感想一覧
[良い点]
見事にささくれ立てましたね。旦那にかけられた最初で最後の情など袖にする女の意地を見ました。藪の中っぽさも好きです。語り部が語るにつれて信頼できなくなる感じ。愛妾のハピエンの笑顔の陰で、こうしてアンハピエンの物語が涙で滲むのですね。
見事にささくれ立てましたね。旦那にかけられた最初で最後の情など袖にする女の意地を見ました。藪の中っぽさも好きです。語り部が語るにつれて信頼できなくなる感じ。愛妾のハピエンの笑顔の陰で、こうしてアンハピエンの物語が涙で滲むのですね。
円雅様
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
「薮の中」のようなもやもや感を楽しんでいただき、とても嬉しいです。現実世界でも揉め事が起きた場合、それぞれに話を聞いてみますと、異なる言い分を聞くことができたりします。完全に食い違ってしまうのは、人間というものは結局のところ、自身に都合の良い形でしか世界をとらえることができないのでしょう。
>旦那にかけられた最初で最後の情など袖にする女の意地
これが達成できた瞬間に、彼女は微笑んだのかもしれません。ずっと涙を流していたからこそ、惚れ惚れするほど鮮やかな笑顔を舞台の終わりに浮かべたのだとしたら……。勝負に勝ったのは一体誰なのでしょうね。
感想、ありがとうございました!
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
「薮の中」のようなもやもや感を楽しんでいただき、とても嬉しいです。現実世界でも揉め事が起きた場合、それぞれに話を聞いてみますと、異なる言い分を聞くことができたりします。完全に食い違ってしまうのは、人間というものは結局のところ、自身に都合の良い形でしか世界をとらえることができないのでしょう。
>旦那にかけられた最初で最後の情など袖にする女の意地
これが達成できた瞬間に、彼女は微笑んだのかもしれません。ずっと涙を流していたからこそ、惚れ惚れするほど鮮やかな笑顔を舞台の終わりに浮かべたのだとしたら……。勝負に勝ったのは一体誰なのでしょうね。
感想、ありがとうございました!
- 石河 翠@「運命の番を嫌う訳あり娘は拒めない」配信中
- 2019年 11月27日 15時16分
[良い点]
語り口が非常に流麗で、これが二人称なのか!と唸りました。
女性の狂気に近い愛がホラーのようにも感じられるほど、素晴らしかったです。ラスト、ゾクリときました。
石河さまの文章表現は、非常に滑らかで美しいです。
喉にスルスルと流れ込む美酒のように、先へ先へと物語を読み進めることができます。
そして、ラストで明かされる仕掛けられたトリックに完敗です。
語り口が非常に流麗で、これが二人称なのか!と唸りました。
女性の狂気に近い愛がホラーのようにも感じられるほど、素晴らしかったです。ラスト、ゾクリときました。
石河さまの文章表現は、非常に滑らかで美しいです。
喉にスルスルと流れ込む美酒のように、先へ先へと物語を読み進めることができます。
そして、ラストで明かされる仕掛けられたトリックに完敗です。
香月よう子様
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
「女性の狂気に近い愛がホラーのようにも感じられる」、この部分、本当にありがとうございます! 実はまさにその通りでして、私自身が「純愛」と「狂気」というのは紙一重なのではあるまいかと感じております。
相手に受け入れられるかどうかで、「愛情」に付けられる名前も変わってくる。それを思えば、この世はあまりにも理不尽に満ちているのかもしれません。ただ、愛し愛されたかっただけにもかかわらず不幸になる彼ら。
掛け違えたボタンのようなズレは、いつの間にか大きな隔たりとなり、もはやどうすることもできません。何かがおかしい、どこか変だと思いながら、気がつかないもどかしさ。最後に、「違和感の正体はこれだったのか」と思いつつ、どうしようもない諦めと侘しさを感じていただけたなら嬉しいです。
感想、ありがとうございました!
