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[一言]
前回入力し切れなかった、誤字、脱字、言葉の用法上の間違い、矛盾点、等を主とする、気付いた点に関する報告の続きです。
「第十一話 オガサワラシティ」において、必ずしも間違いという訳では御座いませんが、
>実際に今気が付いたのだが、正に今気が付いたといった表情で、マイマイが大声を出す。
とありますが、「今気が付いたのだが」と「今気が付いたといった表情で」という、似た様な記述内容が重ねて書かれているために、冗長で野暮ったい印象を与える文章となっている様に思えます。
個人的には、例えば次の様な表現で良い様な気が致します。
今まで失念していた当たり前の事に、ようやく気が付いたマイマイは、思わず大声を出した。
「第十一話 オガサワラシティ」において、
>といっても、目の前の兵士は、この質問すら理解できない可能性があるけど
とありますが、「可能性」とは「好ましい事柄が起きる確率」に対して使う言葉であり、
>目の前の兵士は、この質問すら理解できない
という様な、「好ましくない事柄が起きる確率」に対して用いるのは、必ずしも間違いとまでは言えないものの、あまり一般的な使い方ではありません。
ですから、この場合は「理解できない可能性」ではなく「理解できないというおそれ」とされた方が宜しいかと思います。
それから
>壮年の兵士が、二人組みの女の子の体中をボディチェックしようとしていた兵士に対し、悲鳴を上げるような声で命令する。
とありますが、「ボディチェック」という言葉自体が「体中を調べる」という意味合いがあるのですから、「体中をボディチェック」としたのでは「体中を体中調べる」というおかしな表現になってしまうと思います。
ですから、「体中をボディチェックしようとしていた」ではなく「体中をチェックしようとしていた」ではないでしょうか?
後、「悲鳴を上げるような声」ではなく「悲鳴のような声」ではないでしょうか?
それから
>さあ皆、ついに最初の町に着いたよ!!
>町に入ったマイマイは、早速宿を探そうとする。
とありますが、オガサワラシティは町ではなく都市なのですから、「町」ではなく「街」ではないでしょうか?
それから
>銀子がもう一人の時代がかった言葉使いの女の子、マリーナの頭をぐいぐいと押さえつけ、強引に頭を下げさせる。
とありますが、「銀子がもう一人の時代がかった言葉使いの女の子」としたのでは、「時代がかった言葉使いの女の子がもう一人居る」という事、即ち「銀子は時代がかった言葉使いの女の子であり、その銀子以外にも時代がかった言葉使いの女の子がもう一人居る」という事になってしまいます。
ですから、「もう一人の時代がかった言葉使いの女の子」ではなく「連れである時代がかった言葉使いの女の子」等とされては如何でしょうか?
それから
>何故感謝されたし。
とありますが、これは「何故か感謝されたし。」の間違いではないでしょうか?
それから
>「あまり謙遜が過ぎますと失礼ですよ。
> ここは素直に礼を受け入れて、宿を探しにいきましょう」
>どういう理由なのか分からないが、何故かカグヤもマイマイが二人を助けたと思っているようだった。
>「別に謙遜じゃないって」
>「つまり『恥ずかしい』ということでござるな!」
>(えー、スケサンまで…
> 何なんだこれは…
> まさか、先程の件は良く分からないうちに解決したけど、実は私自身が気が付かないうちに、私が二人を助けていたとか!?
> いや、そんなこと無いだろ、常識的に考えて)
>そしてそれは、スケサンも同じ様だった。
とありますが、地の文の「そしてそれは、スケサンも同じ様だった。」という文章が「いや、そんなこと無いだろ、常識的に考えて」というマイマイの心の中の台詞の後という、文脈を無視した位置に置かれているために、「何がスケサンも同じであるのか」という事が不明な状態となってしまっていて、「そしてそれは、スケサンも同じ様だった。」という文が一体何の事を話しているのか意味不明なものとなってしまっています。
ですから、記述する順番を変えて、次の様にされた方が宜しいかと思います。
「あまり謙遜が過ぎますと失礼ですよ。
ここは素直に礼を受け入れて、宿を探しにいきましょう」
「別に謙遜じゃないって」
どういう理由なのか分からないが、何故かカグヤもマイマイが二人を助けたと思っているようだった。
そしてそれは、スケサンも同じ様だった。
「つまり『恥ずかしい』ということでござるな!」
(えー、スケサンまで…
何なんだこれは…
まさか、先程の件は良く分からないうちに解決したけど、実は私自身が気付かないうちに、私が二人を助けていたとか!?
いや、そんなこと無いだろ、常識的に考えて)
それから
>「そ、そうなのか残念じゃの」
とありますが、「そうなのか」と「残念じゃの」は各々別個の内容を表している文なのですから、一繋がりの文章にされているのはおかしいと思います。
「そ、そうなのか残念じゃの」ではなく「そ、そうなのか。残念じゃの」ではないでしょうか?
更に、「年寄りのような変な喋り方」という事であれば、「そ、そうじゃったか。それは残念じゃのう」になるかと思います。
それから
>「どこの大貴族かわかった?」
とありますが、年よりの様な話し方という事であれば「どこの大貴族か分かったかのう?」、時代がかった話し方という事であれば「どこの大貴族か分かったのかや?」になるかと思います。
それから
>銀子のスタイルが変態兵士の目に留まってしまったのだろう、町に入ろうとしたマリーナ達は、変態兵士に手配書に似ているという言い掛かりをつけられ、ボディーチェックという名目の『いやらしい行為』をされそうになっていた。
>『お前達は全身を調べるという『いやらしい行為』を、怪しいから調べるという、正当な行為だと主張しているが、それが正当な行為だというのなら、具体的にどのような理由で、そしてどういった目的で全身のボディーチェックになったのか、ちゃんと説明してもらおうか!!』
>『答えられないなら別にいいよ、お前の上司に聞くから。こんなことをしているって貴族である私が上司に伝えたら、お前達にとって不味い状況になるのは理解できるよな?』
>そこに颯爽と現れたマイマイは、ニュアンスを入れて要約すると、上記のような内容で兵士達を脅すと同時に追及し、マリーナを助けてくれた。
とありますが、「『いやらしい行為』をされそうになっていた」と「そこに颯爽と現れたマイマイは」の間があまりにも開き過ぎており、これでは「そこに颯爽と現れたマイマイは」とは「『答えられないなら別にいいよ、お前の上司に聞くから。こんなことをしているって貴族である私が上司に伝えたら、お前達にとって不味い状況になるのは理解できるよな?』というところに颯爽と現れたマイマイは」という意味になってしまいます。
又、「ニュアンス」とは「言葉などの微妙な意味合い」や「言外に表された話し手の意図」の事ですが、その台詞の「話し手」であるマイマイは、その様な意図を込めていた訳ではありませんし、地の文がマリーナ視点ではなく、第三者視点で記述されている以上は、「ニュアンスを入れて要約すると、上記のような内容で」等と断言した記述の仕方をしているのでは、「上記のような内容」が「マリーナの誤解」等ではなく事実である事になってしまいますので、「マイマイが言葉に込めたニュアンス」と「実際にマイマイが話した内容」が異なっているという矛盾が生じてしまいます。
ですから、例えば次の様にされては如何でしょうか?
銀子のスタイルが変態兵士の目に留まってしまったのだろう、町に入ろうとしたマリーナ達は、変態兵士に手配書に似ているという言い掛かりをつけられ、ボディーチェックという名目の『いやらしい行為』をされそうになっていた。
そこに颯爽と現れたのがマイマイという少女だった。
『お前達は全身を調べるという『いやらしい行為』を、怪しいから調べるという、正当な行為だと主張しているが、それが正当な行為だというのなら、具体的にどのような理由で、そしてどういった目的で全身のボディーチェックになったのか、ちゃんと説明してもらおうか!!』
『答えられないなら別にいいよ、お前の上司に聞くから。こんなことをしているって貴族である私が上司に伝えたら、お前達にとって不味い状況になるのは理解できるよな?』
マイマイは、マリーナの主観も入れて要約すると、上記のような内容で兵士達を脅すと同時に追及し、マリーナ達を助けてくれた。
それから
>明らかな言い訳だったが、以外にも銀子が同意した。
とありますが、「以外にも」ではなく「意外にも」ではないでしょうか?
それから
>恩人でもあるし、何となく他人じゃないような気もして気に入ったのじゃ!
とありますが、「じゃない」とは(やや古い世代のものではありますが)若者言葉の一種で、「ではない」の崩れた言い方(或いはもしかしますと、江戸前のべらんめえ調の「じゃねぇ」が変化したものかも知れません)ですから、「年より」はその様な言い方はしないと思います。
「他人じゃないような気もして」ではなく「他人じゃとは思えぬ気もして」ではないでしょうか?
それから
>「じゃあ、何じゃと言うんじゃ?」
とありますが、「じゃあ」とは若者言葉の一種で「では」の崩れた言い方ですから、「年より」はその様な言い方はしないと思いますし、「言うんじゃ?」の「ん」は、「~するのだ?」が崩れて「~するんだ?」という言い方となったものですから、時代がかった話し方をするのであれば、その様な言い方は使えないと思います。
ですから、年よりの様な話し方という事であれば「では、何じゃと言うのじゃ?」或いは「それでは、何じゃと言うのじゃ?」ではないでしょうか?
同じ理由から
>「…銀子がそこまで言う程の護衛をつけているとは、あの子、やはり只者じゃなさそうじゃの」
という箇所の「只者じゃなさそうじゃの」も、「只者ではないようじゃの」ではないかと思います。
それから
>「大お祖母様、あの者達とどうか不幸な再開を果たすことにならないよう、見守っていてください」
>マイマイの正体を色々と想像したマリーナは、彼女達と不幸な再会を果たすことにないように、国にいる『大お祖母様』に祈ったのだった。
とありますが、「国にいる『大お祖母様』」と記述されているという事は、マリーナの「大お祖母様」は未だ存命という事なのでしょうか?
もしも、「大お祖母様」が生きているとしますと、その事はマリーナが「大お祖母様」に祈っている事とは矛盾していると思います。
何故なら、死者の霊に向かって祈るという事はあっても、生者に対して祈願を奉げる事など考え難いからです。
祈願する相手が死者の霊という超常の存在であれば、常に自分達を見守っている(かも知れない)存在という事ですから、祈った内容が相手に届くという事も無いとは言えません。
一方、その場には居ない生者に対して祈願を奉げた処で、超常の存在ではない只の人間には、その祈りの内容など判る筈もありませんから、祈願する意味がありません。
ですから、もしも、「マリーナの『大お祖母様』は未だ存命である」という設定にされるのでしたら、マリーナが祈願を奉げる相手を「大お祖母様」以外の存在に変更されるか、或いは、マリーナが祈願を奉げている場面そのものを削除されるしかないと思います。
又、「大お祖母様」ではなく、「祖母」の事を尊敬した呼び方で呼ぶ場合は「お祖母様」とか「祖母上」、「祖母上様」、又「祖父母の母親」の事であれば、「曾祖母様」ではないでしょうか?
又、「あの者達とどうか不幸な再開を果たすことにならないよう」や「彼女達と不幸な再会を果たすことにないよう」では「あの者達との再会は必ず不幸なものになるので、再会する事にならないように」という意味合いになってしまいます。
又、力を貸したり、運命を操作したり、人を導いたりする事も無く、只「見守るだけ」では、「ならないよう」に結果に影響を与える事は出来ないと思います。
それに、ここでもまた、マリーナの台詞が「年よりの様な言葉使い」ではなくなっています。
ですから、「あの者達とどうか不幸な再開を果たすことにならないよう、見守っていてください」ではなく「もし、あの者達と再開を果たすことあらば、それが不幸を呼ぶものとはならぬよう、お導き下され」ではないでしょうか?
又、地の文に記述されているマリーナが「彼女達と不幸な再会を果たすことにないように、国にいる『大お祖母様』に祈った」という部分の内容は、その直前にあるマリーナの台詞の中において、既に記述されている内容と同じものなのですから、態々もう一度記述する事に意味は無く、冗長に過ぎると思います。
「マイマイの正体を色々と想像したマリーナは、国にいる『お祖母様』に祈るのであった。」だけでは駄目なのでしょうか?
「第十二話 動き出した人々」において
>美しい光景だったが、手を突き上げたシェイリィは、星の瞬きを見て、ムカムカとした気持ちが更に大きくなった。
とありますが、「ムカムカとした」というのでしたら「気持」ではなく「気分」だと思います。
又、「気持が大きくなった」という表現はあまり一般的ではないと思います。
ですから、「ムカムカとした気持ちが更に大きくなった」ではなく「ムカムカとした気分が更に激しくなった」或いは「よけいにムカついた」、「怒りを更に激しく燃え上がらせた」ではないでしょうか?
それから
>シェイリィお気に入りのワラのベッドはバラバラになり、村を出る際に母親から貰ったタンスはひっくり返り、その中身の下着等を床にぶちまけていた。
とありますが、「わら」という言葉に関しては「第九話 イシス辺境伯爵領事変」において
>用意できたのは、元々藁を保管する小屋の一つだったが、古くなった今では使われなくなっていた小屋だった。
>その横には、花が植えられた鉢植えと、綺麗に織り込まれた藁で作られたベッド。
という具合に、「藁」と漢字表記されているのですから、上記の「お気に入りのワラのベッド」という箇所に関しても、表記を統一して「お気に入りの藁のベッド」とされた方が宜しいのではないかと思います。
又、「タンス」自身が意思を持って中身をぶちまけたという訳ではないのですから、「その中身の下着等を床にぶちまけていた」ではなく「その中身の下着等も床にぶちまけられていた」ではないでしょうか?
どうでも良い話ですが、その下着はシェイリィが人間形態になった際に身に着けているものと思われますが、小屋の外ではシェイリィはワイバーン形態になっていなくてはなりませんから、汚れた際には、やはりハルスが洗濯をしているのでしょうか?(小屋の中には水場は無いと思います)
それとも、警戒任務で外に出る際に、ハルスの持つ荷物の中に汚れた下着も詰め込んで出発し、人目につかない場所で洗っているのでしょうか?
そして洗濯し終わった後は、一体どこで干しているのでしょうか?
もし、ハルスが女の子らしい下着を洗濯して、シェイリィの小屋の近くに干しているのだとしますと、コビーが心配するのも無理からぬ話だと思います。
それから
>大声を出したからだろう、玄関の扉の向こうから、ハルスがシェイリィを注意する。
とありますが、前半の「大声を出したからだろう」という部分の主語が省略されているために、地の文のこの部分は「シェイリィ視点」で記述されている形になってしまっていますが、他の地の文は「第三者視点」で記述されているのですから、上記の部分も「第三者視点」で記述されている形に統一されるべきではないかと思います。
又、「玄関の扉の向こうから」とある以上、この文章における視点は「シェイリィの竜小屋」の中にある事になり、上記の文章は、「注意する」という「『玄関の扉の向こうから』行われた行為」を、「シェイリィの竜小屋の中に居る人物」が「受け取っている」事を記述している文章という事になりますので、「『玄関の扉の向こうから』行われた行為」である筈の「注意する」という行為が、「注意する」という能動態で記述されているのはおかしいと思います。
ですから、例えば次の様にされては如何でしょうか?
シェイリィが大声を出したからだろう、玄関の扉の向こうから、シェイリィを注意するハルスの声が聞こえてきた。
或いは
シェイリィが大声を出したからだろう、玄関の扉の向こうから、シェイリィに注意を促すハルスの声が聞こえてきた。
それから
>そして、ハルスに聞こえるような大きな声で、嘘泣きを始めた。
>「傷心のシェイリィお姉さんに慰めの言葉一つ無いない上に、罵声を浴びせてくるなんて、酷いハルス…」
とありますが、「大きな声」とは「傷心のシェイリィお姉さんに(以下略)」と叫んだ事を指しているものと思われ、「傷心のシェイリィお姉さんに(以下略)」は嘆きの声であって、「『嘘泣き』の声」ではない(泣き声なら「うぁああん」とか「びぇええん」といったものになる筈です)のですから、「ハルスに聞こえるような大きな声で、嘘泣きを始めた」ではなく「ハルスに聞こえるように嘘泣きを始めながら、大きな声で嘆いてみせた」ではないでしょうか?
それから
>それを確認したシェイリィは『本来屋根があった場所に首を通すと』そのままハルスの目の前に自分の顔を持って行った。
とありますが、その様な事が出来るほど「ワイバーンの姿になったシェイリィ」の身体の大きさに比べて、「小屋の本来屋根があった場所」の高さが低いものであるのなら、その小屋は「ワイバーンとしてのシェイリィ」にとって小さ過ぎるという事になりますので、ハルスがシェイリィに専用の小屋を用意してあげて欲しいと懇願した際に、その小屋をシェイリィ専用の小屋として、コビーが提供するのはおかしいと思います。
「あんな小屋では小さ過ぎてシェイリィの身体が入らないだろうな」と思い、シェイリィの小屋として使おうなどとは考えないのが普通ではないでしょうか?
ですから、その小屋をシェイリィ専用の小屋として使用しているという設定となっている以上、シェイリィが『本来屋根があった場所に首を通すと』等という事が出来るのはおかしいと思います。
第一、その小屋は元々藁を保管する小屋の一つだったのですから、人間用とワイバーン用の2種類の出入り口が用意されている筈はないため、シェイリィはワイバーンの姿のままで、毎回玄関を出入りしている筈なのですから、『本来屋根があった場所に首を通すと』等という体格的に無理な事をせずに、普通に玄関を通って顔を出せば済む話ではないかと思います。
もし、シェイリィが「ワイバーンの姿になった」という事を匂わせたいのでしたら、「本来屋根があった場所に首を通すと」ではなく「鼻先で玄関の扉を押し開けると」等とされては如何でしょうか?
どうでも良い話ですが、
>色々と言い訳を言うハルスを無視し、シェイリィは目を閉じ、唇を突き出す。
とありますが、ワイバーンには唇はあるのでしょうか?
例え、あるとしましても、肉食獣の様に長い口吻に沿って裂けた口では、「唇を突き出す」のは難しい様な気がします。
尤も、オリジナル作品なのですから、作中におけるワイバーンの口の設定を「肉食獣の口とは異なり、裂けてなどおらず、人間でいう”おちょぼ口”の様になっていて、人間と同様に”ふくよかな紅い唇”がある」とされても構わない様な気もします。
それから
>ついに、ハルスが悪戯されていることに気がついてしまったのだった。
とありますが、この場合は「悪戯されている」というよりも「からかわれている」と言った方が適切ではないでしょうか?
それに「ハルスが悪戯されている」では、シェイリィがハルスに対して「あんなこと」や「こんなこと」といった「いけないこと」をしているかのような印象になってしまいます。
それから
>実はシェイリィは、元気の無いハルスの気を紛らわそうと、悪戯を仕掛けていたのだった
とありますが、文末に「。」(句点)を付けるのを忘れられています。
それと、「シェイリィがハルスの気を紛らわそうとして、悪戯を仕掛けていた」事は、
>そして、ハルスに聞こえるような大きな声で、嘘泣きを始めた。
という箇所の「嘘泣き」という記述や、
>その声に、少しニンマリとしたシェイリィは、悪戯を次の段階に進めた。
>ついに、ハルスが悪戯されていることに気がついてしまったのだった。
という箇所の「悪戯」という記述、
>少し悪戯が過ぎたようだったが、シェイリィの企みは少しは成功したようだった。
という箇所の「企み」という記述等によって、読者にも十分判る事なのですから、
>実はシェイリィは、元気の無いハルスの気を紛らわそうと、悪戯を仕掛けていたのだった
という一文を態々入れる必要は無いのではないかという気がします。
それから
>その表情を見たシェイリィは言い表せないような嫌な予感がした。
とありますが、「言い表せないような嫌な予感」ですと「言い表す事が出来ない訳ではないが、なんとなく言い表す事が出来ない気になってしまう嫌な予感」というニュアンスになってしまいます。
「言い表せないような嫌な予感」ではなく「何とも言い表しようもない嫌な予感」或いは「言いようもない嫌な予感」ではないでしょうか?
それから
>四同盟の目は、その中枢たる砦を囲むように城壁が張り巡らされていた。
とありますが、「第九話 イシス辺境伯爵領事変」において
>『四同盟の目』と呼ばれる砦の一角。
とある以上は、「四同盟の目」とは「砦」そのものの事であるという事になりますから、「『四同盟の目』の中枢」とは即ち「砦の中枢」という事になりますので、「四同盟の目は、その中枢たる砦」という表現は、「砦は、その中枢たる砦」という意味となる、おかしな表現だと思います。
第一、「砦」と呼ばれるものは「城壁」といった諸々の防御設備を備えているものであり、「張り巡らされている『城壁』」もまた「砦」の一部に過ぎませんから、「砦を囲むように張り巡らせる」とは「『城壁』の更に外側を囲むように張り巡らせる」事を意味していますので、「砦を囲むように城壁が張り巡らされていた」では「『城壁』は、その『城壁』自体の外側を囲むように張り巡らされていた」という事を意味する、矛盾した文章になっていると思います。
ですから、
>四同盟の目は、その中枢たる砦を囲むように城壁が張り巡らされていた。
ではなく、
『四同盟の目』と呼ばれる砦には、その中枢部分を囲むように城壁が張り巡らされていた。
ではないでしょうか?
それから
>そしてハルスは、四同盟の目を初めて訪れ、城壁を見た時の驚きを今も鮮明に覚えていた。
とありますが、「そしてハルスは、四同盟の目を初めて訪れ、」の所で区切ったのでは、「ハルスが四同盟の目を訪れたのは、この召集命令に応じた時が初めてである」という事になってしまいます。
ですから例えば次の様にされては如何でしょうか?
そしてハルスは今でも、四同盟の目の城壁を初めて見た時に感じた驚きを、鮮明に覚えていた。
それから
>その被害の酷さは、死者ゼロ、軽症者20人との話を聞いたとき、自分の耳がおかしくなったのではないか思ったほどだった。
とありますが、「ハンスが『自分の耳がおかしくなったのではないか思った』事」が「砦が受けた多くの被害の中の一つ」という訳ではありませから、「その被害の酷さは、(中略)自分の耳がおかしくなったのではないか思ったほどだった」というのは少し違うのではないかと思います。
>その被害の酷さは、死者ゼロ、軽症者20人との話を聞いたとき、自分の耳がおかしくなったのではないか思ったほどだった。
ではなく、
砦の建物が受けた被害があまりにも酷かったため、死者ゼロ、軽症者20人との話を聞いた時、自分の耳がおかしくなったのではないか思ったほどだった。
ではないでしょうか?
