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[良い点]
血も流れてない、誰も死んではいない、ただ人間にはわからないものがある。これぞ日本のホラー!!!
と、ぶるぶるしながら読みました。

初めまして、メイと申します。
ホラーと童話が好きで、オススメを聞いていたところ、尊敬しております石川翠先生に鵜狩先生の作品と作者読みを教えて頂きました。

茅子の部屋に来た千広?がまたラストを結ぶに相応しい恐怖でした。
学舎を卒業して、机に向かう仕事じゃなくて良かったです。
石川先生に『引き出しが怖くなりますよ』とは伺っておりましたが、ま さ に !!!
明日、机に向かってって言われたらぞわぞわして落ち着かなかったです。

また読みに来ます!!

  • 投稿者: メイ
  • 2017年 02月27日 21時17分
 初めまして。そして感想ありがとうございます。
 石川さんにおすすめしていただいていたというだけでも嬉しいのに、こうして実際に読んでいただき、更にはお言葉まで賜われて欣喜雀躍の心地です。

 わからないものへの怖さというのは、一番感情として強いものではないかと思います。
 幽霊の正体見たり枯れ尾花、などとは申しますが、正体がススキだと判明するまでに巡らせてしまった想像と、それにより膨らむ恐怖感こそが幽霊の真骨頂であるのだろうなあ、と。
 なので茅子の部屋を訪れた千広も、千広として理解できる友人として、同時にどうしようもなく理解不能に断絶しているもうわからないものとして描いておりました。
 その侵入口たる机へ不安感を抱いていただけたなら、少々趣味が悪く聞こえるかもですけれど、書き手としてはこれに勝る喜びなしといった風情にございます。
[良い点]
怖い・・・怖すぎますよ。一人でいる時に読むべきじゃなかったですね。
[一言]
夏ホラー2015に今さら感想書くのもどうかと思いましたが、書きたかったので書かせていただきました。

『寂しい、寂しいよ、カヤ』のセリフは、茅子を誘うための罠だったりするのでしょうか・・?どちらでも解釈できそうだなと思いました。

 感想ありがとうございます。
 やはり「怖い」はホラー作品に対する最高の賛辞と思いますから、それを頂戴できて嬉しく思います。

 挙げていただいた台詞について。
 物語の解釈は読み手のものでありますから、どくだみさんがこの話により相応しいと感じてくださった方こそが正答です。
 ……と真面目ぶった前置きの上で、一応の意図語りをば。
 作中において「千広曰く『愛称で呼び合うのが友情の証!』」としており、机の中に関わった後の千広の呼称には「カヤ」と「茅子」が混在しています。
 前者の折の言動こそが千広本人のもの、という設定にございます。
[一言]
まさにホラー! のお話でヒヤリとさせていただきました。
最近、カメノテを初めて見る機会がありましたので、映像をリアルに想像することができまして、怖かったです。
うぞうぞ、と机から物欲しげに出てくるカサカサの手の一群は、ホラー映画の図にぴったりでした。

しかし、私自身が一番怖かったのは、痩せていく彼女の様子でした。私は街中でもそういう体型の人を拝見するとゾッ、と恐怖を覚えてしまうのです。

一話目のお話で、少女たち二人の会話に違和感を覚えました。女子高生の会話のリアリティを感じませんでした。なんだか無理矢理とってつけたような不自然な感じがしたのです。特に、千広のセリフがなんだか不自然で、空々しいほどのはしゃぎ方だな、と嫌悪感すらしたのですが。
それは、茅子の気持ちを分かった上で、なおかつ大介と茅子の雰囲気を察していた千広いう女の子の伏線だったのかなぁ、なんて読了してから考えました。