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
「女性の狂気に近い愛がホラーのようにも感じられる」、この部分、本当にありがとうございます! 実はまさにその通りでして、私自身が「純愛」と「狂気」というのは紙一重なのではあるまいかと感じております。
相手に受け入れられるかどうかで、「愛情」に付けられる名前も変わってくる。それを思えば、この世はあまりにも理不尽に満ちているのかもしれません。ただ、愛し愛されたかっただけにもかかわらず不幸になる彼ら。
掛け違えたボタンのようなズレは、いつの間にか大きな隔たりとなり、もはやどうすることもできません。何かがおかしい、どこか変だと思いながら、気がつかないもどかしさ。最後に、「違和感の正体はこれだったのか」と思いつつ、どうしようもない諦めと侘しさを感じていただけたなら嬉しいです。
感想、ありがとうございました!
- 石河 翠@「運命の番を嫌う訳あり娘は拒めない」配信中
- 2019年 11月26日 16時39分
[良い点]
深淵をのぞく時、深淵もまたこちらを見ているという言葉を思い出しました。
こちらが彼女の語りを覗いているはずなのに、彼女に覗き込まれているような感覚を覚えます。
細かな所作すら伝わってくるような言葉の美しさに、最初から最後まで引き込まれてしまいました。
魅せられました。
深淵をのぞく時、深淵もまたこちらを見ているという言葉を思い出しました。
こちらが彼女の語りを覗いているはずなのに、彼女に覗き込まれているような感覚を覚えます。
細かな所作すら伝わってくるような言葉の美しさに、最初から最後まで引き込まれてしまいました。
魅せられました。
キオラ様
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
こちらはあくまで観客であったはずなのに、いつの間にか彼女の一人芝居に巻き込まれてしまう。
それすらも語り手である彼女の計算のうちなのかもしれません。
どこまでが真実で、どこからが妄想なのか。
すりガラスの向こう側からほんやりと手招きをされるような、そんなもやもや感がキオラ様の心に残ったなら幸いです。
感想、ありがとうございました。
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
こちらはあくまで観客であったはずなのに、いつの間にか彼女の一人芝居に巻き込まれてしまう。
それすらも語り手である彼女の計算のうちなのかもしれません。
どこまでが真実で、どこからが妄想なのか。
すりガラスの向こう側からほんやりと手招きをされるような、そんなもやもや感がキオラ様の心に残ったなら幸いです。
感想、ありがとうございました。
- 石河 翠@「運命の番を嫌う訳あり娘は拒めない」配信中
- 2019年 11月26日 16時00分
[良い点]
二人称がすごく味のある雰囲気で、とても私好みでした^^
そして、この読み手が幾通りも推測できて楽しめるところが作者様らしいですね。
自分一人で「そうだったのか」と完結せずに、他の読者様と輪読して感想を語り合いたい作品でした。
なので皆さんの感想も読ませていただいたのですが、神父様があの人だったとは全然気がつきませんでした…汗。
これ以上語ると読み込みの甘さがばれそうなので胸にそっとしまっておきます。
二人称がすごく味のある雰囲気で、とても私好みでした^^
そして、この読み手が幾通りも推測できて楽しめるところが作者様らしいですね。
自分一人で「そうだったのか」と完結せずに、他の読者様と輪読して感想を語り合いたい作品でした。
なので皆さんの感想も読ませていただいたのですが、神父様があの人だったとは全然気がつきませんでした…汗。
これ以上語ると読み込みの甘さがばれそうなので胸にそっとしまっておきます。
アンリ様
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
アンリ様の「告解、信ずるべきもののいない世界へ」がすごく好きなので、同じような形の本作を楽しんでいただき、とても嬉しく思います。
本作は「信頼できない語り手」が主役となることで、物語の見え方がいく通りにも変わるものになりました。ですので、アンリさまが神父さまとあの人を結びつけなかったということでしたら、それはそれで問題ないのです。貴族の正妻と聖職者との道ならぬ恋物語もまた、解釈のひとつです。
感想、ありがとうございました!
