感想一覧

[良い点]
読了しました。
今更も今更ですが完結お疲れ様でした！
いや～面白かったですね～！！

前話のラストですが、各々思うところはあるはずですが、「おやすみ、また明日」くらいの和やかさで眠りにつけたのは本当に良かった！
どうにもならないことは本当にどうにもならない、ハードな世界観、残酷な宿命において、最大限の救いだと思いました。

人間のリアンが落胆を恐れて希望を諦めているのに対して、神のメティスが験を担ぐことまでして希望を求めている対比も良かったし、神様ってもうちょっとドライなイメージだったので、何この可愛いババア、みたいな。
リアンもそうだけど、努めて明るく振る舞う優しさもポイント高し。「出血大サービス」じゃねえよ！(笑)

でもって最終話。
リアンが願った通り生還できたとはいえ、全てが都合よく行かなかったのは、希望が叶ったと前向きに捉えるべきなんでしょうが、残った余生を儚むのか、価値を見出だすかの、人によって見かたが変わってくる、ちょっぴり切ないエンドも余韻があって良かったです。
芽が息吹いたのが本当にリアンの力だったのか名言されていない曖昧さも、ロマンがあって良し。
なんというか、ハードな世界観だからこそ全ては上手くいかなくとも、一縷の光が際立つといいますか。
前話で終わりでも良かったのですが、少なくともゼフィールとユリアにとっては希望があるハッピーエンドでしょうし、そのくらいのご褒美があってもバチは当たらない。ただしヨーナス、テメェは駄目だ！(笑)
[気になる点]
欲を言えばエミのその後を見たかったですね。
誕生のシーンは本当に感動しました。

あと、最低限の説明で進行していくのでテンポ感が良いし、上手い具合に隠すところは隠して驚きもあるですが、たまに場所の描写に説明不足があるように感じました。
例を挙げると、ブレーメンの継承の間周辺の作りが分かり辛かったです。
転移でいきなり訪れる場所なのも相まって、人物の動きや位置関係で地形を推察しなくてはいけないのですが、「上なのか下なのか、どっちなんだい？」みたいな(笑)
[一言]
水星の魔女は観てましたよ。
エラン４号のあのシーンはやばかったですね～！
「うおぉぉぉ！ データストームの向こうにおったんか、われ！？」みたいな(笑)

あとエラン５号が一生懸命ノレアを救おうとしたけど駄目だった回の、番組終わりのエンドカードで心を抉ってきたのが印象に残っています。
あれはまじで、「なんじゃい！！」でしたよ(笑)

[良い点]
意味のない話は書かないとは分かりつつ、分からなかった霧の塔のエピソードがここにきて活きてきましたか！

メティスがリアンに接触した理由。
ユリアが器だと分かった時に、リアンは双子の片割れだけど単純に選択基準を満たしていない、程度に考えていたのですが、何か関係があるのかも？

違うかもですが、いずれにせよ無駄な描写がなく、きちんと散りばめられたパズルのピースを嵌めてくるような構成は流石です！

[良い点]
ブレーメン編でもそうでしたが、過去の章で関わった人物が再登場する展開グッときます。
人と関わって成長していくロードノベルの醍醐味といいますか（最近知った言葉をさも知った風に使ってみる 笑）。

そしてエミに教えて貰った秘密の場所で絆を深めるとは、これまた幻想的！

そして茶化してはいけないシーンだと分かりつつも、ユリアにエミが懐いていたから辛うじてセーフだったかもしれないけど、そうじゃなかったら草葉の陰からエミに中指を立てられていたかもしれない――と言え、などとギャグ時空の邪神が私を脅迫してくるのでした(笑)

[良い点]
世界のシステムに殺されるようなものだから、何もかもに怯えるような錯乱かと思いきや、蛇ですか！(笑)
蛇嫌いがここまでのレベルとは、ニーズヘッグも苦労するわけですね。

あとリアンって、どんな危険な目に遭っても「あー、死ぬかと思った」とか言って生還するギフト持ちな気がしてきました(笑)

[良い点]
ユリアが自分の宿命を知って人並みに取り乱すのが良かったです。これが普通ですよね。
ゼフィールも言っているけど、ユリアは前向きだから、しっかり覚悟を決めてくる可能性もあるとはと思ってたのですが、これはこれで親近感が湧きます。
個人的にヒロインの強すぎも弱すぎもしない絶妙なバランスって大事だと思うんですよ。
そして比べてみると、出自の立場や環境の違いもあるんでしょうけど、夕立さんが仰るようにゼフィールは強いですよね。
正確には強さの種類が違うというか、ゼフィールの強さの根本は人への愛だと思うんですよ。
自分より人が傷付くのを嫌うタイプですし。

