イチオシレビュー一覧
▽レビューを書くこのファンタジーを読み、主人公、ルーギスに過度の感情移入ができた貴方は、私の気持ちがわかると思う。選ばれないものの哀しさ、届かない望みをもってしまった淋しさ。ルーギスの足掻きは、この作品を愛読する読者の思いを代弁している。挫折したことのある人間にとって、やり直せたらという思いは常につきまとう。小説とは、一度しかない人生への異議申し立ての思いから描かれると、作家、北村薫は述べている。本作は、北村薫が指摘する要素をまま体現する。
ルーギスの命をかけた、大バクチ、吉とでるか、凶とでるか。目が離せない、ワクワクドキドキの展開は、エンタメの王道ともいえる。
あざなえる愛憎の中に鍛造されるは、英雄か悪徳者か
- 投稿者: 右左 一奥@『エイリアン使い』連載中 [2018年 04月 09日 12時 04分]
愛する者を「勇者」に奪われ、一行の単なる荷物運びだった主人公は、不可知なる存在の誘いに乗って少年時代からやり直し始めます。知識と経験を駆使し、かつて友とも尊敬した勇者と、付き従う英雄たる資質を持つ乙女達の絆を奪っていきますが……。
投じられた波紋が、大陸の動乱の趨勢を全く異なる流れへと変えゆく中で。
乙女達は、自己否定の権化であるが故に誰よりも自己犠牲に走る主人公をこそ愛してしまい――なんとか止めようと、病み、それぞれのやり方で縛り付けようと試みる。あるいは彼女達は、勇者に仕える無垢なる奴隷として彼を足蹴にしていた方が、幸せだったのでしょうか。
自らの尊厳のために世界を巻き戻したことそれ自体が"悪徳"であるとて、嗚呼、巻き戻した罪を贖わんとする主人公は乱世の渦中、乙女達の泥濘の如き深く重い愛憎の狭間で"英雄"へと鍛造されていく――そんなお話です。
投じられた波紋が、大陸の動乱の趨勢を全く異なる流れへと変えゆく中で。
乙女達は、自己否定の権化であるが故に誰よりも自己犠牲に走る主人公をこそ愛してしまい――なんとか止めようと、病み、それぞれのやり方で縛り付けようと試みる。あるいは彼女達は、勇者に仕える無垢なる奴隷として彼を足蹴にしていた方が、幸せだったのでしょうか。
自らの尊厳のために世界を巻き戻したことそれ自体が"悪徳"であるとて、嗚呼、巻き戻した罪を贖わんとする主人公は乱世の渦中、乙女達の泥濘の如き深く重い愛憎の狭間で"英雄"へと鍛造されていく――そんなお話です。
この小説を紹介する上で始めに伝えるべき事は作者の独特な書き方です。
物語は王道の成り上がり物ですが主人公の執念とも言えるコンプレックス、これが他の小説とを分ける一つの要因です。
この小説を読んで他のなろう小説と違う独特な所はどこかと聞かれた場合なろう歴の浅い私でも答えられることですと主人公ルーギスの口調と比喩表現が挙げられます。
口調について一言で表すならばよく物語に出てくる小悪党。いつでも余裕ぶり、変わった例えを使わなければ喋れないのかと言ってやりたいぐらいに何か他のものを入り混ぜながら喋ります。それはどこか厨二心をくすぐりある意味文章に溶け込みやすいです。
比喩に関しては先程も少し触れましたが基本的にルーギスが用います。この比喩は独特でルーギスのコンプレックスと絡み合い、何話かはその独特な表現による心情描写のみで終わることもありますので読み応えのある小説がお好きな方にはオススメです。
物語は王道の成り上がり物ですが主人公の執念とも言えるコンプレックス、これが他の小説とを分ける一つの要因です。
この小説を読んで他のなろう小説と違う独特な所はどこかと聞かれた場合なろう歴の浅い私でも答えられることですと主人公ルーギスの口調と比喩表現が挙げられます。
口調について一言で表すならばよく物語に出てくる小悪党。いつでも余裕ぶり、変わった例えを使わなければ喋れないのかと言ってやりたいぐらいに何か他のものを入り混ぜながら喋ります。それはどこか厨二心をくすぐりある意味文章に溶け込みやすいです。
比喩に関しては先程も少し触れましたが基本的にルーギスが用います。この比喩は独特でルーギスのコンプレックスと絡み合い、何話かはその独特な表現による心情描写のみで終わることもありますので読み応えのある小説がお好きな方にはオススメです。
ルーギス(主人公)は幼馴染のアリュエノ(ヒロイン)を英雄ヘルトに持って行かれ、所属する他の勇者パーティの面々からも酷い扱いを受けている。そこに運び人と名乗る者から、幼少時代に戻す機会を与えて貰う。