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
アンリ様の「告解、信ずるべきもののいない世界へ」がすごく好きなので、同じような形の本作を楽しんでいただき、とても嬉しく思います。
本作は「信頼できない語り手」が主役となることで、物語の見え方がいく通りにも変わるものになりました。ですので、アンリさまが神父さまとあの人を結びつけなかったということでしたら、それはそれで問題ないのです。貴族の正妻と聖職者との道ならぬ恋物語もまた、解釈のひとつです。
感想、ありがとうございました!
- 石河 翠@「運命の番を嫌う訳あり娘は拒めない」配信中
- 2019年 11月26日 15時41分
[良い点]
歌いたくなりました。中島みゆきさんの「この世に二人だけ」を。脳内再生が止まらないです。
でもこれ、神父! おいこら、なにしてる!(ことばが荒くてすみません。でも、言いたい)
そこで、最後の最後で手を伸ばすくらいなら、あんたがちょっとでも彼女をかえりみてあげれば良かったんだ!
すこし考えればわかっただろ! 三年も文句のひとつも言わずに、贅沢もせずに正妻の椅子におさまっててくれたんだから、嫌なひとじゃないって、すこし考えればわかるでしょう!!
だったらどうして腹を割って話せなかったのか! あんたの両親を言いくるめて、正妻は彼女のままで妾の子を跡取りにする約束くらい取り付けて見せてくださいよ! ハーレム築くには、甲斐性が必須なんですよ!!
正妻さん、その家出たらいっしょにカラオケ行きましょう! って言いたいです。庶民の暮らしでよければ教えますから!!
[気になる点]
お妾さんの腹の内はどんな具合なのでしょう。正妻、失脚ざまあ? 正妻の思ってる通りにやさしくて考えたらずで、純粋に旦那とやらを愛してるだけ? すでにほかのかたの感想にて返信してらしたら、すみません。スルーしてください。
歌いたくなりました。中島みゆきさんの「この世に二人だけ」を。脳内再生が止まらないです。
でもこれ、神父! おいこら、なにしてる!(ことばが荒くてすみません。でも、言いたい)
そこで、最後の最後で手を伸ばすくらいなら、あんたがちょっとでも彼女をかえりみてあげれば良かったんだ!
すこし考えればわかっただろ! 三年も文句のひとつも言わずに、贅沢もせずに正妻の椅子におさまっててくれたんだから、嫌なひとじゃないって、すこし考えればわかるでしょう!!
だったらどうして腹を割って話せなかったのか! あんたの両親を言いくるめて、正妻は彼女のままで妾の子を跡取りにする約束くらい取り付けて見せてくださいよ! ハーレム築くには、甲斐性が必須なんですよ!!
正妻さん、その家出たらいっしょにカラオケ行きましょう! って言いたいです。庶民の暮らしでよければ教えますから!!
