感想一覧
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[一言]
古蔦さん、こんばんは。少し慌ただしくしていたとはいえ、一月も留守にしてしまいほんとうにすみませんでした。それに、私こそこれからの日々を彩ることのできるお話をたくさん聞かせてもらえてとても嬉しく思っているところです。
「ハウルの動く城」、私はまだ観たことがないのですが、「未消化の問題をやみくもに詰め込んだ」や、「物語のどこかでそれは踏みにじられていて」という言葉に惹かれるものを感じました。再び日々のなかで物語に触れるようになって、自分が抱いてきた物語への見方を突き崩すような作品に出会いたいと思っていたところなので、ちょっと手に入れてみようと思います。作品の完成度という言葉にこれまで自分がとらわれすぎていたような思いがあって、本来開かれた作品世界に対してもっと広くふるまえるようになるヒントが古蔦さんの言葉にはあるような気がしています。
「千と千尋の神隠し」は、私も家族と何度も観ました。実際の色づかいも素敵ですが、あの作品にはいくつもの読みのグラデーションが利いているはずなのに、もっとも自然な次元でこちらの心を揺さぶり、そして鎮めてしまうのがすごいですよね。あの電車のシーン、私も好きです。これまで垂直的に描かれてきた世界の奥行きがすうっと水平に開かれる光景にはただただ心を奪われますし、色彩や動静のコントラストがとても映えていて、それだけで何か赦されたような気持ちになります。誰かに甘えたくて、散々ダダをこねたあとの憑き物が落ちたような、しゅんとしたカオナシの佇まいも愛らしくていいですよね。
「生と死のあわいの国で美しいものや心に触れるものに出会う」というのも、ほんとうにそうですね。私もちょうど臨死体験のような不思議な世界を描いた小説を読んでいたので、あの影のない人々が手前の駅で降り立つシーンを思い出していたところなんです。こうして知らない誰かの間で同じ光景が焼き付いているなんて、宮崎アニメってやっぱりすごいですね。
宮沢賢治はもう三十年近く読んでない気がしますが、思えばこの作家の名は、いつも私が惹かれてきた人たちの口から聞かされてきたというのに、どうして通り過ぎてしまったのか。これも改めて読んでそのうち古蔦さんとお話できたらいいなと思います。これでもうポイントもたくさん溜まりましたから、今ならきっと宮沢賢治とも仲良くなれそうな気がします。
それとムスカのこと、何だか古蔦さんらしい感じ方だなと思いました。悪意の捉え方にどこか誠意があるというか、一途さや似つかわしさにおいて悪を見つめるスタンスというんでしょうか。
そういう「救いようのない悪」にまで行きついてしまったムスカの知性と情熱なり、彼の人間性というものを思うと、物語が彼に負わせることになった罪科とは別の場所で、悪を悼むような空間があってもいいのかなと私も思います。
古蔦さんの作品でも個人がそれぞれの文脈から発現させた悪意や、集合的に持ち寄られたような悪意がよく顔を覗かせていますし、もっと言えば物語の根源的なところにも結び付いているように思います。私の近況では、川の王のくだりが強く印象的なのですが、彼の死を前にしても、モリオンには悲しみはあっても憎しみのような「仇」といった感情がありませんよね。ルビーも同じで人間の所業というものをただ静かに思い返していて、そうしたものから正義を語ろうとしないところに何か真摯で気高いものを感じますし、悪を私たちから切り離して排そうとはしない古蔦さんの受け止め方が滲んでいるようにも思いました。もちろんそうせざるを得ないこともあるでしょうが、悪というのがある状況で育まれた悲しい必然だということを、近しさをもって語ろうとする古蔦さんの言葉には親しみを覚えます。それにあの場面の「食べる」ことの描写は、こちらの世界の見方をそっくり反転させるさせるもので、ちょっと震えました。とてもよかったです。
あとはそうですね、私にも好きなものはありますが、私には初めからあなたの書いたものに引き寄せられるだろうという予感がありましたよ。最初の一節を読んだときに、ああ、ここには自分の物語を語ろうとしている人がいるんだって強く思ったことを覚えています。「危ないといつもいわれているのに、どうして海面にのぼっていってこの空が見たくなってしまうのか」、今思えばこの一文が私をここまで連れ出してくれたのです。あのとき勇気を出してほんとうによかったと思っています。それでは。
古蔦さん、こんばんは。少し慌ただしくしていたとはいえ、一月も留守にしてしまいほんとうにすみませんでした。それに、私こそこれからの日々を彩ることのできるお話をたくさん聞かせてもらえてとても嬉しく思っているところです。
「ハウルの動く城」、私はまだ観たことがないのですが、「未消化の問題をやみくもに詰め込んだ」や、「物語のどこかでそれは踏みにじられていて」という言葉に惹かれるものを感じました。再び日々のなかで物語に触れるようになって、自分が抱いてきた物語への見方を突き崩すような作品に出会いたいと思っていたところなので、ちょっと手に入れてみようと思います。作品の完成度という言葉にこれまで自分がとらわれすぎていたような思いがあって、本来開かれた作品世界に対してもっと広くふるまえるようになるヒントが古蔦さんの言葉にはあるような気がしています。
「千と千尋の神隠し」は、私も家族と何度も観ました。実際の色づかいも素敵ですが、あの作品にはいくつもの読みのグラデーションが利いているはずなのに、もっとも自然な次元でこちらの心を揺さぶり、そして鎮めてしまうのがすごいですよね。あの電車のシーン、私も好きです。これまで垂直的に描かれてきた世界の奥行きがすうっと水平に開かれる光景にはただただ心を奪われますし、色彩や動静のコントラストがとても映えていて、それだけで何か赦されたような気持ちになります。誰かに甘えたくて、散々ダダをこねたあとの憑き物が落ちたような、しゅんとしたカオナシの佇まいも愛らしくていいですよね。
「生と死のあわいの国で美しいものや心に触れるものに出会う」というのも、ほんとうにそうですね。私もちょうど臨死体験のような不思議な世界を描いた小説を読んでいたので、あの影のない人々が手前の駅で降り立つシーンを思い出していたところなんです。こうして知らない誰かの間で同じ光景が焼き付いているなんて、宮崎アニメってやっぱりすごいですね。
宮沢賢治はもう三十年近く読んでない気がしますが、思えばこの作家の名は、いつも私が惹かれてきた人たちの口から聞かされてきたというのに、どうして通り過ぎてしまったのか。これも改めて読んでそのうち古蔦さんとお話できたらいいなと思います。これでもうポイントもたくさん溜まりましたから、今ならきっと宮沢賢治とも仲良くなれそうな気がします。
それとムスカのこと、何だか古蔦さんらしい感じ方だなと思いました。悪意の捉え方にどこか誠意があるというか、一途さや似つかわしさにおいて悪を見つめるスタンスというんでしょうか。
そういう「救いようのない悪」にまで行きついてしまったムスカの知性と情熱なり、彼の人間性というものを思うと、物語が彼に負わせることになった罪科とは別の場所で、悪を悼むような空間があってもいいのかなと私も思います。
