イチオシレビュー一覧

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策謀系・神話級スケール・衒学的・魔法少女アクション

結論:なろうで今一番面白い

【魅力】
・呪術戦闘が厨二で素晴らしい。(異世界の)歴史や伝説を参照した技を撃つことが強さに直結するので、呪文や固有名詞がいちいちワクワクする。特に5章に入ってからは戦闘描写のセンスが冴えわたっている

・多勢力間の駆け引きが面白い。所属を複数持ち暗躍するのは基本。とにかく展開が目まぐるしく、予想を超えてくる

・呪術世界といっても呪術テクノロジーによって近未来っぽい複雑な都市や社会が形成されていて、舞台自体が面白い

・呪術世界ゆえ概念そのものが展開や戦闘に関わってくることもある。作者のSFセンスに驚かされる

【あらすじ】
ゆらぎの神話というシェアワールド作品の設定を借用している。地上vs地獄の争いと魔女の勢力争いの二重構図の中で、10人弱の魔法少女が活躍する(3章から)。主人公は地球から来たサイボーグ男。全体的にハイテンション。グロはあるので注意。

ファンタジーやSF、または文学、哲学、言語学など雑多な要素を圧倒的な文章力と設定でぐちゃぐちゃに混ぜ合わせて創り出した混沌

ざっくり世界観を説明すると、相似のモノはお互いに影響しあうという呪術や魔術の基本原理を基礎としつつ、色々な情報を引用、暗喩に用いることで奥行きを出している作品になります。

何より素晴らしくこの作品の大きな特徴となっているのが、ファンタジーやSF、または文学、哲学、言語学など雑多な要素を圧倒的な文章力と設定でぐちゃぐちゃに混ぜ合わせて創り出した混沌さです。

ネタやスラングを流用して読者を笑わせに来ながら、一方で女性の権利や少数民族迫害について触れ、さらには読者の視点を前提としたメタ的な要素が作品世界観の内側に当たり前に入ってくる等の圧倒的な情報量があります。それらをここまでしっかりとまとめ上げた作品は他にはないでしょう。

混沌を混沌として書き上げられる作品のなんと面白い事か!

「なろう文化」を題材にしたエスノグラフィーの至高にして、ポストトゥルース時代における灯のような作品

  • 投稿者: TA   [2023年 02月 02日 02時 59分]
この作品の素晴らしさは、人文学となろう系、双方に対して真摯な姿勢を持ち続けている点だ。学術概念を多用したメタ的な作品は、特になろうやカクヨムにおいては、勉強していない者を笑い嘲るようなものになってしまう傾向が強い。一方で、オタク文化と人文学を取り巻く状況を寓話的に描こうとする作品は、アンチ・フェミニズムなどのプロパガンダとなってしまいがちである。このような「上から目線」感が双方に対して皆無である点は、概念との対話・インターネット文化のエスノグラフィーとして非常に良質である。

2023年、昨今のインターネットの「時代性」とは何か?
オタクとフェミニスト、文化戦争の時代。その根本にあるのは、ポストトゥルースという時代状況。
この作品のアクチュアリティは、日に日に増し続けている。
まさにこの暗闇の時代における灯火のような作品だ。

過剰なまでの才気とSFマインドが生み出す、広漠深淵なる異世界物語。

  • 投稿者: 退会済み   [2022年 03月 08日 21時 50分 ()]
管理
少し昔の作品を例に出して恐縮なのだが、アラビアの夜の種族のような激ヤバ情報量を直に脊髄に流し込まれるような、あの例えがたい感じ――俗にいうスペキュレイティブ・フィクション的エンタメであろうか。

しかし、敷居が高いかといえばそんなことはなく、可読性の非常に高い文章と、訴求力が凄まじい物語と、面倒臭すぎて好きになるキャラが読者を牽引し、自然と最後まで読み終わる――壮大で手の込んだ手妻を見たような読後感で胸が一杯になるような、そんな作品である。

安直な感想になってしまうが――ディストピア世界で抑圧され、歪みに歪んでしまった、義肢主人公、いい……!
そして、現地異世界の高濃度魔女概念そのものの人外少女たち、いい……!
主人公に執着する謎めいた武侠ライバル、逆に新鮮でいい……!と私は思う。

乱文になってしまったが、オカルティズムとメタレベルバトルという言葉に引っかかった方は是非ともどうぞ。

普通の異世界転生物だと思わないで

  • 投稿者: 烈火   [2020年 06月 02日 01時 56分]
 この物語の最初は主人公が異世界転生するところから始まるが、アリュージョニストの魅力を語る上ではあまり重要なことではない。