ちょっと脱線しちゃいますが、初期はゼフィールとユリアの関係って親愛の色が強くて、そのままシレジア行きで別行動になったじゃないですか。
でもって、お淑やかでいじらしいエレノーラが出てきてワンチャン行けるか？ と思ったわけなんですが、再会してからユリアがどんどんヒロイン扱いされていって「なんじゃい！！」となったわけです(笑)
いや、ユリア好きですよ？ エモいシーンも沢山ありましたし。

あと、章始めの挿絵を見て、またまた勘違い。
ゼフィールがこの世を去ったあとに残されたユリアと子供だと思って「挿絵でネタバレとはなんという暴挙！！」となっていたんですが、赤ん坊にエミの名付けをするシーンで、泣きそうで感想書けなかったという(笑)

一応確認したいんですが、挿絵は赤ん坊を抱くカーラですよね？

[一言]
器が誰なのかの気付きの話ですが、私はかなり的外れな角度からの気付きでした(笑)

タイミングとしては、ブレーメンの兵達が死んでいて、ユリアが呆然としているのが引きの回ですね。
その回では望郷の念や土地の変化というヒントがあって、魅力的なキャラ造形的にも、たしかに本命はカーラに思えるのですが、意味あり気な引きのおかげで、ユリアの意思とは関係なく器の力が暴走したように見えたんですよ。
そして続きを読んでみたら、全然違うじゃん！！ みたいな(笑)

いや、その回までは、ツェツィーリエに翻弄される三郎くんのごとく、ちゃんとストーリーに翻弄されていたんですよ（なにその喩え 笑）。
器の予想としては、カーラ、重力操作ができる幼女、蛇を従えていたツェツィーリエと、注意を散らされていたんです。
でも例の回で、なんてこった！ そういえばユリアも黒髪黒目で帰ってきたの最近じゃん！？ と。
なんというか、答えは合っているんだけど、式が間違っているようなアホな気付き(笑)

いいや、やはり夕立さん誘導が上手いせいですね！
おかげで、がっつり楽しめています。

あと、ゾフィの強者感分かります。
大魔王のメラは強い、みたいな(笑)

[良い点]
＞「あんたも厄介な奴に好かれたもんだねっ！」
「振り向いて欲しい奴は振り向いてくれないのにな！」
↑↑↑
戦闘中にこういう掛け合いが出てくるのは、お洒落ポイント高いです(笑)

それにしてもゾフィ、ちびっ子の見た目や優雅な立ち振舞いとは裏腹に、力こそパワーといった戦い方！
終始同じ術しか使っていないけど、それだけで事足りる圧倒的なパワー(笑)

[良い点]
八刀皿皿さんの感想はたしかにそうかもしれませんが、そこはゼフィールの美徳だとも思っています。

訝しみはするけど、他者に一線を越えた評価を下さない、或いは善意的に捉えたい――といった気風を感じます。
逃げてきた元娼婦にしては悲壮感がないツェツィーリエを妖艶なのは職業病と評したり、（個人的には裏のない天然お姉さんというキャラでも有りだったけど 笑）手癖の悪い男に対して慈悲深かったり、端々から人の良さが滲み出てますよね(笑)

危機管理能力や為政者としての観点からいったらダメかもしれませんが、もう長くは生きられない宿命ですし、せめて綺麗なものだけを見てその思い出を胸に逝っても、バチはあたらない、と思うくらいには好きな主人公です。

ただしヨーナス、てめぇはダメだ！(笑)
[一言]
私にこんな骨太で面白い作品が書けるわけがない(笑)

そしてツェツィーリエは三郎くんの天敵みたいなキャラですね(笑)

[良い点]
まさかのヒルトルート再登場！
アドベンチャーゲームで例えるなら、選択によってはヒルトルートルートでデッドエンドになりかねないシャレにならないイベントだったのに、何故か憎めない人物なんですよね(笑)

そして五王国会議の開催国について、ゼフィールに手を出そうとしたお馬鹿さんがいるからどうのと、気遣いをしてくれたわりに、ここにきてドッキリを仕掛けてくるとは、ゾフィ良い性格してますね(笑)
まぁ、刺客を差し向けてきた貴族と違って、ヒルトルートはクルトの魔法で浄化されてますからね。

[気になる点]
なんてこった！
聡明な読者はここに至る前にとっくに気付いているんでしょうか？
私はそこらへん鈍い方なので、素直に驚ける分、ある意味お得かも？
いや、まだどうなるか分かりませんけど(笑)
いずれにせよ、思考の誘導が上手いと思いました！ 素直にカーラの話だと思いきや、土地に変化が起きたのは、恐らくゼフィール達が訪れてからですもんね。

[良い点]
度々思っていたことですけど、旅と音楽って相性良いですよね。
以前の感想で言っていた、学生の頃好きだった作品も、主人公が吟遊詩人だったりします。

でもって、踊り子まで出てくるとはめっちゃ好きな雰囲気！ と思っていたら、なにやらあまり健全ではない舞いだったようで(笑)
邪教徒の集会的な？