それから
>ハルスには与り知らないことだったが、
とありますが、「与り知らない」とは「関与していないため知り様もない」という意味ですから、「ハルスには与り知らないこと」としたでは「ハルス”には”関与していないため知り様もない」(「ハルス”は” 関与していない」ではない点に注意)という事になり、文脈が成り立っていないと思います。
ですから、「ハルスには与り知らないこと」ではなく、「ハルスには」から始めるのでしたら「ハルスには知り得ぬこと」とすべきではないかと思われますし、「与り知らないこと」という言い回しを使うのでしたら「ハルスは与り知らないこと」とすべきではないかと思います。
それから
>ファイ一郎の攻撃で吹き飛んだ塔は、元々中に人が入れない構造のため無人であり、城壁についてもファイ一郎の攻撃に反応して展開した障壁によって、兵士達ですら壁に近づけなくなっていたため無人だったのである。
とありますが、塔や城壁には「塔の内部」以外にも人の居場所はある筈で、そこに(障壁が展開される前から)居た人は、どうして助かったのでしょうか?
一般的な城や砦では、塔は見張り台と使用されますから、周囲を警戒するための見張り要員が配されますし、城壁の上部は、敵が攻めて来た際に応戦するための兵が待機する場所として使われますし、西洋式の城壁であれば、分厚い城壁の内部の空間は、武器や食料等の倉庫や、通路としても使われます。
そして、「四同盟の目」においても、塔か城壁の上に見張りを置いておかなければ(城壁が視界を遮るため)敵の接近等に気付く事が出来ませんし、城壁の上に兵を配置する事は、城壁の周囲にいる敵や壁を登って来る敵に対抗するためという、昔の現実世界の場合と同じ目的以外にも、グリフォンやワイバーン等に騎乗した航空戦力が存在している世界なのですから、(防御結界の存在が知られていない状況では)敵の航空戦力に対抗するという目的のためにも必要不可欠の筈ですので、例え塔の内部には人が入れなかったとしましても、塔や城壁の屋上や、城壁の内部には、障壁が展開される前から人が居たのではないかと思われます。
実際、「第九話 イシス辺境伯爵領事変」において
>砦の最も高い所に、新たな光が現れる。
>そこには、金色の鎧を着た、いかにも偉そうなおじいさんと、パーティだと思われる四人組の男女がいた。
とありますから、塔の屋上部の内の、防御結界よりも外側になっている場所に人がいたのは確かです。
防御結界は人も攻撃も通しませんから、
>だが、男から解き放たれた矢は、マイマイを狙うのではなくその更に上、ファイ一郎の顔へと真っ直ぐと突っ込んで行き、着弾した瞬間、爆発した。
とある以上、「砦の最も高い所」とは防御結界用のクリスタルが設置されている塔の屋上部の事であり、5人が居たのは、その屋上部の中でも結界の外側にはみ出している部分であるとしか考えられません。
防御結界用のクリスタルは、4基の塔の各屋上部中央に設置されているとしますと、クリスタル同士を結んだ4角形の領域は、各塔の一部(各塔の4分の1)ずつしか覆う事が出来ませんから、塔の残りの部分(各塔の4分の3)は必ず結界の外にはみ出ている事になりますので、ファイ一郎に攻撃を加えた5人は、その結界からはみ出ている部分の屋上部に、偶然居合わせたという事なのだと思われます。
先述の様に、砦の城壁や塔の屋上には兵を配しておかねばなりませんから、城壁や塔には、その5人の他にも人がいた可能性は高いと思われますが、彼らは塔と城壁が崩壊した際に、どうして助かる事が出来たのでしょうか?
塔や城壁の屋上があった高さから落下して「死者ゼロ」で済むとは思えません。
それから
>(地母神様に比べて、僕は…)
とありますが、自分が信仰している神と、自分自身を比較するという事は、「自分は『絶対者である神と比較する事すら出来ない様な矮小な存在』などではない」或いは「神は『人間など足元にも及ばないほど高位の存在』などではない」という事を意味しており、神の絶対性を否定する不遜極まりない行為という事になりますから、地母神教の信者であると思われるハルスが、自分自身を地母神と比べているのは、かなり不自然な事に思えます。(一見、自分を卑下している様に見えても、比較する相手があまりにも偉大過ぎる存在であるため、逆に自分を分不相応に偉大な存在と見做して、比較相手を貶めてしまっている事になります)
尚、もしハルスが敬虔な地母神教の信者ではないとしましても、不自然である事に変わりはないと思います。
例えば、現実世界において、「イエス様と比べて、自分は…」とか「お釈迦様と比べて、自分は…」等と考える人間がいるでしょうか?
もしも、そんな人間がいたなら、「お前は一体何様だ?」と周りの人間が突っ込みまくると思います。
ですから、この箇所は、「神と自分を比較しない形」でハルスが嘆いている内容と差し換えられるか、或いは削除された方が宜しいのではないかと思います。
それから
>地母神に感謝の祈りを捧げると、敵を撃退するどころか、戦いに間に合いすらしなかったという自分の失態を、まるで棚に上げてしまったように思えたからだ。
とありますが、実際にはハルスは地母神に感謝の祈りを捧げはしなかったのですから、祈りを奉げた結果である「自分の失態を、まるで棚に上げてしまった」という事を、「~してしまった」と過去形で記述しているのはおかしいと思います。
ですから、「まるで棚に上げてしまったように思えたからだ」ではなく「まるで棚に上げてしまうように思えたからだ」ではないでしょうか?
それから
>背後にいたのは、ハルスが四同盟の目で最も仲が悪い男と、その取り巻き達だった。
とありますが、「ハルスが四同盟の目で最も仲が悪い男」ではなく「四同盟の目においてハルスと最も仲が悪い男」或いは「四同盟の目に駐留する貴族達の中で、ハルスと最も仲が悪い男」ではないでしょうか?
それから
>大きな差がある二人だったが、それだけなら、ここまで仲は悪くはならないはずだった。
とありますが、「~は」が2回連続しているのは、あまり宜しいとは言えないと思います。
「ここまで仲は悪くはならない」ではなく「ここまで仲は悪くならなかった」か「ここまで仲が悪くはならなかった」の、どちらかにされた方が宜しいのではないかと思います。
それから
>「エントラケス子爵の活躍を知らないとは…
> 巨大ドラゴンに立ち向かい、その気迫に恐れをなした巨大ドラゴンは、エントラケス子爵を跨いで歩いたのだという!!
> 流石は未来のディオイラート公爵!」
とありますが、「巨大ドラゴンに立ち向かい、」という箇所の主語が省略されているために、「巨大ドラゴンに立ち向かい、」という行為もまた、文の後半部分の主語である「巨大ドラゴン」が行った行為であるという、訳の解らない事に、文の形式上はなってしまっています。
又、取り巻きが、自分達が取り入っている人物の偉業の事を話す際に、「その偉業が行われた事は事実である」と断言する事無く、「だという」等というあやふやな言い方をするのは少し不自然な様に思います。
又、取り巻きが、自分達が取り入っている人物の事を話す際に、敬語を使っていないというのも妙な気がします。
取り巻きの台詞という事でしたら、
「エントラケス子爵のご活躍を知らないとは…
エントラケス子爵が勇敢にも巨大ドラゴンに立ち向かわれた際に、そのご気迫に恐れをなした巨大ドラゴンは、子爵を跨いで歩いたのだ!!
流石は未来のディオイラート公爵であらせられる!」
という様なものになるのではないでしょうか?
それから
>「となると、巨大ドラゴンが恐れをなして逃げたのは、子爵を恐れたということなのですか!!」
とありますが、「巨大ドラゴン」が「恐れをなして逃げた」のかどうかは、この時点では定かではなかったのですから、「巨大ドラゴンが恐れをなして逃げたのは」と言っているのはおかしいと思います。
「そうすると、城壁を破壊していながら、巨大ドラゴンが砦の中には手を出さずに去ったのは、子爵に恐れをなして逃げたということなのですか!!」
或いは
「そうすると、滑走路に現れた巨大ドラゴンが、その場で暴れているのを途中でやめたのは、子爵に恐れをなして逃げたということなのですか!!」
ではないでしょうか?
それから
>アインツヘン準男爵は、仕事への熱意が無く、剣の腕も大したこと無いが、代々受け継がれている家宝の武具と、恐ろしく優秀なグリフォンのおかげでそれなりに戦えるという典型的な駄目貴族だった。
と、アインツヘン準男爵を扱き下ろす描写がありますが、例え本人の能力によるものではなくとも、それなりに戦えるという事は、一応は役に立たないという訳でもないのですから、駄目貴族とは言えないのではないでしょうか?(駄目貴族とは、己の地位を笠に着て、国の利益や領民の安寧よりも、己の利益や欲望を優先するような貴族の事ではないでしょうか?)
それに、それを言うならハルスとて、熱意だけはあっても財力も権力も無く、剣の腕前もエントラケス子爵よりはましと言うだけで、実戦で役に立つほどのものであるのかは不明(というか、巨大ドラゴンに遭遇した際にはおびえて助けを求める始末)、代々受け継がれている家宝の『破魔の剣』が自慢の種で、人間と同等の知力を持つワイバーンのおかげで、ようやく「四同盟の目」に駐留する事が出来るようになったのですから、似た様なものではないでしょうか?
それから
>依然として納得した顔をしないハルスに対し、アインツヘン準男爵は何とも締まらない自分の例を出しつつ話を続ける。
とありますが、「納得した顔をしない」ではなく「納得できないという顔の」或いは「納得していない顔の」ではないでしょうか?
それから
>成功する可能性は低い上に、命を掛け金にしなくてはならないからである。
とありますが、「掛け金」(かけがね: 戸や箱などに取り付け、もう一方の金具に掛けて開かないようにする金具)ではなく「賭け金」ではないでしょうか?
それから
>誰も手を上げない。
>だが、誰も手を上げないという訳にはいかない。
>誰か手を上げてくれ。
とありますが、イシス辺境伯は
>「我こそはと思うものは、剣を掲げよ!!」
と言ったのですから、上記の3箇所は「手を上げ」ではなく「剣を掲げ」か「志願し」ではないでしょうか?
それから
>一方のイシス辺境伯はエントラケス子爵の嘘を嘘だと見抜いているのだろう。
>狼狽するエントラケス子爵を、意地の悪そうな顔で見つめ続けた。
とありますが、「エントラケス子爵の嘘を嘘だと見抜いている」ではなく「エントラケス子爵の話を嘘だと見抜いている」ではないでしょうか?
又、後の方の文に関しては、地の文が第三者視点で記述されているにも関わらず、主語が省略されているために、解り難い文章となっていますので、文頭に「イシス辺境伯は」か「彼は」という主語を付けられた方が宜しいかと思います。
又、前の方の文が「~いるのだろう。」で終わっているのですから、後の方の文の末尾を、「見つめ続けた」とされるよりも「見つめ続けていた」とされた方が、読みやすい文章になるかと思います。
それから
>本来なら、貴族や豪商を持て成す場所のそこには、応接室には似つかわしくない風貌の四人組がいた。
とありますが、単に「応接室」としたのでは「イシス辺境伯の私邸にある応接室」の事のみを指している事にはならず、「平民の家の応接室」や「会社の応接室」等をも含む、「応接室一般」の事を指してしまいますから、「応接室には似つかわしくない風貌」では意味不明な表現になってしまいます。(例えば、単に「仏間には相応しくない風貌」等と書かれていただけでは、何の事か解らないのと同じ事です)
ですから、「応接室には似つかわしくない風貌」ではなく「この部屋には似つかわしくない風貌」とされては如何でしょうか?
それから
>「だがな!依頼を受けた俺達としても「それぐらいにしたら?あんまり怒ってばかりいると、禿げるわよ」
>ボコンという鈍い音が部屋に響く。
>イシス辺境伯に詰め寄っていた男の頭を、女性がロッドで殴ったのだ。
>その女性は、魔法使い風のローブを着ていながらも、女性らしいスタイルが分かる美人だった。
となっていますが、魔法使い風のローブを着た女性の台詞を閉じる鉤括弧だけが付けられていて、筋肉隆々の男の台詞を閉じる鉤括弧がありません。
これでは、「それぐらいにしたら?あんまり怒ってばかりいると、禿げるわよ」の台詞よりも後に書かれている、全ての地の文が、筋肉隆々の男の台詞であるという扱いになってしまいます。
ですから、例えば次の様にされては如何でしょうか?
「だがな!依頼を受けた俺達としても・・・」
筋肉隆々の男が更にイシス辺境伯へと詰め寄ろうとした時、ボコンという鈍い音が部屋に響いた。
彼の頭を、女性がロッドで殴ったのだ。
その女性は、魔法使い風のローブを着ていながらも、女性らしいスタイルが分かる美人だった。
「それぐらいにしたら?あんまり怒ってばかりいると、禿げるわよ」
それから
>少女は周りより明らかに一回りほど若かったが、その発言は見事に筋肉隆々の男、モーディアスの動きを止めた。
とありますが、「周りより明らかに一回りほど若かった」ではなく「他の三人より明らかに一回りほど若かった」ではないでしょうか?
それから
>(高くついたが、彼らを雇って正解だったな)
とありますが、「高くついた」とは「得られた益の割に、支払わねばならなかった代償が大き過ぎる事」を意味する言葉です。
イシス辺境伯が「雇って正解」と思っているという事は、彼にとっては「益が、支払った代償に見合うだけのものである」という事を意味していますから、「高くついた」と表現するのはおかしいと思います。
「高くついたが」ではなく「金は掛かったが」とか「高額の契約料を支払わねばならないが」、「費用は嵩むが」等ではないでしょうか?
それから
>バラバラに行動しても構わないだろ
>頼もしそうに彼等を見るイシス辺境伯に、赤毛の男がまた不躾な言葉で聞く。
とありますが、「バラバラに行動しても構わないだろ」では単なる主張に過ぎず、「訊いた事」にはなりません。
あくまで「聞く」とされるのでしたら、「構わないだろ」ではなく「構わないのだろう?」ではないでしょうか?
逆に、あくまで「構わないだろ」とされるのでしたら、「不躾な言葉で聞く」ではなく「不躾な言葉を吐いた」ではないでしょうか?
それから
>だから、我々が独自に行動し、辺境伯達より先に巨大ドラゴンを見つけ、情報を集め可能なら倒す
とありますが、「集め可能」等という言葉はありませんから、「集め可能なら」ではなく「集め、可能なら」ではないでしょうか?
それから
>イシス辺境伯は、四同盟の目で巨大ドラゴン発見の報を待ち、それが入り次第出撃し、巨大ドラゴンの情報を集めようとしていたのだった。
とありますが、「出撃」とは「拠点から出て敵を撃つ事」、「敵を撃つために出て行く事」、「攻撃に出る事」です。
「情報を集める事」は「攻撃」ではありませんから、情報を集めるために向かう事を「出撃」とは言えないと思います。
ですから、「出撃」ではなく「出動」或いは「急行」等とされては如何でしょうか?
それから
>本に囲まれた薄暗い部屋の中で、メガネの男が迷惑そうな顔をしながらフューレを迎える。
とありますが、本は部屋の中にあるのであって、部屋を囲んでいる訳ではないのですから、「本に囲まれた薄暗い部屋」ではなく「幾つもの本棚が並ぶ薄暗い部屋」ではないでしょうか?
それから
>「たとえドアの外で、俺がお前の聖教徒学校時代の恥ずかしい話を大声でしたとしても、研究に夢中になっているお前は返事をしないだろ!
> 特に、お前のおかみさんが出張中の今だとな。
> それに緊急事態だ、お前の意見が欲しい!」
>フューレがラップの許可無しに、書庫内の一角にあるラップの自宅に入ったのは訳があった。
>ラップは昔から、研究に没頭すれば周りが見えなくなるという悪い癖がある上に、今のフューレは一刻も早くラップの意見が欲しかったからだ。
とありますが、「自宅」は「家」、即ち建物であり、普通は「書庫内」という屋内に建物を建てたりはしないと思います。
「自宅」ではなく「自室」とか「居住スペース」ではないでしょうか?
又、
>ラップは昔から、研究に没頭すれば周りが見えなくなるという悪い癖がある上に、今のフューレは一刻も早くラップの意見が欲しかったからだ。
という部分に記述されている内容は、その前の
>「たとえドアの外で、俺がお前の聖教徒学校時代の恥ずかしい話を大声でしたとしても、研究に夢中になっているお前は返事をしないだろ!
> 特に、お前のおかみさんが出張中の今だとな。
> それに緊急事態だ、お前の意見が欲しい!」
というフューレの台詞の中で説明済みの事柄であり、同じ内容を態々地の文において再度、記述し直しているのは冗長に過ぎて、鬱陶しく感じられました。
態々同じ内容を重複して記述しなくとも、例えば次の様にするだけで十分ではないでしょうか?
こんな時刻に、しかも自分に許可を求める事すらなく押し入ってきた友人に対し、ラップが非難の言葉を口にするが、フューレがそんな真似をしたのには訳があった。
「たとえドアの外で、俺がお前の聖教徒学校時代の恥ずかしい話を大声でしたとしても、研究に夢中になっているお前は返事をしないだろ!
特に、お前のおかみさんが出張中の今だとな。
それに緊急事態だ、お前の意見が欲しい!」
それから
>「遠からずも近からずだ」
とありますが、「遠からずも近からず」という表現は近年になってから使用されるようになった、正しいとはとても言いかねる言葉ですし、そのニュアンスも「まるっきり見当違いとまでは言えないけれど、違うよ」、「惜しいけれど違う」といった「違う」事に力点を置いたものですから、「魔王が攻めてきた”のではない”」という事を強調した言い方になりますので、ここで使う言葉としてはあまり適切ではないと思います。
もし、「魔王そのものではないが、緊急に対処しなければならない点や危険性という点において、魔王と似た様なものである」というニュアンスとされるのでしたら、「遠からずも近からずだ」ではなく「中らずと雖も遠からず」(あたらずといえどもとおからず)になります。
尚、「と雖も」の部分を簡略化して「中らずとも遠からず」とするのは本来的には間違いであるとされているようです。
【参考URL】
「中らずと雖も遠からず」 の意味とは - Yahoo!辞書
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%82%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%9A%E3%81%A8&enc=UTF-8&stype=0&dtype=0&dname=0ss
当たらずと雖も遠からず - 故事ことわざ辞典
http://kotowaza-allguide.com/a/atarazutookarazu.html
それから
>「ニマエル伝道教会といえば、フューレ曰く『なまくら坊主』の巣窟じゃなかったっけ?」
とありますが、「鈍ら(なまくら)」とは「刃物の切れ味が鈍い事」を表す言葉で、転じて「力が弱い事」、「意気地がない事」、「腕前が未熟である事」を表す言葉としても使われますから、「戦士」や「兵士」、「騎士」等でしたら、「なまくら」という形容を付ける事も出来ると思いますが、本来は戦闘職ではない「坊主」が「力が弱い」、「意気地がない」、「(戦闘方面での)腕前が未熟」であったとしても特に問題があるとは言えませんから、「なまくら坊主」と表現するのはおかしいと思います。
RPGゲーム等では戦闘に参加する僧侶等が登場するものもありますが、その様な「戦いに関連していない人々の営みが存在しない世界」であれば兎も角、例えフィクション世界ではあっても、「心が備わっている一般人」が大勢暮らしている世界においては、教えを説いて人々を導く事が「坊主」の本来の役割であるとしているものが大半ではないかと思います。
それに、例え僧侶等が戦闘に参加するRPGゲーム等においても、その僧侶等の役割はダメージを受けた仲間の回復が主であるものが大半です。
「坊主」としての実力がどれほど高くても、回復役だけでは攻撃手段がないため、何人居たとしてもドラゴンを撃退する事など出来ませんから、「ニマエル伝道教会」に所属している「坊主」の信仰心や実力の有無は、「ドラゴンを撃退する事が可能か否か」には何ら関係しない事になります。(実際、ファイ一郎を攻撃したのは「坊主」ではなく「兵士のような人達」ですし)
従いまして、「巨大ドラゴンの襲撃を受け、それを撃退した」という知らせに対して「ラップ」が怪訝そうな顔をした理由に、「ニマエル伝道教会」が「『なまくら坊主』の巣窟」である事を挙げるのはおかしいと思います。
因みに、「俗物根性に塗れた駄目な坊主」を表す言葉に「生臭(なまぐさ)坊主」という言葉も御座いますが、前述の様に「有能な僧侶」であってもドラゴンを撃退する事など出来ませんから、「なまくら坊主」という箇所を「生臭坊主」に変えた処で、「ラップ」が怪訝そうな顔をした理由にはならない事に変わりはないと思います。
それから
>この緊急連絡は正規のルート、しかも『紫札』を身に着けた教典連絡士が自ら運んできた情報だ、少なくとも嘘偽りはない。
とありますが、「フューレがその情報の発信源」という訳でも、「情報が正確である事を、裏を取って確認済み」という訳でもないのですから、「少なくとも嘘偽りはない」というのは、「情報源が信頼出来るものである」という状況証拠から導き出した単なる推測に過ぎませんので、「少なくとも嘘偽りはない」ではなく「少なくとも嘘偽りなどである筈はない」或いは「少なくとも嘘偽りであるとは思えない」ではないでしょうか?
そろそろ、感想欄に入力可能な文字数の限界を超えそうですので、残りは又後に投稿する事に致します。
前回入力し切れなかった、誤字、脱字、言葉の用法上の間違い、矛盾点、等を主とする、気付いた点に関する報告の続きです。
「第十一話 オガサワラシティ」において、必ずしも間違いという訳では御座いませんが、
>実際に今気が付いたのだが、正に今気が付いたといった表情で、マイマイが大声を出す。
とありますが、「今気が付いたのだが」と「今気が付いたといった表情で」という、似た様な記述内容が重ねて書かれているために、冗長で野暮ったい印象を与える文章となっている様に思えます。
個人的には、例えば次の様な表現で良い様な気が致します。
今まで失念していた当たり前の事に、ようやく気が付いたマイマイは、思わず大声を出した。
「第十一話 オガサワラシティ」において、
>といっても、目の前の兵士は、この質問すら理解できない可能性があるけど
とありますが、「可能性」とは「好ましい事柄が起きる確率」に対して使う言葉であり、
>目の前の兵士は、この質問すら理解できない
という様な、「好ましくない事柄が起きる確率」に対して用いるのは、必ずしも間違いとまでは言えないものの、あまり一般的な使い方ではありません。
ですから、この場合は「理解できない可能性」ではなく「理解できないというおそれ」とされた方が宜しいかと思います。
それから
>壮年の兵士が、二人組みの女の子の体中をボディチェックしようとしていた兵士に対し、悲鳴を上げるような声で命令する。
とありますが、「ボディチェック」という言葉自体が「体中を調べる」という意味合いがあるのですから、「体中をボディチェック」としたのでは「体中を体中調べる」というおかしな表現になってしまうと思います。
ですから、「体中をボディチェックしようとしていた」ではなく「体中をチェックしようとしていた」ではないでしょうか?
後、「悲鳴を上げるような声」ではなく「悲鳴のような声」ではないでしょうか?
それから
>さあ皆、ついに最初の町に着いたよ!!
>町に入ったマイマイは、早速宿を探そうとする。
とありますが、オガサワラシティは町ではなく都市なのですから、「町」ではなく「街」ではないでしょうか?