古蔦さんの作品でも個人がそれぞれの文脈から発現させた悪意や、集合的に持ち寄られたような悪意がよく顔を覗かせていますし、もっと言えば物語の根源的なところにも結び付いているように思います。私の近況では、川の王のくだりが強く印象的なのですが、彼の死を前にしても、モリオンには悲しみはあっても憎しみのような「仇」といった感情がありませんよね。ルビーも同じで人間の所業というものをただ静かに思い返していて、そうしたものから正義を語ろうとしないところに何か真摯で気高いものを感じますし、悪を私たちから切り離して排そうとはしない古蔦さんの受け止め方が滲んでいるようにも思いました。もちろんそうせざるを得ないこともあるでしょうが、悪というのがある状況で育まれた悲しい必然だということを、近しさをもって語ろうとする古蔦さんの言葉には親しみを覚えます。それにあの場面の「食べる」ことの描写は、こちらの世界の見方をそっくり反転させるさせるもので、ちょっと震えました。とてもよかったです。
あとはそうですね、私にも好きなものはありますが、私には初めからあなたの書いたものに引き寄せられるだろうという予感がありましたよ。最初の一節を読んだときに、ああ、ここには自分の物語を語ろうとしている人がいるんだって強く思ったことを覚えています。「危ないといつもいわれているのに、どうして海面にのぼっていってこの空が見たくなってしまうのか」、今思えばこの一文が私をここまで連れ出してくれたのです。あのとき勇気を出してほんとうによかったと思っています。それでは。
エピソード89
返信がとてもとても遅くなってしまい、申し訳ありません。
宮崎アニメ……見てらっしゃる前提で話題にしていました。ちょっとうかつでした。
ハウルの動く城、ネタバレになってなければよかったのですが……。
作品の完成度というのはどうなんでしょう。私はあまり判断できないのですよ。映画を観たり物語を読んだときに「この話は胸を打つ」という感覚はよくわかっても、完成度の高い低いは時として自分には判断が難しくて。
たくさんの感想もありがとうございます。
悪意のことと悪のこと。食べるという行為について。
モヤモヤとしたものを何とか形にして表現しようとはしても、ほんとうに物語として綺麗に昇華できていなかったり不完全だったりもするのですが、そういったところを越えて読み取っていただけるのが、本当に嬉しいです。
すごく伝わっているのを感じる部分もありますし、おはなしを通じて書こうとしていたものを私自身追体験させてもらうような感覚でもあります。
仇を討つ、という視点は、確かにあまりありませんでした。モリオンについてはまだ描写できていない部分が多いので控えますが、思い返せばルビーにも仇討ちの感覚はないかもしれません。
ルビーはアシュレイの死を悼んでも、アシュレイをとらえた漁師に復讐しようとは思いも及びませんし……。(いえ、漁師は日々の糧のために銛を打つのでそもそも悪とは無関係ですが……)
ただし、この世界は、本当に悪いことを人たちには報いがある世界ではあるのです。人の心を失ったり、幸せを感じることを失ったり、自分自身を失ったり……。だれかが復讐することで不幸になるのではなく、悪を為すことそのものがどうしようもない恐ろしい破滅そのものなのだと表現したいのかも。
なんとか描写できたらよいのですが、難しいです。
宮崎アニメ……見てらっしゃる前提で話題にしていました。ちょっとうかつでした。
ハウルの動く城、ネタバレになってなければよかったのですが……。
作品の完成度というのはどうなんでしょう。私はあまり判断できないのですよ。映画を観たり物語を読んだときに「この話は胸を打つ」という感覚はよくわかっても、完成度の高い低いは時として自分には判断が難しくて。
たくさんの感想もありがとうございます。
悪意のことと悪のこと。食べるという行為について。
モヤモヤとしたものを何とか形にして表現しようとはしても、ほんとうに物語として綺麗に昇華できていなかったり不完全だったりもするのですが、そういったところを越えて読み取っていただけるのが、本当に嬉しいです。
すごく伝わっているのを感じる部分もありますし、おはなしを通じて書こうとしていたものを私自身追体験させてもらうような感覚でもあります。
仇を討つ、という視点は、確かにあまりありませんでした。モリオンについてはまだ描写できていない部分が多いので控えますが、思い返せばルビーにも仇討ちの感覚はないかもしれません。
ルビーはアシュレイの死を悼んでも、アシュレイをとらえた漁師に復讐しようとは思いも及びませんし……。(いえ、漁師は日々の糧のために銛を打つのでそもそも悪とは無関係ですが……)
ただし、この世界は、本当に悪いことを人たちには報いがある世界ではあるのです。人の心を失ったり、幸せを感じることを失ったり、自分自身を失ったり……。だれかが復讐することで不幸になるのではなく、悪を為すことそのものがどうしようもない恐ろしい破滅そのものなのだと表現したいのかも。
なんとか描写できたらよいのですが、難しいです。
- 古蔦瑠璃
- 2023年 07月16日 23時06分
[一言]
古蔦さん、こんばんは。
返信のことはどうかお気になさらないでください。そもそも作者であるあなたからこうして返信をいただくこと自体、ほんとうに幸運なことですし、私がただあなたのご厚意に甘えているだけなのですから。ですが、こうして週末にストーカーのように押しかけることもあとわずかと思うと、名残惜しい気持ちがあるのも正直なところです。私はこの物語がいつまでも続いてほしいのか、実り豊かに結ばれてほしいのか、分からなくなるときがあります。気になる連載マンガに寄せる気持ちと同じで、物語を好きになってしまうというのは、そういうものなんでしょうね。
前回コメントしたあたりから、私はもうほとんど構えを解いてあなたの描く物語の奔流に身を任せるようになっています。あなたの描きたいものとか、作品に寄せる思いとか、そういうところからも離れて、ただ読んでいてマウスを進める手に力がこもっていたり、ふっと安堵したりと、物語で描かれたことが直接こちらに働きかけてくるような、作家の言葉だけが流れてくる世界の中にいるような気持ちです。
こういう気分に浸れるとき、読み手というのはどれほど他人の書いたものを警戒して読んでいるのか思い知らされるものですが、古蔦さんはこれまできっと、この信頼と安らぎを与えられるだけの自発的で、意識的な時間を過ごしてこられたのだと思っています。この物語が初めからそうしたものを持ち合わせて生まれたとは、私は思っていないからです。
私はこの小説を通じて、人の思い悩んだ軌跡というのが別の誰かの安らぎにつながりゆくさまを目の当たりにしようとしているのかもしれません。これは私の身勝手な願望に過ぎないでしょう。でも、誰かの胸に秘めた願いまでも知らずと叶えてしまうのが作家の作家たるゆえんであるとするのなら、古蔦さんにはそういうものがあると、やっぱり私は思ってしまいます。
私が口にするようなことでもありませんが、あなたが悩むものに対して、それと、あなたが悩んで得たものに対して、これからも自信を持ってくだされば、きっと誰かの胸を打つ創作が叶うものと今の私は思っています。
すみません、最終回でもないのに、何かそれっぽいコメントになりましたね。あと何度かは遊びに来るつもりでいるのですが、いい台詞は最後までとっておくべきだったのかもしれません。
宮崎アニメ、小さい頃は正直苦手だったんですよ。古蔦さんはご存知ないかもしれませんが、私が子どもだった頃に流れていた「金曜ロードショー」のオープニング。あれが、とても嫌いだったんです。人生の黄昏を思わせるような波止場の風景と物悲しいメロディで、今でこそ懐かしいものですが、あのときはテレビも親もそろって私を必要としない時間の始まりを告げるようで、それが悲しかった。あの枠で流れるものは、いつもよそよそしくて私から遠ざかるもののような気がしていました。ちゃんと観れるようになったのは『もののけ姫』、『千と千尋』あたりからです。