  • 投稿者: 青瓢箪
  • 2016年 04月22日 02時21分
 感想ありがとうございます。
 カメノテ風にぞわっと机から湧いてくるシーンは色んな方に好評で、脳裏に浮かべていただく画としていい描写ができたと、我が事ながらほくそ笑む次第です。
 また俺も異常に痩せこけた人には恐怖心を抱く質です。
 死体を恐るのはそれが危険が近くにある事を知らせるシグナルだからであり、当然の生存本能であると耳にした事があります。やはりひどすぎる痩躯は、死に近いものという連想が湧ものなのかもしれません。

 序盤の会話について。 
 お読み取りくださった通り、ここでの千広は破綻しつつある自分の嘘とキャラクターを必死に取り繕っている状態です。無理にはしゃいで引っ張り回す友人を演じているところがあります。
 でも女子高生なんて華やかなものとは縁遠い人間の書いたシーンでありますから、そうした意図とは関わりなく、素でリアリティの足りないところがあるかもしれません。
 女子高生の、女の子の会話……うーむ、むつかしい……。
[良い点]
気持ち悪さを視覚に訴えかける表現がみごとです。
私はびっしり集まったものと、ブツブツと、貝などの磯の生き物が苦手なので、カメノテのように現れる手の指を想像し、体中に鳥肌が立ちました。蕁麻疹がでなくてよかった(笑)
[一言]
誰もが知っているアイテムが、ここまで恐ろしいものになるとは……。思わず家の中の机を確認してしまいました(笑)
ちょっぴりあいたドアやタンスの隙間が、ますます苦手になりそうです。
ちなみに主人公、学校に行けなくなるだけでなく、今後一般的な会社や病院とかにも行けないですよね。(大体病院の診察室にはお医者さん用のデスクがある)死んではいないけど、社会的に抹殺されてる……。恐ろしい。
 感想ありがとうございます。
 あのシーンの指たちは、まさにカメノテ的な群体めいた何かへの恐怖感をイメージしたものであったりいたします。
 それの立てる音ともどもに、見た瞬間、聞いた瞬間に異常と悟れる何か。意味がわからないまま、でも鳥肌が立つような何か。
 そうしたものを描きたかったので、描写が功を奏したようで何よりでございます。

 身近な日常の死角というのはままあるものですから、仰る通り主人公は以後、あらゆる中空に怯えて社会に適合できずに生きる事になるのかもしれません。
 逆に何もかも諦めて、「友人に再会できるのなら」と自らそれに身を晒してしまうのかもしれません。
 主題からは外れるので細かく決めも語りもしませんでしたけれど、こうした描写の先の未来を想像していただけるのは、物語として幸福な事でありましょう。
 頂戴した感想へのものと併せまして、改めて御礼述べたく思います。
[良い点]
こ、怖い……(震え声)

[一言]
身近にある隙間や空間って何かが潜んでるような、覗きこまれてるようなそんな気がして怖いですよね。押入れの閉め方が甘くてできたちょっとした隙間やタンスと壁の間などではなく、『学校の机』というところがまた……目線的にあまり意識しないですからね……。