それから
>銀子がもう一人の時代がかった言葉使いの女の子、マリーナの頭をぐいぐいと押さえつけ、強引に頭を下げさせる。
とありますが、「銀子がもう一人の時代がかった言葉使いの女の子」としたのでは、「時代がかった言葉使いの女の子がもう一人居る」という事、即ち「銀子は時代がかった言葉使いの女の子であり、その銀子以外にも時代がかった言葉使いの女の子がもう一人居る」という事になってしまいます。
ですから、「もう一人の時代がかった言葉使いの女の子」ではなく「連れである時代がかった言葉使いの女の子」等とされては如何でしょうか?
それから
>何故感謝されたし。
とありますが、これは「何故か感謝されたし。」の間違いではないでしょうか?
それから
>「あまり謙遜が過ぎますと失礼ですよ。
> ここは素直に礼を受け入れて、宿を探しにいきましょう」
>どういう理由なのか分からないが、何故かカグヤもマイマイが二人を助けたと思っているようだった。
>「別に謙遜じゃないって」
>「つまり『恥ずかしい』ということでござるな!」
>(えー、スケサンまで…
> 何なんだこれは…
> まさか、先程の件は良く分からないうちに解決したけど、実は私自身が気が付かないうちに、私が二人を助けていたとか!?
> いや、そんなこと無いだろ、常識的に考えて)
>そしてそれは、スケサンも同じ様だった。
とありますが、地の文の「そしてそれは、スケサンも同じ様だった。」という文章が「いや、そんなこと無いだろ、常識的に考えて」というマイマイの心の中の台詞の後という、文脈を無視した位置に置かれているために、「何がスケサンも同じであるのか」という事が不明な状態となってしまっていて、「そしてそれは、スケサンも同じ様だった。」という文が一体何の事を話しているのか意味不明なものとなってしまっています。
ですから、記述する順番を変えて、次の様にされた方が宜しいかと思います。
「あまり謙遜が過ぎますと失礼ですよ。
ここは素直に礼を受け入れて、宿を探しにいきましょう」
「別に謙遜じゃないって」
どういう理由なのか分からないが、何故かカグヤもマイマイが二人を助けたと思っているようだった。
そしてそれは、スケサンも同じ様だった。
「つまり『恥ずかしい』ということでござるな!」
(えー、スケサンまで…
何なんだこれは…
まさか、先程の件は良く分からないうちに解決したけど、実は私自身が気付かないうちに、私が二人を助けていたとか!?
いや、そんなこと無いだろ、常識的に考えて)
それから
>「そ、そうなのか残念じゃの」
とありますが、「そうなのか」と「残念じゃの」は各々別個の内容を表している文なのですから、一繋がりの文章にされているのはおかしいと思います。
「そ、そうなのか残念じゃの」ではなく「そ、そうなのか。残念じゃの」ではないでしょうか?
更に、「年寄りのような変な喋り方」という事であれば、「そ、そうじゃったか。それは残念じゃのう」になるかと思います。
それから
>「どこの大貴族かわかった?」
とありますが、年よりの様な話し方という事であれば「どこの大貴族か分かったかのう?」、時代がかった話し方という事であれば「どこの大貴族か分かったのかや?」になるかと思います。
それから
>銀子のスタイルが変態兵士の目に留まってしまったのだろう、町に入ろうとしたマリーナ達は、変態兵士に手配書に似ているという言い掛かりをつけられ、ボディーチェックという名目の『いやらしい行為』をされそうになっていた。
>『お前達は全身を調べるという『いやらしい行為』を、怪しいから調べるという、正当な行為だと主張しているが、それが正当な行為だというのなら、具体的にどのような理由で、そしてどういった目的で全身のボディーチェックになったのか、ちゃんと説明してもらおうか!!』
>『答えられないなら別にいいよ、お前の上司に聞くから。こんなことをしているって貴族である私が上司に伝えたら、お前達にとって不味い状況になるのは理解できるよな?』
>そこに颯爽と現れたマイマイは、ニュアンスを入れて要約すると、上記のような内容で兵士達を脅すと同時に追及し、マリーナを助けてくれた。
とありますが、「『いやらしい行為』をされそうになっていた」と「そこに颯爽と現れたマイマイは」の間があまりにも開き過ぎており、これでは「そこに颯爽と現れたマイマイは」とは「『答えられないなら別にいいよ、お前の上司に聞くから。こんなことをしているって貴族である私が上司に伝えたら、お前達にとって不味い状況になるのは理解できるよな?』というところに颯爽と現れたマイマイは」という意味になってしまいます。
又、「ニュアンス」とは「言葉などの微妙な意味合い」や「言外に表された話し手の意図」の事ですが、その台詞の「話し手」であるマイマイは、その様な意図を込めていた訳ではありませんし、地の文がマリーナ視点ではなく、第三者視点で記述されている以上は、「ニュアンスを入れて要約すると、上記のような内容で」等と断言した記述の仕方をしているのでは、「上記のような内容」が「マリーナの誤解」等ではなく事実である事になってしまいますので、「マイマイが言葉に込めたニュアンス」と「実際にマイマイが話した内容」が異なっているという矛盾が生じてしまいます。
ですから、例えば次の様にされては如何でしょうか?
銀子のスタイルが変態兵士の目に留まってしまったのだろう、町に入ろうとしたマリーナ達は、変態兵士に手配書に似ているという言い掛かりをつけられ、ボディーチェックという名目の『いやらしい行為』をされそうになっていた。
そこに颯爽と現れたのがマイマイという少女だった。
『お前達は全身を調べるという『いやらしい行為』を、怪しいから調べるという、正当な行為だと主張しているが、それが正当な行為だというのなら、具体的にどのような理由で、そしてどういった目的で全身のボディーチェックになったのか、ちゃんと説明してもらおうか!!』
『答えられないなら別にいいよ、お前の上司に聞くから。こんなことをしているって貴族である私が上司に伝えたら、お前達にとって不味い状況になるのは理解できるよな?』
マイマイは、マリーナの主観も入れて要約すると、上記のような内容で兵士達を脅すと同時に追及し、マリーナ達を助けてくれた。
それから
>明らかな言い訳だったが、以外にも銀子が同意した。
とありますが、「以外にも」ではなく「意外にも」ではないでしょうか?
それから
>恩人でもあるし、何となく他人じゃないような気もして気に入ったのじゃ!
とありますが、「じゃない」とは(やや古い世代のものではありますが)若者言葉の一種で、「ではない」の崩れた言い方(或いはもしかしますと、江戸前のべらんめえ調の「じゃねぇ」が変化したものかも知れません)ですから、「年より」はその様な言い方はしないと思います。
「他人じゃないような気もして」ではなく「他人じゃとは思えぬ気もして」ではないでしょうか?
それから
>「じゃあ、何じゃと言うんじゃ?」
とありますが、「じゃあ」とは若者言葉の一種で「では」の崩れた言い方ですから、「年より」はその様な言い方はしないと思いますし、「言うんじゃ?」の「ん」は、「~するのだ?」が崩れて「~するんだ?」という言い方となったものですから、時代がかった話し方をするのであれば、その様な言い方は使えないと思います。
ですから、年よりの様な話し方という事であれば「では、何じゃと言うのじゃ?」或いは「それでは、何じゃと言うのじゃ?」ではないでしょうか?
同じ理由から
>「…銀子がそこまで言う程の護衛をつけているとは、あの子、やはり只者じゃなさそうじゃの」
という箇所の「只者じゃなさそうじゃの」も、「只者ではないようじゃの」ではないかと思います。
それから
>「大お祖母様、あの者達とどうか不幸な再開を果たすことにならないよう、見守っていてください」
>マイマイの正体を色々と想像したマリーナは、彼女達と不幸な再会を果たすことにないように、国にいる『大お祖母様』に祈ったのだった。
とありますが、「国にいる『大お祖母様』」と記述されているという事は、マリーナの「大お祖母様」は未だ存命という事なのでしょうか?
もしも、「大お祖母様」が生きているとしますと、その事はマリーナが「大お祖母様」に祈っている事とは矛盾していると思います。
何故なら、死者の霊に向かって祈るという事はあっても、生者に対して祈願を奉げる事など考え難いからです。
祈願する相手が死者の霊という超常の存在であれば、常に自分達を見守っている(かも知れない)存在という事ですから、祈った内容が相手に届くという事も無いとは言えません。
一方、その場には居ない生者に対して祈願を奉げた処で、超常の存在ではない只の人間には、その祈りの内容など判る筈もありませんから、祈願する意味がありません。
ですから、もしも、「マリーナの『大お祖母様』は未だ存命である」という設定にされるのでしたら、マリーナが祈願を奉げる相手を「大お祖母様」以外の存在に変更されるか、或いは、マリーナが祈願を奉げている場面そのものを削除されるしかないと思います。
又、「大お祖母様」ではなく、「祖母」の事を尊敬した呼び方で呼ぶ場合は「お祖母様」とか「祖母上」、「祖母上様」、又「祖父母の母親」の事であれば、「曾祖母様」ではないでしょうか?
又、「あの者達とどうか不幸な再開を果たすことにならないよう」や「彼女達と不幸な再会を果たすことにないよう」では「あの者達との再会は必ず不幸なものになるので、再会する事にならないように」という意味合いになってしまいます。
又、力を貸したり、運命を操作したり、人を導いたりする事も無く、只「見守るだけ」では、「ならないよう」に結果に影響を与える事は出来ないと思います。
それに、ここでもまた、マリーナの台詞が「年よりの様な言葉使い」ではなくなっています。
ですから、「あの者達とどうか不幸な再開を果たすことにならないよう、見守っていてください」ではなく「もし、あの者達と再開を果たすことあらば、それが不幸を呼ぶものとはならぬよう、お導き下され」ではないでしょうか?
又、地の文に記述されているマリーナが「彼女達と不幸な再会を果たすことにないように、国にいる『大お祖母様』に祈った」という部分の内容は、その直前にあるマリーナの台詞の中において、既に記述されている内容と同じものなのですから、態々もう一度記述する事に意味は無く、冗長に過ぎると思います。
「マイマイの正体を色々と想像したマリーナは、国にいる『お祖母様』に祈るのであった。」だけでは駄目なのでしょうか?
「第十二話 動き出した人々」において
>美しい光景だったが、手を突き上げたシェイリィは、星の瞬きを見て、ムカムカとした気持ちが更に大きくなった。
とありますが、「ムカムカとした」というのでしたら「気持」ではなく「気分」だと思います。
又、「気持が大きくなった」という表現はあまり一般的ではないと思います。
ですから、「ムカムカとした気持ちが更に大きくなった」ではなく「ムカムカとした気分が更に激しくなった」或いは「よけいにムカついた」、「怒りを更に激しく燃え上がらせた」ではないでしょうか?
それから
>シェイリィお気に入りのワラのベッドはバラバラになり、村を出る際に母親から貰ったタンスはひっくり返り、その中身の下着等を床にぶちまけていた。
とありますが、「わら」という言葉に関しては「第九話 イシス辺境伯爵領事変」において
>用意できたのは、元々藁を保管する小屋の一つだったが、古くなった今では使われなくなっていた小屋だった。
>その横には、花が植えられた鉢植えと、綺麗に織り込まれた藁で作られたベッド。
という具合に、「藁」と漢字表記されているのですから、上記の「お気に入りのワラのベッド」という箇所に関しても、表記を統一して「お気に入りの藁のベッド」とされた方が宜しいのではないかと思います。
又、「タンス」自身が意思を持って中身をぶちまけたという訳ではないのですから、「その中身の下着等を床にぶちまけていた」ではなく「その中身の下着等も床にぶちまけられていた」ではないでしょうか?
どうでも良い話ですが、その下着はシェイリィが人間形態になった際に身に着けているものと思われますが、小屋の外ではシェイリィはワイバーン形態になっていなくてはなりませんから、汚れた際には、やはりハルスが洗濯をしているのでしょうか?(小屋の中には水場は無いと思います)
それとも、警戒任務で外に出る際に、ハルスの持つ荷物の中に汚れた下着も詰め込んで出発し、人目につかない場所で洗っているのでしょうか?
そして洗濯し終わった後は、一体どこで干しているのでしょうか?
もし、ハルスが女の子らしい下着を洗濯して、シェイリィの小屋の近くに干しているのだとしますと、コビーが心配するのも無理からぬ話だと思います。
それから
>大声を出したからだろう、玄関の扉の向こうから、ハルスがシェイリィを注意する。
とありますが、前半の「大声を出したからだろう」という部分の主語が省略されているために、地の文のこの部分は「シェイリィ視点」で記述されている形になってしまっていますが、他の地の文は「第三者視点」で記述されているのですから、上記の部分も「第三者視点」で記述されている形に統一されるべきではないかと思います。
又、「玄関の扉の向こうから」とある以上、この文章における視点は「シェイリィの竜小屋」の中にある事になり、上記の文章は、「注意する」という「『玄関の扉の向こうから』行われた行為」を、「シェイリィの竜小屋の中に居る人物」が「受け取っている」事を記述している文章という事になりますので、「『玄関の扉の向こうから』行われた行為」である筈の「注意する」という行為が、「注意する」という能動態で記述されているのはおかしいと思います。
ですから、例えば次の様にされては如何でしょうか?
シェイリィが大声を出したからだろう、玄関の扉の向こうから、シェイリィを注意するハルスの声が聞こえてきた。
或いは
シェイリィが大声を出したからだろう、玄関の扉の向こうから、シェイリィに注意を促すハルスの声が聞こえてきた。
それから
>そして、ハルスに聞こえるような大きな声で、嘘泣きを始めた。
>「傷心のシェイリィお姉さんに慰めの言葉一つ無いない上に、罵声を浴びせてくるなんて、酷いハルス…」
とありますが、「大きな声」とは「傷心のシェイリィお姉さんに(以下略)」と叫んだ事を指しているものと思われ、「傷心のシェイリィお姉さんに(以下略)」は嘆きの声であって、「『嘘泣き』の声」ではない(泣き声なら「うぁああん」とか「びぇええん」といったものになる筈です)のですから、「ハルスに聞こえるような大きな声で、嘘泣きを始めた」ではなく「ハルスに聞こえるように嘘泣きを始めながら、大きな声で嘆いてみせた」ではないでしょうか?
それから
>それを確認したシェイリィは『本来屋根があった場所に首を通すと』そのままハルスの目の前に自分の顔を持って行った。
とありますが、その様な事が出来るほど「ワイバーンの姿になったシェイリィ」の身体の大きさに比べて、「小屋の本来屋根があった場所」の高さが低いものであるのなら、その小屋は「ワイバーンとしてのシェイリィ」にとって小さ過ぎるという事になりますので、ハルスがシェイリィに専用の小屋を用意してあげて欲しいと懇願した際に、その小屋をシェイリィ専用の小屋として、コビーが提供するのはおかしいと思います。
「あんな小屋では小さ過ぎてシェイリィの身体が入らないだろうな」と思い、シェイリィの小屋として使おうなどとは考えないのが普通ではないでしょうか?
ですから、その小屋をシェイリィ専用の小屋として使用しているという設定となっている以上、シェイリィが『本来屋根があった場所に首を通すと』等という事が出来るのはおかしいと思います。
第一、その小屋は元々藁を保管する小屋の一つだったのですから、人間用とワイバーン用の2種類の出入り口が用意されている筈はないため、シェイリィはワイバーンの姿のままで、毎回玄関を出入りしている筈なのですから、『本来屋根があった場所に首を通すと』等という体格的に無理な事をせずに、普通に玄関を通って顔を出せば済む話ではないかと思います。
もし、シェイリィが「ワイバーンの姿になった」という事を匂わせたいのでしたら、「本来屋根があった場所に首を通すと」ではなく「鼻先で玄関の扉を押し開けると」等とされては如何でしょうか?
どうでも良い話ですが、
>色々と言い訳を言うハルスを無視し、シェイリィは目を閉じ、唇を突き出す。
とありますが、ワイバーンには唇はあるのでしょうか?
例え、あるとしましても、肉食獣の様に長い口吻に沿って裂けた口では、「唇を突き出す」のは難しい様な気がします。
尤も、オリジナル作品なのですから、作中におけるワイバーンの口の設定を「肉食獣の口とは異なり、裂けてなどおらず、人間でいう”おちょぼ口”の様になっていて、人間と同様に”ふくよかな紅い唇”がある」とされても構わない様な気もします。
それから
>ついに、ハルスが悪戯されていることに気がついてしまったのだった。
とありますが、この場合は「悪戯されている」というよりも「からかわれている」と言った方が適切ではないでしょうか?
それに「ハルスが悪戯されている」では、シェイリィがハルスに対して「あんなこと」や「こんなこと」といった「いけないこと」をしているかのような印象になってしまいます。
それから
>実はシェイリィは、元気の無いハルスの気を紛らわそうと、悪戯を仕掛けていたのだった
とありますが、文末に「。」(句点)を付けるのを忘れられています。
それと、「シェイリィがハルスの気を紛らわそうとして、悪戯を仕掛けていた」事は、
>そして、ハルスに聞こえるような大きな声で、嘘泣きを始めた。
という箇所の「嘘泣き」という記述や、
>その声に、少しニンマリとしたシェイリィは、悪戯を次の段階に進めた。
>ついに、ハルスが悪戯されていることに気がついてしまったのだった。
という箇所の「悪戯」という記述、
>少し悪戯が過ぎたようだったが、シェイリィの企みは少しは成功したようだった。
という箇所の「企み」という記述等によって、読者にも十分判る事なのですから、
>実はシェイリィは、元気の無いハルスの気を紛らわそうと、悪戯を仕掛けていたのだった
という一文を態々入れる必要は無いのではないかという気がします。
それから
>その表情を見たシェイリィは言い表せないような嫌な予感がした。
とありますが、「言い表せないような嫌な予感」ですと「言い表す事が出来ない訳ではないが、なんとなく言い表す事が出来ない気になってしまう嫌な予感」というニュアンスになってしまいます。
「言い表せないような嫌な予感」ではなく「何とも言い表しようもない嫌な予感」或いは「言いようもない嫌な予感」ではないでしょうか?
それから
>四同盟の目は、その中枢たる砦を囲むように城壁が張り巡らされていた。
とありますが、「第九話 イシス辺境伯爵領事変」において
>『四同盟の目』と呼ばれる砦の一角。
とある以上は、「四同盟の目」とは「砦」そのものの事であるという事になりますから、「『四同盟の目』の中枢」とは即ち「砦の中枢」という事になりますので、「四同盟の目は、その中枢たる砦」という表現は、「砦は、その中枢たる砦」という意味となる、おかしな表現だと思います。
第一、「砦」と呼ばれるものは「城壁」といった諸々の防御設備を備えているものであり、「張り巡らされている『城壁』」もまた「砦」の一部に過ぎませんから、「砦を囲むように張り巡らせる」とは「『城壁』の更に外側を囲むように張り巡らせる」事を意味していますので、「砦を囲むように城壁が張り巡らされていた」では「『城壁』は、その『城壁』自体の外側を囲むように張り巡らされていた」という事を意味する、矛盾した文章になっていると思います。
ですから、
>四同盟の目は、その中枢たる砦を囲むように城壁が張り巡らされていた。
ではなく、
『四同盟の目』と呼ばれる砦には、その中枢部分を囲むように城壁が張り巡らされていた。
ではないでしょうか?
それから
>そしてハルスは、四同盟の目を初めて訪れ、城壁を見た時の驚きを今も鮮明に覚えていた。
とありますが、「そしてハルスは、四同盟の目を初めて訪れ、」の所で区切ったのでは、「ハルスが四同盟の目を訪れたのは、この召集命令に応じた時が初めてである」という事になってしまいます。
ですから例えば次の様にされては如何でしょうか?
そしてハルスは今でも、四同盟の目の城壁を初めて見た時に感じた驚きを、鮮明に覚えていた。
それから
>その被害の酷さは、死者ゼロ、軽症者20人との話を聞いたとき、自分の耳がおかしくなったのではないか思ったほどだった。
とありますが、「ハンスが『自分の耳がおかしくなったのではないか思った』事」が「砦が受けた多くの被害の中の一つ」という訳ではありませから、「その被害の酷さは、(中略)自分の耳がおかしくなったのではないか思ったほどだった」というのは少し違うのではないかと思います。
>その被害の酷さは、死者ゼロ、軽症者20人との話を聞いたとき、自分の耳がおかしくなったのではないか思ったほどだった。
ではなく、
砦の建物が受けた被害があまりにも酷かったため、死者ゼロ、軽症者20人との話を聞いた時、自分の耳がおかしくなったのではないか思ったほどだった。
ではないでしょうか?
それから
>ハルスには与り知らないことだったが、
とありますが、「与り知らない」とは「関与していないため知り様もない」という意味ですから、「ハルスには与り知らないこと」としたでは「ハルス”には”関与していないため知り様もない」(「ハルス”は” 関与していない」ではない点に注意)という事になり、文脈が成り立っていないと思います。
ですから、「ハルスには与り知らないこと」ではなく、「ハルスには」から始めるのでしたら「ハルスには知り得ぬこと」とすべきではないかと思われますし、「与り知らないこと」という言い回しを使うのでしたら「ハルスは与り知らないこと」とすべきではないかと思います。
それから
>ファイ一郎の攻撃で吹き飛んだ塔は、元々中に人が入れない構造のため無人であり、城壁についてもファイ一郎の攻撃に反応して展開した障壁によって、兵士達ですら壁に近づけなくなっていたため無人だったのである。
とありますが、塔や城壁には「塔の内部」以外にも人の居場所はある筈で、そこに(障壁が展開される前から)居た人は、どうして助かったのでしょうか?
一般的な城や砦では、塔は見張り台と使用されますから、周囲を警戒するための見張り要員が配されますし、城壁の上部は、敵が攻めて来た際に応戦するための兵が待機する場所として使われますし、西洋式の城壁であれば、分厚い城壁の内部の空間は、武器や食料等の倉庫や、通路としても使われます。
そして、「四同盟の目」においても、塔か城壁の上に見張りを置いておかなければ(城壁が視界を遮るため)敵の接近等に気付く事が出来ませんし、城壁の上に兵を配置する事は、城壁の周囲にいる敵や壁を登って来る敵に対抗するためという、昔の現実世界の場合と同じ目的以外にも、グリフォンやワイバーン等に騎乗した航空戦力が存在している世界なのですから、(防御結界の存在が知られていない状況では)敵の航空戦力に対抗するという目的のためにも必要不可欠の筈ですので、例え塔の内部には人が入れなかったとしましても、塔や城壁の屋上や、城壁の内部には、障壁が展開される前から人が居たのではないかと思われます。
実際、「第九話 イシス辺境伯爵領事変」において
>砦の最も高い所に、新たな光が現れる。
>そこには、金色の鎧を着た、いかにも偉そうなおじいさんと、パーティだと思われる四人組の男女がいた。
とありますから、塔の屋上部の内の、防御結界よりも外側になっている場所に人がいたのは確かです。
防御結界は人も攻撃も通しませんから、
>だが、男から解き放たれた矢は、マイマイを狙うのではなくその更に上、ファイ一郎の顔へと真っ直ぐと突っ込んで行き、着弾した瞬間、爆発した。
とある以上、「砦の最も高い所」とは防御結界用のクリスタルが設置されている塔の屋上部の事であり、5人が居たのは、その屋上部の中でも結界の外側にはみ出している部分であるとしか考えられません。
防御結界用のクリスタルは、4基の塔の各屋上部中央に設置されているとしますと、クリスタル同士を結んだ4角形の領域は、各塔の一部(各塔の4分の1)ずつしか覆う事が出来ませんから、塔の残りの部分(各塔の4分の3)は必ず結界の外にはみ出ている事になりますので、ファイ一郎に攻撃を加えた5人は、その結界からはみ出ている部分の屋上部に、偶然居合わせたという事なのだと思われます。
先述の様に、砦の城壁や塔の屋上には兵を配しておかねばなりませんから、城壁や塔には、その5人の他にも人がいた可能性は高いと思われますが、彼らは塔と城壁が崩壊した際に、どうして助かる事が出来たのでしょうか?