私は『ラピュタ』が一番好きです。世界観とか、物語性というよりも、私は昔から知性をはじく肌合いのする作品が好きで、ルノワールの絵画とか、カーペンターズの音楽とか、日常系のアニメとか、そういうあまり人を深く考えさせないものが好きなんです。シータもパズーも純粋で、自分の生活とそれぞれに望むものをちゃんと知っていて、だから互いに思いやれて、それがほかの誰かに伝播して、恋が芽生えるよりもずっと速く、ふたりは天高い空の城にまで舞い上がってしまう。そうしたい、そうしなきゃって思いだけで、手を取り合って駆け抜けていくふたりを観ていると、人生はそんなによいものだったかといつも涙が出てしまいます。
『ナウシカ』は大人になるまで観れなかったんです。あの虫の乗り物がどうしてもダメで。観たのは一度きりでとても感動したように思いますが、それに言葉を与えようとする自分が当時は嫌で、それ以来観る機会を得られずにいます。もういちどこの目で観ておきたい気はしているのですが。
古蔦さんはどの作品が好きですか。何か思い出だったり、忘れられないシーンなどはありますか。あなたの言葉や思いに触れることができれば、私もまた違った気持ちで作品を楽しむことができそうです。それでは。
古蔦さん、こんばんは。
返信のことはどうかお気になさらないでください。そもそも作者であるあなたからこうして返信をいただくこと自体、ほんとうに幸運なことですし、私がただあなたのご厚意に甘えているだけなのですから。ですが、こうして週末にストーカーのように押しかけることもあとわずかと思うと、名残惜しい気持ちがあるのも正直なところです。私はこの物語がいつまでも続いてほしいのか、実り豊かに結ばれてほしいのか、分からなくなるときがあります。気になる連載マンガに寄せる気持ちと同じで、物語を好きになってしまうというのは、そういうものなんでしょうね。
前回コメントしたあたりから、私はもうほとんど構えを解いてあなたの描く物語の奔流に身を任せるようになっています。あなたの描きたいものとか、作品に寄せる思いとか、そういうところからも離れて、ただ読んでいてマウスを進める手に力がこもっていたり、ふっと安堵したりと、物語で描かれたことが直接こちらに働きかけてくるような、作家の言葉だけが流れてくる世界の中にいるような気持ちです。
こういう気分に浸れるとき、読み手というのはどれほど他人の書いたものを警戒して読んでいるのか思い知らされるものですが、古蔦さんはこれまできっと、この信頼と安らぎを与えられるだけの自発的で、意識的な時間を過ごしてこられたのだと思っています。この物語が初めからそうしたものを持ち合わせて生まれたとは、私は思っていないからです。
私はこの小説を通じて、人の思い悩んだ軌跡というのが別の誰かの安らぎにつながりゆくさまを目の当たりにしようとしているのかもしれません。これは私の身勝手な願望に過ぎないでしょう。でも、誰かの胸に秘めた願いまでも知らずと叶えてしまうのが作家の作家たるゆえんであるとするのなら、古蔦さんにはそういうものがあると、やっぱり私は思ってしまいます。
私が口にするようなことでもありませんが、あなたが悩むものに対して、それと、あなたが悩んで得たものに対して、これからも自信を持ってくだされば、きっと誰かの胸を打つ創作が叶うものと今の私は思っています。
すみません、最終回でもないのに、何かそれっぽいコメントになりましたね。あと何度かは遊びに来るつもりでいるのですが、いい台詞は最後までとっておくべきだったのかもしれません。
宮崎アニメ、小さい頃は正直苦手だったんですよ。古蔦さんはご存知ないかもしれませんが、私が子どもだった頃に流れていた「金曜ロードショー」のオープニング。あれが、とても嫌いだったんです。人生の黄昏を思わせるような波止場の風景と物悲しいメロディで、今でこそ懐かしいものですが、あのときはテレビも親もそろって私を必要としない時間の始まりを告げるようで、それが悲しかった。あの枠で流れるものは、いつもよそよそしくて私から遠ざかるもののような気がしていました。ちゃんと観れるようになったのは『もののけ姫』、『千と千尋』あたりからです。
私は『ラピュタ』が一番好きです。世界観とか、物語性というよりも、私は昔から知性をはじく肌合いのする作品が好きで、ルノワールの絵画とか、カーペンターズの音楽とか、日常系のアニメとか、そういうあまり人を深く考えさせないものが好きなんです。シータもパズーも純粋で、自分の生活とそれぞれに望むものをちゃんと知っていて、だから互いに思いやれて、それがほかの誰かに伝播して、恋が芽生えるよりもずっと速く、ふたりは天高い空の城にまで舞い上がってしまう。そうしたい、そうしなきゃって思いだけで、手を取り合って駆け抜けていくふたりを観ていると、人生はそんなによいものだったかといつも涙が出てしまいます。
『ナウシカ』は大人になるまで観れなかったんです。あの虫の乗り物がどうしてもダメで。観たのは一度きりでとても感動したように思いますが、それに言葉を与えようとする自分が当時は嫌で、それ以来観る機会を得られずにいます。もういちどこの目で観ておきたい気はしているのですが。
古蔦さんはどの作品が好きですか。何か思い出だったり、忘れられないシーンなどはありますか。あなたの言葉や思いに触れることができれば、私もまた違った気持ちで作品を楽しむことができそうです。それでは。
エピソード82
みかげ石さんこんにちは。いつもありがとうございます。
いつもたくさん誉めてくださってありがとうございます。
好きな宮崎映画と聞かれてまず思い浮かぶのが「ハウルの動く城」でしょうか。映像の美しさもさることながら、とてもロマンチックで、宮崎さんの作品にしてはめずらしく大人っぽい話でしたので。公開時、繰り返し映画館に足を運んで観た映画です。
当時はテレビをほとんど観ず世事に疎かったので、ハウルの声の人が木村拓哉さんだと全く知らなくて、色っぽいよい声の人だなあ、とだけ思っていました。
ストーリーに関しては、戦争のことを始めとして未消化の問題をやみくもに詰め込んだような印象で、そういうごちゃごちゃしたところも自分的には好みでした。ソフィに関する問題は解決しても、いろんなことが解決しないままだったり、サリマンは権力を握ったままだったり。
夢もロマンもある一方で、物語のどこかでそれは踏みにじられていて、リアルに近い場所で踏ん張りつづけるソフィたちを愛しく思います。
「千と千尋の神隠し」も大好きです。こちらは録画したものを家で何度も繰り返し観ました。これも好きなシーンがたくさんあるのですが、カオナシを伴って水の上を走る列車に千尋が乗り込むシーンがとりわけ好きで、最初に観たとき、心の奥深くに下っていくような、どこか既視感のあるシーンだと感じたのを鮮明に覚えています。
カオナシ自体にも何か既視感を覚えました。怖いんだけど、近しいというか、自分の内側にある何かとシンクロした心地がしたんです。千尋に引き寄せられていく感覚も。
あと、自分は宮沢賢治が大好きなのですが、「千と千尋」には「銀河鉄道の夜」に通ずるところがあるというか、臨死体験を連想するところが似ていると思います。
生と死のあわいの国で美しいものや心に触れるものに出会う、という構図が共通しています。
「天空の城ラピュタ」は本当に天高く駆け上る話ですね。観てて楽しいワクワクを呼び起こす話ですが、パズーとシータは私には少し眩しいです。
救いようのない悪として描かれたムスカにどうしても感情移入してしまう。いや、ムスカの思い通りになっちゃ駄目なんですが。それを望んでいるわけではないんですが。ムスカの思い描く世界には何の希望もないし、ムスカ自身の幸せすらもない。救われない人だと直感でわかるのだけれども、どうにも気になるキャラクターでした。
ちょっと偏った感想でごめんなさい。
金曜ロードショーはわかります。オープニングのアニメーションもなんとなく覚えています。確かに物悲しい印象だったような?