[気になる点]
お妾さんの腹の内はどんな具合なのでしょう。正妻、失脚ざまあ? 正妻の思ってる通りにやさしくて考えたらずで、純粋に旦那とやらを愛してるだけ? すでにほかのかたの感想にて返信してらしたら、すみません。スルーしてください。
- 投稿者: exa(疋田あたる)
- 2019年 11月25日 20時47分
exa様
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
中島みゆきさん、良いですよね! あんな風にカッコよく叫びたい(私、音痴なんです)
神父、どさくさに紛れてぎゅーしております。
へたすりゃ、ぎゅーどころか、ちゅーとかしようとしたかもしれません。本当に何をしているのでしょうね、こいつは。(一体何のために神父として出向いたのか……)
ハーレムを築くには甲斐性必須、まさにその通りですよね。
平等に愛さなければならないとは言いませんが、せめて相手が不満に思わないような状態を作らねばならないはずです。(ただしその努力を語り手が認識できるかというのは、また別の話なのですが)
おそらく旦那さまにも言い分はあるはずなのですよね。そして、愛妾にも。
とはいえ、それぞれの立場から展開される主張はきっと矛盾に満ちていることでしょう。個々人にとっては現実なのですが、それは無意識のうちに自分にとって居心地の良い真実へと歪ませているようにも思えます。
おかしな話ですが、語り手、旦那さま、愛妾いずれもが、相手を思いやると同時に自身の不幸を嘆いているんです。いっそ、ざまあと嘲笑ってくれるほうがわかりやすいのに、彼らはあくまで善良で穏やかな仮面を被っています。そしてすきあらば、今回の語り手と同様に、いっそ清々しいまでに朗々と一人芝居を見せつけてくれるに違いありません。
感想、ありがとうございました。
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
中島みゆきさん、良いですよね! あんな風にカッコよく叫びたい(私、音痴なんです)
神父、どさくさに紛れてぎゅーしております。
へたすりゃ、ぎゅーどころか、ちゅーとかしようとしたかもしれません。本当に何をしているのでしょうね、こいつは。(一体何のために神父として出向いたのか……)
ハーレムを築くには甲斐性必須、まさにその通りですよね。
平等に愛さなければならないとは言いませんが、せめて相手が不満に思わないような状態を作らねばならないはずです。(ただしその努力を語り手が認識できるかというのは、また別の話なのですが)
おそらく旦那さまにも言い分はあるはずなのですよね。そして、愛妾にも。
とはいえ、それぞれの立場から展開される主張はきっと矛盾に満ちていることでしょう。個々人にとっては現実なのですが、それは無意識のうちに自分にとって居心地の良い真実へと歪ませているようにも思えます。
おかしな話ですが、語り手、旦那さま、愛妾いずれもが、相手を思いやると同時に自身の不幸を嘆いているんです。いっそ、ざまあと嘲笑ってくれるほうがわかりやすいのに、彼らはあくまで善良で穏やかな仮面を被っています。そしてすきあらば、今回の語り手と同様に、いっそ清々しいまでに朗々と一人芝居を見せつけてくれるに違いありません。
感想、ありがとうございました。
- 石河 翠@「運命の番を嫌う訳あり娘は拒めない」配信中
- 2019年 11月26日 15時02分
[良い点]
決して得ることのできない愛。残酷なまでの無関心。
しかしだからこそ、彼は彼女に思いを寄せたのだろう。
[一言]
二人称小説。誰かに、読者に、語りかける文体。
断片的な情報が組み合わさり、読者は神父の心情とシンクロする。
面白い短編でした。
決して得ることのできない愛。残酷なまでの無関心。
しかしだからこそ、彼は彼女に思いを寄せたのだろう。
[一言]
二人称小説。誰かに、読者に、語りかける文体。
断片的な情報が組み合わさり、読者は神父の心情とシンクロする。
面白い短編でした。
ベギンレイム様
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
物語の世界においてハッピーエンドは美しいものです。
けれど、人生は思ったよりも苦味の多いもの。子どものように無邪気なままではいられませんし、また絵本のような幸福もありません。
誰もがどこかに欠落があり、それを補完することで成り立つ関係。
一人芝居のような語り口は、どうにもならない現状の理不尽さと、それでもなお諦めることのできない女性の叫びにマッチしたように思います。作者自身も楽しんで執筆することができました。
感想、ありがとうございました。
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
物語の世界においてハッピーエンドは美しいものです。
けれど、人生は思ったよりも苦味の多いもの。子どものように無邪気なままではいられませんし、また絵本のような幸福もありません。
誰もがどこかに欠落があり、それを補完することで成り立つ関係。
一人芝居のような語り口は、どうにもならない現状の理不尽さと、それでもなお諦めることのできない女性の叫びにマッチしたように思います。作者自身も楽しんで執筆することができました。
感想、ありがとうございました。
- 石河 翠@「運命の番を嫌う訳あり娘は拒めない」配信中
- 2019年 11月26日 10時18分
[一言]
作者様独自の作品の雰囲気が好きです!
