、最後にどのような戦士となるのか。父の遺言にどのような答えを導き出すのか。超低空飛行の拙作ではありますが、是非最後までお付き合い願えればと思います。

機甲砲科特務隊の彼女たちの特殊能力は、確かの仰るような『ラノベ的』な要素を満たす為のツールでもあります。しかしそれ以上に、『戦争の狂気』を体現した(させられた)者たちとしての役割が大きいのです。
〝戦争はとかく常識を失わせる〟という言葉は全くその通りだと思います。戦時中は気の触れたような実験が数多く行われ、人間の限界を知ろうとして〝壊してしまう事を前提〟としか思えないような実験も数多く行われたようですね。そのなかでもより強力な兵士を造り出そうとした実験は多く行われ、一つの身体に二つの頭を取り付けてみたり、動物と人間の融合を試そうとしたり、当時の科学力で優秀な兵士のクローンを造り出そうとした事もあるようです。

とりわけ、超能力開発による〝サイキックソルジャー〟はポピュラーといえるもので、世界各国で(たしか日本でも)行われていたようです。
大抵は失敗に終わり、後の科学や医療の発展に貢献するものになりましたが、彼女たちはそんな中で実験が実を結んでしまった結果です。
狂気によってPSにさせられてしまった彼女たちが、それでも健気に狂ったような作戦に挑む。使い捨ての道具のように扱われても、それだけが自分たちの生きる道だとわかっているから。そのような理不尽な力の奔流に飲み込まれるしかない兵士たちの生き様を描くのも、本作の目的の一つです。作品の奥の方まで見抜いていただき、作者冥利に尽きまする。ありがとうございます!
[一言]
最新話『決断の責任』拝読いたしました。
十万字突破しましたね。この残酷で可憐で花火の様に儚い物語も、長編になったわけで、お疲れ様でしたと申し上げます。
女学園のような訓練キャンプの光景から一転、ご都合主義が横行する「なろう」の戦場モノをぶん殴るような苛烈な実戦投入風景。女神の怒りを具現化させるために、貧弱な装備で敵中深く侵入する胸糞悪い作戦は、日常の少女たちが「普通」であるがゆえに、いっそうコントラストがくっきりとしているのだと思います。これを命じた「戦争」という仕組みのなんと醜いことか。
お涙頂戴の反戦モノより、よっぽど平和のありがたさが、心に刺さります。まさに「平和の味を知るがいい」です。
最新話でキチンと冒頭の伏線を踏むあたり、イリスの鮮やかなヘッドショットを見た様で、ううむと唸りました。
腕がいいのは知っていましたが、再認識です。
また。私も『ペンギン~』を書く時に意識していたことですが、「なろう」では敵役が非常に頭が悪い異常者レベルのアレみたいに画一的描写されていますが、「人間」として描いているところに共感を覚えました。
今回のマルセル少佐はその象徴ですね。
このストーリーのモデルになっているWWⅡの連合国側は、あたかも「なろう」の敵役みたいに、ドイツ、日本が全員ショッカーの怪人であったかのようなプロバカンダを流布させ、特定の国はいまだに因縁をつけてきている有様ですが、「〇〇〇の科学は世界一ィィィ」な狂信者を持っこず、僅かな語りで「ハルノート」ばりの策謀があったことを表現したのは、さすがだと思いました。
まるで、遺言のようなマルセル少佐の言葉。
物語では略されていましたが、彼の前職は教師だったのかもしれません。
国語の授業の時に泣けて泣けてしかたなかった『最後の授業』を思い出しました。
無垢であるが故に強く。
無垢であるが故に儚い。
そんな彼女らを率いる指揮官として、ズシンと重くのしかかる静かな、しかしのしかかるラストは圧巻でした。
尺的には、後半に入るのでしょう。
最後まで、見届ける所存。
もっと評価されるべき作品であると私は思っています。最後まで完走してくださることを願っております。

あと、投稿時間! 無理しちゃだめだよぅ。
鷹樹様、ご感想ありがとうございます! いつもご感想を頂きまして、本当に感謝しております。可能であればお気に入りアイスの詰め合わせをお送りしたい気持ちです。

想定12万文字だったこの作品も10万文字を突破し、最後の戦いと〆に入ります。当初の予定よりも長くなりそうですが、いつもの事。無理にまとめるよりは、まずはしっかりと彼と彼女たちの旅路を終わらせたいと思います。
モデルとなっているWWⅡのように、北アリウムでの戦いが終わっても、終戦とはいきませんが……。