塔や城壁の屋上があった高さから落下して「死者ゼロ」で済むとは思えません。
それから
>(地母神様に比べて、僕は…)
とありますが、自分が信仰している神と、自分自身を比較するという事は、「自分は『絶対者である神と比較する事すら出来ない様な矮小な存在』などではない」或いは「神は『人間など足元にも及ばないほど高位の存在』などではない」という事を意味しており、神の絶対性を否定する不遜極まりない行為という事になりますから、地母神教の信者であると思われるハルスが、自分自身を地母神と比べているのは、かなり不自然な事に思えます。(一見、自分を卑下している様に見えても、比較する相手があまりにも偉大過ぎる存在であるため、逆に自分を分不相応に偉大な存在と見做して、比較相手を貶めてしまっている事になります)
尚、もしハルスが敬虔な地母神教の信者ではないとしましても、不自然である事に変わりはないと思います。
例えば、現実世界において、「イエス様と比べて、自分は…」とか「お釈迦様と比べて、自分は…」等と考える人間がいるでしょうか?
もしも、そんな人間がいたなら、「お前は一体何様だ?」と周りの人間が突っ込みまくると思います。
ですから、この箇所は、「神と自分を比較しない形」でハルスが嘆いている内容と差し換えられるか、或いは削除された方が宜しいのではないかと思います。
それから
>地母神に感謝の祈りを捧げると、敵を撃退するどころか、戦いに間に合いすらしなかったという自分の失態を、まるで棚に上げてしまったように思えたからだ。
とありますが、実際にはハルスは地母神に感謝の祈りを捧げはしなかったのですから、祈りを奉げた結果である「自分の失態を、まるで棚に上げてしまった」という事を、「~してしまった」と過去形で記述しているのはおかしいと思います。
ですから、「まるで棚に上げてしまったように思えたからだ」ではなく「まるで棚に上げてしまうように思えたからだ」ではないでしょうか?
それから
>背後にいたのは、ハルスが四同盟の目で最も仲が悪い男と、その取り巻き達だった。
とありますが、「ハルスが四同盟の目で最も仲が悪い男」ではなく「四同盟の目においてハルスと最も仲が悪い男」或いは「四同盟の目に駐留する貴族達の中で、ハルスと最も仲が悪い男」ではないでしょうか?
それから
>大きな差がある二人だったが、それだけなら、ここまで仲は悪くはならないはずだった。
とありますが、「~は」が2回連続しているのは、あまり宜しいとは言えないと思います。
「ここまで仲は悪くはならない」ではなく「ここまで仲は悪くならなかった」か「ここまで仲が悪くはならなかった」の、どちらかにされた方が宜しいのではないかと思います。
それから
>「エントラケス子爵の活躍を知らないとは…
> 巨大ドラゴンに立ち向かい、その気迫に恐れをなした巨大ドラゴンは、エントラケス子爵を跨いで歩いたのだという!!
> 流石は未来のディオイラート公爵!」
とありますが、「巨大ドラゴンに立ち向かい、」という箇所の主語が省略されているために、「巨大ドラゴンに立ち向かい、」という行為もまた、文の後半部分の主語である「巨大ドラゴン」が行った行為であるという、訳の解らない事に、文の形式上はなってしまっています。
又、取り巻きが、自分達が取り入っている人物の偉業の事を話す際に、「その偉業が行われた事は事実である」と断言する事無く、「だという」等というあやふやな言い方をするのは少し不自然な様に思います。
又、取り巻きが、自分達が取り入っている人物の事を話す際に、敬語を使っていないというのも妙な気がします。
取り巻きの台詞という事でしたら、
「エントラケス子爵のご活躍を知らないとは…
エントラケス子爵が勇敢にも巨大ドラゴンに立ち向かわれた際に、そのご気迫に恐れをなした巨大ドラゴンは、子爵を跨いで歩いたのだ!!
流石は未来のディオイラート公爵であらせられる!」
という様なものになるのではないでしょうか?
それから
>「となると、巨大ドラゴンが恐れをなして逃げたのは、子爵を恐れたということなのですか!!」
とありますが、「巨大ドラゴン」が「恐れをなして逃げた」のかどうかは、この時点では定かではなかったのですから、「巨大ドラゴンが恐れをなして逃げたのは」と言っているのはおかしいと思います。
「そうすると、城壁を破壊していながら、巨大ドラゴンが砦の中には手を出さずに去ったのは、子爵に恐れをなして逃げたということなのですか!!」
或いは
「そうすると、滑走路に現れた巨大ドラゴンが、その場で暴れているのを途中でやめたのは、子爵に恐れをなして逃げたということなのですか!!」
ではないでしょうか?
それから
>アインツヘン準男爵は、仕事への熱意が無く、剣の腕も大したこと無いが、代々受け継がれている家宝の武具と、恐ろしく優秀なグリフォンのおかげでそれなりに戦えるという典型的な駄目貴族だった。
と、アインツヘン準男爵を扱き下ろす描写がありますが、例え本人の能力によるものではなくとも、それなりに戦えるという事は、一応は役に立たないという訳でもないのですから、駄目貴族とは言えないのではないでしょうか?(駄目貴族とは、己の地位を笠に着て、国の利益や領民の安寧よりも、己の利益や欲望を優先するような貴族の事ではないでしょうか?)
それに、それを言うならハルスとて、熱意だけはあっても財力も権力も無く、剣の腕前もエントラケス子爵よりはましと言うだけで、実戦で役に立つほどのものであるのかは不明(というか、巨大ドラゴンに遭遇した際にはおびえて助けを求める始末)、代々受け継がれている家宝の『破魔の剣』が自慢の種で、人間と同等の知力を持つワイバーンのおかげで、ようやく「四同盟の目」に駐留する事が出来るようになったのですから、似た様なものではないでしょうか?
それから
>依然として納得した顔をしないハルスに対し、アインツヘン準男爵は何とも締まらない自分の例を出しつつ話を続ける。
とありますが、「納得した顔をしない」ではなく「納得できないという顔の」或いは「納得していない顔の」ではないでしょうか?
それから
>成功する可能性は低い上に、命を掛け金にしなくてはならないからである。
とありますが、「掛け金」(かけがね: 戸や箱などに取り付け、もう一方の金具に掛けて開かないようにする金具)ではなく「賭け金」ではないでしょうか?
それから
>誰も手を上げない。
>だが、誰も手を上げないという訳にはいかない。
>誰か手を上げてくれ。
とありますが、イシス辺境伯は
>「我こそはと思うものは、剣を掲げよ!!」
と言ったのですから、上記の3箇所は「手を上げ」ではなく「剣を掲げ」か「志願し」ではないでしょうか?
それから
>一方のイシス辺境伯はエントラケス子爵の嘘を嘘だと見抜いているのだろう。
>狼狽するエントラケス子爵を、意地の悪そうな顔で見つめ続けた。
とありますが、「エントラケス子爵の嘘を嘘だと見抜いている」ではなく「エントラケス子爵の話を嘘だと見抜いている」ではないでしょうか?
又、後の方の文に関しては、地の文が第三者視点で記述されているにも関わらず、主語が省略されているために、解り難い文章となっていますので、文頭に「イシス辺境伯は」か「彼は」という主語を付けられた方が宜しいかと思います。
又、前の方の文が「~いるのだろう。」で終わっているのですから、後の方の文の末尾を、「見つめ続けた」とされるよりも「見つめ続けていた」とされた方が、読みやすい文章になるかと思います。
それから
>本来なら、貴族や豪商を持て成す場所のそこには、応接室には似つかわしくない風貌の四人組がいた。
とありますが、単に「応接室」としたのでは「イシス辺境伯の私邸にある応接室」の事のみを指している事にはならず、「平民の家の応接室」や「会社の応接室」等をも含む、「応接室一般」の事を指してしまいますから、「応接室には似つかわしくない風貌」では意味不明な表現になってしまいます。(例えば、単に「仏間には相応しくない風貌」等と書かれていただけでは、何の事か解らないのと同じ事です)
ですから、「応接室には似つかわしくない風貌」ではなく「この部屋には似つかわしくない風貌」とされては如何でしょうか?
それから
>「だがな!依頼を受けた俺達としても「それぐらいにしたら?あんまり怒ってばかりいると、禿げるわよ」
>ボコンという鈍い音が部屋に響く。
>イシス辺境伯に詰め寄っていた男の頭を、女性がロッドで殴ったのだ。
>その女性は、魔法使い風のローブを着ていながらも、女性らしいスタイルが分かる美人だった。
となっていますが、魔法使い風のローブを着た女性の台詞を閉じる鉤括弧だけが付けられていて、筋肉隆々の男の台詞を閉じる鉤括弧がありません。
これでは、「それぐらいにしたら?あんまり怒ってばかりいると、禿げるわよ」の台詞よりも後に書かれている、全ての地の文が、筋肉隆々の男の台詞であるという扱いになってしまいます。
ですから、例えば次の様にされては如何でしょうか?
「だがな!依頼を受けた俺達としても・・・」
筋肉隆々の男が更にイシス辺境伯へと詰め寄ろうとした時、ボコンという鈍い音が部屋に響いた。
彼の頭を、女性がロッドで殴ったのだ。
その女性は、魔法使い風のローブを着ていながらも、女性らしいスタイルが分かる美人だった。
「それぐらいにしたら?あんまり怒ってばかりいると、禿げるわよ」
それから
>少女は周りより明らかに一回りほど若かったが、その発言は見事に筋肉隆々の男、モーディアスの動きを止めた。
とありますが、「周りより明らかに一回りほど若かった」ではなく「他の三人より明らかに一回りほど若かった」ではないでしょうか?
それから
>(高くついたが、彼らを雇って正解だったな)
とありますが、「高くついた」とは「得られた益の割に、支払わねばならなかった代償が大き過ぎる事」を意味する言葉です。
イシス辺境伯が「雇って正解」と思っているという事は、彼にとっては「益が、支払った代償に見合うだけのものである」という事を意味していますから、「高くついた」と表現するのはおかしいと思います。
「高くついたが」ではなく「金は掛かったが」とか「高額の契約料を支払わねばならないが」、「費用は嵩むが」等ではないでしょうか?
それから
>バラバラに行動しても構わないだろ
>頼もしそうに彼等を見るイシス辺境伯に、赤毛の男がまた不躾な言葉で聞く。
とありますが、「バラバラに行動しても構わないだろ」では単なる主張に過ぎず、「訊いた事」にはなりません。
あくまで「聞く」とされるのでしたら、「構わないだろ」ではなく「構わないのだろう?」ではないでしょうか?
逆に、あくまで「構わないだろ」とされるのでしたら、「不躾な言葉で聞く」ではなく「不躾な言葉を吐いた」ではないでしょうか?
それから
>だから、我々が独自に行動し、辺境伯達より先に巨大ドラゴンを見つけ、情報を集め可能なら倒す
とありますが、「集め可能」等という言葉はありませんから、「集め可能なら」ではなく「集め、可能なら」ではないでしょうか?
それから
>イシス辺境伯は、四同盟の目で巨大ドラゴン発見の報を待ち、それが入り次第出撃し、巨大ドラゴンの情報を集めようとしていたのだった。
とありますが、「出撃」とは「拠点から出て敵を撃つ事」、「敵を撃つために出て行く事」、「攻撃に出る事」です。
「情報を集める事」は「攻撃」ではありませんから、情報を集めるために向かう事を「出撃」とは言えないと思います。
ですから、「出撃」ではなく「出動」或いは「急行」等とされては如何でしょうか?
それから
>本に囲まれた薄暗い部屋の中で、メガネの男が迷惑そうな顔をしながらフューレを迎える。
とありますが、本は部屋の中にあるのであって、部屋を囲んでいる訳ではないのですから、「本に囲まれた薄暗い部屋」ではなく「幾つもの本棚が並ぶ薄暗い部屋」ではないでしょうか?
それから
>「たとえドアの外で、俺がお前の聖教徒学校時代の恥ずかしい話を大声でしたとしても、研究に夢中になっているお前は返事をしないだろ!
> 特に、お前のおかみさんが出張中の今だとな。
> それに緊急事態だ、お前の意見が欲しい!」
>フューレがラップの許可無しに、書庫内の一角にあるラップの自宅に入ったのは訳があった。
>ラップは昔から、研究に没頭すれば周りが見えなくなるという悪い癖がある上に、今のフューレは一刻も早くラップの意見が欲しかったからだ。
とありますが、「自宅」は「家」、即ち建物であり、普通は「書庫内」という屋内に建物を建てたりはしないと思います。
「自宅」ではなく「自室」とか「居住スペース」ではないでしょうか?
又、
>ラップは昔から、研究に没頭すれば周りが見えなくなるという悪い癖がある上に、今のフューレは一刻も早くラップの意見が欲しかったからだ。
という部分に記述されている内容は、その前の
>「たとえドアの外で、俺がお前の聖教徒学校時代の恥ずかしい話を大声でしたとしても、研究に夢中になっているお前は返事をしないだろ!
> 特に、お前のおかみさんが出張中の今だとな。
> それに緊急事態だ、お前の意見が欲しい!」
というフューレの台詞の中で説明済みの事柄であり、同じ内容を態々地の文において再度、記述し直しているのは冗長に過ぎて、鬱陶しく感じられました。
態々同じ内容を重複して記述しなくとも、例えば次の様にするだけで十分ではないでしょうか?
こんな時刻に、しかも自分に許可を求める事すらなく押し入ってきた友人に対し、ラップが非難の言葉を口にするが、フューレがそんな真似をしたのには訳があった。
「たとえドアの外で、俺がお前の聖教徒学校時代の恥ずかしい話を大声でしたとしても、研究に夢中になっているお前は返事をしないだろ!
特に、お前のおかみさんが出張中の今だとな。
それに緊急事態だ、お前の意見が欲しい!」
それから
>「遠からずも近からずだ」
とありますが、「遠からずも近からず」という表現は近年になってから使用されるようになった、正しいとはとても言いかねる言葉ですし、そのニュアンスも「まるっきり見当違いとまでは言えないけれど、違うよ」、「惜しいけれど違う」といった「違う」事に力点を置いたものですから、「魔王が攻めてきた”のではない”」という事を強調した言い方になりますので、ここで使う言葉としてはあまり適切ではないと思います。
もし、「魔王そのものではないが、緊急に対処しなければならない点や危険性という点において、魔王と似た様なものである」というニュアンスとされるのでしたら、「遠からずも近からずだ」ではなく「中らずと雖も遠からず」(あたらずといえどもとおからず)になります。
尚、「と雖も」の部分を簡略化して「中らずとも遠からず」とするのは本来的には間違いであるとされているようです。
【参考URL】
「中らずと雖も遠からず」 の意味とは - Yahoo!辞書
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%82%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%9A%E3%81%A8&enc=UTF-8&stype=0&dtype=0&dname=0ss
当たらずと雖も遠からず - 故事ことわざ辞典
http://kotowaza-allguide.com/a/atarazutookarazu.html
それから
>「ニマエル伝道教会といえば、フューレ曰く『なまくら坊主』の巣窟じゃなかったっけ?」
とありますが、「鈍ら(なまくら)」とは「刃物の切れ味が鈍い事」を表す言葉で、転じて「力が弱い事」、「意気地がない事」、「腕前が未熟である事」を表す言葉としても使われますから、「戦士」や「兵士」、「騎士」等でしたら、「なまくら」という形容を付ける事も出来ると思いますが、本来は戦闘職ではない「坊主」が「力が弱い」、「意気地がない」、「(戦闘方面での)腕前が未熟」であったとしても特に問題があるとは言えませんから、「なまくら坊主」と表現するのはおかしいと思います。
RPGゲーム等では戦闘に参加する僧侶等が登場するものもありますが、その様な「戦いに関連していない人々の営みが存在しない世界」であれば兎も角、例えフィクション世界ではあっても、「心が備わっている一般人」が大勢暮らしている世界においては、教えを説いて人々を導く事が「坊主」の本来の役割であるとしているものが大半ではないかと思います。
それに、例え僧侶等が戦闘に参加するRPGゲーム等においても、その僧侶等の役割はダメージを受けた仲間の回復が主であるものが大半です。
「坊主」としての実力がどれほど高くても、回復役だけでは攻撃手段がないため、何人居たとしてもドラゴンを撃退する事など出来ませんから、「ニマエル伝道教会」に所属している「坊主」の信仰心や実力の有無は、「ドラゴンを撃退する事が可能か否か」には何ら関係しない事になります。(実際、ファイ一郎を攻撃したのは「坊主」ではなく「兵士のような人達」ですし)
従いまして、「巨大ドラゴンの襲撃を受け、それを撃退した」という知らせに対して「ラップ」が怪訝そうな顔をした理由に、「ニマエル伝道教会」が「『なまくら坊主』の巣窟」である事を挙げるのはおかしいと思います。
因みに、「俗物根性に塗れた駄目な坊主」を表す言葉に「生臭(なまぐさ)坊主」という言葉も御座いますが、前述の様に「有能な僧侶」であってもドラゴンを撃退する事など出来ませんから、「なまくら坊主」という箇所を「生臭坊主」に変えた処で、「ラップ」が怪訝そうな顔をした理由にはならない事に変わりはないと思います。
それから
>この緊急連絡は正規のルート、しかも『紫札』を身に着けた教典連絡士が自ら運んできた情報だ、少なくとも嘘偽りはない。
とありますが、「フューレがその情報の発信源」という訳でも、「情報が正確である事を、裏を取って確認済み」という訳でもないのですから、「少なくとも嘘偽りはない」というのは、「情報源が信頼出来るものである」という状況証拠から導き出した単なる推測に過ぎませんので、「少なくとも嘘偽りはない」ではなく「少なくとも嘘偽りなどである筈はない」或いは「少なくとも嘘偽りであるとは思えない」ではないでしょうか?
そろそろ、感想欄に入力可能な文字数の限界を超えそうですので、残りは又後に投稿する事に致します。
[一言]
更新お疲れ様です。
今月に入ってからまとめて更新された「第十話 アルラウネの王国」から「閑話第二話 マイマイは呪われている」にかけての、誤字、脱字、言葉の用法上の間違い、矛盾点、等を主とする、気付いた点に関して報告致します。
地の文の時制に関してですが、同一のシーンの中に「~した」と過去形で記述されている文と、「~する」と現在形で記述されている文が混在しているという、あたかもその話が過去に起きた話であるのと同時に現在進行中の話でもあるかのような扱いで記述されているのはおかしいと思います。
一つのシーンの内の時制は、他のシーンとの時系列の関係も考慮した上で、統一されるべきではないかと思います。
それから、本来であれば字下げを行わねばならない筈の、段落が始まっている所において、字下げが行われている箇所が数え切れない程あります。
「第十話 アルラウネの王国」において
>山脈が未だに開拓されない理由、それは過去数回の開拓作業で農業に向いた土壌も、良質な鉱石も見当たらなかったことだけではない。
とあり、「過去数回」に亘って(「計画」や「検討」のみではなく)「開拓作業」が実際に行われたと書かれていまますが、「開拓」とは「山林・原野などを切り開いて田畑や居住地・道路をつくる事」、即ち「土地を恒久的に利用するために便利な様に整備する事」なのですから、開拓を行うためには、開拓を始める前にその土地をどの様に利用するのかという計画を立てなければ、開拓のやりようが無い筈で、「農業に向いた土壌も、良質な鉱石も見当たらなかった」等という利用価値の無い土地は、そもそも開拓を計画する事すら出来る訳がありませんので、「開拓可能な土地の探索」や「開発候補地の選定」というのでしたら兎も角、「開拓作業」というのはおかしいと思います。
ですから、「過去数回の開拓作業」ではなく「過去、何度となく行われた調査」(「数回」では諦めるのが早過ぎだと思います)ではないでしょうか?
後、「その土地に利用価値が無い」というのは「未だに開拓されない理由」としては十分過ぎるもので、それ以上の理由は何もいらないと思います。
例え話をしますと、「その島に電気や水道等のインフラが無いのは、無人島である事だけが理由ではない。島の周囲には岩礁が多く、工事に必要となる重機を運べる様な大型の船を接岸させる事が出来ないからだ」という具合に、とある無人島にインフラが存在しない理由に関して、(利用者が居ない事よりもむしろ)周囲に岩礁が多い事が重大であるかのように書かれた文章があったとしましたら、どう思われますか?
それに、もし仮に「利用価値が十分に高い土地」が存在していたならば、ドラゴンの様な強力なモンスター相手ならば兎も角、アルラウネ程度が相手であれば、人間達は根絶やし(アルラウネの美しさに惑わされない女性を使って山に火を放てば簡単です)にしてでも、その土地を手に入れるのが普通ではないでしょうか?(何しろ、その世界の人間はアルラウネよりも害のないワーウルフですら見境無しに攻撃して滅亡させかけたくらいですから)
ですからこの場合、アルラウネがいる事は「山脈が未だに開拓されない理由」には特にならないと思います。
この様に「アルラウネがいる」という事を「山脈が未だに開拓されない事」の理由とされる事には無理があると思いますので、「アルラウネがいる」という事と「山脈が未だに開拓されない事」の間に関連性を持たせるのでしたら、「だが、それは(山脈が未だに開拓されていない事は)、そこに棲むモノ(アルラウネ)にとっては幸運な事だった」という具合に、「山脈が未だに開拓されない事」が「アルラウネにとって良い事である」という扱いになる様に話を進められては如何でしょうか?