一回読んだ後、気になって気になって何度も読み返してしまいました。
感想欄もコメントも読んだところ、神父様=旦那様とのこと。
「信頼できない語り手」というキーワードと、旦那様が未練たらたらな様子から、主人公は本当に白い結婚だったのか疑ってしまい…。愛妾との間に子供がいたのかも疑い…。
本当のところはどうなんでしょう?
解明編の旦那様視点なんてあるんでしょうか?
作者様独自の作品の雰囲気が好きです!
一回読んだ後、気になって気になって何度も読み返してしまいました。
感想欄もコメントも読んだところ、神父様=旦那様とのこと。
「信頼できない語り手」というキーワードと、旦那様が未練たらたらな様子から、主人公は本当に白い結婚だったのか疑ってしまい…。愛妾との間に子供がいたのかも疑い…。
本当のところはどうなんでしょう?
解明編の旦那様視点なんてあるんでしょうか?
ちくのまま様
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
「雰囲気が好き」「何度も読み返してしまいました」とおっしゃっていただいて、コメントを見ながら思わずにやにやしてしまいました。作者にとって本当に嬉しいお言葉です。
この物語は、表面上を軽くなぞっても深読みをしてもそれぞれ物語として成立するようにいたしました。「信頼できない語り手」を登場させている時点で、物語の解釈は読者の皆さまに委ねる形になっています。
「神父さま」≠「旦那さま」であれば「貴族の正妻と神父(還俗しなければ婚姻できない聖職)との道ならぬ恋」となります。この場合、「神父さまはその身をあの方に捧げたお方」の「あの方」=神となります。「神父さま」=「旦那さま」と読んでいただければ、貴族の拗れた夫婦仲のお話となります。この場合は、「あの方」=愛妾ですね(作者のエゴで「神父さま」=「旦那さま」という情報を出してしまいましたが……)
ご指摘いただいた通り、「信頼できない語り手」ですので、「白い結婚」かも「愛妾との間に子どもがいたのか」についても判断できないのです。またもしそれが結果的に事実であったとしても、そこに至るまでの過程や理由についての認識は、語り手である正妻、旦那さま、愛妾それぞれで異なると思われます。まさに芥川龍之介先生の「藪の中」のような形ですね。
あの作品ほどの乖離はなくとも、旦那さま視点(あるいは愛妾視点)が挿入されたところで、結局のところ「複数の信頼できない語り手」が増えることになります。男女間の違い、それぞれの立場の違いによって、誰もが皆、自分自身にとって最も都合が良い納得の仕方で、この世界を受け入れているのです。
ちくのまま様からは、語り手の女性が気狂いであるのと、旦那さまへ「皮肉」を言っているのと、作品の文字通り心根の優しい女性であるのとでは、どれが一番お好みでしたか。あるいはどれが最も後味が悪いでしょうか。
感想、ありがとうございました!