戦闘描写を際立たせるために、日常パートで彼女たちがいかに「普通」で、この作戦がどれだけ「異常」であるかを表現しました。モデルとなっている「長距離砂漠挺身隊」自らの意思で立ち向かう勇敢な男達ですが、「機甲砲科特務隊」の彼女たちは、不幸な生い立ちと人間を使い捨ての道具くらいにしか見ていない軍上層部の命令によって「勇敢にならざるをえなかった」のです。
中途半端に長距離砂漠挺身隊を真似たような機甲砲科特務隊の存在そのものが、彼女たちを死地に追い立てる軍上層部の愚かさと醜さを象徴しています。しかし彼女たちは結果を残します。味を占めた軍上層部は次に何をするのか……というのもラストに持ってくる予定です。胸糞なラストにはしませんので、そこはご安心頂ければと思います。

冒頭の伏線や提示した要素を後半に持ってくるというのは、お気に入りの手法なのです。どんな名作でも「後半は良く覚えているけど、最初の方は何をしていたっけ?」という作品はままあります。冒頭に印象の強い言葉や要素を置いて、後半にもう一度持ってくる。そうすると作品全体にまとまりが出るように思うのです。
前作のライン・メイカーズでも冒頭の氷結薬をラストの奇跡に持ってきました。望むような効果が出ていれば良いのですが。

おっしゃる通り、私も敵は理解不能な異常者ではなく、明らかな目的や信念を持った人間であるからこそ、「敵」としてふさわしいと考えております。
完全に狂った敵キャラも、それはそれで魅力的ですが、大した目的も信念も無く、しかも頭の悪い〝無様に負けるためだけに作られたキャラクター〟である「敵」には違和感を覚えます。WWⅡもそうですが、戦いを仕掛けるほうにも、そうせざるを得なかった事情というものがあるはずですものね。
しかし〝純粋な悪〟というのも、面白いかもしれませんね。次作辺りで考えてみようか……。

マルセル少佐は軍人であり、戦士であり、父でありました。平和な時代であれば牧師や、あるいはご想像の通りに教師になっていたかもしれません。少なくとも、多く人に道を示す存在であるのは間違いでしょう。サミュエルもまた、彼によって道を示されます。


悲惨な戦いを通じて〝平和の味〟を知ろうとする物語。是非最後までお付き合い頂ければと思います。
いやしかし、「なろう」に掲載するにはテーマが重すぎますね。評価ポイントが伸びないわけです。しかしそれはそれ! これはこれ! 最後まで走りぬことに意義がある。そうに違いない。

そして投稿時間、ご心配ありがとうございます。作品を書いていると時間がすっ飛びますね……。気を付けますです!
[一言]
語彙力が足りなくて、申し訳ないのですが、読んでてとても辛いです。

みんなどこかネジが外れてしまってる。それが戦争だってことを実感しました
  • 投稿者: コトム
  • 男性
  • 2017年 06月03日 23時18分
絶影恒思様、ご感想ありがとうございます!

始めに、気分を沈めてしまうような表現が続いている事をお詫び申し上げます。小説はエンターテイメントであるべきという考えではありますが、『戦争』を題材に書く以上は『死と狂気』は避けて通れないテーマでした。

戦争程恐ろしい物はありません。人類の英知の全てを、同じ人類を殺すためだけに注ぎ込む。戦争という言葉は私たちには身近なもの過ぎて実感が湧きにくいのですが、この世に地獄という物があるのだとすれば、戦場こそがそうなのでありましょう。人間世界の常識など通用しない、ネジの飛んだものだけが歩いていける地に濡れた遊歩道。そんなものが無数にあるのが戦争だと考えています。
そして何より馬鹿馬鹿しいのは、そのような戦争の引き金を引いた人物や指揮するお偉方は自分の地位と金の事しか考えていないという事です。

この作品のラストは最初から決めておりまして、ここ数回の重い内容はラストへの布石でもあります。死に魅入られた戦争の落とし子がどこに辿り着くのか、お付き合い頂ければ幸甚で御座います。
[一言]
五万字を越えたあたりを一つの基準にしているのですが、良いシーンが続いたのでちょっとフライングして、中間感想を書きますね。

