イチオシレビュー一覧

▽レビューを書く
<< Back 1 2 3 4 Next >> 

作品最大のファン、それは作者である!

 と言わんばかりに作者様の愛がこれでもかッ! という位詰め込まれた作品。

 敵も味方も脇役も。一人一人が全員主人公と言っても過言ではない個性豊かなキャラクター達!
 そしてこのキャラ達は決して『物語のためにつくられた』のではない。
 この『キャラ達のために物語がある』のだ!

 純粋ゆるふわロリ美少女を!
 天才変態最強マッドサイエンストを!
 質実剛健堅実無骨な老執事を!
 実はイイ人頼れる兄貴スラムマフィアを!
 お馬鹿でヤンチャでどこか憎めないしたっぱAを!
 クールで真面目でやっぱり憎めないしたっぱBを!
 過去を悔いる辺境の放浪王子を!
 唯我独尊超外道最狂俺様王子を!
 残虐獣人殺戮系男子筆頭最凶忍者を!

 その一人一人の人間ドラマがどう描かれるのか、その目で是非確かめてください!!
 

壊れたオモチャたちが紡ぐ不協和音交響曲

純粋無垢な白昼夢少女と人の心が見えない虚ろな科学者
飢えたスラムの王様に傍観者の吟遊詩人
そして美しく醜い孤独な王様と忠実な血まみれの獣

どうしようもなく壊れたオモチャたちが箱の中で踊り狂う。ようこそ、狂った仮面舞踏会へ!

このお話は一見するとハチャメチャジェットコースターエンターテインメント。
けれどそれはあくまでもこのお話の一つの側面でしかありません。よく見てみて! ほら、登場人物全員頭おかしいから!!

自分の器以上のものを受け入れて壊れる少女と相手のためにという考えが一切ないエゴイスト
不憫な暴君にお節介な逃亡者
そして血と嘘にまみれた孤高の王様と狂った獣

ホイップクリームでデコレーションされたカラフルなケーキの中はもはや闇鍋。飛び出すのは銃弾に生首にぶっ壊れたオモチャたち。
そんな彼ら(作者含む)たちの踊り狂うさま、ちょっとのぞいていきませんか?

キャラクターが活き活きと輝くワルツの調べ

  • 投稿者: 井川林檎   [2017年 12月 01日 00時 15分]
箱入りのお嬢様は世間知らずだし、純真すぎて人を見抜く術を持ちません。
だけど、どんな人にも、絶対に物事を見謝る事のないアンテナが内蔵されています。

ずばり、恋のアンテナ。

マッドサイエンティストも、なんにも知らないお嬢様も、恋のアンテナを生まれつき備えています。
ある日突然、それが作動すると、とたんに世界が色づき始めるのです。

恋のアンテナは正確。

自分自身のことすら分からなくなる時があるけれど、このアンテナの受信感度はいつも最高。
物語をハッピーエンドに導くには、このアンテナに従う必要があるのです。

初めての気持ちに戸惑うマッドサイエンティストと令嬢の恋の行方を、はらはらしながら、見届けてください!

どこか童話風な雰囲気も微笑ましいです。

まるでオモチャ箱のような作品☆

  • 投稿者: 退会済み   [2017年 08月 05日 02時 06分]
管理
 著者さんの自作キャラへの愛の強さを知った故に興味を持ち、読んでみた作品。挿絵に描かれたキャラがどことなくコミカルなので、そういう作品なのかな? と思いきや、10話くらいから次第に裏切られ始めます。

 もちろんいい意味で。

 ふわふわと、甘いおとぎ話のように誘われるも、途中から名作児童文学であるシャルル・ペローの「青ひげ」を彷彿とさせるスリリングな展開に! 

 かなり救いのない部分がありつつも、後半の外伝では前半の陰鬱さが打って変わって陰惨さがむしろギャグ、という感じ。まったく読者を飽きさせません! 

 まるで「読むおもちゃ箱」というべきで、こちらまでこの作品のキャラが好きになりました。著者さんのこれからに期待大です!

恋に恋する少女の恋物語は、一筋縄ではいかない!?