それから
>彼女達の美しさに心を奪われたら最後、運が悪ければ触手のような蔦に体の自由を奪われ、足元に花壇のように広がる花弁の形をした口に捕食されて養分にされてしまう。
とありますが、「捕食」とは「生物が餌となる対象の動物を捕らえて食う事」であり、「餌となる対象の動物を捕らえ」というのは「触手のような蔦に体の自由を奪われ」という段階で既に「触手のような蔦」が行っている事であり、「花弁の形をした口」は「食う事」だけを行っているのであって、「口で『捕らえる事』を行っている」という訳ではないのですから、「口に捕食されて」とは言えないと思います。
それから
>実のことを言うと、光合成が主食な彼女達を評する言葉として、後段はとにかく前段の評価は度が過ぎていたのだが、彼女達が美しくも恐ろしい種族であることには変わりが無かった。
とありますが、「光合成」は現象なのであって、「餌」の様な物質なのではありませんし、「精気」の様なエネルギーの類でもありませんから、「光合成が主食」(光合成を食べている)という表現は出来ないと思います。
それから
>それはファイ一郎が、とある場所で攻撃を受けたからであり、攻撃後色々と忙しい事態が続いたため、その傷の深さの確認がこれまで取れなかったからだった。
とありますが、「ファイ一郎が攻撃した」という訳ではないのですから、「攻撃後」というのはおかしいと思います。
ですから、「攻撃後色々と忙しい事態が続いたため」ではなく「攻撃を受けた後、色々と忙しい事態が続いたため」或いは「その後、色々と忙しい事態が続いたため」ではないでしょうか?
それから
>今から二時間ほど前、新たな城らしき建物を見つけたマイマイは、情報収集をするために早速ファイ一郎を降下させた。
とありますが、「新たな城らしき建物を見つけた」では「『建てられてから間もない城』らしき建物を見つけた」という意味になってしまいます。
「城らしき別の建物を見つけた」とか「城らしき建物を新たに見つけた」の間違いではないでしょうか?
それから
>マイマイが下を覗きこむと、城の周囲に五人程の兵士のような人達が現れ、こちらに向かって魔法を撃ったり、弓を引いている姿が見えた。
とありますが、「五人程の兵士のような人達」は「マイマイが下を覗きこむ」よりも前に攻撃を開始していたのですから、「マイマイが下を覗きこむと、兵士のような人達が現れ」(「マイマイが下を覗きこんだ後に兵士のような人達が現れた」事になります)とされているのはおかしいと思います。
又、「~したり」という形式の表現は反復して使用するものですから、単独で使うのはおかしいと思います。
【参考URL】
小学校教師からのメッセージ ザ・教室 blog > 教師からのメッセージ > 2011/12 > 次ページ > 「~たり」の使い方
http://shiozaki.blog48.fc2.com/blog-entry-1411.html
ですから、「現れ、」を削除された上で、「弓を引いて」という部分も「~したり」という形式の表現に変えられて、次の様にされては如何でしょうか?
マイマイが下を覗きこむと、城の周囲に五人程の兵士のような人達がこちらに向かって魔法を撃ったり、弓を引いたりしている姿が見えた。
それから
>「あの規模の城の兵士にしては、妙に数が少ないでござるが、間違いなく抵抗を受けているでござる!」
とありますが、「抵抗」とは「外部から加わる力(権力や武力等)に対して、はむかう事。さからう事」であり、マイマイ達は「城(?)」やそこに居る人々に対して力を及ぼした訳でも、及ぼそうとした訳でもないのですから、「ファイ一郎には害意が無い」という事を知らない城の兵士達が言うのでしたら兎も角、「ファイ一郎を始めとするマイマイ達には害意が無い」という事を知っているスケサンが、「抵抗を受けている」という表現を使うのはおかしいと思います。
ですから「抵抗を受けている」ではなく「攻撃を受けている」ではないでしょうか?
それから
>「なんですと!」
>「なんてこったい、仕方がない!撤退!」
>何がいけなかったんだろう、とにかく一旦どこかに身を隠して仕切りなおそう。
とありますが、ネカマであるにも関わらず、女言葉ではなくなっています。
「なんですと!」の方は、予想外の事態に驚いて、思わず元の口調になってしまったという事もあるかも知れませんが、「なんてこったい」の所まで男言葉にされているのは、動揺が長引き過ぎていて、不自然な印象になっている様に思います。
女言葉であれば「なんてこったい」ではなく「なんでなの~?」とか「一体どうして?」、「なんてことなの」等とされる処ではないでしょうか?
同じく「何がいけなかったんだろう」ではなく「何がいけなかったのかしら」、「仕切りなおそう」ではなく「仕切りなおしましょ」ではないでしょうか?
それから
>スケサンの指差す先には、平地の中に突然現れたように見える、大きな山脈がそびえ立っていた。
>一見良さそうなアイデアだったが、麦畑が広がる平地の真ん中に、人家が無い山脈があるということにマイマイは若干の違和感を覚えた。
とありますが、山脈と呼ばれている以上、非常に長大な地形(例えば比較的小さな山脈である木曽山脈ですら、長さ35~65km)という事になりますから、その様な巨大な地形ですら、その中に突然現れたように見えるほど広大な平地となりますと、地平線を遥かに越えた遠くまで続く平地という事になり、与圧装置も無しに呼吸が出来る程度の低空、それどころか、飛行中(移動中)の標的に対して、地上から目測で狙ったのに過ぎない攻撃が何度も命中する程の低空から一望出来るものではないと思います。
低空から眺めた際に、2つの平地が大きな山脈によって隔てられている様に見えるというのでしたら解りますが、そうではなく、山が低空から一望しただけで平地に囲まれている事が判る程度の大きさでしかないのでしたら、それは山脈と呼ばれる様な「山々が幾つも連なったもの」などではなく、単独の小さな山に過ぎないとしか思えません。
それから
>「そこに向かおう」
>「いや、やっぱり待つことにしよう。
> 確かにカグヤのヒアリング結果を待ってからの方がいいな」
とありますが、ここでも女言葉ではなくなっています。
「そこに向かおう」ではなく「そこに向かって」或いは「そこに向かいましょ」ではないでしょうか?
同じく「待つことにしよう」ではなく「待つことにするわ」或いは「待つことにしましょ」ではないでしょうか?
同じく「待ってからの方がいいな」ではなく「待ってからの方がいいわね」ではないでしょうか?
それから
>それに、いざという時は、私がしっかりと叱り付けて言うこと聞かすから大丈夫!
とありますが、「聞かす」ではなく「聞かせる」ではないでしょうか?
それから
>「…なぜこれで怯える、別に食べようとしたりしてる訳じゃないのに」
とありますが、「したりしてる」という書き方は日本語にはないと思います。
「食べようとしたりしてる訳じゃない」ではなく「食べようとしている訳じゃない」ではないでしょうか?
それから
>「アルラウネって、美しい女性に擬態しているって言われるけど、そこんとこ実際のところどうなの?」
とありますが、「言われるけど」ではなく「言われているけど」ではないでしょうか?
又、「そこんとこ」とは「そこのところ」が訛ったものですから、「そこんとこ実際のところ」では、「そこのところ実際のところ」という「ところ」が重複しているおかしな表現となってしまいます。
「そこんとこ実際のところどうなの?」ではなく「そこんとこ実際はどうなの?」ではないでしょうか?
それから
>「えっと…この体も本体ですが、全て見えていないという意味では擬態しているとも言えます…」
とありますが、このままでは「全て見えていない」とはどの様な意味なのかが判り難いと思います。
特に、アルラウネとはどの様なモンスターなのかという事を良く知らない人間には、意味が通じないのではないかと思います。
アルラウネの事を、イラストやゲームの画面上で見た姿しか知らなければ(姿だけを知っていて、生態等の細かな裏設定など知らなければ)、人型をしている部分が本体の全てだと思うのが普通ではないでしょうか?
第一、伝説にある本来のアルラウネの姿は、根っこが人型をしていて、その人型の部分の殆どは(大根やニンジンの可食部分と同様に)地中に埋まっているのですから、「人型をしている部分が本体の全て」と考えても間違いではない筈です。
ところが、貴作品のアルラウネは、本来のアルラウネとは異なる形態や生態をしているのですから、「全て見えていない」とはどの様な意味なのかという事を、説明する記述が不可欠ではないかと思います。
それから
>(あるぇー)
とありますが、「(あるぇー)」ではなく「(あるぇー?)」或いは「(あるぇー!?)」ではないでしょうか?
それから
>ですがその前に報告が、フェブニア女王以下、この山全てのアルラウネが我が国の配下に入りました
とありますが、何故、アルラウネ達が配下となった事が決定済みの事柄になっているのでしょうか?
幾ら王であるマイマイが「基本的には、来る者は拒まずが私達のモットー」という考えを持っているとはいえ、その様な重大な事柄を、マイマイの許しも得ずにカグヤが独断で決定してしまうのは明らかな越権行為、即ち、彼女の主であるマイマイを蔑にする行為ではないでしょうか?
もし仮に、カグヤにその様な決定を行うための正当な権限があるのでしたら、それだけの権限があるという事に関する説明を、本文中に記述して頂かなければ、読者にとっては不自然に感じられるシーンとなってしまいます。
それから
>「なるほど、周辺情報はよく分かった。
>で、どうしてアルラウネの王国が配下になるのか、もう一度説明してくれないか」
とありますが、ここでも女言葉ではなくなっています。
「よく分かった」ではなく「よく分かったわ」、「説明してくれないか」ではなく「説明してちょうだい」ではないでしょうか?
それから
>それでついでに、私がどういった人物なのか、誤解無い様に伝えておいてくれると助かるんだけど?
>「マイマイ姫様がどういった人物か誤解無い様に伝えるのですか…?」
とありますが、「誤解無い様に」ではなく「誤解の無い様に」ではないでしょうか?(2箇所)
それから
>ところが、目の前のフェブニアはフレンドリーになるどころか、畏怖の念を抱いているのではないか?
>と思ってしまうような状態になっていた。
とありますが、「思ってしまう」とは「フェブニアがそう思ってしまった」という訳ではないのですから、「フェブニアは~と思ってしまう」と言う事は出来ないと思います。
「フェブニアは(中略)と思ってしまうような状態になっていた」ではなく「フェブニアは(中略)としか思えない態度を示した」或いは「フェブニアの挙動は(中略)と思われても仕方がないものだった」ではないでしょうか?
それから
>「ま、まあ破壊神国は来る物は拒まないし、基本的に自由と平等が保障されているし、私もその方針を変えることも無いからな、いいよ」
とありますが、「来る物」ではなく「来る者」ではないでしょうか?
又、「方針を変えること」に関する説明において、「私も」と言っている以上は、「『私』がどの様な考えでいるのか」という事に関して説明している事になりますから、「変えることも無い」ではなく「変える気も無い」或いは「変えるつもりも無い」ではないでしょうか?
それに、破壊神国はマイマイが絶対君主であるという、厳然とした身分制度が存在しているのですから、単に「マイマイには権力をふるう気が無い」という理由によって実質的には「自由と平等」が存在している状態となってはいるものの、その状態はマイマイの気が変われば簡単に覆されてしまうものなのですから、国民の「自由と平等」に関しては「保障」まではされていないと言えます。
後、「マイマイを崇めない自由」や「マイマイの意思に異議を唱える自由」といった、「思想の自由」の類は、存在していないのではないでしょうか?
つまり、この台詞においてマイマイが「自由と平等」に関して言っている事は、明らかな嘘であると思います。
それから
>二つ返事で配下に加えることを決定した結果、カグヤが具体的にどういった内容を説明したのか、聞くタイミングをマイマイは逸してしまった。
>しかし『分かりにくいフラグで配下が増えることは良くあること』と自分を納得させ、この問題を終わらせることにした。
とありますが、「しかし、(中略)終わらせることにした。」という文章において「自分を納得させ、この問題を終わらせることにした」という決断を下した(下さざるを得なかった)のは、「聞くタイミングをマイマイは逸してしまった。」からなのですから、「自分を納得させ、この問題を終わらせることにした」という決断を下した事は、「聞くタイミングをマイマイは逸してしまった。」という状況に反している事にはなりませんので、ここで『分かりにくいフラグで配下が増えることは良くあること』の前に付ける接続詞に「しかし」を使っているのはおかしいと思います。
「聞くタイミングを逸してしまった」からこそ、マイマイは「自分を納得させ、この問題を終わらせることにした」のですから、『分かりにくいフラグで配下が増えることは良くあること』の前に付ける接続詞は、「しかし」ではなく「そのため」或いは「だから」等ではないでしょうか?
それから
>先にマイマイが自分で語っていたように、大切な問題が別にあったからだ。
とありますが、「問題」などというものは「無い方が良い事柄」の筈ですが、「問題(が存在している状態)を大切にして」一体どうするのでしょうか?
「大切な問題」ではなく「重大な問題」ではないでしょうか?
それから
>「そういう意味で言えば、実質的な被害が無かったのは幸運だったと言うべきか」
とありますが、ここでも女言葉ではなくなっています。
「言うべきか」ではなく「言うべきかな」或いは「言うべきね」、「言うべきかもしれないね」、「言うべきかもしれないわね」ではないでしょうか?
それから
>地母神教会とは、ステイシスの報告によると最も近づいてはいけない場所だった。
>だというのに、迂闊にもそこに何の準備も無しに近づいてしまっていたのだ。
とありますが、「だというのに」は例えば「~しては駄目だというのに~してしまった」という具合に、1つの文中において、条件や理由を示す前半部分と、その前半部の条件・理由に反する結果を示す後半部分を繋ぐ役割を果たすために、文の途中の所に置かれる言葉ですから、文頭の所に「だというのに」が来ているのはおかしいと思います。
ですから、「だというのに」に替えて「それなのに」を使用して
地母神教会とは、ステイシスの報告によると最も近づいてはいけない場所だった。
それなのに、迂闊にもそこに何の準備も無しに近づいてしまっていたのだ。
とされるか、或いは2つの文章を1つに纏めて、
地母神教会とは、ステイシスの報告によると最も近づいてはいけない場所だというのに、迂闊にもそこに何の準備も無しに近づいてしまっていたのだ。
とされた方が宜しいかと思います。
それから
>マイマイは、自分達が死ぬという最悪の事態を想像しブルリと震えた。
とありますが、「しブルリ」では意味不明です。
「想像しブルリと震えた」ではなく「想像し、ブルリと震えた」ではないでしょうか?
それから
>「どういうことでござる?」「キシャー?」
とありますが、この2つの台詞は、それぞれ別の人物が話したものなのですから、1行に繋げて記述するのは、記述の仕方としては正しいものではないと思います。
ですから、例えば次の様にされては如何でしょうか?
「ですが、次も幸運が続くとは限りませんし、今回の件でこのままでは旅が続けられないということが判明しました」
「どういうことでござる?」
「キシャー?」
スケサンとカクサンから挙がった疑問の声を受けて、カグヤは続けて理由を説明した。
「教会の危険性は分かっていましたが、ここまで攻撃的だとは思わなかったということです。
そして教会は多くの町に存在するということです」
それから
>「なるほど、街は敵の勢力圏下って訳だ」
>「でもどうすればいいんだ、街に入らなければ情報収集が出来ないし」
とありますが、ここでも女言葉ではなくなっています。
「勢力圏下って訳だ」ではなく「勢力圏下って訳ね」、「どうすればいいんだ、」ではなく「どうすればいいの? 」ではないでしょうか?
それから
>『クイーンアラクネのローブ』と呼ばれるこのローブは、魔界にしか生息しないアラクネの上位種であるクイーンアラクネの白金のように輝く糸で編んだ『超高級ロープ』で、白金のような美しさが有名だったが、動きやすさと高い耐久性でも定評があった。
とありますが、『超高級ロープ』(半濁点)ではなく『超高級ローブ』(濁点)ではないでしょうか?(それとも、マイマイを『超高級ロープ』で縛り上げるのでしょうか?)
それと、アラクネやクイーンアラクネがどの様な生き物であるのか説明が無いため、「クイーンアラクネの白金のように輝く糸」と言われても、どの様な糸なのかが解りません。
これがギリシア神話を題材にした話なのでしたら、アラクネとは死後(或いは、生きたまま神の呪いによって)、蜘蛛に変えられてしまった人間の女性である事は、(ギリシャ神話が有名であるが故に)説明する必要はありません。
ですが、オリジナルの作品に登場する「アラクネ」という種族となりますと、「蜘蛛」であるとは限らず、どの様な種族であるのかは作者にしかわからない事なのですから、その糸と言われても、読者には「アラクネという精霊種族が紡ぐ糸」の事なのか、それとも「アラクネという獣の体毛から作られる糸」、「アラクネという蛾の幼虫が紡ぐ糸」、「アラクネという植物の茎からとれる繊維から作られる糸」なのか判りません。
ですから、『クイーンアラクネのローブ』の説明を態々記述されるのであれば、そのついでに、「アラクネ」や「クイーンアラクネ」に関しても、「魔界にしか生息しないアラクネの上位種であるクイーンアラクネ」というだけではなく、例えば「魔界にしか生息しない蜘蛛の一種であるアラクネの上位種であるクイーンアラクネ」という具合に、アラクネやクイーンアラクネがどの様な生き物であるのかという事の説明を加えられた方が宜しいのではないかと思います。
尚、もしもアラクネが只の蜘蛛などではなく、例えば魔物の類である場合には、勿論、上記の「蜘蛛の一種」という箇所を、「蜘蛛の魔物」に差し替えれば良い訳です。
それから
>「そして拙者は、顔も体も完全に覆うようなタイプの鎧を着れば問題ないでござる」
とありますが、それは少々考えが甘いのではないでしょうか?
平和ボケの現代日本ですら、フルフェイスのヘルメットを被っていてはコンビニに入店する程度の事も出来ないというのに、出入りする旅人の中に怪しい人間がいないかどうかをチェックしている様な街で、身分を証明するものも持たない人間を、顔の確認もせずに入れてしまうのは不自然な話ではないかと思います。
もしも、全身鎧で正体を隠した人物であっても、街に入ってOKというのでしたら、指名手配犯等の犯罪者であろうと、幾らでもほぼ自由に街に出入りする事が出来ますから、街の出入り口では一体何をチェックしているのか解らなくなります。
それから
>「そんな裏技なんて都合のいいもの、あ、あった!」
>「人族化MOD!」
とありますが、
>アイテムの中には、透明になったり体を小さくしたりする効果のものがあった。
>しかし、いかにも便利そうなこれらには、攻撃が当たっただけで解けたり、厳しい時間制限があったりと、それ相応の欠点があったのである。
という設定がある以上、「人族化MOD」も「解けやすい」という欠点があるのは同様なのではないでしょうか?
それとも、「人族化MOD」はアイテムではないという扱いなのでしょうか?
仮に、「人族化MOD」には「解けやすい」という欠点が存在しなかったとしましても、
>人族化MODは、どのようなレベルの家臣が使用しても、レベル1の村人程度の能力になってしまうという欠点があったのである。
という設定がある以上、人に化けさせていた家臣を戦力として扱う際には、一旦、人化を解かねばなりませんから、タイムラグという欠点があるという点では「召喚」と同様ではないかと思います。
それどころか、人化中に弱体化する事によって、負傷や死亡の危険性が増すのですから、「ファイ一郎が目立ってしまう」という問題の解決手段としては、「人族化MOD」の使用は「召喚」よりも劣っていると思います。
それから
>それとフェブニアさん、万が一だけど、周りに影響が出るかもしれないから、あなたも含めたアルラウネ達全員をこの場から遠ざけてくれないかな
とありますが、移動する事が不得意なアルラウネ達を遠ざける位ならば、マイマイ達の方がアルラウネの居ない場所に移動してから「人族化MOD」を使用した方が良いのではないでしょうか?
それから
>良かった、しかし人族化しても背が高いね、流石人族化MODと言うべきか
とありますが、人族化したファイ一郎の背が高いのは、別に人族化MODの効果によるものではないのですから、「流石人族化MOD」というのはおかしいと思います。
又、ここでも女言葉ではなくなっています。
「言うべきか」ではなく「言うべきかな」ではないでしょうか?
それから
>「しかし何故だ」
>何故そんなにイケメンなんだ!!
>元々ファイ一郎の顔が、ドラゴンではイケメンだったということなのか!?
とありますが、ここでも女言葉ではなくなっています。
「何故だ」ではなく「何故なの?」、「イケメンなんだ!!」ではなく「イケメンなの?」、「ということなのか!?」ではなく「ということなの?」ではないでしょうか?
尚、もしも、この部分はマイマイ(の中の人)の男としての嫉妬心が現れている台詞であるという理由から、あえて男言葉にされているのでしたら、
>ファイ一郎はイケメンだったの?
>それとも人族化MODを使えば、誰でもイケメンになれるの?
>ねえ!どうなの!?
という箇所で、女言葉になっているのはおかしいという事になります。
それから
>わっわっわっ、そんなに揺らさないで!?」
>「マイマイ姫様がっ喋ってくれるまで、揺するのを止めません!!」
とありますが、「姫様がっ喋って」ではなく「姫様が喋って」ではないでしょうか?
それに、カグヤがマイマイの命令を拒んでいるのは、
>家臣は非常に便利な存在だが、AI故に意外と融通が利かないのが欠点だ。
>世界建設ギルドでは『家臣達にとって百使徒とは神以上の存在で、その忠誠心は物凄く高い。そのため、常識的に無茶な命令やありえない命令でも、「百使徒様のお考えだから」と実行しようとしてしまう』という脳内設定にして対応していた。
>家臣達は自らを創造した百使徒を、唯一無二の神として崇め、絶対的な存在としていた。
>そして『忠誠こそが家臣の誉』という言葉の元、ありとあらゆる命令を忠実にこなしてきた。
という設定と矛盾するのではないでしょうか?
それから
>そうだよ、当たり前じゃないか
>「あっ、手首が捻挫しているじゃないか」
とありますが、ここでも女言葉ではなくなっています。
「当たり前じゃないか」ではなく「当たり前じゃないの」、「捻挫しているじゃないか」ではなく「捻挫しているじゃないの」ではないでしょうか?
それから
>便利な道具でも、何らかの欠点を抱えていることが多いというのが世の常だったが、人族化MODもそれに当てはまっていた。
とありますが、「人族化MODもそれに当てはまっていた」ではなく「人族化MODにもその事は当てはまる」ではないでしょうか?
それから
>何だかカグヤの様子が一時期変だったし、ファイ一郎も怪我しちゃったけど。
とありますが、「カグヤの様子が変だった時間」は「何日にも亘っていた」という訳ではないのですから、「一時期」とは言えないと思います。
「カグヤの様子が一時期変だった」ではなく「カグヤの様子が一時的に変だった」ではないでしょうか?
「第十一話 オガサワラシティ」において、
>スケサンは、姿を隠すために『レグリアンアーマー』を着込んでいた。
とありますが、別にスケサンは透明になったり、物陰や秘密の場所等に隠れたりしている訳ではなく、「青いプレートアーマーを着込んでいる姿」は肉眼でも見える状態なのですから、「姿を隠す」とは言えないと思います。
「姿を隠すために」ではなく「正体を隠すために」ではないでしょうか?
それから
>つまり王女の一人で、この場所から峰を一つ挟んだ地域の統治を任せていたたため到着が遅れて、マイマイが巨大ドラゴンに命令したりしている所を目の当たりにしていなかったからだ。
とありますが、「任せていたたため」(「た」が3つ)ではなく「任せていたため」(「た」が2つ)ではないでしょうか?
