感想一覧

「エロ目的じゃないのに、突然警告を送られて困惑している」
「警告が来たけど、何処を直せば良いか分からない」
「エロ目的で書いてるわけじゃないから、基準があれば従う。基準がハッキリと分からないから困る」

……とお悩みの方に、当エッセーが少しでもお役に立てたなら幸いです。

警告を受けた時って、『完全にアウト』なのと『ギリギリアウト』なのがあると思うんです。

『完全にアウト』な基準はだいたい分かります。
私から見ても「うわっ」「これは酷い……」「R-18でやれ」と言いたくなるような作品を見かける事があります。
完全にエロ目線で、エロ目的で読まれたいドエロな内容の作品をどうしても「なろう」で書きたがっている人は確かにいて、そういう人が規制の厳しさに不満を垂れてるのを見ると、「R-18でやれば良いのに……」とか思います。

女の子が積極的に股を開くような下品な内容を嫌う読者は間違いなくいるんです。それが通報という行為に繋がっている。
そういう作品を書きたがる人は、表現を抑えるなんて小賢しい事は考えずに、R-18に行くべきだと考えます。
私ももしやるなら、そうします。

私が懸念しているのは、エロ目的で書いたつもりではない作品が警告を受ける事です。
恋愛における身体的接触や、シリアスな大人向け作品において、一夜を共にする行為だったりとか。
ゴブリンや暴漢が出てくる作品なら、レイプがどうしても避けられない事もあるでしょう。
それらを描いた作者が、基準が分からないために、運営から警告されるのを『ギリギリアウト』と認識します。

そしてなろうは
A・基準が厳しい
B・基準を（作者に分かる形で）明示していない
C・何処を修正すべきかを警告メールに書かない

そうした事が、作品それ自体は下品ではない書き手を悩ませ、苦しめました。

私は彼らまでがR-18に行くべきだとは思いません。
彼らはBとCの問題が解決すれば、Aには大人しく従うはずなんです。それが「どうしてもなろうでエロをやりたがる作家」との違いです。

BとCの問題を解決して、下品ではない作品を書いてる作者が『ギリギリアウト』の判定で警告を受ける今の流れを変えたかった。それが私がやりたかった事です。

同一作品の全年齢verと、R-18verをそれぞれのサイトに掲載なさっている方もいます。書き手にとって負担の大きいやり方ですが、それが一番理想的かもしれません。

ノクターンにR-18verが載っていれば、エロ描写が見たい人はそっちで見られる。作者もやりたい表現がやれる。
苦手な人は、「なろう」で読めば、エロ描写を見なくて済む。
運営も警告しなくて済む。何も困る事が無い。
作者はPVが多い「なろう」に投稿する恩恵を十分に得られる。
誰もが幸せになれる、理想的なやり方だと思います。

私自身は「どうしてもエロ描写がやりたい」「やらなければならない」作品を書く事になったら、ミッドナイトノベルズでやろうと考えています。
なろうの活動報告に「こういう作品を上げましたよ」と報告にだけ行く。そうしようと思ってます。
リンクを貼らなければ、R-18作品を紹介する事自体は違反ではないそうなので。

『小説家になろう』での性描写の監視は、読者の通報に任されてるのが実情です。明らかにアウトな描写が、人目に触れてないせいで、そのままになってるらしき作品も見かけました。

ですが、なろうにはボランティア的な有志活動とでも言いますか、確実にアウトな描写を見かけたら、即運営に通報する方がかなりたくさんいます。
それ自体を悪いとは言いません。むしろ良い事だと思います。

『今日、私は先輩とエッチした。』も『小説家になろうにおける性描写のボーダーライン』も、間違いなく彼らの目に触れており、もしアウトと思われる描写があったら通報された、もしくは既にされたがセーフと判定された……そう受け取っています。
性描写に関しては、一度目に付いたら運営の対応は非常に早いと評判なので。
もし当該作品が警告を受けたら、それを以て『ダメだった』事の実例に出来るので、自分はヨシとします。

ここ一年やそこらで、警告メールを送られる方が急激に増えました。
これは活動報告やエッセーで多くの方が指摘してます。
グーグルアドセンスの性基準の改訂に、ヒナプロジェクトが追随したとの見方が有力です。
これまで見逃された作品が、「突然警告を受けるようになった」のは、そういう事情が絡んでいるのではないかと。

直接運営に「問題ないですか」と聞いても良いのでしょうが……現段階では検討していません。

私が「これくらいなら大丈夫だろう」と基準を設けたのは、主に5chの文芸書籍サロン板で、警告メールを送られた方々が、修正したらオーケーをもらえた時に語った実例を参考にしたからです。
そうした価値ある情報を収集し、一箇所にまとめる事が必要だと感じました。

もし同じ表現をして、A氏は大丈夫だったのに、B氏はダメだったとなれば、それは運営が二重基準（ダブル・スタンダード）した事になります。
もしそんな事をしたのなら、私も『小説家になろう』にとどまる意欲を急激に失うでしょう。

これまで警告を受けた方の中には、「（読者の性欲を刺激する目的の）いやらしい意図は無かった」「どうしても必要な描写だから入れた」という方々が大勢います。
運営は基準をオーバーしたら、作者の意図を読み取ってはくれないようです。

誰が見ても卑猥にしか見えない、明らかにエロ需要目的で書かれた物は警告されて当然です。R-18でやるべきだと考えます。

でも警告を受けた中には「いやらしい印象を持たない」「性欲を刺激する要素が全く無い」描写があったはずです。
運営がそういう意図を汲み取って、融通を利かせてくれたら、警告を受ける人はグンと減るのですが……。

運営が何故（警告メールで）具体的な修正箇所を明記しないのか、この点だけは本当に納得が行きません。問題があると見なした箇所があるなら、それを言えば良いだけなのに、そうしない。それで「直せ」と要求するのは、そもそも理不尽です。

本気で修正して欲しいなら、具体的な箇所を明記するはずなんです。作者が従えば、それで済む話なんですから。

運営は判定オーバーする可能性のある書き手を、R-18サイト（ノクターン、ミッドナイト、ムーンライトノベルズ）に誘導したがっているのではないか……そんな意図が透けて見えました。

実は当エッセーを書く前に、「既に似たようなテーマで書いてる方がいらっしゃるのではないか？」と考えてました。
実際、年齢制限について考察したエッセーが全く無かった訳ではありません。『小説家になろう』内ではありませんが、ブログで考察した方もいらっしゃいます。

ただ個人的に、情報量が足りてるとは思えない。
（そんな事は無い！というのであれば、申し訳ありません）
現在進行形で運営から警告を受けている方々がいらっしゃるという事は、許容されるボーダーラインが（書き手側に）認知されていない実情を明確に示していると感じました。

もし非公式のまとめwikiのような物が存在し、それが（書き手が運営から警告を受けなくなるほど）周知徹底され、情報量が充実した内容になっていれば、当エッセーを書く必要も無かったでしょう。

公式あるいは非公式の、具体例を挙げたガイドラインが必要だと感じました。
当エッセーが『完璧な物である』とは認識していません。あくまで個人がやった事である以上、限界はあります。

今後、情報が古くなったり、間違っていたりしたら、修正する必要も出てくるでしょう。
また、当エッセーよりも正確で充実した記事やガイドラインが出てくるなら、それは「運営から警告される書き手が減る事に繋がる」と、私自身が望んだ結果でもあるのです。