(´;ω;`)高校卒業したあとに読んで良かったです。

 感想ありがとうございます。やはりホラーでありますから、「怖い」と仰っていただけるのを一等の褒め言葉に感じます。
 お言葉に上がった、押入れの戸やタンスと壁の隙間。
 これらが気にかかり、これらに不安を覚えるのは、そこに空間が確かにあるのが主張されて、この身近な死角に何か巣食っているような気分になるからではないかと思ったりします。
 そういう感覚を本作では机の中に持ってきたわけですが、身近な死角という意味でも、誰もが体を晒しただろう共通体験的な意味でも、上手く活かせたようで大変に嬉しい心地です。
[良い点]
とにかく怖かったです。
タイトルからして嫌な予感しかしませんでした。
来るぞ……来るぞ……やっぱり来た!というホラー映画のような恐怖の煽りが素晴らしかったです。
古来から異界への入り口は穴であるとされていますが、机の中というのはその辺りからきている設定なのでしょうか。指が効果的に現れて、かりかりと音が聞こえてきそうです。
救いのないラストもまたいい余韻を残されていて、語り継がれる学校の怪談に相応しいと思いました。
[一言]
こんなに怖いのなら夜に読むんじゃなかったと後悔しています……。
 感想ありがとうございます。
「こんなに怖いのなら夜に読むんじゃなかった」はホラー小説に対する至高の褒め言葉のひとつであると思います。タイトルや煽り具合、何より結び具合を評価していただけましたのと併せて、重ねてながら御礼申し述べたく。大変に嬉しい心地です。
 ただ恥ずかしながら、実は机と穴の関連性はどこまで考えてのものではなかったりいたします。身近な死角、中に何が入っているかわからない。そんなイメージでの運用でした。
 もっと通路や出入り口といった感覚を前面に押し出せば、指の神出鬼没ぶりやその奥にいるものの怖さなどをもっと出せたなと、ご指摘を受けて改めて気づいた次第。反省は次作以降に活かしたいと思います。
[気になる点]
こわ…かった…よぅ……(涙
[一言]
いやはや、すごい。鵜狩さまは「脳裏に残る」場面を創ることに関してはマスター級ではないかと疑います。言葉選びも多彩、恐怖の夕日を印象付けて次の日に回す手口、机が跳ねる瞬間の吃驚。闇から話しかけるおぞましい口調。ちょっと、私もホラー書いてみたいなぁって感化されるくらいイキイキとした文章、しかし存分に怖い。

寝室なら机が無いから安心だよね! と一瞬思った私に襲い掛かる学習机。そういえば、そんなものがあった…! とりあえず今のアパートの自室には下に何もない机しかなくてよかったです。

でもこれって、居座られたら最後、中の文房具とかもごっそり喰われてしまうんでしょうか? 教科書やノートが全部なくなったら困ります(まあ、命の危険の方が重大ですけど)。気になるところですね。

実に読み応えのあるホラー、ありがとうございました。
  • 投稿者: 甲姫
  • 2015年 08月14日 23時38分
 感想ありがとうございます。
 どうしようもなく孤独で残酷に突き放されて、けれど優しく美しい『Crystal Abyss』のような描写をされる甲姫さんに、「脳裏に残る」と仰っていただけたのは喜び以外の何者でもありません。
 また、夕日を重ねてるのに気づいていただけたのも嬉しいところでした。噂話の段階から「放課後」と指定しているように、「夕暮れ時は逢魔が時、それが出てくるタイミング」という脳内設定だったのです。
 そして身近にあるものを題材としたホラーでありますから、自室を確認してくださったとのくだりで、ついにやついてしまう俺なのでありました。

 机の中のもの。
 それが出現する時だけ中のものが消えて、指っぽい何かでみっしり満たされる、というイメージです。消えた後は何もかも全部元通り。
 決まった場所に営巣しているのではなく、いつどこに出てくるかわからない。そんな机限定ながらも神出鬼没な方が、一層嫌悪感と恐怖感があるかと思うのです。
[一言]
 拝読致しました。

 暗闇からなにかが這い出てくるというのは人間的には鳥肌ものの恐怖ですが、それが学校の机ともなれば生徒たちは授業どころではないでしょう。

 見事なテンポといつもながらの文章力で、今年も楽しませていただきました。しかも結構な短期間で仕上げたそうで、もう脱帽の他ありません。
 前書きの文章は千広の言葉なんですね。なんだか切ないですが、最後に許さないからと言われてしまえば、確かにもう学校に行く気はしませんし、二度と隙間のある机は使えそうにないです。
 例えば、嫉妬心なんかの面倒くさい感情を「ちょっとだけ」あげるとどうなるのだろうと考えましたが、結局、なにをちょっとだけあげても自分の全部を持っていかれてしまうのでしょうね。この理不尽さはまた怖いです。代わりになにかくれればいいのに。