彼は今度こそアリュエノを手に入れるために人生をもう一度やり直す。しかし、二度目の記憶を持ったルーギスの一度目とは異なる選択が、若い英雄や聖女達の運命をあらぬ方向に捻じ曲げていく。ループ前の世界でクズだった勇者パーティ達は真の英雄の心を持つように変わっていく。正義について悩むことのなかった英雄ヘルトはルーギスの強さと正義についてを苦悩する。清楚な聖女だったアリュエノはルーギスを思って歪に闇を深くする。過去に死ぬはずだった邪教の聖女マティアはルーギスを支えるヒロインへと成長していく。
主人公の行動により周りが様々に変化する。そんな心の移り変わりが巧みに描かれています。
彼は今度こそアリュエノを手に入れるために人生をもう一度やり直す。しかし、二度目の記憶を持ったルーギスの一度目とは異なる選択が、若い英雄や聖女達の運命をあらぬ方向に捻じ曲げていく。ループ前の世界でクズだった勇者パーティ達は真の英雄の心を持つように変わっていく。正義について悩むことのなかった英雄ヘルトはルーギスの強さと正義についてを苦悩する。清楚な聖女だったアリュエノはルーギスを思って歪に闇を深くする。過去に死ぬはずだった邪教の聖女マティアはルーギスを支えるヒロインへと成長していく。
主人公の行動により周りが様々に変化する。そんな心の移り変わりが巧みに描かれています。
たまたま死んだだけで特別な力を得た主人公が無双し、普通に説教を繰り返す小説に飽き飽きした人はこの小説を読んだ方が良い。
ストーリー性や読ませ方の巧みさは言わずもがな。難しい単語が出て来くることもあるけど、使い方が上手。
主人公以外のキャラクターが抜群。いわゆる悪役のキャラクターの行動や心情についても、一般人が納得できるように表現されていて、悪役についても単純に「卑」で書いていないと感じられる。
ぜひとも、なろうの看板になって欲しいと思える小説。
ストーリー性や読ませ方の巧みさは言わずもがな。難しい単語が出て来くることもあるけど、使い方が上手。
主人公以外のキャラクターが抜群。いわゆる悪役のキャラクターの行動や心情についても、一般人が納得できるように表現されていて、悪役についても単純に「卑」で書いていないと感じられる。
ぜひとも、なろうの看板になって欲しいと思える小説。
茨の道を這いずりながら、ただ諦めず、未来である過去への払拭を求め、光へとその手を伸ばす。
そんな泥臭い一人の男を描いた熱い物語。
それが、この作品の本筋です。
そして、その本筋に花を添えるどころか、近距離40号玉の花火に近い爆弾を仕込んでくれるのが、この作品のヒロインズ。
手を変え、品を変え、素晴らしいヒロイン達が主人公にデレてくれます。
これが普通のヒロインなら、可愛い恋愛大戦で済むのですが……このヒロイン達は所謂、英雄や天才と呼ばれる類いでした。
英雄や天才は常人ではないからこそ、そう呼ばれるようになってしまう。
常人には無い、特別な力と精神力を持つからこその英雄なのだ。
そんな英雄や天才が、常人でも暴走しやすい恋愛に嵌まると、どうなるか?
うん、どっちもゾクゾクするほど良い感じ。
オススメの作品です!
そんな泥臭い一人の男を描いた熱い物語。
それが、この作品の本筋です。
そして、その本筋に花を添えるどころか、近距離40号玉の花火に近い爆弾を仕込んでくれるのが、この作品のヒロインズ。
手を変え、品を変え、素晴らしいヒロイン達が主人公にデレてくれます。
これが普通のヒロインなら、可愛い恋愛大戦で済むのですが……このヒロイン達は所謂、英雄や天才と呼ばれる類いでした。
英雄や天才は常人ではないからこそ、そう呼ばれるようになってしまう。
常人には無い、特別な力と精神力を持つからこその英雄なのだ。
そんな英雄や天才が、常人でも暴走しやすい恋愛に嵌まると、どうなるか?
うん、どっちもゾクゾクするほど良い感じ。
オススメの作品です!
ストーリーは他の方が巧みに紹介されているので此方はジャンルというか面白さに鼻が効く人に向けて紹介を。人を構成する物が血と肉と骨ならば、この物語を司どるは暗き情念と渇仰と裡なる想い。以久毫経ても満たされぬ物ならば己れの血と肉と情念を持って描く定め。届かぬ手を天へと伸ばしてみれば、女の嫉妬と愛憎の焔に絡め取られる。嗚呼心満たされぬ者こそ、天に向かって爪を立てるべし。青春とは餓えと渇きの季節の別の名ならば。大藪春彦の野獣死すべしを彷彿させる文体。好みは別れると思いますが、心の渇きを感じる方は是非御照覧あれ。読書のみが生き甲斐の老醜の、僅かに残った血潮さえも燃え立たせる此の物語は、目先の退屈を春先の氷の様に溶かしていくでしょう!
この小説がおかしい!!!