それから
>だとすれば、力もプライドも想像を絶するほど強いはずよ。
とありますが、「力」の方は「力が強い」で間違いは御座いませんが、「プライド」は「強い」ものではなく「高い」ものだと思います。
ですから例えば次の様にされては如何でしょうか?
だとすれば、力の強さもプライドの高さも想像を絶するほどのもののはずよ。
それから
>しかし、それらの特徴は一般的な魔王のイメージとかけ離れており、更に王女から見れば口頭での説明という状況証拠だけで、マイマイの配下に入るという重大な決断をしたように見えるからだ。
という疑念を持っているのであれば、フェブニアやアルラウネの王女は何故、『歴史的記録』とやらを見ただけで信じる気になったのでしょうか?
渡された「立体映像」が「『歴史的記録』である」という話も所詮はカグヤによる「口頭での説明」に過ぎず、フェブニア達も自身が言った様に「本物ように見えるけど幻」である事は理解しているのですから、アルラウネの王女が言う
>「天地創造、神の業だ…」
とやらを、マイマイとその仲間たちが実際に行ったと考えるよりも、自分達はマイマイ達が捏造した「その様に見える幻」を見せられただけと考えた方が、はるかに納得がいく話ではないでしょうか?(事実、捏造ですし)
いや、むしろ(「魔王を倒したとか、千年前に三界の半分を支配した」程度までなら半信半疑で否定はし切れなくとも)天地創造レベルの事をやっている幻などを見せられては、返って、「流石にそれは無いだろ!? こんな映像は作り物だ。こんな嘘映像を歴史的記録などと言っているという事は、こいつらは自分達を騙そうとしているに違いない」と思うのが普通ではないかと思います。
因みに、ガグヤによる「口頭での説明」は、単なる関係者による「主張」であって、「状況証拠」ですら御座いません。
それと、例え「口頭での説明」ではあっても、それが利害関係にはない第三者によるものである場合には、「状況証拠」ではなく「直接証拠」の一種である「人的証拠」になり得ます。
それから
>フェブニアは、フワフワと宙に浮く小さな水晶を取り出した。
とありますが、「取り出した」とされている以上は、取り出す前には水晶は何かに収納されていた筈ですから宙に浮く事は出来ませんし、取り出している最中にはフェブニアの手(或いは蔦?)によって掴まれていた筈ですから同様に宙に浮く事は出来ませんから、「取り出した水晶から、手を放すと宙に浮いた」のであって「宙に浮いている水晶を取り出した」という訳ではないのではないでしょうか?
ですから、「フェブニアは小さな水晶を王女に見せた。フェブニアが手を開くと、その水晶は不思議な事にフワフワと宙に浮かび上がった」という事なのではないでしょうか?
後、アルラウネに関して説明している箇所には
>細い蔦と花以外は何も身につけていないという、あられもない姿の、人ならざる程の美しさを持つ若い女性達。
と書かれているのですが、そうしますとフェブニアは、一体どこから水晶を取り出したのでしょうか?
それから
>これは、あなた達と別れて、従者と二人だけになった時に渡されたものよ。
とありますが、それより前の箇所において
>つまり王女の一人で、この場所から峰を一つ挟んだ地域の統治を任せていたたため到着が遅れて、マイマイが巨大ドラゴンに命令したりしている所を目の当たりにしていなかったからだ。
とあります様に、アルラウネの王女は別の場所からやって来て、フェブニアと合流したばかりなのですから、フェブニアが「従者と二人だけになった時」よりも以前の時点では、フェブニアとアルラウネの王女は別個に行動していた事になりますので、フェブニアは「あなた達と別れて」という事、即ち「『元々傍には居なかったアルラウネの王女』達と別れて」という事は出来る筈がないと思います。
それから
>彼らの向かうところは唯一つ、すり鉢上に抉られた大地の底に佇む存在。
>それは魔王と呼ばれるものだった。
とありますが、「すり鉢上」ではなく「すり鉢状」ではないでしょうか?
又、
>大地には幾つものすり鉢状の穴が開けられ、空は茶色く濁っていた。
ともありますから、このままでは魔王は何人も(すり鉢状の穴と同数の人数だけ)存在している事になってしまいます。
ですから「すり鉢上に抉られた大地の底に佇む存在」ではなく「大地に抉られたすり鉢状の穴の内の一つの底に佇む存在」等とされては如何でしょうか?
それから、間違いという訳では御座いませんが
>「狩の時間だ!」
とありますが、「狩猟」という意味の「かり」という言葉を漢字で記述する際には、「狩」という具合に漢字一文字で記述するよりも、「狩り」という具合に、送り仮名の「り」を付けて記述する方が一般的です。
それから
>「理性を捨てても勝てないのか…
>だが、世越え人共よ、これで終わりではない…
>私を倒そうとも、第二第三の魔王が現れ…「そうか、それは楽しみだ」
とありますが、マイマイの台詞を表す鉤括弧だけが閉じられていて、魔王の台詞を閉じるための鉤括弧(」)がありません。
それから
>その景色の中には、アルラウネの伝承に残る姿とそっくりなフェブロニア大女王の姿もあった。
とありますが、「景色」とは山や海といった「観賞の対象としての自然界の眺め」の事です。
「フェブロニア大女王」は「自然界の眺めの一部」などではなく「人物」なのですから、「その景色の中には(中略)フェブロニア大女王の姿もあった」と表現するのはおかしいと思います。
「その景色の中には」ではなく、例えば「その光景の中には」等とされては如何でしょうか?
それから
>なら彼らは何かというと、それは神でしかなかった。
とありますが、「~でしかなかった」という表現では、「只の~に過ぎなかった」という様な、あたかも「高位とは言えない存在」である事を表しているかの様なニュアンスになってしまいます。
ですから、「それは神でしかなかった」ではなく「それは神としか言いようがなかった」とか「それは神としか呼びようがなかった」等とされては如何でしょうか?
それから
>従者によると、破壊神国は現在再建中だけど、魔王を倒した破壊神様を筆頭に、あのドラゴンのような強力な家臣団は健在らしいわ。
とありますが、この表現の仕方ですと、健在なのは「家臣団」であり、その「家臣団」の筆頭が「破壊神」という事、即ち、「『破壊神』も家臣の一人」であり、「破壊神」は破壊神国のトップではない、というニュアンスになってしまいます。
ですから、「魔王を倒した破壊神様を筆頭に、あのドラゴンのような強力な家臣団は健在らしいわ」ではなく「魔王を倒した破壊神様や、あのドラゴンの他にも、強力な家臣団も健在らしいわ」等とされては如何でしょうか?
それから
>(この様子じゃ、続きを説明するのはもう少し先の方がいいわね)
とありますが、「もう少し先の方が」ではなく「もう少し後の方が」ではないでしょうか?
それから
>なんだろうと思い、フェブニアは目を近づけ文字を読み取る。
>「…………………??」
>しかしながら、フェブニアはそれを読み取ることができなかった。
とありますが、「目を近づけ文字を読み取る」では読み取る事が出来たと断言している事になってしまいます。
結局「読み取ることができなかった」という事でしたら、「目を近づけ文字を読み取る」ではなく「目を近づけ文字を読み取ろうとした」ではないでしょうか?
それから
>文字が読めるマイマイがこれを見れば「これを見せたの!?私の黒歴史がああああああ!!!ちょっとお外走ってくるううううううう!!」と顔を真っ赤にしながら周囲をパタパタと走り回ることになったからである。
とありますが、「文字が読めるマイマイが」ではなく「文字を読めるマイマイが」或いは「その文字を読めるマイマイが」ではないでしょうか?
又、実際にはマイマイが走り回った訳でもないのに、「走り回ることになったからである」としているのはおかしいと思います。
「走り回ることになったからである」ではなく「走り回る事態になるのに決まっているからである」或いは「走り回る事態になるのに違いないからである」ではないでしょうか?
それから
>『破壊神国募集CM ハリウッド映画PV風バージョン』
とありますが、「破壊神国」という「国家」を募集してどうするのでしょうか?
「破壊神国募集」ではなく「破壊神国民募集」或いは「破壊神国神民募集」ではないでしょうか?
後、どうでも良い話ですが、
>家臣の中には毎晩あれを見ないと眠れないという者も居るのに…
とありますが、マイマイの家臣たちの性格から推測しますと、彼らが”あれ”を見てしまうと、興奮のあまり、逆に眠れなくなる様な気がします。
それから
>それは、オガサワラシティに着いた為、ファイ一郎の「グアー」という声を他の人に聞かれる可能性があったからだ。
とありますが、「可能性」とは「好ましい事柄が起きる確率」に対して使う言葉であり、
>ファイ一郎の「グアー」という声を他の人に聞かれる
という様な、「好ましくない事柄が起きる確率」に対して用いるのは、必ずしも間違いとまでは言えないものの、あまり一般的な使い方ではありません。
ですから、この場合は「可能性があったからだ」ではなく「おそれがあるからだ」とされた方が宜しいかと思います。
それから
>ないったら無い。
とありますが、同じ言葉の表記の仕方は、なるべく統一された方が良いと思います。
ですから、同じ「無い」を表記する際に、「ないったら無い」の様に、片方を平仮名、もう一方を漢字で表記されるのではなく、「無いったら無い」の様に両方漢字で表記されるか、或いは「ないったらない」の様に両方平仮名で表記されるかの何れか一方とされるべきではないでしょうか?
それから
>思ったより大きな町だね
とありますが、「オガサワラシティ」に関する説明には
>高さ3メートルほどの城壁と幅が10メートル程ある水堀に周囲をぐるりと囲まれた都市
>オガサワラシティはオガサワラ伯爵領の領都で、
とあります様に、「都市」や「領都」と書かれているのですから、「町」と呼ぶのはおかしいと思います。
ですから、「町」ではなく「街」ではないでしょうか?
それから
>そして、町に入るためには堀に掛けられた可動橋には、何台もの馬車が往来していた。
とありますが、「町に入るためには何台もの馬車が往来していた」では意味不明です。
それに、ここもまた「町」ではなく「街」ではないでしょうか?
ですから、「町に入るためには堀に掛けられた可動橋には、」ではなく「街に入るために堀に掛けられた可動橋には、」ではないでしょうか?
それから
>そうだね、フェブニアさんの情報にあった奴隷市と関係あるのかもな。
とありますが、ここでも女言葉ではなくなっています。
「関係あるのかもな」ではなく「関係あるのかな」或いは「関係あるのかもね」、「関係あるのかもしれないわね」ではないでしょうか?
それから
>他の者は、みんな通っておるじゃないか!!
とありますが、その直後の
> 何故、銀子だけ止めるんじゃ!
という箇所において、マリーナが問題としているのは、「銀子だけ止める」という「兵士が行った行為」が、他の旅人に対する扱いとは異なるという点なのですから、「銀子だけ止める」という行為が不当であるとする根拠として引き合いに出すのであれば、「みんな通っておる」という「他の旅人が行っている行為」を引き合いに出すのではなく、「他の旅人に対して兵士が行った行為」を引き合いに出すべきではないでしょうか?
又、「年寄りのような変な喋り方」という事であれば、「みんな」ではなく「みな」、「おるじゃないか!!」ではなく「おるじゃろうが!!」ではないでしょうか?
ですから、「他の者は、みんな通っておるじゃないか!!」ではなく「他の者には通る事を許可しておるじゃろうが!!」或いは「他の者は、みな通しておるじゃろうが!!」ではないでしょうか?
それから
> 何故、銀子だけ止めるんじゃ!
とありますが、「年寄りの様な喋り方」とは少し違いますし、問い詰めている台詞なのですから疑問文にしなければおかしいと思います。
ですから、「止めるんじゃ!」ではなく「止めるのじゃ?」ではないでしょうか?
後、文脈から考えますと、「止めるんじゃ!」や「止めるのじゃ?」とされるよりも、「通れぬのじゃ?」とか「通さぬというのじゃ?」とされた方が、より適切の様な気がします。
それから
>大お祖母様の口真似じゃぞ!!!
とありますが、「叔母」の事を「大叔母様」という言い方はあっても、「大お祖母様」という言葉は日本語にはないと思います。
「祖母」の事を尊敬した呼び方で呼ぶ場合は「お祖母様」とか「祖母上」、「祖母上様」になりますし、「祖父母の母親」の事であれば、「曾祖母様」になります。
それから
>「やめろ、この痴れ者が!!銀子から離れろ!!」
とありますが、「年寄りのような変な喋り方」という事であれば、「やめろ、この痴れ者が!!銀子から離れろ!!」ではなく「やめい、この痴れ者が!!銀子から離れぬか!!」ではないでしょうか?
それから
>まがり間違ってスケサンのボディチェックされたら、大騒ぎになっちゃうだろ
とありますが、いやらしい意味でのボディチェックは兎も角として、街に出入りする人間をチェックするのは、街の門を任された兵士にとっては遂行せねばならない正規の職務なのですから、チェックを行う事は必然であって、間違った場合にのみ行われてしまう様なものではありませんので、「間違って」という言葉を使うのは不適切だと思います。(因みに「まがり間違って」ではなく「まかり間違って」です)
ましてや相手が顔も含めた全身を鎧で隠して、何者であるのか判らなくしている様な怪しさ大爆発の人物であれば尚更です。
もし、その様な人物であっても、顔の確認すらせずに街に入る事を許していたのでは、指名手配犯等の犯罪者であろうと、幾らでもほぼ自由に街に出入りする事が出来ますから、一体何のために街の出入り口に兵士を配しているのか解らなくなります。
それから
>「それは、マイマイお嬢様自身にも言えることです」
とありますが、「お嬢様自身にも」ではなく「お嬢様ご自身にも」ではないでしょうか?
それから
>万が一見つかっても、町人に見つかった程度なら騒ぐ前に消せますが
とありますが、オガサワラシティは町ではなく都市なのですから、「町人」ではなく「一般の市民」ではないでしょうか?
又、この場合の「消せます」とは「目撃者を口封じのために殺す事が出来る」という意味なのであるのに対して、「見つかった程度なら消せます」という記述の仕方では、「『見つかった』という『事実』そのものを無かった事にしてしまう事が出来る」という意味になってしまいますので、おかしな記述の仕方だと思います。
ですから、「町人に見つかった程度なら」ではなく「相手が一般の市民程度なら」ではないでしょうか?
それから
>マイマイ達の力なら、町人だろうが兵士だろうが、倒せるはずなのだが、何もかも謎になっている今では、そうとも限らないからである。
とありますが、オガサワラシティは町ではなく都市なのですから、「町人」ではなく「一般の市民」ではないでしょうか?
又、「そうとも限らないからである」という状況なのでしたら、「はずなのだが」と言う事は出来ないと思います。
ですから、例えば次の様にされては如何でしょうか?
マイマイ達の力であれば、一般市民だろうが兵士だろうが、容易に倒す事が出来るのではないかと考えられるが、何もかも謎になっている今では、必ずしもそうとは限らないからである。
それから
>「………怪しい奴がいたので、ボディチェックしているだけでございます…お貴族様」
>お貴族様どうかこれでご勘弁を…。
とありますが、「お貴族様」では、敢えて馬鹿丁寧な言い方をする事で相手を小馬鹿にしている場合の言い方になってしまいます。
私も詳しくは知りませんが、上級貴族の妻や娘の事を呼ぶ場合には、「レイディ」辺りが無難なのではないかと思います。
【参考URL】
Lively,Lads! > その他帆船小説関係資料集> 2005/6/5「イギリス貴族の爵位と呼称」
http://navy.ap.teacup.com/miuman/114.html
そろそろ、感想欄に入力可能な文字数の限界を超えそうですので、残りは又後に投稿する事に致します。
更新お疲れ様です。
今月に入ってからまとめて更新された「第十話 アルラウネの王国」から「閑話第二話 マイマイは呪われている」にかけての、誤字、脱字、言葉の用法上の間違い、矛盾点、等を主とする、気付いた点に関して報告致します。
地の文の時制に関してですが、同一のシーンの中に「~した」と過去形で記述されている文と、「~する」と現在形で記述されている文が混在しているという、あたかもその話が過去に起きた話であるのと同時に現在進行中の話でもあるかのような扱いで記述されているのはおかしいと思います。
一つのシーンの内の時制は、他のシーンとの時系列の関係も考慮した上で、統一されるべきではないかと思います。
それから、本来であれば字下げを行わねばならない筈の、段落が始まっている所において、字下げが行われている箇所が数え切れない程あります。
「第十話 アルラウネの王国」において
>山脈が未だに開拓されない理由、それは過去数回の開拓作業で農業に向いた土壌も、良質な鉱石も見当たらなかったことだけではない。
とあり、「過去数回」に亘って(「計画」や「検討」のみではなく)「開拓作業」が実際に行われたと書かれていまますが、「開拓」とは「山林・原野などを切り開いて田畑や居住地・道路をつくる事」、即ち「土地を恒久的に利用するために便利な様に整備する事」なのですから、開拓を行うためには、開拓を始める前にその土地をどの様に利用するのかという計画を立てなければ、開拓のやりようが無い筈で、「農業に向いた土壌も、良質な鉱石も見当たらなかった」等という利用価値の無い土地は、そもそも開拓を計画する事すら出来る訳がありませんので、「開拓可能な土地の探索」や「開発候補地の選定」というのでしたら兎も角、「開拓作業」というのはおかしいと思います。
ですから、「過去数回の開拓作業」ではなく「過去、何度となく行われた調査」(「数回」では諦めるのが早過ぎだと思います)ではないでしょうか?
後、「その土地に利用価値が無い」というのは「未だに開拓されない理由」としては十分過ぎるもので、それ以上の理由は何もいらないと思います。
例え話をしますと、「その島に電気や水道等のインフラが無いのは、無人島である事だけが理由ではない。島の周囲には岩礁が多く、工事に必要となる重機を運べる様な大型の船を接岸させる事が出来ないからだ」という具合に、とある無人島にインフラが存在しない理由に関して、(利用者が居ない事よりもむしろ)周囲に岩礁が多い事が重大であるかのように書かれた文章があったとしましたら、どう思われますか?
それに、もし仮に「利用価値が十分に高い土地」が存在していたならば、ドラゴンの様な強力なモンスター相手ならば兎も角、アルラウネ程度が相手であれば、人間達は根絶やし(アルラウネの美しさに惑わされない女性を使って山に火を放てば簡単です)にしてでも、その土地を手に入れるのが普通ではないでしょうか?(何しろ、その世界の人間はアルラウネよりも害のないワーウルフですら見境無しに攻撃して滅亡させかけたくらいですから)
ですからこの場合、アルラウネがいる事は「山脈が未だに開拓されない理由」には特にならないと思います。
この様に「アルラウネがいる」という事を「山脈が未だに開拓されない事」の理由とされる事には無理があると思いますので、「アルラウネがいる」という事と「山脈が未だに開拓されない事」の間に関連性を持たせるのでしたら、「だが、それは(山脈が未だに開拓されていない事は)、そこに棲むモノ(アルラウネ)にとっては幸運な事だった」という具合に、「山脈が未だに開拓されない事」が「アルラウネにとって良い事である」という扱いになる様に話を進められては如何でしょうか?
それから
>彼女達の美しさに心を奪われたら最後、運が悪ければ触手のような蔦に体の自由を奪われ、足元に花壇のように広がる花弁の形をした口に捕食されて養分にされてしまう。
とありますが、「捕食」とは「生物が餌となる対象の動物を捕らえて食う事」であり、「餌となる対象の動物を捕らえ」というのは「触手のような蔦に体の自由を奪われ」という段階で既に「触手のような蔦」が行っている事であり、「花弁の形をした口」は「食う事」だけを行っているのであって、「口で『捕らえる事』を行っている」という訳ではないのですから、「口に捕食されて」とは言えないと思います。
それから
>実のことを言うと、光合成が主食な彼女達を評する言葉として、後段はとにかく前段の評価は度が過ぎていたのだが、彼女達が美しくも恐ろしい種族であることには変わりが無かった。
とありますが、「光合成」は現象なのであって、「餌」の様な物質なのではありませんし、「精気」の様なエネルギーの類でもありませんから、「光合成が主食」(光合成を食べている)という表現は出来ないと思います。
それから
>それはファイ一郎が、とある場所で攻撃を受けたからであり、攻撃後色々と忙しい事態が続いたため、その傷の深さの確認がこれまで取れなかったからだった。
とありますが、「ファイ一郎が攻撃した」という訳ではないのですから、「攻撃後」というのはおかしいと思います。
ですから、「攻撃後色々と忙しい事態が続いたため」ではなく「攻撃を受けた後、色々と忙しい事態が続いたため」或いは「その後、色々と忙しい事態が続いたため」ではないでしょうか?
それから
>今から二時間ほど前、新たな城らしき建物を見つけたマイマイは、情報収集をするために早速ファイ一郎を降下させた。
とありますが、「新たな城らしき建物を見つけた」では「『建てられてから間もない城』らしき建物を見つけた」という意味になってしまいます。
「城らしき別の建物を見つけた」とか「城らしき建物を新たに見つけた」の間違いではないでしょうか?
それから
>マイマイが下を覗きこむと、城の周囲に五人程の兵士のような人達が現れ、こちらに向かって魔法を撃ったり、弓を引いている姿が見えた。
とありますが、「五人程の兵士のような人達」は「マイマイが下を覗きこむ」よりも前に攻撃を開始していたのですから、「マイマイが下を覗きこむと、兵士のような人達が現れ」(「マイマイが下を覗きこんだ後に兵士のような人達が現れた」事になります)とされているのはおかしいと思います。
又、「~したり」という形式の表現は反復して使用するものですから、単独で使うのはおかしいと思います。
【参考URL】
小学校教師からのメッセージ ザ・教室 blog > 教師からのメッセージ > 2011/12 > 次ページ > 「~たり」の使い方
http://shiozaki.blog48.fc2.com/blog-entry-1411.html
ですから、「現れ、」を削除された上で、「弓を引いて」という部分も「~したり」という形式の表現に変えられて、次の様にされては如何でしょうか?
マイマイが下を覗きこむと、城の周囲に五人程の兵士のような人達がこちらに向かって魔法を撃ったり、弓を引いたりしている姿が見えた。
それから
>「あの規模の城の兵士にしては、妙に数が少ないでござるが、間違いなく抵抗を受けているでござる!」
とありますが、「抵抗」とは「外部から加わる力(権力や武力等)に対して、はむかう事。さからう事」であり、マイマイ達は「城(?)」やそこに居る人々に対して力を及ぼした訳でも、及ぼそうとした訳でもないのですから、「ファイ一郎には害意が無い」という事を知らない城の兵士達が言うのでしたら兎も角、「ファイ一郎を始めとするマイマイ達には害意が無い」という事を知っているスケサンが、「抵抗を受けている」という表現を使うのはおかしいと思います。
ですから「抵抗を受けている」ではなく「攻撃を受けている」ではないでしょうか?