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
「雰囲気が好き」「何度も読み返してしまいました」とおっしゃっていただいて、コメントを見ながら思わずにやにやしてしまいました。作者にとって本当に嬉しいお言葉です。
この物語は、表面上を軽くなぞっても深読みをしてもそれぞれ物語として成立するようにいたしました。「信頼できない語り手」を登場させている時点で、物語の解釈は読者の皆さまに委ねる形になっています。
「神父さま」≠「旦那さま」であれば「貴族の正妻と神父(還俗しなければ婚姻できない聖職)との道ならぬ恋」となります。この場合、「神父さまはその身をあの方に捧げたお方」の「あの方」=神となります。「神父さま」=「旦那さま」と読んでいただければ、貴族の拗れた夫婦仲のお話となります。この場合は、「あの方」=愛妾ですね(作者のエゴで「神父さま」=「旦那さま」という情報を出してしまいましたが……)
ご指摘いただいた通り、「信頼できない語り手」ですので、「白い結婚」かも「愛妾との間に子どもがいたのか」についても判断できないのです。またもしそれが結果的に事実であったとしても、そこに至るまでの過程や理由についての認識は、語り手である正妻、旦那さま、愛妾それぞれで異なると思われます。まさに芥川龍之介先生の「藪の中」のような形ですね。
あの作品ほどの乖離はなくとも、旦那さま視点(あるいは愛妾視点)が挿入されたところで、結局のところ「複数の信頼できない語り手」が増えることになります。男女間の違い、それぞれの立場の違いによって、誰もが皆、自分自身にとって最も都合が良い納得の仕方で、この世界を受け入れているのです。
ちくのまま様からは、語り手の女性が気狂いであるのと、旦那さまへ「皮肉」を言っているのと、作品の文字通り心根の優しい女性であるのとでは、どれが一番お好みでしたか。あるいはどれが最も後味が悪いでしょうか。
感想、ありがとうございました!
- 石河 翠@「運命の番を嫌う訳あり娘は拒めない」配信中
- 2019年 11月26日 10時12分
[良い点]
何か拗れて、すれ違ってしまったんですね。
そのままも有り得るし、深読みもできる。
少し謎めいていて、凝った作りのお話、私なりに楽しませていただいてだきました。
皆さまのご感想や石河さまのお返事に、そうだったのかと色々納得です。
何か拗れて、すれ違ってしまったんですね。
そのままも有り得るし、深読みもできる。
少し謎めいていて、凝った作りのお話、私なりに楽しませていただいてだきました。
皆さまのご感想や石河さまのお返事に、そうだったのかと色々納得です。
名木雪乃様
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
彼女の語りをそのまま受け入れても物語として成り立つように、けれど深読みしてまったく異なる物語にもなるようにしましたので、その両方を味わっていただき、とても嬉しく思います。
作者が意図することを話しすぎるのは避けるべき、というご意見ももちろんあるとは思うのです。ただ私自身が他の方の作品を読んでいて、「解説を……、お願いです、解説をしてください! 」と思うことが度々あるので、返信欄ではお邪魔にならないだろうと思う範囲で色々と話をしております。(なろうのweb小説という特性上、感想欄のやりとりもまた作品を構成する要素だと思っております)
感想、ありがとうございました。
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
彼女の語りをそのまま受け入れても物語として成り立つように、けれど深読みしてまったく異なる物語にもなるようにしましたので、その両方を味わっていただき、とても嬉しく思います。
作者が意図することを話しすぎるのは避けるべき、というご意見ももちろんあるとは思うのです。ただ私自身が他の方の作品を読んでいて、「解説を……、お願いです、解説をしてください! 」と思うことが度々あるので、返信欄ではお邪魔にならないだろうと思う範囲で色々と話をしております。(なろうのweb小説という特性上、感想欄のやりとりもまた作品を構成する要素だと思っております)
感想、ありがとうございました。
- 石河 翠@「運命の番を嫌う訳あり娘は拒めない」配信中
- 2019年 11月26日 06時18分
[良い点]
純愛と言う名の狂気かなぁ。
本当に気狂いなのか、分かっていての皮肉なのか。
どちらにでも取れるところがいいですね。
読んでいて、なんだか少しずつ歯車を狂わせていくというか、気が付かない程度に調律を狂わされていくような感覚で、最後にあっと気が付いた時には悲しい狂気のど真ん中でした。
