イチオシレビュー一覧

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わたしたちは、本当は皆どこか人と違う

「あなたって変わってるね」

そんな風に言われた経験はないだろうか。相手にしてみれば何気ない一言なのかもしれない。けれど「変わっている」という評価はどこか「欠陥品」という言葉にも似ていて、私たちの心に重くのしかかってくる。

アウトサイダーを気取っているならいざ知らず、ただ真面目なだけが取り柄で、日々をひっそりと過ごしているような人ならなおさらだ。

けれど「普通」とは意外と曖昧なもの。誰がその基準を考えるかで、答えは大きく変わってくる。

例えば、品質検査に合格したネジなのに、実際に使ってみるとネジ穴が潰れてしまうことはよくある。

それはドライバーとの相性が悪いのかもしれない。使い手の腕が悪いのかもしれない。ネジが悪いわけではないことだって往々にしてあるはずだ。

だからあなたはそのままでいい。「変わってるね」ではなくて、「素敵だね」と認めてくれる人があなたの前にも現れるはずだから。

他者に認められないと思ってしまう全ての人々へ

この小説は、小説ではなく一つの強いメッセージです。

この物語の主人公は、とある個性的なネジです。その個性はネジとしては致命的で出荷されることは認められません。しかし、ネジはネジとして出荷されたかった…

一般的な人とは違うレールを歩もうと努力している人、社会に出て組織の歯車として個性は必要ないと言われた人、人生を踏み外してしまった人、そんな人達に是非読んでもらいたい作品です。
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