みかげ石さんの、「昔から知性をはじく肌合いのする作品が好き」という部分を興味深く思います。ナウシカを観たときの、感動に言葉を与えることが嫌、というのも興味深いです。
そういった部分を越えて感想を伝えてくださっていることに感謝します。何かうまく言葉で返そうと思っても返せないのですが、読んでくださってその中身を心に留めてくださっていることが、何よりも嬉しいです。
いつもたくさん誉めてくださってありがとうございます。
好きな宮崎映画と聞かれてまず思い浮かぶのが「ハウルの動く城」でしょうか。映像の美しさもさることながら、とてもロマンチックで、宮崎さんの作品にしてはめずらしく大人っぽい話でしたので。公開時、繰り返し映画館に足を運んで観た映画です。
当時はテレビをほとんど観ず世事に疎かったので、ハウルの声の人が木村拓哉さんだと全く知らなくて、色っぽいよい声の人だなあ、とだけ思っていました。
ストーリーに関しては、戦争のことを始めとして未消化の問題をやみくもに詰め込んだような印象で、そういうごちゃごちゃしたところも自分的には好みでした。ソフィに関する問題は解決しても、いろんなことが解決しないままだったり、サリマンは権力を握ったままだったり。
夢もロマンもある一方で、物語のどこかでそれは踏みにじられていて、リアルに近い場所で踏ん張りつづけるソフィたちを愛しく思います。
「千と千尋の神隠し」も大好きです。こちらは録画したものを家で何度も繰り返し観ました。これも好きなシーンがたくさんあるのですが、カオナシを伴って水の上を走る列車に千尋が乗り込むシーンがとりわけ好きで、最初に観たとき、心の奥深くに下っていくような、どこか既視感のあるシーンだと感じたのを鮮明に覚えています。
カオナシ自体にも何か既視感を覚えました。怖いんだけど、近しいというか、自分の内側にある何かとシンクロした心地がしたんです。千尋に引き寄せられていく感覚も。
あと、自分は宮沢賢治が大好きなのですが、「千と千尋」には「銀河鉄道の夜」に通ずるところがあるというか、臨死体験を連想するところが似ていると思います。
生と死のあわいの国で美しいものや心に触れるものに出会う、という構図が共通しています。
「天空の城ラピュタ」は本当に天高く駆け上る話ですね。観てて楽しいワクワクを呼び起こす話ですが、パズーとシータは私には少し眩しいです。
救いようのない悪として描かれたムスカにどうしても感情移入してしまう。いや、ムスカの思い通りになっちゃ駄目なんですが。それを望んでいるわけではないんですが。ムスカの思い描く世界には何の希望もないし、ムスカ自身の幸せすらもない。救われない人だと直感でわかるのだけれども、どうにも気になるキャラクターでした。
ちょっと偏った感想でごめんなさい。
金曜ロードショーはわかります。オープニングのアニメーションもなんとなく覚えています。確かに物悲しい印象だったような?
みかげ石さんの、「昔から知性をはじく肌合いのする作品が好き」という部分を興味深く思います。ナウシカを観たときの、感動に言葉を与えることが嫌、というのも興味深いです。
そういった部分を越えて感想を伝えてくださっていることに感謝します。何かうまく言葉で返そうと思っても返せないのですが、読んでくださってその中身を心に留めてくださっていることが、何よりも嬉しいです。
- 古蔦瑠璃
- 2023年 06月04日 13時17分
[一言]
古蔦さん、こんばんは。
一昨晩はネットカフェには行ったのですが、ごはんを食べたら朝まで眠りこけてしまい、どうにも残念な夜になりました。よくもあんな場所でいぎたなく眠れたものだと自分でも感心しているのですが、それでもひとつだけ収穫がありました。あなたの小説をpdf化して持ち帰ることができるという周知の事実に、ようやく私の頭が追いついたのです。なのでいつもは読んだその足の感想ですが、今回は一晩寝かせたものになります。
縦書きで読んだ古蔦さんの小説はいつも以上にどこか香り高いものを感じました。ですが、それがただの形式の違いによるものではないというのが、私がこの章を通じて感じた第一感です。私はこれまであなたの抒情味のある描写に惹かれていたと思っていましたが、決してそれだけではなかったと。
ここでの描写はむしろ叙事的で、カルナーナをめぐる政治や歴史、地理的な諸々の状況をあくまで物語の展開に沿う形で語られています。ルビーの置かれた状況を彼女に読み聞かせているような平明な文体でありながら、そこではまるで説明的なものを感じさせません。それにはふたつ理由があるのだろうと私は思いました。
ひとつはディテールが効いていることです。私には考証的なことは何も分かりませんが、港の事情であったり、はしけを用いた渡りのことや団員たちの大移動から見送りまでのこの一大イベントが、どこか祝祭めいたムードの中で語られていて、それ自体とても楽しく読みましたし、雑多に交錯する人々の息づかいや町の匂いというものを色濃く感じられるくだりでもありました。
あとひとつはやはりルビーのことです。貴族の庇護のもとで過ごす子女として読み書きや算術、人の世の理や振舞いについて日々自らを耕してきた少女の映し出す世界がここに来て等比的に開かれてきた感がありますよね。
依然として悩ましい出来事が彼女の心を占めてはいるのですが、この成長が古蔦さんの文体と重なり合うように歩を合わせていることで、ルビーの心の揺れが物語の中でより強く受け止められるようになったような気がします。フレームが安定したというのでしょうか、彼女の揺れをダイレクトに感じていた序盤よりも、物語への没入感が増したように思うんです。もちろんそう感じるのは、これまで健気な姿を見せてくれたルビーが読み手と親密な関係を築いてくれたおかげだとは思うのですが。
この章の分岐は、重要な人物たちとの別れもあって読者としても悩ましいものがありますね。ゲームであれば巡業ルートと侯爵家ルートも選べるのでしょうが。
団員たちの海路での大移動をめぐるあれこれと、ジョーカー的な役回りを愉しみながら務めてきた侯爵夫人との別れ。そういう物理的、心理的に大きな動きを経た上で、あの手のかかりそうなルビーがもう一枚手のかかるカナリーの騒動をどう収めていくのか、本当に見ものです。
これで私も、この生きた物語の現状の折り返しを迎えた訳ですが、あなたの現在地に近づけることが嬉しくもあり、それとは別に、いつまでもこの物語に浸っていたいという思いもあります。そういう意味では、私はまるで急いではいません。あなたが「書きたくない」と言えば、私はいつまでも尻尾を振ったまま、あなたがベルを鳴らすまで座して待つのでしょう。それでも欲を言えば、私が生きている間には何とかお願いしたいとは思っているのですが。冗談です。
宮崎アニメ、私も好きですよ。いつかそういうお話もできればいいですね。それにいつもいつも相手にしてくださって、ほんとうに感謝しています。それでは。
古蔦さん、こんばんは。
一昨晩はネットカフェには行ったのですが、ごはんを食べたら朝まで眠りこけてしまい、どうにも残念な夜になりました。よくもあんな場所でいぎたなく眠れたものだと自分でも感心しているのですが、それでもひとつだけ収穫がありました。あなたの小説をpdf化して持ち帰ることができるという周知の事実に、ようやく私の頭が追いついたのです。なのでいつもは読んだその足の感想ですが、今回は一晩寝かせたものになります。
縦書きで読んだ古蔦さんの小説はいつも以上にどこか香り高いものを感じました。ですが、それがただの形式の違いによるものではないというのが、私がこの章を通じて感じた第一感です。私はこれまであなたの抒情味のある描写に惹かれていたと思っていましたが、決してそれだけではなかったと。
ここでの描写はむしろ叙事的で、カルナーナをめぐる政治や歴史、地理的な諸々の状況をあくまで物語の展開に沿う形で語られています。ルビーの置かれた状況を彼女に読み聞かせているような平明な文体でありながら、そこではまるで説明的なものを感じさせません。それにはふたつ理由があるのだろうと私は思いました。
ひとつはディテールが効いていることです。私には考証的なことは何も分かりませんが、港の事情であったり、はしけを用いた渡りのことや団員たちの大移動から見送りまでのこの一大イベントが、どこか祝祭めいたムードの中で語られていて、それ自体とても楽しく読みましたし、雑多に交錯する人々の息づかいや町の匂いというものを色濃く感じられるくだりでもありました。