純愛と言う名の狂気かなぁ。
本当に気狂いなのか、分かっていての皮肉なのか。
どちらにでも取れるところがいいですね。
読んでいて、なんだか少しずつ歯車を狂わせていくというか、気が付かない程度に調律を狂わされていくような感覚で、最後にあっと気が付いた時には悲しい狂気のど真ん中でした。
遥彼方様
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
ひとを愛するというのは、なかなかに難しい感情だと思います。それぞれに相反する感情が存在し、本来ならば矛盾に満ちているはずなのに、当然のこととして両立しうるんですよね。
愛しい、憎たらしい
嬉しい、悲しい
楽しい、苦しい
愛されたい、愛されたくない
いっそ意図的に綺麗な感情だけを抽出できれば、彼女もここまで心を病むことはなかっただろうにとも思うわけです。
本作は、彼女が一人芝居をするかのように、彼女の主張だけが声高に綴られます。
彼女の主張は正しいかもしれないし、間違っているかもしれない。そこをあえて読者の皆さんに委ねることで、最後のとっかかりに気がついた時に、後味の悪さや居心地の悪さを感じていただけたらと思いながら執筆しておりましたので、「少しずつ歯車を狂わせていく」という感想を嬉しく思います。
「気狂い」なのか、「皮肉」なのか。
いずれにせよその根底には、「旦那さまを愛している」「どうか私を忘れないで」という彼女の叫びがあるのです。
感想、ありがとうございました。
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
ひとを愛するというのは、なかなかに難しい感情だと思います。それぞれに相反する感情が存在し、本来ならば矛盾に満ちているはずなのに、当然のこととして両立しうるんですよね。
愛しい、憎たらしい
嬉しい、悲しい
楽しい、苦しい
愛されたい、愛されたくない
いっそ意図的に綺麗な感情だけを抽出できれば、彼女もここまで心を病むことはなかっただろうにとも思うわけです。
本作は、彼女が一人芝居をするかのように、彼女の主張だけが声高に綴られます。
彼女の主張は正しいかもしれないし、間違っているかもしれない。そこをあえて読者の皆さんに委ねることで、最後のとっかかりに気がついた時に、後味の悪さや居心地の悪さを感じていただけたらと思いながら執筆しておりましたので、「少しずつ歯車を狂わせていく」という感想を嬉しく思います。
「気狂い」なのか、「皮肉」なのか。
いずれにせよその根底には、「旦那さまを愛している」「どうか私を忘れないで」という彼女の叫びがあるのです。
感想、ありがとうございました。
- 石河 翠@「運命の番を嫌う訳あり娘は拒めない」配信中
- 2019年 11月26日 06時07分
[良い点]
結局、最後のチャンスは敢えて棒に振ったわけですね。
プライドとか、こだわりとか、大事ですよね。
[一言]
鷹羽だと、略奪愛になりそうですσ(^_^;)
結局、最後のチャンスは敢えて棒に振ったわけですね。
プライドとか、こだわりとか、大事ですよね。
[一言]
鷹羽だと、略奪愛になりそうですσ(^_^;)
鷹羽飛鳥様
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
プライドやこだわりではお腹は膨れませんが、誇りを胸に生きなければならない場合もあったのだろうなあと思います。語り手もまた矜持を重んじた結果、このようなことになったようにも思われるのです。
鷹羽さんだと略奪愛になる!
それはお強いです! けれどそれだけ前向きでアグレッシブな方が、きっと幸せはつかみ取れるのだと思います。待っているだけでは、幸福はやってこないものですから。私もダッシュで走っていって、幸せにタックルかけて捕まえたいです。
感想、ありがとうございました。
ご高覧いただき、まことにありがとうございます。
プライドやこだわりではお腹は膨れませんが、誇りを胸に生きなければならない場合もあったのだろうなあと思います。語り手もまた矜持を重んじた結果、このようなことになったようにも思われるのです。
鷹羽さんだと略奪愛になる!
それはお強いです! けれどそれだけ前向きでアグレッシブな方が、きっと幸せはつかみ取れるのだと思います。待っているだけでは、幸福はやってこないものですから。私もダッシュで走っていって、幸せにタックルかけて捕まえたいです。
感想、ありがとうございました。
- 石河 翠@「運命の番を嫌う訳あり娘は拒めない」配信中
- 2019年 11月25日 13時26分
感想は受け付けておりません。