- 投稿者: 退会済み [2017年 12月 28日 22時 08分 (改)]
管理
救世者(勇者)一行に差別や雑用扱いされたモブキャラが外的要因からタイムリープさせられて、
若い頃に戻ってそこからやり直しをする話。
概要で「成る程、普通なものだね、なら安心して見れるね」だと思わせて、
蓋を開けて見たら「ふふ、掛かったな」と幻聴が聞こえそうだった。
一体どこから歯車が狂い出したのか、誰もわからない。
ただ、あのような考え方で最後にあのような結論を出せたヒロインたちがおかしくて、
貴方が段々読み込むうちに知らずにこういう一言を漏らすのでしょう、
「やべぇよ・・・やべぇよ・・・」って。
時に爆笑させられて、時にひやひやさせられて、時に考えさせられる、
そんな一品がここに。
若い頃に戻ってそこからやり直しをする話。
概要で「成る程、普通なものだね、なら安心して見れるね」だと思わせて、
蓋を開けて見たら「ふふ、掛かったな」と幻聴が聞こえそうだった。
一体どこから歯車が狂い出したのか、誰もわからない。
ただ、あのような考え方で最後にあのような結論を出せたヒロインたちがおかしくて、
貴方が段々読み込むうちに知らずにこういう一言を漏らすのでしょう、
「やべぇよ・・・やべぇよ・・・」って。
時に爆笑させられて、時にひやひやさせられて、時に考えさせられる、
そんな一品がここに。
イケメンハーレムパーティーの雑用として女性陣から見下され、鬱憤を抱えながらも行動を共にする主人公だが、あるとき過去へと戻ることになる。
幼馴染と共に過ごすため、未来の歴史を知っていることと経験のみを頼りに平凡なる主人公の物語が今始まる!!
あらすじはだいたいこんな感じです!
泥臭くも主人公がひたすら頑張るお話ですが、推したい部分はそこではない!
この作品、ヒロインたちのヤンデレ化がとても面白い 笑
特に最新話付近のヤンデレっぷりはゾクッとしますね 笑
ときどきヒロインの心情が語られるのですが、そこのぶっ飛んだ考えが癖になってしまう人が続出しているのは間違いないでしょう!
もちろん私もその一人です!
また、これだけの傑作なのに毎日更新を続けられているということが素晴らしい!
正直いつ書籍化してもおかしくないクオリティーなので今のうちに是非読んでおきましょう!
幼馴染と共に過ごすため、未来の歴史を知っていることと経験のみを頼りに平凡なる主人公の物語が今始まる!!
あらすじはだいたいこんな感じです!
泥臭くも主人公がひたすら頑張るお話ですが、推したい部分はそこではない!
この作品、ヒロインたちのヤンデレ化がとても面白い 笑
特に最新話付近のヤンデレっぷりはゾクッとしますね 笑
ときどきヒロインの心情が語られるのですが、そこのぶっ飛んだ考えが癖になってしまう人が続出しているのは間違いないでしょう!
もちろん私もその一人です!
また、これだけの傑作なのに毎日更新を続けられているということが素晴らしい!
正直いつ書籍化してもおかしくないクオリティーなので今のうちに是非読んでおきましょう!
完璧な人間などいない、前世の英雄譚みたいな世界は本当に実存していたのだろうか?
――普通の人間なら誰もが幼い頃から物語で英雄譚を知る。
そしてそれに憧れる、
そして大人になったらそれに呆れた感情を抱く。――
それは神による人間(形)芝居。輝かしい栄光ある物語。とある勇者と彼を慕う美姫達が世界を導く物語、の道半ばであった。
そんな世界にて主人公ルーギスは脇役であった。非才の身だと自覚し、それでも先をどんどん前へと進む英雄たちを追いかけて進んでいた。進んでしまっていた。
色々と劣等感溢れる諦めの中、そんな彼に何者かが誘いを「運んで」きた。
その誘いとは彼にこのままで良いのかと問いだした、
そして主人公は運ばされた今までと違った選択肢を選んだ。
これは前世に英雄譚を刻まれた、只の人間の物語…
――――――――――
この作品に一番の魅力は人間味溢れる感情的な登場人物達です。
感情の描写などは素晴らしく、
そしてそれで厚みのある個性的なキャラクター性を生み出します。
そしてそれに憧れる、
そして大人になったらそれに呆れた感情を抱く。――
それは神による人間(形)芝居。輝かしい栄光ある物語。とある勇者と彼を慕う美姫達が世界を導く物語、の道半ばであった。
そんな世界にて主人公ルーギスは脇役であった。非才の身だと自覚し、それでも先をどんどん前へと進む英雄たちを追いかけて進んでいた。進んでしまっていた。
色々と劣等感溢れる諦めの中、そんな彼に何者かが誘いを「運んで」きた。
その誘いとは彼にこのままで良いのかと問いだした、
そして主人公は運ばされた今までと違った選択肢を選んだ。
これは前世に英雄譚を刻まれた、只の人間の物語…
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この作品に一番の魅力は人間味溢れる感情的な登場人物達です。
感情の描写などは素晴らしく、
そしてそれで厚みのある個性的なキャラクター性を生み出します。
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