それから
>「なんですと!」
>「なんてこったい、仕方がない!撤退!」
>何がいけなかったんだろう、とにかく一旦どこかに身を隠して仕切りなおそう。
とありますが、ネカマであるにも関わらず、女言葉ではなくなっています。
「なんですと!」の方は、予想外の事態に驚いて、思わず元の口調になってしまったという事もあるかも知れませんが、「なんてこったい」の所まで男言葉にされているのは、動揺が長引き過ぎていて、不自然な印象になっている様に思います。
女言葉であれば「なんてこったい」ではなく「なんでなの~?」とか「一体どうして?」、「なんてことなの」等とされる処ではないでしょうか?
同じく「何がいけなかったんだろう」ではなく「何がいけなかったのかしら」、「仕切りなおそう」ではなく「仕切りなおしましょ」ではないでしょうか?
それから
>スケサンの指差す先には、平地の中に突然現れたように見える、大きな山脈がそびえ立っていた。
>一見良さそうなアイデアだったが、麦畑が広がる平地の真ん中に、人家が無い山脈があるということにマイマイは若干の違和感を覚えた。
とありますが、山脈と呼ばれている以上、非常に長大な地形(例えば比較的小さな山脈である木曽山脈ですら、長さ35~65km)という事になりますから、その様な巨大な地形ですら、その中に突然現れたように見えるほど広大な平地となりますと、地平線を遥かに越えた遠くまで続く平地という事になり、与圧装置も無しに呼吸が出来る程度の低空、それどころか、飛行中(移動中)の標的に対して、地上から目測で狙ったのに過ぎない攻撃が何度も命中する程の低空から一望出来るものではないと思います。
低空から眺めた際に、2つの平地が大きな山脈によって隔てられている様に見えるというのでしたら解りますが、そうではなく、山が低空から一望しただけで平地に囲まれている事が判る程度の大きさでしかないのでしたら、それは山脈と呼ばれる様な「山々が幾つも連なったもの」などではなく、単独の小さな山に過ぎないとしか思えません。
それから
>「そこに向かおう」
>「いや、やっぱり待つことにしよう。
> 確かにカグヤのヒアリング結果を待ってからの方がいいな」
とありますが、ここでも女言葉ではなくなっています。
「そこに向かおう」ではなく「そこに向かって」或いは「そこに向かいましょ」ではないでしょうか?
同じく「待つことにしよう」ではなく「待つことにするわ」或いは「待つことにしましょ」ではないでしょうか?
同じく「待ってからの方がいいな」ではなく「待ってからの方がいいわね」ではないでしょうか?
それから
>それに、いざという時は、私がしっかりと叱り付けて言うこと聞かすから大丈夫!
とありますが、「聞かす」ではなく「聞かせる」ではないでしょうか?
それから
>「…なぜこれで怯える、別に食べようとしたりしてる訳じゃないのに」
とありますが、「したりしてる」という書き方は日本語にはないと思います。
「食べようとしたりしてる訳じゃない」ではなく「食べようとしている訳じゃない」ではないでしょうか?
それから
>「アルラウネって、美しい女性に擬態しているって言われるけど、そこんとこ実際のところどうなの?」
とありますが、「言われるけど」ではなく「言われているけど」ではないでしょうか?
又、「そこんとこ」とは「そこのところ」が訛ったものですから、「そこんとこ実際のところ」では、「そこのところ実際のところ」という「ところ」が重複しているおかしな表現となってしまいます。
「そこんとこ実際のところどうなの?」ではなく「そこんとこ実際はどうなの?」ではないでしょうか?
それから
>「えっと…この体も本体ですが、全て見えていないという意味では擬態しているとも言えます…」
とありますが、このままでは「全て見えていない」とはどの様な意味なのかが判り難いと思います。
特に、アルラウネとはどの様なモンスターなのかという事を良く知らない人間には、意味が通じないのではないかと思います。
アルラウネの事を、イラストやゲームの画面上で見た姿しか知らなければ(姿だけを知っていて、生態等の細かな裏設定など知らなければ)、人型をしている部分が本体の全てだと思うのが普通ではないでしょうか?
第一、伝説にある本来のアルラウネの姿は、根っこが人型をしていて、その人型の部分の殆どは(大根やニンジンの可食部分と同様に)地中に埋まっているのですから、「人型をしている部分が本体の全て」と考えても間違いではない筈です。
ところが、貴作品のアルラウネは、本来のアルラウネとは異なる形態や生態をしているのですから、「全て見えていない」とはどの様な意味なのかという事を、説明する記述が不可欠ではないかと思います。
それから
>(あるぇー)
とありますが、「(あるぇー)」ではなく「(あるぇー?)」或いは「(あるぇー!?)」ではないでしょうか?
それから
>ですがその前に報告が、フェブニア女王以下、この山全てのアルラウネが我が国の配下に入りました
とありますが、何故、アルラウネ達が配下となった事が決定済みの事柄になっているのでしょうか?
幾ら王であるマイマイが「基本的には、来る者は拒まずが私達のモットー」という考えを持っているとはいえ、その様な重大な事柄を、マイマイの許しも得ずにカグヤが独断で決定してしまうのは明らかな越権行為、即ち、彼女の主であるマイマイを蔑にする行為ではないでしょうか?
もし仮に、カグヤにその様な決定を行うための正当な権限があるのでしたら、それだけの権限があるという事に関する説明を、本文中に記述して頂かなければ、読者にとっては不自然に感じられるシーンとなってしまいます。
それから
>「なるほど、周辺情報はよく分かった。
>で、どうしてアルラウネの王国が配下になるのか、もう一度説明してくれないか」
とありますが、ここでも女言葉ではなくなっています。
「よく分かった」ではなく「よく分かったわ」、「説明してくれないか」ではなく「説明してちょうだい」ではないでしょうか?
それから
>それでついでに、私がどういった人物なのか、誤解無い様に伝えておいてくれると助かるんだけど?
>「マイマイ姫様がどういった人物か誤解無い様に伝えるのですか…?」
とありますが、「誤解無い様に」ではなく「誤解の無い様に」ではないでしょうか?(2箇所)
それから
>ところが、目の前のフェブニアはフレンドリーになるどころか、畏怖の念を抱いているのではないか?
>と思ってしまうような状態になっていた。
とありますが、「思ってしまう」とは「フェブニアがそう思ってしまった」という訳ではないのですから、「フェブニアは~と思ってしまう」と言う事は出来ないと思います。
「フェブニアは(中略)と思ってしまうような状態になっていた」ではなく「フェブニアは(中略)としか思えない態度を示した」或いは「フェブニアの挙動は(中略)と思われても仕方がないものだった」ではないでしょうか?
それから
>「ま、まあ破壊神国は来る物は拒まないし、基本的に自由と平等が保障されているし、私もその方針を変えることも無いからな、いいよ」
とありますが、「来る物」ではなく「来る者」ではないでしょうか?
又、「方針を変えること」に関する説明において、「私も」と言っている以上は、「『私』がどの様な考えでいるのか」という事に関して説明している事になりますから、「変えることも無い」ではなく「変える気も無い」或いは「変えるつもりも無い」ではないでしょうか?
それに、破壊神国はマイマイが絶対君主であるという、厳然とした身分制度が存在しているのですから、単に「マイマイには権力をふるう気が無い」という理由によって実質的には「自由と平等」が存在している状態となってはいるものの、その状態はマイマイの気が変われば簡単に覆されてしまうものなのですから、国民の「自由と平等」に関しては「保障」まではされていないと言えます。
後、「マイマイを崇めない自由」や「マイマイの意思に異議を唱える自由」といった、「思想の自由」の類は、存在していないのではないでしょうか?
つまり、この台詞においてマイマイが「自由と平等」に関して言っている事は、明らかな嘘であると思います。
それから
>二つ返事で配下に加えることを決定した結果、カグヤが具体的にどういった内容を説明したのか、聞くタイミングをマイマイは逸してしまった。
>しかし『分かりにくいフラグで配下が増えることは良くあること』と自分を納得させ、この問題を終わらせることにした。
とありますが、「しかし、(中略)終わらせることにした。」という文章において「自分を納得させ、この問題を終わらせることにした」という決断を下した(下さざるを得なかった)のは、「聞くタイミングをマイマイは逸してしまった。」からなのですから、「自分を納得させ、この問題を終わらせることにした」という決断を下した事は、「聞くタイミングをマイマイは逸してしまった。」という状況に反している事にはなりませんので、ここで『分かりにくいフラグで配下が増えることは良くあること』の前に付ける接続詞に「しかし」を使っているのはおかしいと思います。
「聞くタイミングを逸してしまった」からこそ、マイマイは「自分を納得させ、この問題を終わらせることにした」のですから、『分かりにくいフラグで配下が増えることは良くあること』の前に付ける接続詞は、「しかし」ではなく「そのため」或いは「だから」等ではないでしょうか?
それから
>先にマイマイが自分で語っていたように、大切な問題が別にあったからだ。
とありますが、「問題」などというものは「無い方が良い事柄」の筈ですが、「問題(が存在している状態)を大切にして」一体どうするのでしょうか?
「大切な問題」ではなく「重大な問題」ではないでしょうか?
それから
>「そういう意味で言えば、実質的な被害が無かったのは幸運だったと言うべきか」
とありますが、ここでも女言葉ではなくなっています。
「言うべきか」ではなく「言うべきかな」或いは「言うべきね」、「言うべきかもしれないね」、「言うべきかもしれないわね」ではないでしょうか?
それから
>地母神教会とは、ステイシスの報告によると最も近づいてはいけない場所だった。
>だというのに、迂闊にもそこに何の準備も無しに近づいてしまっていたのだ。
とありますが、「だというのに」は例えば「~しては駄目だというのに~してしまった」という具合に、1つの文中において、条件や理由を示す前半部分と、その前半部の条件・理由に反する結果を示す後半部分を繋ぐ役割を果たすために、文の途中の所に置かれる言葉ですから、文頭の所に「だというのに」が来ているのはおかしいと思います。
ですから、「だというのに」に替えて「それなのに」を使用して
地母神教会とは、ステイシスの報告によると最も近づいてはいけない場所だった。
それなのに、迂闊にもそこに何の準備も無しに近づいてしまっていたのだ。
とされるか、或いは2つの文章を1つに纏めて、
地母神教会とは、ステイシスの報告によると最も近づいてはいけない場所だというのに、迂闊にもそこに何の準備も無しに近づいてしまっていたのだ。
とされた方が宜しいかと思います。
それから
>マイマイは、自分達が死ぬという最悪の事態を想像しブルリと震えた。
とありますが、「しブルリ」では意味不明です。
「想像しブルリと震えた」ではなく「想像し、ブルリと震えた」ではないでしょうか?
それから
>「どういうことでござる?」「キシャー?」
とありますが、この2つの台詞は、それぞれ別の人物が話したものなのですから、1行に繋げて記述するのは、記述の仕方としては正しいものではないと思います。
ですから、例えば次の様にされては如何でしょうか?
「ですが、次も幸運が続くとは限りませんし、今回の件でこのままでは旅が続けられないということが判明しました」
「どういうことでござる?」
「キシャー?」
スケサンとカクサンから挙がった疑問の声を受けて、カグヤは続けて理由を説明した。
「教会の危険性は分かっていましたが、ここまで攻撃的だとは思わなかったということです。
そして教会は多くの町に存在するということです」
それから
>「なるほど、街は敵の勢力圏下って訳だ」
>「でもどうすればいいんだ、街に入らなければ情報収集が出来ないし」
とありますが、ここでも女言葉ではなくなっています。
「勢力圏下って訳だ」ではなく「勢力圏下って訳ね」、「どうすればいいんだ、」ではなく「どうすればいいの? 」ではないでしょうか?
それから
>『クイーンアラクネのローブ』と呼ばれるこのローブは、魔界にしか生息しないアラクネの上位種であるクイーンアラクネの白金のように輝く糸で編んだ『超高級ロープ』で、白金のような美しさが有名だったが、動きやすさと高い耐久性でも定評があった。
とありますが、『超高級ロープ』(半濁点)ではなく『超高級ローブ』(濁点)ではないでしょうか?(それとも、マイマイを『超高級ロープ』で縛り上げるのでしょうか?)
それと、アラクネやクイーンアラクネがどの様な生き物であるのか説明が無いため、「クイーンアラクネの白金のように輝く糸」と言われても、どの様な糸なのかが解りません。
これがギリシア神話を題材にした話なのでしたら、アラクネとは死後(或いは、生きたまま神の呪いによって)、蜘蛛に変えられてしまった人間の女性である事は、(ギリシャ神話が有名であるが故に)説明する必要はありません。
ですが、オリジナルの作品に登場する「アラクネ」という種族となりますと、「蜘蛛」であるとは限らず、どの様な種族であるのかは作者にしかわからない事なのですから、その糸と言われても、読者には「アラクネという精霊種族が紡ぐ糸」の事なのか、それとも「アラクネという獣の体毛から作られる糸」、「アラクネという蛾の幼虫が紡ぐ糸」、「アラクネという植物の茎からとれる繊維から作られる糸」なのか判りません。
ですから、『クイーンアラクネのローブ』の説明を態々記述されるのであれば、そのついでに、「アラクネ」や「クイーンアラクネ」に関しても、「魔界にしか生息しないアラクネの上位種であるクイーンアラクネ」というだけではなく、例えば「魔界にしか生息しない蜘蛛の一種であるアラクネの上位種であるクイーンアラクネ」という具合に、アラクネやクイーンアラクネがどの様な生き物であるのかという事の説明を加えられた方が宜しいのではないかと思います。
尚、もしもアラクネが只の蜘蛛などではなく、例えば魔物の類である場合には、勿論、上記の「蜘蛛の一種」という箇所を、「蜘蛛の魔物」に差し替えれば良い訳です。
それから
>「そして拙者は、顔も体も完全に覆うようなタイプの鎧を着れば問題ないでござる」
とありますが、それは少々考えが甘いのではないでしょうか?
平和ボケの現代日本ですら、フルフェイスのヘルメットを被っていてはコンビニに入店する程度の事も出来ないというのに、出入りする旅人の中に怪しい人間がいないかどうかをチェックしている様な街で、身分を証明するものも持たない人間を、顔の確認もせずに入れてしまうのは不自然な話ではないかと思います。
もしも、全身鎧で正体を隠した人物であっても、街に入ってOKというのでしたら、指名手配犯等の犯罪者であろうと、幾らでもほぼ自由に街に出入りする事が出来ますから、街の出入り口では一体何をチェックしているのか解らなくなります。
それから
>「そんな裏技なんて都合のいいもの、あ、あった!」
>「人族化MOD!」
とありますが、
>アイテムの中には、透明になったり体を小さくしたりする効果のものがあった。
>しかし、いかにも便利そうなこれらには、攻撃が当たっただけで解けたり、厳しい時間制限があったりと、それ相応の欠点があったのである。
という設定がある以上、「人族化MOD」も「解けやすい」という欠点があるのは同様なのではないでしょうか?
それとも、「人族化MOD」はアイテムではないという扱いなのでしょうか?
仮に、「人族化MOD」には「解けやすい」という欠点が存在しなかったとしましても、
>人族化MODは、どのようなレベルの家臣が使用しても、レベル1の村人程度の能力になってしまうという欠点があったのである。
という設定がある以上、人に化けさせていた家臣を戦力として扱う際には、一旦、人化を解かねばなりませんから、タイムラグという欠点があるという点では「召喚」と同様ではないかと思います。
それどころか、人化中に弱体化する事によって、負傷や死亡の危険性が増すのですから、「ファイ一郎が目立ってしまう」という問題の解決手段としては、「人族化MOD」の使用は「召喚」よりも劣っていると思います。
それから
>それとフェブニアさん、万が一だけど、周りに影響が出るかもしれないから、あなたも含めたアルラウネ達全員をこの場から遠ざけてくれないかな
とありますが、移動する事が不得意なアルラウネ達を遠ざける位ならば、マイマイ達の方がアルラウネの居ない場所に移動してから「人族化MOD」を使用した方が良いのではないでしょうか?
それから
>良かった、しかし人族化しても背が高いね、流石人族化MODと言うべきか
とありますが、人族化したファイ一郎の背が高いのは、別に人族化MODの効果によるものではないのですから、「流石人族化MOD」というのはおかしいと思います。
又、ここでも女言葉ではなくなっています。
「言うべきか」ではなく「言うべきかな」ではないでしょうか?
それから
>「しかし何故だ」
>何故そんなにイケメンなんだ!!
>元々ファイ一郎の顔が、ドラゴンではイケメンだったということなのか!?
とありますが、ここでも女言葉ではなくなっています。
「何故だ」ではなく「何故なの?」、「イケメンなんだ!!」ではなく「イケメンなの?」、「ということなのか!?」ではなく「ということなの?」ではないでしょうか?
尚、もしも、この部分はマイマイ(の中の人)の男としての嫉妬心が現れている台詞であるという理由から、あえて男言葉にされているのでしたら、
>ファイ一郎はイケメンだったの?
>それとも人族化MODを使えば、誰でもイケメンになれるの?
>ねえ!どうなの!?
という箇所で、女言葉になっているのはおかしいという事になります。
それから
>わっわっわっ、そんなに揺らさないで!?」
>「マイマイ姫様がっ喋ってくれるまで、揺するのを止めません!!」
とありますが、「姫様がっ喋って」ではなく「姫様が喋って」ではないでしょうか?
それに、カグヤがマイマイの命令を拒んでいるのは、
>家臣は非常に便利な存在だが、AI故に意外と融通が利かないのが欠点だ。
>世界建設ギルドでは『家臣達にとって百使徒とは神以上の存在で、その忠誠心は物凄く高い。そのため、常識的に無茶な命令やありえない命令でも、「百使徒様のお考えだから」と実行しようとしてしまう』という脳内設定にして対応していた。
>家臣達は自らを創造した百使徒を、唯一無二の神として崇め、絶対的な存在としていた。
>そして『忠誠こそが家臣の誉』という言葉の元、ありとあらゆる命令を忠実にこなしてきた。
という設定と矛盾するのではないでしょうか?
それから
>そうだよ、当たり前じゃないか
>「あっ、手首が捻挫しているじゃないか」
とありますが、ここでも女言葉ではなくなっています。
「当たり前じゃないか」ではなく「当たり前じゃないの」、「捻挫しているじゃないか」ではなく「捻挫しているじゃないの」ではないでしょうか?
それから
>便利な道具でも、何らかの欠点を抱えていることが多いというのが世の常だったが、人族化MODもそれに当てはまっていた。
とありますが、「人族化MODもそれに当てはまっていた」ではなく「人族化MODにもその事は当てはまる」ではないでしょうか?
それから
>何だかカグヤの様子が一時期変だったし、ファイ一郎も怪我しちゃったけど。
とありますが、「カグヤの様子が変だった時間」は「何日にも亘っていた」という訳ではないのですから、「一時期」とは言えないと思います。
「カグヤの様子が一時期変だった」ではなく「カグヤの様子が一時的に変だった」ではないでしょうか?
「第十一話 オガサワラシティ」において、
>スケサンは、姿を隠すために『レグリアンアーマー』を着込んでいた。
とありますが、別にスケサンは透明になったり、物陰や秘密の場所等に隠れたりしている訳ではなく、「青いプレートアーマーを着込んでいる姿」は肉眼でも見える状態なのですから、「姿を隠す」とは言えないと思います。
「姿を隠すために」ではなく「正体を隠すために」ではないでしょうか?
それから
>つまり王女の一人で、この場所から峰を一つ挟んだ地域の統治を任せていたたため到着が遅れて、マイマイが巨大ドラゴンに命令したりしている所を目の当たりにしていなかったからだ。
とありますが、「任せていたたため」(「た」が3つ)ではなく「任せていたため」(「た」が2つ)ではないでしょうか?
それから
>だとすれば、力もプライドも想像を絶するほど強いはずよ。
とありますが、「力」の方は「力が強い」で間違いは御座いませんが、「プライド」は「強い」ものではなく「高い」ものだと思います。
ですから例えば次の様にされては如何でしょうか?
だとすれば、力の強さもプライドの高さも想像を絶するほどのもののはずよ。
それから
>しかし、それらの特徴は一般的な魔王のイメージとかけ離れており、更に王女から見れば口頭での説明という状況証拠だけで、マイマイの配下に入るという重大な決断をしたように見えるからだ。
という疑念を持っているのであれば、フェブニアやアルラウネの王女は何故、『歴史的記録』とやらを見ただけで信じる気になったのでしょうか?
渡された「立体映像」が「『歴史的記録』である」という話も所詮はカグヤによる「口頭での説明」に過ぎず、フェブニア達も自身が言った様に「本物ように見えるけど幻」である事は理解しているのですから、アルラウネの王女が言う
>「天地創造、神の業だ…」
とやらを、マイマイとその仲間たちが実際に行ったと考えるよりも、自分達はマイマイ達が捏造した「その様に見える幻」を見せられただけと考えた方が、はるかに納得がいく話ではないでしょうか?(事実、捏造ですし)
いや、むしろ(「魔王を倒したとか、千年前に三界の半分を支配した」程度までなら半信半疑で否定はし切れなくとも)天地創造レベルの事をやっている幻などを見せられては、返って、「流石にそれは無いだろ!? こんな映像は作り物だ。こんな嘘映像を歴史的記録などと言っているという事は、こいつらは自分達を騙そうとしているに違いない」と思うのが普通ではないかと思います。
因みに、ガグヤによる「口頭での説明」は、単なる関係者による「主張」であって、「状況証拠」ですら御座いません。
それと、例え「口頭での説明」ではあっても、それが利害関係にはない第三者によるものである場合には、「状況証拠」ではなく「直接証拠」の一種である「人的証拠」になり得ます。
それから
>フェブニアは、フワフワと宙に浮く小さな水晶を取り出した。
とありますが、「取り出した」とされている以上は、取り出す前には水晶は何かに収納されていた筈ですから宙に浮く事は出来ませんし、取り出している最中にはフェブニアの手(或いは蔦?)によって掴まれていた筈ですから同様に宙に浮く事は出来ませんから、「取り出した水晶から、手を放すと宙に浮いた」のであって「宙に浮いている水晶を取り出した」という訳ではないのではないでしょうか?
ですから、「フェブニアは小さな水晶を王女に見せた。フェブニアが手を開くと、その水晶は不思議な事にフワフワと宙に浮かび上がった」という事なのではないでしょうか?
後、アルラウネに関して説明している箇所には
>細い蔦と花以外は何も身につけていないという、あられもない姿の、人ならざる程の美しさを持つ若い女性達。
と書かれているのですが、そうしますとフェブニアは、一体どこから水晶を取り出したのでしょうか?