あとひとつはやはりルビーのことです。貴族の庇護のもとで過ごす子女として読み書きや算術、人の世の理や振舞いについて日々自らを耕してきた少女の映し出す世界がここに来て等比的に開かれてきた感がありますよね。
依然として悩ましい出来事が彼女の心を占めてはいるのですが、この成長が古蔦さんの文体と重なり合うように歩を合わせていることで、ルビーの心の揺れが物語の中でより強く受け止められるようになったような気がします。フレームが安定したというのでしょうか、彼女の揺れをダイレクトに感じていた序盤よりも、物語への没入感が増したように思うんです。もちろんそう感じるのは、これまで健気な姿を見せてくれたルビーが読み手と親密な関係を築いてくれたおかげだとは思うのですが。
この章の分岐は、重要な人物たちとの別れもあって読者としても悩ましいものがありますね。ゲームであれば巡業ルートと侯爵家ルートも選べるのでしょうが。
団員たちの海路での大移動をめぐるあれこれと、ジョーカー的な役回りを愉しみながら務めてきた侯爵夫人との別れ。そういう物理的、心理的に大きな動きを経た上で、あの手のかかりそうなルビーがもう一枚手のかかるカナリーの騒動をどう収めていくのか、本当に見ものです。
これで私も、この生きた物語の現状の折り返しを迎えた訳ですが、あなたの現在地に近づけることが嬉しくもあり、それとは別に、いつまでもこの物語に浸っていたいという思いもあります。そういう意味では、私はまるで急いではいません。あなたが「書きたくない」と言えば、私はいつまでも尻尾を振ったまま、あなたがベルを鳴らすまで座して待つのでしょう。それでも欲を言えば、私が生きている間には何とかお願いしたいとは思っているのですが。冗談です。
宮崎アニメ、私も好きですよ。いつかそういうお話もできればいいですね。それにいつもいつも相手にしてくださって、ほんとうに感謝しています。それでは。
エピソード60
みかげ石さん、いつも読んでくださって、感想を教えてくださってありがとうございます。
いま読んでくださっているあたりから登場人物も増え、結構ごちゃごちゃしてきているかと思います。ついてきてくださってありがとうございます。
貴婦人はそうですね、ジョーカーというかトリックスターといいますか、決して善人としては描いていないつもりなのですが、読んでくださっている方には割と受け入れてもらってきた印象です。多分彼女の行動と彼女の立ち位置が、書き手の意図にかかわらず、結果的に均衡がとれていたのだと思っています。トータルで帳尻が合うとでもいうのでしょうか。
カナリーにはもう少しおつきあいください。未熟な女の子ですが、未熟といえばルビーもまだまだなので。
あと、急いでいないと言ってくださってありがとうございます。時間を見つけて書き進めていきたいと思います。
宮崎アニメの話もぜひ。多分私は長編映画はほとんど網羅していると思います。短編やTVアニメは触れていないものも結構あるのですが。
返信がおくれてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
よろしければまたお立ち寄りください。
いま読んでくださっているあたりから登場人物も増え、結構ごちゃごちゃしてきているかと思います。ついてきてくださってありがとうございます。
貴婦人はそうですね、ジョーカーというかトリックスターといいますか、決して善人としては描いていないつもりなのですが、読んでくださっている方には割と受け入れてもらってきた印象です。多分彼女の行動と彼女の立ち位置が、書き手の意図にかかわらず、結果的に均衡がとれていたのだと思っています。トータルで帳尻が合うとでもいうのでしょうか。
カナリーにはもう少しおつきあいください。未熟な女の子ですが、未熟といえばルビーもまだまだなので。
あと、急いでいないと言ってくださってありがとうございます。時間を見つけて書き進めていきたいと思います。
宮崎アニメの話もぜひ。多分私は長編映画はほとんど網羅していると思います。短編やTVアニメは触れていないものも結構あるのですが。
返信がおくれてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
よろしければまたお立ち寄りください。
- 古蔦瑠璃
- 2023年 05月26日 19時31分
[良い点]
この章を読む間、登場人物たちの描かれ方を思いながら読んでいました。
どちらかというとこの物語は、出てきた人間を割と淡白に描いて進んでしまうものですから、初めはルビーが得た手触りをたよりに読み進めていくのですが、ふいに彼らの心が解けてとめどなく溢れてくるような場面が何度もあって(それはなんていうか、隠されていた巣穴から蜜が溢れてくるようなイメージです)、それに触れる度にこの物語の奥行きというか、広がりを感じさせられています。
それができるのはきっと、彼らの傍らにいつもルビーがいるからなのでしょう。
相手の立ち位置を問わずに、誰かをその本領において見つめようとする彼女の曇りのない眼差しのことを、私たちはすでに信頼していますし、それもまた古蔦さんの想いを紡いだこの物語のひとつの大きな魅力なのだと思います。言葉を変えたら、あなたがひとりの人物を描き上げるまでの、スケールのあるそのシークエンスの一つひとつに驚かされているということかもしれませんね。
[一言]
古蔦さん、おはようございます。
こうして好きに書いていると、あなたが長い時間をかけて心を傾けてきたはずのものを、ほんの数行で分かったように済ませてしまえる読み手の業のようなものを感じてしまいます。
私は近頃、再び誰かの小説を読んでみたいと思うようになったのですが、そうなって思うのは、読み手が手放しで受け取ってよい物語など本当はないのかもしれないということです。それが誰かが心を砕いたものであるのならなおのこと。
なので私は、ただ読んだ気になって通り過ぎるよりも(最近そういう本との再会があってショックを受けてるんです)、こちらが読んだ痕を残せるこの幸せな機会を大事にしたいと思っています。あとはただ、あなたの貴重な時間を奪うことにならなければよいのですが。それでは、よい週末を。
この章を読む間、登場人物たちの描かれ方を思いながら読んでいました。
どちらかというとこの物語は、出てきた人間を割と淡白に描いて進んでしまうものですから、初めはルビーが得た手触りをたよりに読み進めていくのですが、ふいに彼らの心が解けてとめどなく溢れてくるような場面が何度もあって(それはなんていうか、隠されていた巣穴から蜜が溢れてくるようなイメージです)、それに触れる度にこの物語の奥行きというか、広がりを感じさせられています。
それができるのはきっと、彼らの傍らにいつもルビーがいるからなのでしょう。
相手の立ち位置を問わずに、誰かをその本領において見つめようとする彼女の曇りのない眼差しのことを、私たちはすでに信頼していますし、それもまた古蔦さんの想いを紡いだこの物語のひとつの大きな魅力なのだと思います。言葉を変えたら、あなたがひとりの人物を描き上げるまでの、スケールのあるそのシークエンスの一つひとつに驚かされているということかもしれませんね。
[一言]
古蔦さん、おはようございます。
こうして好きに書いていると、あなたが長い時間をかけて心を傾けてきたはずのものを、ほんの数行で分かったように済ませてしまえる読み手の業のようなものを感じてしまいます。
私は近頃、再び誰かの小説を読んでみたいと思うようになったのですが、そうなって思うのは、読み手が手放しで受け取ってよい物語など本当はないのかもしれないということです。それが誰かが心を砕いたものであるのならなおのこと。
なので私は、ただ読んだ気になって通り過ぎるよりも(最近そういう本との再会があってショックを受けてるんです)、こちらが読んだ痕を残せるこの幸せな機会を大事にしたいと思っています。あとはただ、あなたの貴重な時間を奪うことにならなければよいのですが。それでは、よい週末を。
エピソード47
みかげ石さん、いつもありがとうございます。
少し更新が滞っていますが、やや忙しい日々が続いているのが理由のひとつです。そのうち追いつかれてしまうのではと思いつつ、もしも追いつかれるところまで読み進めていただけるならそれはそれで有難いことだと思いつつ、更新を先延ばしにしています。
他の方の書かれたものを読むときは私は本当に自分が楽しみたいだけのワガママな読者になってしまうので、みかげ石さんのおっしゃるように読んだ気になって通り過ぎることもしばしばです。