 それにしても面白かったです。学校縛りということで、学校のどこで怖いことが起きるのかというのも今年のテーマの楽しみの一つですが、まさか普通教室で起きるとは予想外でした。机の中からという発想も面白かったです。
 感想ありがとうございます。
 前書きは、お気づきくださった通り、千広の言葉です。
 文中には盛り込み切れなかったのですが、彼女は友達である茅子の事がとても好きで、同時に大浦にも恋心を抱いていて、その二人が接近してしまった時に、つい嘘をついてしまったという設定です。
 だから「例えば気になる体重を。諦めきれない片思いを。大切な友達への嫉妬心を」なんて言っているわけですな。どれもちょっとだけなくなって正直になれれば、それで謝って仲直りできるかな、と思っていたのです。1の別れ際の「効果があったらカヤにも教えたげる!」というのはそういう事でした。
 でも相手は人ではなくて、「消しゴム貸して」「オッケー、じゃあ100万円ね」が成り立ってしまうような、情状酌量も誠意も常識も通じない存在で、尚且つ「ちょっとだけ」のつもりで渡したのは千広の大部分を占めている大切な感情で、それでごっそり空っぽになってしまったところに、みたいな流れでした。
 ご考察くださった「面倒くさいものをちょっとだけ」の場合も、そこをとば口に机に座るたびに削られていってといった具合になります。
 そしてそうなったのに学校で逃がしてくれたのも、家まで来るくらい執着してるのも、前書きの感情がまだあるからなのです。
 でも被害を被った茅子としてはそんな事情は知り得ませんし、そりゃもう学校へ行くのも机に向かうのも無理な心地でしょう。

 今回の夏ホラーはテーマが「学校」と定められていたので、身近なところ、誰もがすぐに想像できるところに不条理の住処を用意してみました。
 そうした発想と、そしてテンポと文章を良く評していただけて、ついにやついてしまう次第であります。 
[一言]
ご無沙汰です、鵜狩さん。

学生の日常に当たり前のように存在する「机」というものが、怪奇なものへの入口へと転ずる様が、違和感なく書かれています。この違和感のなさが「誰でも起こりうる恐怖体験」へとつながって、おぞましさを増長していると思います。ホラー作品の場合、いつもの日常が非日常へと変わるとき、他人事でない身近な恐怖を感じて戦慄すると思うので、主人公が二度といつもの日常に戻れないラストには鳥肌が立ちました。気づいてはいけないものに、気がついてしまったような。
ラストは心地よいものではなく、ちょっとあっさりしているかとも思えますが、「日常にひそむ恐怖」を表すには、いい終わり方だと感じました。
 どうも、お久しぶりです。『もういいよ』の感想欄でご挨拶申し上げる予定だったのですが、先を越されてしまいましたね。

 さて仰る通り今回は、誰もが座った経験のあるだろう机というものを、異常の窓口として取り上げてみました。
 普段はまるで意識していないけれど、一旦意識したら気になって忘れられなくなる。無防備に体を晒している机の中空がそうした対象になったらなとの仕業でしたので、それが誰の身にも起こりそうな怪異として感じていただけたなら嬉しいです。
 終わったかと思わせて「がたん」の流れに傾注していて、そういえばラストは確かにあっさりめかもしれません。
 でも私的には「ぽっきり心が折れてそれまでの日常すら失ってしまう」という形で落としたつもりであったので、そのように評していただけて何よりです。
 そして末尾になりましたが、感想、どうもありがとうございました。励みになります。
[一言]
 雰囲気たっぷりの、良質ホラーでした。地の文章も飛びぬけていて、素晴らしく、ただただ圧巻でした。得体の知れない何かが、這い寄ってくる感じが見事に表現されておりました。語りすぎず、少なすぎず。絶妙のさじ加減。
 うまく言葉にできずにもどかしいですが、よい作品をありがとうございました。
 感想ありがとうございます。
 過分なお褒めに与り恐縮です。文章は当然の事として、日常を侵食する非日常や作品全体の雰囲気は常々気遣うところでありますから、そこを挙げていただけたのを尚更に嬉しく思います。
 こちらこそ、素敵な感想を感謝いたします。
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