それから
>これは、あなた達と別れて、従者と二人だけになった時に渡されたものよ。
とありますが、それより前の箇所において
>つまり王女の一人で、この場所から峰を一つ挟んだ地域の統治を任せていたたため到着が遅れて、マイマイが巨大ドラゴンに命令したりしている所を目の当たりにしていなかったからだ。
とあります様に、アルラウネの王女は別の場所からやって来て、フェブニアと合流したばかりなのですから、フェブニアが「従者と二人だけになった時」よりも以前の時点では、フェブニアとアルラウネの王女は別個に行動していた事になりますので、フェブニアは「あなた達と別れて」という事、即ち「『元々傍には居なかったアルラウネの王女』達と別れて」という事は出来る筈がないと思います。
それから
>彼らの向かうところは唯一つ、すり鉢上に抉られた大地の底に佇む存在。
>それは魔王と呼ばれるものだった。
とありますが、「すり鉢上」ではなく「すり鉢状」ではないでしょうか?
又、
>大地には幾つものすり鉢状の穴が開けられ、空は茶色く濁っていた。
ともありますから、このままでは魔王は何人も(すり鉢状の穴と同数の人数だけ)存在している事になってしまいます。
ですから「すり鉢上に抉られた大地の底に佇む存在」ではなく「大地に抉られたすり鉢状の穴の内の一つの底に佇む存在」等とされては如何でしょうか?
それから、間違いという訳では御座いませんが
>「狩の時間だ!」
とありますが、「狩猟」という意味の「かり」という言葉を漢字で記述する際には、「狩」という具合に漢字一文字で記述するよりも、「狩り」という具合に、送り仮名の「り」を付けて記述する方が一般的です。
それから
>「理性を捨てても勝てないのか…
>だが、世越え人共よ、これで終わりではない…
>私を倒そうとも、第二第三の魔王が現れ…「そうか、それは楽しみだ」
とありますが、マイマイの台詞を表す鉤括弧だけが閉じられていて、魔王の台詞を閉じるための鉤括弧(」)がありません。
それから
>その景色の中には、アルラウネの伝承に残る姿とそっくりなフェブロニア大女王の姿もあった。
とありますが、「景色」とは山や海といった「観賞の対象としての自然界の眺め」の事です。
「フェブロニア大女王」は「自然界の眺めの一部」などではなく「人物」なのですから、「その景色の中には(中略)フェブロニア大女王の姿もあった」と表現するのはおかしいと思います。
「その景色の中には」ではなく、例えば「その光景の中には」等とされては如何でしょうか?
それから
>なら彼らは何かというと、それは神でしかなかった。
とありますが、「~でしかなかった」という表現では、「只の~に過ぎなかった」という様な、あたかも「高位とは言えない存在」である事を表しているかの様なニュアンスになってしまいます。
ですから、「それは神でしかなかった」ではなく「それは神としか言いようがなかった」とか「それは神としか呼びようがなかった」等とされては如何でしょうか?
それから
>従者によると、破壊神国は現在再建中だけど、魔王を倒した破壊神様を筆頭に、あのドラゴンのような強力な家臣団は健在らしいわ。
とありますが、この表現の仕方ですと、健在なのは「家臣団」であり、その「家臣団」の筆頭が「破壊神」という事、即ち、「『破壊神』も家臣の一人」であり、「破壊神」は破壊神国のトップではない、というニュアンスになってしまいます。
ですから、「魔王を倒した破壊神様を筆頭に、あのドラゴンのような強力な家臣団は健在らしいわ」ではなく「魔王を倒した破壊神様や、あのドラゴンの他にも、強力な家臣団も健在らしいわ」等とされては如何でしょうか?
それから
>(この様子じゃ、続きを説明するのはもう少し先の方がいいわね)
とありますが、「もう少し先の方が」ではなく「もう少し後の方が」ではないでしょうか?
それから
>なんだろうと思い、フェブニアは目を近づけ文字を読み取る。
>「…………………??」
>しかしながら、フェブニアはそれを読み取ることができなかった。
とありますが、「目を近づけ文字を読み取る」では読み取る事が出来たと断言している事になってしまいます。
結局「読み取ることができなかった」という事でしたら、「目を近づけ文字を読み取る」ではなく「目を近づけ文字を読み取ろうとした」ではないでしょうか?
それから
>文字が読めるマイマイがこれを見れば「これを見せたの!?私の黒歴史がああああああ!!!ちょっとお外走ってくるううううううう!!」と顔を真っ赤にしながら周囲をパタパタと走り回ることになったからである。
とありますが、「文字が読めるマイマイが」ではなく「文字を読めるマイマイが」或いは「その文字を読めるマイマイが」ではないでしょうか?
又、実際にはマイマイが走り回った訳でもないのに、「走り回ることになったからである」としているのはおかしいと思います。
「走り回ることになったからである」ではなく「走り回る事態になるのに決まっているからである」或いは「走り回る事態になるのに違いないからである」ではないでしょうか?
それから
>『破壊神国募集CM ハリウッド映画PV風バージョン』
とありますが、「破壊神国」という「国家」を募集してどうするのでしょうか?
「破壊神国募集」ではなく「破壊神国民募集」或いは「破壊神国神民募集」ではないでしょうか?
後、どうでも良い話ですが、
>家臣の中には毎晩あれを見ないと眠れないという者も居るのに…
とありますが、マイマイの家臣たちの性格から推測しますと、彼らが”あれ”を見てしまうと、興奮のあまり、逆に眠れなくなる様な気がします。
それから
>それは、オガサワラシティに着いた為、ファイ一郎の「グアー」という声を他の人に聞かれる可能性があったからだ。
とありますが、「可能性」とは「好ましい事柄が起きる確率」に対して使う言葉であり、
>ファイ一郎の「グアー」という声を他の人に聞かれる
という様な、「好ましくない事柄が起きる確率」に対して用いるのは、必ずしも間違いとまでは言えないものの、あまり一般的な使い方ではありません。
ですから、この場合は「可能性があったからだ」ではなく「おそれがあるからだ」とされた方が宜しいかと思います。
それから
>ないったら無い。
とありますが、同じ言葉の表記の仕方は、なるべく統一された方が良いと思います。
ですから、同じ「無い」を表記する際に、「ないったら無い」の様に、片方を平仮名、もう一方を漢字で表記されるのではなく、「無いったら無い」の様に両方漢字で表記されるか、或いは「ないったらない」の様に両方平仮名で表記されるかの何れか一方とされるべきではないでしょうか?
それから
>思ったより大きな町だね
とありますが、「オガサワラシティ」に関する説明には
>高さ3メートルほどの城壁と幅が10メートル程ある水堀に周囲をぐるりと囲まれた都市
>オガサワラシティはオガサワラ伯爵領の領都で、
とあります様に、「都市」や「領都」と書かれているのですから、「町」と呼ぶのはおかしいと思います。
ですから、「町」ではなく「街」ではないでしょうか?
それから
>そして、町に入るためには堀に掛けられた可動橋には、何台もの馬車が往来していた。
とありますが、「町に入るためには何台もの馬車が往来していた」では意味不明です。
それに、ここもまた「町」ではなく「街」ではないでしょうか?
ですから、「町に入るためには堀に掛けられた可動橋には、」ではなく「街に入るために堀に掛けられた可動橋には、」ではないでしょうか?
それから
>そうだね、フェブニアさんの情報にあった奴隷市と関係あるのかもな。
とありますが、ここでも女言葉ではなくなっています。
「関係あるのかもな」ではなく「関係あるのかな」或いは「関係あるのかもね」、「関係あるのかもしれないわね」ではないでしょうか?
それから
>他の者は、みんな通っておるじゃないか!!
とありますが、その直後の
> 何故、銀子だけ止めるんじゃ!
という箇所において、マリーナが問題としているのは、「銀子だけ止める」という「兵士が行った行為」が、他の旅人に対する扱いとは異なるという点なのですから、「銀子だけ止める」という行為が不当であるとする根拠として引き合いに出すのであれば、「みんな通っておる」という「他の旅人が行っている行為」を引き合いに出すのではなく、「他の旅人に対して兵士が行った行為」を引き合いに出すべきではないでしょうか?
又、「年寄りのような変な喋り方」という事であれば、「みんな」ではなく「みな」、「おるじゃないか!!」ではなく「おるじゃろうが!!」ではないでしょうか?
ですから、「他の者は、みんな通っておるじゃないか!!」ではなく「他の者には通る事を許可しておるじゃろうが!!」或いは「他の者は、みな通しておるじゃろうが!!」ではないでしょうか?
それから
> 何故、銀子だけ止めるんじゃ!
とありますが、「年寄りの様な喋り方」とは少し違いますし、問い詰めている台詞なのですから疑問文にしなければおかしいと思います。
ですから、「止めるんじゃ!」ではなく「止めるのじゃ?」ではないでしょうか?
後、文脈から考えますと、「止めるんじゃ!」や「止めるのじゃ?」とされるよりも、「通れぬのじゃ?」とか「通さぬというのじゃ?」とされた方が、より適切の様な気がします。
それから
>大お祖母様の口真似じゃぞ!!!
とありますが、「叔母」の事を「大叔母様」という言い方はあっても、「大お祖母様」という言葉は日本語にはないと思います。
「祖母」の事を尊敬した呼び方で呼ぶ場合は「お祖母様」とか「祖母上」、「祖母上様」になりますし、「祖父母の母親」の事であれば、「曾祖母様」になります。
それから
>「やめろ、この痴れ者が!!銀子から離れろ!!」
とありますが、「年寄りのような変な喋り方」という事であれば、「やめろ、この痴れ者が!!銀子から離れろ!!」ではなく「やめい、この痴れ者が!!銀子から離れぬか!!」ではないでしょうか?
それから
>まがり間違ってスケサンのボディチェックされたら、大騒ぎになっちゃうだろ
とありますが、いやらしい意味でのボディチェックは兎も角として、街に出入りする人間をチェックするのは、街の門を任された兵士にとっては遂行せねばならない正規の職務なのですから、チェックを行う事は必然であって、間違った場合にのみ行われてしまう様なものではありませんので、「間違って」という言葉を使うのは不適切だと思います。(因みに「まがり間違って」ではなく「まかり間違って」です)
ましてや相手が顔も含めた全身を鎧で隠して、何者であるのか判らなくしている様な怪しさ大爆発の人物であれば尚更です。
もし、その様な人物であっても、顔の確認すらせずに街に入る事を許していたのでは、指名手配犯等の犯罪者であろうと、幾らでもほぼ自由に街に出入りする事が出来ますから、一体何のために街の出入り口に兵士を配しているのか解らなくなります。
それから
>「それは、マイマイお嬢様自身にも言えることです」
とありますが、「お嬢様自身にも」ではなく「お嬢様ご自身にも」ではないでしょうか?
それから
>万が一見つかっても、町人に見つかった程度なら騒ぐ前に消せますが
とありますが、オガサワラシティは町ではなく都市なのですから、「町人」ではなく「一般の市民」ではないでしょうか?
又、この場合の「消せます」とは「目撃者を口封じのために殺す事が出来る」という意味なのであるのに対して、「見つかった程度なら消せます」という記述の仕方では、「『見つかった』という『事実』そのものを無かった事にしてしまう事が出来る」という意味になってしまいますので、おかしな記述の仕方だと思います。
ですから、「町人に見つかった程度なら」ではなく「相手が一般の市民程度なら」ではないでしょうか?
それから
>マイマイ達の力なら、町人だろうが兵士だろうが、倒せるはずなのだが、何もかも謎になっている今では、そうとも限らないからである。
とありますが、オガサワラシティは町ではなく都市なのですから、「町人」ではなく「一般の市民」ではないでしょうか?
又、「そうとも限らないからである」という状況なのでしたら、「はずなのだが」と言う事は出来ないと思います。
ですから、例えば次の様にされては如何でしょうか?
マイマイ達の力であれば、一般市民だろうが兵士だろうが、容易に倒す事が出来るのではないかと考えられるが、何もかも謎になっている今では、必ずしもそうとは限らないからである。
それから
>「………怪しい奴がいたので、ボディチェックしているだけでございます…お貴族様」
>お貴族様どうかこれでご勘弁を…。
とありますが、「お貴族様」では、敢えて馬鹿丁寧な言い方をする事で相手を小馬鹿にしている場合の言い方になってしまいます。
私も詳しくは知りませんが、上級貴族の妻や娘の事を呼ぶ場合には、「レイディ」辺りが無難なのではないかと思います。
【参考URL】
Lively,Lads! > その他帆船小説関係資料集> 2005/6/5「イギリス貴族の爵位と呼称」
http://navy.ap.teacup.com/miuman/114.html
そろそろ、感想欄に入力可能な文字数の限界を超えそうですので、残りは又後に投稿する事に致します。
とんでもない力作ですね。
今まで頂いた感想の中で一番長いかもしれません。
文章の改善案など色々な意見を頂いているところですが、今の自分の状態や書き方が自分にとってとても良いリズムになっていますので、この機会を逃さずこのまま次話の作成を進めていきたいと考えています。そのため、過去分の修正などは今すぐには考えておりません。ですが、ある程度先まで進んだところの振り返りで、いただいたご意見については色々と参考にさせていただきたいと思っています。
今まで頂いた感想の中で一番長いかもしれません。
文章の改善案など色々な意見を頂いているところですが、今の自分の状態や書き方が自分にとってとても良いリズムになっていますので、この機会を逃さずこのまま次話の作成を進めていきたいと考えています。そのため、過去分の修正などは今すぐには考えておりません。ですが、ある程度先まで進んだところの振り返りで、いただいたご意見については色々と参考にさせていただきたいと思っています。
- pzg
- 2013年 07月24日 19時30分
[良い点]
・登場人物数名はキャラが立っていると思う
・説明が多い気もするが、一話目の掴みは良かった
・伏線の敷き方と回収は上手。見習いたいくらい
[気になる点]
文庫一冊半近い文章量なのに物語に進展が無く冗長。山も谷もないうえに視点がすぐ移るので、どこに焦点を置いて読めばいいのかわからなくなる。部分部分には面白い場面もあるのだけど、通して読んでいると盛り上がりに欠ける
いち読者としては「早くカタルシスをくれ」といった心境です
[一言]
個人的一番人気はステイシス嬢でしょうか
ウォルフルとの交渉シーンから報告書の作成は面白かったです。いつもは頼れる上司と二人でやっていた会社回りを、いきなり一人でやれと言われたらそりゃあ大変ですよね
ただ、すごく美味しい設定であるワンドルフ周りの話が、あのままあっさり流されてしまったのが残念でした。最初の山場はここかなぁと当たりをつけていたら、サクっと次の話だったので「え? おわり?」と思いました
ではでは
・登場人物数名はキャラが立っていると思う
・説明が多い気もするが、一話目の掴みは良かった
・伏線の敷き方と回収は上手。見習いたいくらい
[気になる点]
文庫一冊半近い文章量なのに物語に進展が無く冗長。山も谷もないうえに視点がすぐ移るので、どこに焦点を置いて読めばいいのかわからなくなる。部分部分には面白い場面もあるのだけど、通して読んでいると盛り上がりに欠ける
いち読者としては「早くカタルシスをくれ」といった心境です
[一言]
個人的一番人気はステイシス嬢でしょうか
ウォルフルとの交渉シーンから報告書の作成は面白かったです。いつもは頼れる上司と二人でやっていた会社回りを、いきなり一人でやれと言われたらそりゃあ大変ですよね
ただ、すごく美味しい設定であるワンドルフ周りの話が、あのままあっさり流されてしまったのが残念でした。最初の山場はここかなぁと当たりをつけていたら、サクっと次の話だったので「え? おわり?」と思いました
ではでは
伏線は沢山引いていますが、引きすぎて回収が凄く先のまであって、実はちょっと大変になったりもしています。
文章量の一冊半ですが、文庫をあまり読んだりしないせいか、てっきりまだ一冊の半分も書いていないと思っていました。
実は、あと5話から10話ぐらいで第一章が終わりまして、第一章の終わりと、次の第二章に向けて伏線を引いたりしている状態です。そういう意味では、どの程度でカタルシス的なのか人によって差があるかもしれませんが、大きな展開は今後といったところでしょうか。
目標としては今年中に第一章を終わりたいと思っています。
ステイシスさんとワンドルフとマイマイの話は実はまだ終わっていない(前半だけ終了)状況です。そういう意味では、丸ごと伏線と言うか…
プロットが変わったら分かりませんが、第二章前後で後半部分が出てくる予定です
文章量の一冊半ですが、文庫をあまり読んだりしないせいか、てっきりまだ一冊の半分も書いていないと思っていました。
実は、あと5話から10話ぐらいで第一章が終わりまして、第一章の終わりと、次の第二章に向けて伏線を引いたりしている状態です。そういう意味では、どの程度でカタルシス的なのか人によって差があるかもしれませんが、大きな展開は今後といったところでしょうか。
目標としては今年中に第一章を終わりたいと思っています。
ステイシスさんとワンドルフとマイマイの話は実はまだ終わっていない(前半だけ終了)状況です。そういう意味では、丸ごと伏線と言うか…
プロットが変わったら分かりませんが、第二章前後で後半部分が出てくる予定です
- pzg
- 2013年 07月19日 21時21分
[良い点]
初めまして、
とても面白かったと思います。
[一言]
度々出てくるアンデッドは最初に出てきたあいつらに違いない ♪ヽ(´▽`)/
初めまして、
とても面白かったと思います。
[一言]
度々出てくるアンデッドは最初に出てきたあいつらに違いない ♪ヽ(´▽`)/
- 投稿者: sandman
- 2013年 07月16日 17時39分
始めましてありがとうございます。
出来る限り、間を空けずに更新できるよう頑張ります。
アンデッドは多分あの人たちです。
彼らの出番も、もう少しです。
出来る限り、間を空けずに更新できるよう頑張ります。
アンデッドは多分あの人たちです。
彼らの出番も、もう少しです。
- pzg
- 2013年 07月16日 21時36分
[良い点]
マイマイ×ロリーナの百合ップル…だと…!?
[一言]
更新お疲れ様です。
今回のマイ×ロリのユリィ(?)な話を見てから、ふと思い出したことがあります。
カグヤは、マイマイのホームの精霊、ということでいいんですか?それとも、世界建設ギルドのホームの精霊、なのでしょうか?
もし前者なのだとしたら、それはつまりカグヤはマイマイにしか体を許さない(!?)訳であって…
…キマシタ(ボコォ
大変お見苦しいところをお見せいたしました
マイマイ×ロリーナの百合ップル…だと…!?
[一言]
更新お疲れ様です。
今回のマイ×ロリのユリィ(?)な話を見てから、ふと思い出したことがあります。
カグヤは、マイマイのホームの精霊、ということでいいんですか?それとも、世界建設ギルドのホームの精霊、なのでしょうか?
もし前者なのだとしたら、それはつまりカグヤはマイマイにしか体を許さない(!?)訳であって…
…キマシタ(ボコォ
大変お見苦しいところをお見せいたしました
良い点
見た目的には、物凄く物議を醸し出すカップルですw
ストーリー的に絶対に書く必要があった話なのですが、どこまで書くか物凄く困りました。下手に描写を入れると、生々しくなり過ぎちゃってw
もしも絵とか描いたら、どんな風になっちゃうのかw
一言
残念ながら、みんなのホーム=世界建設ギルドのホームの妖精です。
ですがバックアップのステイシスは、今回初めてホームの妖精のバックアップになっているので、マイマイが初め(ry
見た目的には、物凄く物議を醸し出すカップルですw
ストーリー的に絶対に書く必要があった話なのですが、どこまで書くか物凄く困りました。下手に描写を入れると、生々しくなり過ぎちゃってw
もしも絵とか描いたら、どんな風になっちゃうのかw
一言
残念ながら、みんなのホーム=世界建設ギルドのホームの妖精です。
ですがバックアップのステイシスは、今回初めてホームの妖精のバックアップになっているので、マイマイが初め(ry
- pzg
- 2013年 07月16日 07時47分
[一言]
こういう複線はいいですね。
『大お祖母様』がマイマイの…って事になるのかな?
更新速度がこの調子で加速してくれれば嬉しいです
こういう複線はいいですね。
『大お祖母様』がマイマイの…って事になるのかな?
更新速度がこの調子で加速してくれれば嬉しいです
- 投稿者: cano
- 2013年 07月15日 15時34分
色々なヒントがありますので、今のところはその中で色々と想像してもらえればと思います。
更新速度は、仕事次第でしょうか。
次話は今のところ半分ぐらい出来ていますが、その次の話とセットにしたいと思っているので、もう少し時間かかるかも。
更新速度は、仕事次第でしょうか。
次話は今のところ半分ぐらい出来ていますが、その次の話とセットにしたいと思っているので、もう少し時間かかるかも。
- pzg
- 2013年 07月15日 17時06分
[一言]
マイマイちんぽ!
マイマイちんぽ!
ちんぽは無いよーw
疑惑を持っている家臣はいますが
子供の話がばれたらどうなるのか…
疑惑を持っている家臣はいますが
子供の話がばれたらどうなるのか…
- pzg
- 2013年 07月15日 10時38分
[一言]
久々に読めたら予想外の展開が、今後の展開も楽しみ。
久々に読めたら予想外の展開が、今後の展開も楽しみ。
お久しぶりです。
予想外というか、斜め上に行くとはよく言われます。
目下のところは、次の話を大人しくするか激しくするかで悩み中です。
予想外というか、斜め上に行くとはよく言われます。
目下のところは、次の話を大人しくするか激しくするかで悩み中です。
- pzg
- 2013年 07月14日 22時30分
[気になる点]
過去を夢で見たというのに…言葉にしたというのに…何故気づかない。焦れったいな〜
[一言]
急展開とか期待。ほんわかも良いですが、これだけ要素を詰め込んだんならアップテンポで快刀乱麻な展開も見たいな〜なんちゃって
過去を夢で見たというのに…言葉にしたというのに…何故気づかない。焦れったいな〜
[一言]
急展開とか期待。ほんわかも良いですが、これだけ要素を詰め込んだんならアップテンポで快刀乱麻な展開も見たいな〜なんちゃって
悪い点
うーむ。
どこまで気がついていらっしゃるのか分からないので、どこまで私も書いていいか…
書ける事はひとつ、そのものの相手だったら、気がついていたかもしれません。
ほんわかではなく、アップテンポですかw
実はそうなりそうなのを押さえて書いています。
私が昔に書いたもの、特に自分の書きたいように書いていた初期の小説は、急展開ととんでもなアップテンポのものでしたから…
下手に自分の書き方を開放すると、いきなりハルマゲドンとかなりそうで
うーむ。
どこまで気がついていらっしゃるのか分からないので、どこまで私も書いていいか…
書ける事はひとつ、そのものの相手だったら、気がついていたかもしれません。
ほんわかではなく、アップテンポですかw
実はそうなりそうなのを押さえて書いています。
私が昔に書いたもの、特に自分の書きたいように書いていた初期の小説は、急展開ととんでもなアップテンポのものでしたから…
下手に自分の書き方を開放すると、いきなりハルマゲドンとかなりそうで
- pzg
- 2013年 07月14日 20時45分
[一言]
早い早いよpzgさんw
早い早いよpzgさんw
今回だけ特別です。
多分…
こんなに早く筆が進んだのは本当に久しぶりかも。
多分…
こんなに早く筆が進んだのは本当に久しぶりかも。
- pzg
- 2013年 07月14日 19時58分
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