とある作品との再会で以前受け取ったものと別のものを受け取ってしまうことは、私もわりと経験している気がします。宮崎アニメなど割とそうです。何度も繰り返し触れるものなので。
ルビーのまなざしを信頼できると言っていただけて嬉しいです。でも信頼し過ぎないでくださいね。ルビーの視点はニュートラルであれとの願いを込めているのは事実です。ただ、願い通りにいかないことも今後あるかと思います。でなくとも外側から見ているときにはわかっていたはずのことが、巻き込まれてしまうとかえってよくわからなくなるということもあると思いますので。
それでも楽しんでいただけていることがなによりも嬉しいです。ご感想ありがとうございました。よければまたお立ち寄りください。
少し更新が滞っていますが、やや忙しい日々が続いているのが理由のひとつです。そのうち追いつかれてしまうのではと思いつつ、もしも追いつかれるところまで読み進めていただけるならそれはそれで有難いことだと思いつつ、更新を先延ばしにしています。
他の方の書かれたものを読むときは私は本当に自分が楽しみたいだけのワガママな読者になってしまうので、みかげ石さんのおっしゃるように読んだ気になって通り過ぎることもしばしばです。
とある作品との再会で以前受け取ったものと別のものを受け取ってしまうことは、私もわりと経験している気がします。宮崎アニメなど割とそうです。何度も繰り返し触れるものなので。
ルビーのまなざしを信頼できると言っていただけて嬉しいです。でも信頼し過ぎないでくださいね。ルビーの視点はニュートラルであれとの願いを込めているのは事実です。ただ、願い通りにいかないことも今後あるかと思います。でなくとも外側から見ているときにはわかっていたはずのことが、巻き込まれてしまうとかえってよくわからなくなるということもあると思いますので。
それでも楽しんでいただけていることがなによりも嬉しいです。ご感想ありがとうございました。よければまたお立ち寄りください。
- 古蔦瑠璃
- 2023年 05月15日 00時36分
[良い点]
この章も、とてもよかったです。古蔦さんの文章にはいつも色がついてあって、人物のちょっとした仕草から情景が浮かび上がるようですし、ここではアートの語りが本当に素敵で、奥様との心のひだをくすぐりあうような洗練されたやりとりには、ただただうっとりしていました。
文章としては連続しているのに、ルビーの視点に戻ったときには、こちらの視界が振れるような思いもあって、なんていうか、文章に確かな技量の感じられるくだりでもありました。
物語それ自体にも、また大きな動きが現れたようで、週末の夜長を愉しむ私の幸せな時間はまだまだ続きそうです。
[一言]
古蔦さん、おはようございます。
古蔦さんの小説を読んでいると、あなたの声が聞こえてくるような瞬間があります。そうじゃないって、どうすればっていう、あなたの思い悩んだ痕のようなものが。
私はその声自体にも惹かれているのですが、古蔦さんがすごいのは、そうしたものを作品を書く中で乗り越えようとしているし、現に乗り越えてもいるように思えるところです。
心の内にあるものを、そのまま取り出して見せるのではなくて、あなたの胸を打ったものが、どうすれば同じ熱を持って誰かに伝えることができるのか、あなたは今も、それを探りながら書いている。
そして多分それが、この物語に不思議なうねりを与えてこちらに迫ってくるのでしょう。私にはそれがとてもまぶしいし、あなたにしか書けない豊かな物語なんだと、いつも私の胸を打ちつけてもいるんです。すいません、また要領を得ないことを書いてますね。
思うことはたくさんあるのに、私も毎回うまく言葉にできなくてもどかしいところもあるのですが、幸い機会はいただいていますし、それはまた次の週末にでも。それでは。
この章も、とてもよかったです。古蔦さんの文章にはいつも色がついてあって、人物のちょっとした仕草から情景が浮かび上がるようですし、ここではアートの語りが本当に素敵で、奥様との心のひだをくすぐりあうような洗練されたやりとりには、ただただうっとりしていました。
文章としては連続しているのに、ルビーの視点に戻ったときには、こちらの視界が振れるような思いもあって、なんていうか、文章に確かな技量の感じられるくだりでもありました。
物語それ自体にも、また大きな動きが現れたようで、週末の夜長を愉しむ私の幸せな時間はまだまだ続きそうです。
[一言]
古蔦さん、おはようございます。
古蔦さんの小説を読んでいると、あなたの声が聞こえてくるような瞬間があります。そうじゃないって、どうすればっていう、あなたの思い悩んだ痕のようなものが。
私はその声自体にも惹かれているのですが、古蔦さんがすごいのは、そうしたものを作品を書く中で乗り越えようとしているし、現に乗り越えてもいるように思えるところです。
心の内にあるものを、そのまま取り出して見せるのではなくて、あなたの胸を打ったものが、どうすれば同じ熱を持って誰かに伝えることができるのか、あなたは今も、それを探りながら書いている。
そして多分それが、この物語に不思議なうねりを与えてこちらに迫ってくるのでしょう。私にはそれがとてもまぶしいし、あなたにしか書けない豊かな物語なんだと、いつも私の胸を打ちつけてもいるんです。すいません、また要領を得ないことを書いてますね。
思うことはたくさんあるのに、私も毎回うまく言葉にできなくてもどかしいところもあるのですが、幸い機会はいただいていますし、それはまた次の週末にでも。それでは。
エピソード34
みかげ石さん、いつもありがとうございます。
私の拙い文章からいろいろなものを受け取って共感していただけてありがとうございます。
そうですね、思い悩んだ痕、という表現をいただいて嬉しい気持ちでいます。
いままで自分が見てきたものや感じたことが物語の世界にいろどりを添えることができているのなら、そしてそれに触れることでおはなしを楽しんでいただけるのなら、恥ずかしくもあるのですが、嬉しくもあり、です。
はい、ぜひまたお立ち寄りください。
ありがとうございました。
私の拙い文章からいろいろなものを受け取って共感していただけてありがとうございます。
そうですね、思い悩んだ痕、という表現をいただいて嬉しい気持ちでいます。
いままで自分が見てきたものや感じたことが物語の世界にいろどりを添えることができているのなら、そしてそれに触れることでおはなしを楽しんでいただけるのなら、恥ずかしくもあるのですが、嬉しくもあり、です。
はい、ぜひまたお立ち寄りください。
ありがとうございました。
- 古蔦瑠璃
- 2023年 05月05日 23時16分
[良い点]
ここではアートが束の間の語り手になるんですね。体のことだけではなくて、貴婦人との心の親密さを感じさせる大人のやりとりがいいですね。落ち着いていて、どこかかげりのある語りで、彼だけがアプローチできる貴婦人の私秘的な手触りが感じられて、私としてはこれまで少し距離のあったブランコ乗りがぐっと魅力を帯びて迫ってくるシーンでもありました。それに語り手がルビーの眠りによって束の間移されるという仕掛けもごく自然で、そういうところが好きだなぁと思います。
[一言]
古蔦さん、おはようございます。
いつも丁寧にお返事をいただいてしまって、こちらこそ恐縮しているのですが、また来てくださいと、そう言われるだけで嬉しくなる自分がいます。
この場所には設定や世界観、キャラクターだけで強い輝きを放つ魅力的な作品が数多くあると感じていますが、古蔦さんのように、その人の中に溢れるような物語性のようなものを感じさせる作家の方にはまだあまりお会いできていません。もちろん、そういう方もきっとたくさんいらっしゃるのでしょうが。
そういう思いもあって、つい興奮して身構えるようなことを書いてしまうこともあるかもしれませんが、これからも楽しみにしていますので、是非また寄らせてください。
ここではアートが束の間の語り手になるんですね。体のことだけではなくて、貴婦人との心の親密さを感じさせる大人のやりとりがいいですね。落ち着いていて、どこかかげりのある語りで、彼だけがアプローチできる貴婦人の私秘的な手触りが感じられて、私としてはこれまで少し距離のあったブランコ乗りがぐっと魅力を帯びて迫ってくるシーンでもありました。それに語り手がルビーの眠りによって束の間移されるという仕掛けもごく自然で、そういうところが好きだなぁと思います。
[一言]