 この物語の魅力を上げるとすれば、完成され尽くした世界観、想像を絶する数の登場人物達の魅力、ゆらぎの神話の参照、複雑に入れ替わる敵対勢力などがあるが、他の人に魅力を上げてもらうとすれば別の回答が返ってくると確信できるほど魅力に溢れている。また、読むにあたって文字量がネックとなると思うが、全ての文が伏線ではないのかと疑うほどに回収されるため、一度読み込んでしまえば文字量が多いことがメリットと感じることだろう。

 頭を悩ませ考察しながらしっかりと物語を読みたい人は是非この作品を読んでみてほしい。絶対に読んで後悔することはないだろう。

惜しみない喝采と称賛を

一言ではとても説明できないがあえて言うならこうだ。

この小説はすごく、ものすごく面白い。

何にも似ていないし、あるいはなんにでも似ているともいえる。
圧倒的な熱量と膨大な文量及び設定量、そしてそれらを前提とした王道の娯楽活劇でもある。
サイバーパンクSFであると同時にオカルトファンタジーであり、メタフィクションでもある。
そしてちゃんと異世界転生ものでもある。
多数のキャラクターが生き生きと行動する群像劇でありながら、中心にいる主人公ははっきりと2人だ。
一見訳が分からなくなりそうな膨大な伏線とネタは無駄にならず、きっちりと回収されていき、その瞬間までどうなるのかわからないハラハラを毎回味わうのにぴったりとハマる。

『幻想再帰のアリュージョニスト』を読んで欲しい。
何度でもそう言いたくなってしまう魔力、いやさ呪力のあるものすごい小説だ。

最近おもしろい小説見つけてさー

「ーーそれで、結局どんな小説なの?」

説明に困る。
この作者は天才だ。
並みの天才じゃあない。
普通小説ってのは2、3のアイデアを膨らませて作るもんじゃないか。
切り口が変わってるのが発想の天才。
膨らませるのが上手いのが物語の天才。
限られた材料で上手く作るのが文章の天才。

じゃあ、最高級の満漢全席を一つの鍋にぶっ込んで美味しい料理にしてしまう奴は?


そりゃもう魔法だよ!


読めばわかるよ読んでみてくれこの感動を分かち合おう。
そして上手い説明の仕方を教えてくれ。

ただどこまでも凄まじい! 圧倒的世界観が織り成すサイバーカラテ・オカルトパンク

  • 投稿者: 退会済み   [2017年 02月 15日 17時 46分]
管理
「ゆらぎの神話」を基にしたこの作品。
呪術をベースにしたオカルトパンク世界はあまりに荒唐無稽で、それでいて絶対的な説得力を持っています。
「それらしいもの」が当然のように現実となってしまう世界には、ただただ圧倒されてしまいます。
そして、そんな世界にサイバーパンクの住人が転生したからもう大変。呪術とサイバーカラテ、二つのトンデモ要素の化学反応は予想外の方向に転がり続けます。
呪術的サイバーカラテによる世界を巻き込むカタルシスがあったと思えば、女スモウレスラーが出現したり、気付けば大真面目にアイドル活動をしていたりと展開にも驚かされっぱなしです。
それでいて設定の根幹は一切ぶれていないから、もういい意味で訳がわかりません。

言葉で説明しつくせないこの世界、ぜひ皆さんも体感してみてください!

『このweb小説がすごい!』第5位! 暴力と呪術が吹き荒れる異世界に転生したサイバーカラテの物語

  • 投稿者: 小森   [2015年 09月 22日 02時 35分]

 この物語は、異世界に転生した主体性のないメンヘラ駄目男が、邪悪な魔女(美少女)たちに依存しながら己の欲望のために戦うバトルファンタジーです。

 その世界観はとびっきり悲惨でとびっきりハード。
 読み応えはありますが、どうしようもない絶望の連続でかなりキツイです。

 けれど、重苦しい現実だけが全てではありません。
『呪術』という魔法のような力が存在するその世界では、馬鹿馬鹿しい嘘によって現実を滅茶苦茶に掻き回すことができます。
 弱くて醜い主人公たちは、この「呪い」をふりかざして、残酷な決断や非情な選択を強いる正しさに反逆していきます。

 間違っている彼らが紡ぐ物語は、どうしようもないほど楽しくて尊いです。
 少しでも気になった方は是非一度読んでみてください。
 荒唐無稽で馬鹿げたスケールの異世界が、あなたを待っています。

サイバーカラテ!イヤーー!

  • 投稿者: 退会済み   [2015年 06月 04日 14時 02分]
管理
まるでモルヒネのような作品です。すいません勿論誉め言葉です。
異世界転生が商業化された世界でふざけた転生をしてしまった主人公に襲いかかる苦難の数々!そこにぶちこまれるオカルトヒロイズム数多の学問要素小ネタ燃え萌え!さながらアイデアの闇鍋お祭りワッショイ!!
是非是非読んで病み付きになってください。
スゴイタノシイショウセツ!!
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