絵本に描いたような恋に憧れる少女カミィは、舞踏会でとある男に恋をする。

男もカミィに恋をして、プロポーズした。

そして始まる二人の恋物語……。

──なんていう甘い話ではなかった。

カミィの両親が勝手に嫁ぎ先を決めてしまい、カミィは好きになった男とは別の男のもとに嫁ぐことになってしまう。

実らなかった恋は偶然出会った人、すれ違った人、物語に関わると思われなかった多くの人を巻き込んで、国を揺るがす大きな事件へと発展していく。

陰謀に巻き込まれたカミィの行く末は、その目で確かめてほしい。

かくも陰惨な世界に輝く愛

  • 投稿者: 天界音楽   [2017年 06月 12日 18時 41分 ()]
 世界は優しくなどない。だが、そこに真実の愛があれば、その見え方は変わってくるかもしれない。これは愛を知らない男たちと、ある純真な少女の物語だ。

 両親に愛され、大切に育てられてきたカミィ・セシルは年齢よりも少し幼い印象を抱かせる。泣き虫で甘えんぼ。ふわふわと甘く優しく、強く握れば壊れてしまいそうだ。でも彼女は強い。辛い境遇に置かれても、真っ直ぐに前を向いて微笑むのだ。彼女は温室の薔薇ではない、種が落ちた場所で芽吹き花咲く強さとしなやかさを持っている。

 彼女は信じている。愛は届けることができると。
 彼女は願っている。愛が届いて、とげとげのハリネズミの寂しい心が癒されるようにと。

 たとえ彼女自身は恋した相手と結ばれることはなくても。自分を愛してくれる両親が選んでくれた相手だから。彼女は微笑むのだ。涙を払い落として。


 すべては彼女を中心に回る。
 まるで、ワルツのように。

読んだ後にワルツを踊りたくなる☆

  • 投稿者: うっしー   [2017年 06月 11日 09時 35分]
この作品のいいところは何といっても喜怒哀楽を一つの作品で全て味わえることでしょう!
主人公が…ではありません。

読者が、です。

悪役には本気で怒りを覚え、友情には心がほんわかとなり、恋愛にドキドキし、ある場面では恐怖を感じます。
自分自身がこのストーリーによって高揚する感覚をぜひ味わってみてください。

しかし、ここでひとつ言っておきます。
本編を読み終わり、悪に怒りを抱いたまま終わらないでください。
必ず外伝の隅々までしっかりと読んでください。
キャラクターに対するイメージががらりと変わります。
これもこの作品のいいところなのです!

そしてこの作品は完結した今でも成長しています。
一度だけでなく、何度も読み直してみると面白いのではないでしょうか。

そしてふたりでワルツを

「例の殺人鬼が来たのかと思ったじゃないか」
「生き物はいつか死ぬよ。足掻いても仕方ない事だ。さようならお母様」
「もしかしてお兄様達や王様を殺したのは……」




「ゲツエイ……お前……やったのか?」
___________________________________

演者は一人。
月明かりによってできる影と同じ色の服を着た【何か】。
踊るように死体から肉と血を撒き散らし静かに笑っている。

___________________________________

『そしてふたりでワルツを』
……一体犯人は誰なんだ!?

そしてふたりでワルツを


限られた登場人物に、長すぎず中だるみのない話はまるで一曲の音楽を聴いているようです。
それもオーケストラのような、大人しくまとまったクラシックではありません。

ロックになったり、ポップスになったり、演歌(!?)になったり、ハチャメチャなのに違和感がない。
個性あふれる登場人物(みんなが主役)がそれぞれに奏でるメロディを、シンフォニーにまとめあげている指揮者。それが作者なのです。そういう意味では作者もまた、登場人物と言えます。

まさに神。神死んでないやん。

夢中になった1周目と違って、2周目は様々な伏線に注目しながら読んだし、結末も知っているにも関わらず、やっぱり面白い。面白い。大事だからもう一回、面白い!!!

とにかく読んで。いいから読んで。絶対面白い。私嘘言わない。サクラでもない。

最終章を読んだ時にはこう叫びたくなるでしょう。

「そしてふたりでワルツを!」

恋愛あり、アクションあり、グロありの総合エンターテイメント

 一話の冒頭がいきなりおどろおどろしいシーンから始まり、場面が切り替わると今度は一転して脳内お花畑のお嬢様が登場。このギャップについていけたならば、必ず最後まで読む価値があると保証できます。
 脳味噌ふわとろのお嬢様とマッドサイエンティストの侯爵の間に芽生えた恋を主軸に据えつつ、二面性のある暴君、猟奇的な忍者、スラムの王などが入り乱れる、混沌とした、しかし王道のストーリー。これを総合エンターテイメントと呼ばずしてなんと呼びましょう?
<< Back 1 2 3 4 Next >> 
↑ページトップへ