古蔦さん、おはようございます。
いつも丁寧にお返事をいただいてしまって、こちらこそ恐縮しているのですが、また来てくださいと、そう言われるだけで嬉しくなる自分がいます。
この場所には設定や世界観、キャラクターだけで強い輝きを放つ魅力的な作品が数多くあると感じていますが、古蔦さんのように、その人の中に溢れるような物語性のようなものを感じさせる作家の方にはまだあまりお会いできていません。もちろん、そういう方もきっとたくさんいらっしゃるのでしょうが。
そういう思いもあって、つい興奮して身構えるようなことを書いてしまうこともあるかもしれませんが、これからも楽しみにしていますので、是非また寄らせてください。
エピソード26
みかげ石さん、いつもありがとうございます。
小説という意味では拙い部類になるのだろうと思っています。それでも魅力的と感じて読んでいただけていること、そしてこうしてそれを伝えてくださっていること、とても嬉しく思います。
ブランコ乗りについてのコメントもありがとうございます。そうですね。まだまだルビーにとっては心の距離があるアートですが、読み手は一足先に、ここで彼の内面を知るわけですね。
やはりいただいた感想にうまくお返しする言葉が見つからないのですが、ありがとうございます。
ほんとにゆっくり更新ですのでこのままだと追いつかれてしまいそうですが、ゆっくり頑張ります。
はい、またぜひお立ち寄りください。
小説という意味では拙い部類になるのだろうと思っています。それでも魅力的と感じて読んでいただけていること、そしてこうしてそれを伝えてくださっていること、とても嬉しく思います。
ブランコ乗りについてのコメントもありがとうございます。そうですね。まだまだルビーにとっては心の距離があるアートですが、読み手は一足先に、ここで彼の内面を知るわけですね。
やはりいただいた感想にうまくお返しする言葉が見つからないのですが、ありがとうございます。
ほんとにゆっくり更新ですのでこのままだと追いつかれてしまいそうですが、ゆっくり頑張ります。
はい、またぜひお立ち寄りください。
- 古蔦瑠璃
- 2023年 04月30日 02時59分
[良い点]
ロクサムの心の動きが丁寧に描かれていて、強く胸を打たれます。ルビーのことを深く気にかけながらも、彼こそが最初から過酷な運命を歩み続けていて、それなのに誰を恨むでもなく、ただ静かに自らの心の内と向き合うその姿は、これまでルビーが得てきた彼の手触りを確かなものとして私たちに感じさせます。トンボの羽が傷つかないようにそっと空へと放つあの繊細な手つきがルビーを捉えていたように、生来枯れることのない優しさだったり、他者への配慮のようなものが、彼にはあるのでしょうね。
なかでも彼の視点からルビーの容姿に触れるくだりは秀逸で、美しいものだと思いました。文章もそうですし、書くにはここしかないという場所で惜しみなく溢れるような語りですよね。暗く光の差さない彼の地平から照らされることで、ルビーの放つ光はいっそう輝いて見えますし、またそれこそが彼の心を苦しめてもいて、とても心に訴えるものがあります。
[一言]
こんばんは、ではないですね。お言葉に甘えてまた寄らせてもらいました。
この部分が加筆だということが、物語やその構成に寄せるあなたの思いや、感性というものを端的に窺わせるものであるような気がします。私には、それがとても信頼できるもののように思えるのです。
限られた読書量ではありますが、読むことに徹してきた人生ですので、こうして作家の方と直に言葉を交わせることは、読む喜びとはまた違った幸せなひとときでもあります。これからも、あなたから得たものをあなたに伝えたいし、私としては時間のことは今は忘れて、ただ思うままに書き進めてもよいのではないかとも思っています。たとえ未完であってもよいものは既によいのですから。あなたのことを応援しています。
ロクサムの心の動きが丁寧に描かれていて、強く胸を打たれます。ルビーのことを深く気にかけながらも、彼こそが最初から過酷な運命を歩み続けていて、それなのに誰を恨むでもなく、ただ静かに自らの心の内と向き合うその姿は、これまでルビーが得てきた彼の手触りを確かなものとして私たちに感じさせます。トンボの羽が傷つかないようにそっと空へと放つあの繊細な手つきがルビーを捉えていたように、生来枯れることのない優しさだったり、他者への配慮のようなものが、彼にはあるのでしょうね。
なかでも彼の視点からルビーの容姿に触れるくだりは秀逸で、美しいものだと思いました。文章もそうですし、書くにはここしかないという場所で惜しみなく溢れるような語りですよね。暗く光の差さない彼の地平から照らされることで、ルビーの放つ光はいっそう輝いて見えますし、またそれこそが彼の心を苦しめてもいて、とても心に訴えるものがあります。
[一言]
こんばんは、ではないですね。お言葉に甘えてまた寄らせてもらいました。
この部分が加筆だということが、物語やその構成に寄せるあなたの思いや、感性というものを端的に窺わせるものであるような気がします。私には、それがとても信頼できるもののように思えるのです。
限られた読書量ではありますが、読むことに徹してきた人生ですので、こうして作家の方と直に言葉を交わせることは、読む喜びとはまた違った幸せなひとときでもあります。これからも、あなたから得たものをあなたに伝えたいし、私としては時間のことは今は忘れて、ただ思うままに書き進めてもよいのではないかとも思っています。たとえ未完であってもよいものは既によいのですから。あなたのことを応援しています。
エピソード19
みかげ石さん、ありがとうございます。
とてもとても丁寧に読んでくださり、ロクサムに気持ちを寄せていただき、嬉しく思います。
物語の世界は目の前にあるのですが、切り取り方がわからなくて迷い、迷ったあとの加筆だったと記憶しています。
お気遣いの言葉もありがとうございます。
更新にこだわらず、たとえ時間がかかっても、伝えたいことをきちんと込めて描くことができるように、原点に戻って頑張ります。
うまくお返しする言葉が見つかりませんが、身の引き締まる思いでおります。
ありがとうございました。よければまたお立ち寄りください。
とてもとても丁寧に読んでくださり、ロクサムに気持ちを寄せていただき、嬉しく思います。
物語の世界は目の前にあるのですが、切り取り方がわからなくて迷い、迷ったあとの加筆だったと記憶しています。
お気遣いの言葉もありがとうございます。
更新にこだわらず、たとえ時間がかかっても、伝えたいことをきちんと込めて描くことができるように、原点に戻って頑張ります。
うまくお返しする言葉が見つかりませんが、身の引き締まる思いでおります。
ありがとうございました。よければまたお立ち寄りください。
- 古蔦瑠璃
- 2023年 04月22日 23時07分
[良い点]
団員たちがロープを登るくだりにとても気を惹かれました。彼らの身体性というか、身体の使い方からそれぞれの個性が浮かび上がるようで、こういう描き分けがあるんだなぁと。それに、木登りの話ひとつにしても、ルビーらしいなと、読み手がもう、この段階で思わされているところに巧みさを感じます。それは、出だしの海から空へと向かう彼女の関心や、空中ブランコをやるって決めた決意に繋がるものだと思いますし、そういうところにもこの物語の芯の強さが表れているような気がします。
[一言]
初めてなのに勝手を言ってすみません。ここに来て、最初に見つけた素敵な作品だったので、舞い上がっているのだと思います。まだここまでしか読めていませんが、これからも一読者として楽しみに読ませてもらいます。
団員たちがロープを登るくだりにとても気を惹かれました。彼らの身体性というか、身体の使い方からそれぞれの個性が浮かび上がるようで、こういう描き分けがあるんだなぁと。それに、木登りの話ひとつにしても、ルビーらしいなと、読み手がもう、この段階で思わされているところに巧みさを感じます。それは、出だしの海から空へと向かう彼女の関心や、空中ブランコをやるって決めた決意に繋がるものだと思いますし、そういうところにもこの物語の芯の強さが表れているような気がします。
[一言]
初めてなのに勝手を言ってすみません。ここに来て、最初に見つけた素敵な作品だったので、舞い上がっているのだと思います。まだここまでしか読めていませんが、これからも一読者として楽しみに読ませてもらいます。
エピソード14
みかげ石さん、初めまして!