いよいよ、訓練が終わり、実戦投入となりましたね。
砂漠戦のサンプルとして『砂漠の狐を狩れ』を推奨しましたが、読み込んで消化し、作品に活かされているなぁと感心いたしました。
登場人物のキャラが立ってきたのもいい傾向です。
サミュは、少し丸くなったかな?
まぁ、ガーリーな部隊ですから仕方がないのかもしれませんね。女子高に赴任した体育会系ガチムチ男の困惑みたいなモノを感じます。そして、同情します。
二階級特進とか、そこかしこに『死の影』が隠されているのも、甘いパニラアイスの中に岩塩の粒が混在しているようで、『ラノベと小説の中間』を目指している白笹様の匙加減が仄見え、『萌えモノとして見てるんじゃねぇぞ』という気概を感じます。
ペラペラの人間関係が席巻するラノベ業界ですが、こうしてじっくりと『人間』を描こうとする白笹様の姿勢には頭が下がります。
8歳の子が出てきたときには「やりすぎじゃね?」と思いましたが、よく考えたら、今でも『少年兵』とかガチでいますものね。怪作『ヨルムンガント』にも凄腕の少年兵出てきましたし、子供を兵士に仕立て上げる権力者の胸糞悪さを引き立てる演出であったのかと、思った次第。
十八歳の若い兵士を見て嘆いていたシュトライバー大尉だったら、プリムラたちを見て卒倒するでしょう。
それにしても、この作戦を考えた連中は胸糞悪いですなぁ。
ルディたちがピュアであればあるほど、強酸でも飲んでしまったかのようにムカムカします。
存在意義の対価が死を賭した忠誠とか、可哀想すぎる。

……と、まぁ、かように感情移入してしまうのは、良い作品の証拠であります。
ハーレムでキャッキャウフフと思ってかぶりついたら、ババネロだったという『白笹流』で、我々を驚かせてください。
いよいよ作戦始動! 期待してます。
鷹樹様、ご感想ありがとうございます!
ようやく砂漠へ繰り出します。12万文字程度を予定していた本作ですが、既に半分近くに……。はてさて、予定の尺に収まるのか不安であります。しかしながら、特殊能力という灰汁を馴染ませる為に必要な時間であったとは思っております。

『砂漠の狐を狩れ』をお勧め頂いたのは大変な幸運でした。もう10回以上は通しで読んでおりまして、本がボロボロになってしまいました。手に入るうちに、そろそろ二冊目を買おうか悩んでおります。
もはやパクリと言われても仕方が無いほどに影響を受けております。ラノベ風味を加味しつつ、一つの作品に仕上げていこうと思います。特別に目立った違いがあるとすれば、この作品には騎士や紳士は居ないということです。

8歳はおっしゃる通り、かなり思い切りました。ですが半端にするよりは、眉を顰められるような要素や展開があった方が意識に引っ掛かりやすいかも、という思惑もあります。いいわけでもないですが、史実ではあの時代ではまだ少年少女を徴兵する事を違法とする国際法は無かったようですね。(控えるべしとの記述はあったようですが)
ヨルムンガンドは良かったですよねぇ。正義の狂犬とでも言うべきヘックスはかなり好きな敵役でした。

サミュはだいぶ丸くなりました。というより、元々確固とした『我』のようなものは薄いキャラなのです。亡き父の言葉により戦場に赴き、理想の兵士として戦い、放りだされればやさぐれて、少女たちの中では戸惑いながらも「求められている人間」としてあろうとしています。元々『我』が薄いが為に、自身の死を軽く考えてしまう。ルディたちとはある意味で正反対の人間です。
 自分の信念も無く、国の為でもない。サミュが自身が戦う理由を探すのも一つのテーマですが、そこまでしっかり描くと文字数が(笑) 上手くできればいいな、と考えております。

『PS計画』と『サンドキャッスル作戦』を計画したアメリ……おっと。アルストロの人間はクズで御座います。人の命を道具としか思っておりません。柔と剛を使い分ける人たらしのマグヌス中佐も同類です。
しかしどんな狂気も、戦争という舞台の上では見逃されてしまう。実際にも非道な作戦や実験は沢山行われていたようですしね。

本作は、よくあるようにビルが丸ごと倒壊して「奇跡的に死者は無く――」のように、生ぬるい事にはなりません。胸糞な展開もあるかも知れませんが、是非お付き合いくださいませ。
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