読んでくださってありがとうございます。
見世物小屋の面々のとても高い身体能力に目を向けてくださり、ありがとうございます。
映像として頭の中に浮かんだものを文字に起こして伝えている部分が多く、そのあたりをうまく受け取っていただけると、とても嬉しくなってしまいます。
ルビーの木登りについてはそこまで意識して描いたわけではなかったのですが、そういえばそうでしたね。無意識になのか、おはなしの最初のあたりから高いところに行こうとしていましたね。
手探りで描いている物語です。荒いところや拙いところも多いと思うのですが、少しでも楽しんで読んでいただけたら幸いです。
よろしければまたお立ち寄りください。
ご感想ありがとうございました。
読んでくださってありがとうございます。
見世物小屋の面々のとても高い身体能力に目を向けてくださり、ありがとうございます。
映像として頭の中に浮かんだものを文字に起こして伝えている部分が多く、そのあたりをうまく受け取っていただけると、とても嬉しくなってしまいます。
ルビーの木登りについてはそこまで意識して描いたわけではなかったのですが、そういえばそうでしたね。無意識になのか、おはなしの最初のあたりから高いところに行こうとしていましたね。
手探りで描いている物語です。荒いところや拙いところも多いと思うのですが、少しでも楽しんで読んでいただけたら幸いです。
よろしければまたお立ち寄りください。
ご感想ありがとうございました。
- 古蔦瑠璃
- 2023年 04月15日 21時13分
[一言]
☆100 夕焼けの記憶まで!
アリアドネーの糸のよう。
それぞれの登場人物から紡ぎだされるそれぞれの物語を、丁寧に書き綴られる古蔦様!
今宵、2016年12月、聖月の朔日に更新された最新話を読むことのできた幸福をお伝えします。
この丹念に織出された黄金の布……貴女様の貴女様しか紡げない物語……
最後まで見届けたいと思っています。
時間は全く関係ないです。
ご自愛くださいますよう!
☆100 夕焼けの記憶まで!
アリアドネーの糸のよう。
それぞれの登場人物から紡ぎだされるそれぞれの物語を、丁寧に書き綴られる古蔦様!
今宵、2016年12月、聖月の朔日に更新された最新話を読むことのできた幸福をお伝えします。
この丹念に織出された黄金の布……貴女様の貴女様しか紡げない物語……
最後まで見届けたいと思っています。
時間は全く関係ないです。
ご自愛くださいますよう!
sanpoさん、ご無沙汰しております!
長い物語に根気よくおつきあいくださって本当にありがとうございます。
いやいや時間かかり過ぎてますってば。今年に入ってから更新2回目です。
すみません。宿題を後回しにする子供みたいに逃亡しておりました。
12月中にもう一回更新できたらなあと。低すぎる志ですが。
しばらく「なろう」を離れている間にいろんな変化があって、戸惑っています。
いつのまにかシンさんが小説の公開をやめてしまわれたこともショックですし。
sanpoさんが変わらず活動されていて、嬉しいです。
ゆっくりリハビリしていきます。
またsanpoさんの作品も楽しみに読ませていただきます!
長い物語に根気よくおつきあいくださって本当にありがとうございます。
いやいや時間かかり過ぎてますってば。今年に入ってから更新2回目です。
すみません。宿題を後回しにする子供みたいに逃亡しておりました。
12月中にもう一回更新できたらなあと。低すぎる志ですが。
しばらく「なろう」を離れている間にいろんな変化があって、戸惑っています。
いつのまにかシンさんが小説の公開をやめてしまわれたこともショックですし。
sanpoさんが変わらず活動されていて、嬉しいです。
ゆっくりリハビリしていきます。
またsanpoさんの作品も楽しみに読ませていただきます!
- 古蔦瑠璃
- 2016年 12月01日 23時41分
[一言]
>98 ロメオの選択まで
ロゼッタのいた街、場所の記憶を回想する一文一文、脳裏を去来する南の国の断片のひとつひとつが、どれも眩しく、鮮やかでした。
それだけに、「男の憎しみに歪んだ顔」が不吉で……。
水蛇のおばあちゃんが語るアウローラの話も、残酷なおとぎ話のよう。
強過ぎる力は、決して幸福をもたらすことはあり得ないのだとしても、いつの世も、それは力を持った者のせいではない。
選ばれた者の辛さは、その人と共にいた人物には、痛いほどに感じることが出来たのだろうと思います。
そんな話の後、名前をもらってはしゃぐモナの姿に、ホッと一息、和みました!
皆が名前を口にすることに慎重さを求める中で、そういうことを気にしない姿には、器の大きさを感じたり。
色々な名を持ち、力も持つモリオンの設定はもちろん、この世界の細部に至るまでの設定は、作品と長く付き合って行く上で生まれたものでもあり、書き手さまの愛情でもあるのだと思えます。
>>きつく絞られた雑巾のように内臓が捩れ、苦い胃液が逆流してくる
この転移酔いの表現は絶品!
気持ち悪さがどんなものかよく伝わりました(笑)!
>98 ロメオの選択まで
ロゼッタのいた街、場所の記憶を回想する一文一文、脳裏を去来する南の国の断片のひとつひとつが、どれも眩しく、鮮やかでした。
それだけに、「男の憎しみに歪んだ顔」が不吉で……。
水蛇のおばあちゃんが語るアウローラの話も、残酷なおとぎ話のよう。
強過ぎる力は、決して幸福をもたらすことはあり得ないのだとしても、いつの世も、それは力を持った者のせいではない。
選ばれた者の辛さは、その人と共にいた人物には、痛いほどに感じることが出来たのだろうと思います。
そんな話の後、名前をもらってはしゃぐモナの姿に、ホッと一息、和みました!
皆が名前を口にすることに慎重さを求める中で、そういうことを気にしない姿には、器の大きさを感じたり。
色々な名を持ち、力も持つモリオンの設定はもちろん、この世界の細部に至るまでの設定は、作品と長く付き合って行く上で生まれたものでもあり、書き手さまの愛情でもあるのだと思えます。
>>きつく絞られた雑巾のように内臓が捩れ、苦い胃液が逆流してくる
この転移酔いの表現は絶品!
気持ち悪さがどんなものかよく伝わりました(笑)!
シンさん、いつもありがとうございます。
返信が大変遅くなってしまい、申し訳ありません。
続きを書かなければと頭の隅っこにありながら、日々の忙しさにまぎれ、なろうからしばらく遠ざかっておりました。
これから終盤に向けておはなしを畳んでいくための全体読み返しもしなきゃと思いながら、それもまだできていません。
ロゼッタ、アウローラ、アレクサンドラなどのルビー以外の人魚たちが、ここまできてやっとバタバタと登場しましたが、それでもやっぱりなんだかタイトル詐欺のような気がしています。おはなし全体の中で人魚がほとんど出ない!海もほとんど出てこない!!
あっ、アウローラはそれでも幸福だったと思っています。
その代償として途方もないものを失ってしまった彼女ですが。
恋を得るために自らの心を失うことになったアレクサンドラとは対照的です。
2人の人魚と人間にまつわる悲しい(もしくは残酷な)おはなしは、駆け足で通り過ぎた過去のエピソードであり、説明が不十分だったりで、ちょっとわかりづらいかなあ、とも思いつつ。
転移酔いについてですが、超絶気持ち悪いものの、生命を脅かす類のものではないということが描写できているならよかったと思っています。
返信が大変遅くなってしまい、申し訳ありません。
続きを書かなければと頭の隅っこにありながら、日々の忙しさにまぎれ、なろうからしばらく遠ざかっておりました。
これから終盤に向けておはなしを畳んでいくための全体読み返しもしなきゃと思いながら、それもまだできていません。
ロゼッタ、アウローラ、アレクサンドラなどのルビー以外の人魚たちが、ここまできてやっとバタバタと登場しましたが、それでもやっぱりなんだかタイトル詐欺のような気がしています。おはなし全体の中で人魚がほとんど出ない!海もほとんど出てこない!!
あっ、アウローラはそれでも幸福だったと思っています。
その代償として途方もないものを失ってしまった彼女ですが。
恋を得るために自らの心を失うことになったアレクサンドラとは対照的です。
2人の人魚と人間にまつわる悲しい(もしくは残酷な)おはなしは、駆け足で通り過ぎた過去のエピソードであり、説明が不十分だったりで、ちょっとわかりづらいかなあ、とも思いつつ。
転移酔いについてですが、超絶気持ち悪いものの、生命を脅かす類のものではないということが描写できているならよかったと思っています。
- 古蔦瑠璃
- 2015年 07月14日 20時59分
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